自然観察会はso-moネット

飯能、奥多摩、青梅、主催者の関係動物園などを中心に自然観察会を運営するso-mo ネットのバックヤードです。

ケヤキのコムサ

DSC_0093

















今夜は出巣時間を過ぎて20:30からの観察です。
まずは耳と目をフルに使って捜索開始!
と、ケヤキの向こうのカシで頼りないまだまだ下手っぴなムササビの歌が聞こえてきます。
「ジュ……ジュルル……」

DSC_0010


















そのまま待っていると、ケヤキに「…べちゃっっ」と着地、下手だな〜〜!!
まだ手足を上手く使えてないのか、お腹ごと全身で木に衝突している感じです。
この時間にここにいるということは、そんなに遠くへはまだ行けないのかもしれません。
今は色々なものを見て、たくさん遊んで、時には怖い思いもして、N寺の強い血を繋いでいってください。 近所にはアオバズクも引っ越してきたので、きっと良い先生になってくれることでしょう。

ただいまso-moでは、津久井で戴いたムササビの巣箱を元にオリジナルの巣箱作りを始めています、このコムサも使ってくれるかな〜、と思うと気合いが入ります!! 

6月のムササビ繁殖期

DSC_0102



















N寺では12月と6月の2回にムササビの繁殖期があります。
とは言っても、私自身はまだ6月は未体験だったので、この時期を楽しみにしていました。

5月半ばには駐車場付近でメスムサを見かけるようになっていたので、無事に2頭の子供を育てているケヤキはスルーして、スギ巣と駐車場を見張ってみました。

繁殖期によく見られるムササビ同士の追いかけっこを目撃したのは6月10日(7本スギ)、スギ巣の脇でムササビが1頭スタンバイしていたのが13日、そして14日は駐車場の端と端に1頭づついたのですが、なにも起こらず終いでした(画像はそのときのオス)。
もしかすると……雨の11日か12日に交尾したのでしょうか…。

6月の繁殖期は12月ほど賑やかではないらしく、おそらく数頭で行われているようです。
12月に見かけるオスのムササビたちはみんなフグリがパンパンなのに対して、画像を見ても分かるようにこのオスはいつものフグリです。

熊谷さんの話しでは、12月の交尾に失敗した個体、子供を育てきれなかったメス個体などの保険として、6月の繁殖期があるのではないか。けれども、子育てをしているのにもかかわらず交尾をしたメス個体も過去にいたとのこと。

んん〜……、これで強いオスと交尾できるのかしら…。
ムササビ界もいろいろフクザツです。




 

エコツアー「シシ森」観察会をしてきました!

写真

今日は午前中から「シシ森」観察会を開催してきました。

10:30からスタート、ガイダンスではなぜ動物たちは交通事故に遭うのか、遭わないためには何が出来るか、遭ってしまったらどう接すればいいか、などを福島鳥獣保護センターの取り組みなどを紹介しながらの熊谷さんの話し。
お天気にも恵まれたので、早々と11:40に現地へ出発して草地に座り、昼食タイム。
12:30、いよいよフィールドワークです!
シカが背中を掻いた木に残る毛、アライグマの足跡に石膏を流す(画像)、シカ舞台、リスの巣材、タヌキためフン、アナグマセット……などなど紹介しながらアナグマセットの崖を登っていくと見えて来たのは、あの造成地。参加者のみなさん、「なんだこれ!!」

私たちは、この造成地によってたくさんの野生動物たちの住処を奪いました。けれども動物たちは、狭いけれどなんとか自分たちで工夫して、ここで今まで通りの暮らしを続けています。
山を伐ってしまったことはもう取り返せません、それならばこれからどうしていくことが動物たちと私たちにとってベストなのか?
それを見つけるために、今私に出来ることはフィールドワークを続けていくことだと思いました。

「シカが増えているのはオオカミがいなくなったからだ…」
ではなぜオオカミは絶滅してしまったのか、本当はどうしてシカが増えているのか、そこを無視したままでは、また同じ時代の繰り返しになってしまいます。

参加者のみなさま、お疲れさまです、ありがとうございました。

 

飼育動物のプロ、野生動物のプロとフィールドワーク

DSC_0107DSC_0118




















今回は、動物園の飼育のプロの方々と飯能でフィールドワークです!
まずはシシ森に棲む動物たちの環境を案内しました。見晴らしの良い(?)ベンチに座り、目の前の風景と背中の環境の温度差 をみなさんが感じていたようです。この方たちは、野生動物の棲む環境を見ながら自分たちの飼育動物、展示に活かそうとしているかな〜り頼もしい方々なので、余計な説明はいらないのです。

シシ森をあとに、美杉台アナグマセットへお邪魔(画像上)
ここは深い薮の中だったのですが、最近きれいに薮が取り払われてしまい、巣穴が無防備になってしまいました。 薮を好んで巣穴を掘るアナグマにとってはどうなのでしょう……、コーイチさんから何やら不安な目撃談も聞いたので、しばらくここは注意してみていこうと思います。

さて、おなじみN寺ではスギ巣の出巣が19:17。7本スギに現れた個体はまたもあのメス〜!!(画像下) 頭上を滑空、低いポイントへ来てくれ、みなさんに顔見せ(笑)
ムササビのべ4頭、アオバズク3カップルでした。どうやら、アオバズクはスギ、ケヤキ共にムササビの巣穴を狙っているようです……ん〜、生態改変者はツライ〜。

空きっ腹を満たしたあとは造成地でナイトサファリです。入り口からシカ2頭、1頭、タヌキ横切り、遠目にシカの群れ、というわけでまあまあ見れました、もう1種くらい見れれば満足なのですが…。

と、楽しい1日はあっという間でしたが、プロの方々とのフィールドワークは私自身がとてもいい勉強が出来ました、今度ズーラシアに行くのがとても楽しみです!ありがとうございました!!
また、違う季節にも是非飯能へお越しくださいませ!!!

 

下見のつもりが、贅沢に!!

DSC_0127DSC_0118



















今週は、動物園関係者向けの観察会とエコツアーを控えているので、飯能のポイントを回ってきました。

N寺のスギ巣は顔も出さないので諦めたものの、19:07にスギ向かいからスギ裏方面へ滑空個体。
19:26 7本スギからムク隣りのモミに滑空した個体は久々に会えたメスムサでした!(画像上)
きっと巣穴にはコムサが留守番しているのかな。6月になれば、親子で移動する姿が見れるかもしれません 、元気な子が育ちますように!!

ムササビを追う間、アオバズクが何度も登場!(画像下)同じ枝に止まって相方に餌をプレゼントしたり、あっちとこっちで鳴き交わしたり、まるで付き合い初めの高校生みたいに楽しそう!(に見えただけ)
もしかして、この境内に巣を構えたのかしら?元気な子が育ちますように!!

造成地へ向かうと、入り口ですっかり夏毛に生え変わりしっぽりとしたタヌキが1頭。シカの群れがよく見られるポイントで、綺麗な鹿の子模様に生え変わったシカ1頭。やっぱりシカに会うにはちょっと時間が早いかも…?

というわけで、今日もみんなどっこい元気でした!!

 

事故はほんとうに多いのだけれど・・・

DSC_0099DSC_0110




















シカの死体を片付けてから7日が経ちました。
様子を見に行こうと峠を歩いていたのですが、私の目の前でタヌキが車に轢かれてしまいました。
昼間の15:30でしたが、疥癬に罹ってしまったタヌキは痒さのせいなのか日中でも出歩いてしまいます。画像上は綺麗な背中面ですが、尻尾は先程まで齧っていたのでしょう、血がにじんでいました。
10分ほどは息をしていましたがやがて痙攣し、大きく息をすって動かなくなりました。 
そこへ映像担当の池田さんが通りかかったので、奥の草地に移し合掌。 

シカ現場へ向かい……びっくり!
頭を残してすっかり骨と皮…。周りは動物たちに踏み均され踊り場のよう、左奥へつづくケモノ道も出来上がっていました(画像下)
これには2人で大笑いでした、自然の力強さを現場で見れた!まるで宴会!この爽快な気分!!

山を1つの「個」と考えたとき、そこに暮らす虫、植物、鳥、動物たちもみんな山の「細胞」です。
タヌキたちの間に疥癬が流行ることもあれば、シカがやたらと増えるときもある、植物がたくさん実を付ける年もあるだろうし、鳥が少ないときもある。
これは私たち人間が風邪をひいたり、切り傷をつくったりするのと一緒で「想定内」なのではないだろうかと思うのです。 

以前カラスの死体で観察してみたのですが、草地に死体を置き、それが土に還るころ、そこから一斉に元気な草が我先にと生えてきたのです。
土が元気になれば植物も元気になり、草を食べる生き物たちはどんどん働き、肉を食べる生き物もせっせと繁栄しないと草食組に負けていられません。
そして、死んだ時はまた土を元気にするのですね。 

ちょっとしたいたずらを思いついた!
タヌキが土に還るころ、そこにタヌキのためフンから拾った実の種を・・・・ (笑)

こんな現在進行形のかれらの暮らしに興味のあるかたは、「シシ森」観察会へおいでませ! 

タヌキの交通事故

DSC_0101



今朝「タヌキの死体があるよ」との連絡をもらい、早速現地に行ってきました。

ここには山を背にした集落があり、この道路を渡ると小さな橋が1カ所あります。この橋の先には広大な畑が広がり、そこを抜けて向かいの山へ行くことができます。
この橋を迂回するとなると、うんと遠回りをしなければいけません。 
私が飯能で初めてキツネを見たのも、雪の深夜にこの橋を渡っていく姿でした。 尻尾の美しさにうっとりしたのを覚えています。
今朝のタヌキもこの橋に向かう手前で死んでいました。

タヌキをじっくり見ていると、農作業をしていたおじさんが橋を渡ってやってきました。「もう連絡してあんから大丈夫だぁ、そんなに触っちゃ病気移んからやめなぁ」 
・・・連絡しちゃいましたか・・・。

これは私の思う野生動物たちへのほんの気持ちなのですが、 動物の死体を見つけたときは山へ、土のうえに置いてやりたいと思っています。「食べる」「食べられる」という法則のなかで生きているかれらですから、あとは自然がそれに従って次の生命につなげていくことと思うのです。
4日前の土曜にもこのようにして片付けたシカの死体があったのですが、今朝はお腹の中が半分まで他の動物に食べられていました。 狩りが不得意な動物などは、これが貴重なたんぱく質になるかもしれません。
これが正しいことなのかは、それぞれの判断で良いと思います。けれども、野生界には死体を「専門職」とする 生き物も存在しているということ、他の命に繋がることができて初めて死んだ(生まれた)意味があるのだと思うのです、それが私が死体を運ぶ理由です。

やってきた市職員が現場の写真を撮っていたので、事故の対策を検討したりするのかしら!と思い質問してみたところ「そんなことしたってどーにもなんないよ、書類書かなきゃなんないから撮ってるだけ」・・・分かりました。
タヌキはビニール袋に入れられ、荷台に放り込まれて行ってしまいました。

さよなら、タヌキ。

 

5月25日(土) 「野山を歩いて〜 動物の痕跡をさがそう」

Attach3


















お待たせいたしました!初夏のシシ森へご案内します!!


5月 25日   10:30〜15:00

集合場所  飯能市市民会館103会議室

大人 ¥2,000 小人 ¥1,000 (小学3年生以上対象)

持ち物  弁当、雨具、飲み物、筆記用具、長靴があると便利です。 

雨天の場合でも、森の中を歩くためあまり気になりませんので決行いたします。
ドロ場、足場の悪い箇所がございます、長靴、手袋などがあると便利です。

お申し込みはメールでどうぞ!



画像のフィールドサインはいくつ分かりましたか?
こちらの観察会では室内でのガイダンスの後、みなさんとシシ森を1時間半〜2時間程度歩き、見つけたフィールドサインを講師が分かりやすく解説します。
もちろん持って帰って復習もできる資料付き!これに参加すればどこの森へ行ってもどんな動物が棲息しているかが分かるようになりますよ!あなたの近くにはどんな動物が棲んでいるかな?!

前回のシシ森観察会の様子が飯能市エコツーリズム推進室のHPで掲載されています。http://hanno-eco.com/site0003/ecotour_no_goannai/koremade_no_ecotour/tr121013shishimori.html




画像左上から、キツネ巣穴入り口、アナグマセット、シカぬた場
画像左下から、タヌキためフン、シカ足跡、イノシシ擦り痕 

4月13日ムササビ観察会をしました!

写真





















みなさま、ご参加ありがとうございました、お疲れさまでした!
ガイダンスやフィールドワークを楽しんでいる参加者のみなさんの意識の高さには、本当に嬉しい思いでした。感謝!!

今回は時間の変更などもあり(ご迷惑をお掛けしました)バタバタするかな?と思われましたが、15:30から始まり、自己紹介、ガイダンスもスムーズに進み、この時点でみなさんニコニコ顔!!
そして17:30からフィールドワーク、サクラ祭りが開催されている公園のゴミ集積所で立ち止まり、道路を渡ってやってくるタヌキの話し。タヌキたちはカエルがたくさん鳴いている池を素通りに道路を渡ってまでここに吸い寄せられて来ます。理由は簡単に餌がとれる…というか置いてあるから。
もし野生動物の事故現場に遭遇した時は、周りの環境を見ることで簡単に理由が分かることがあります。その動物が出てきた場所、行こうとしていた方向、その先になにがあったのか、なぜここを通らなければならなかったのか。私たちがもう一段階視野を広げて周りを見ることが出来れば、簡単に動物たちの事故は減らすことが出来そうです。

さて、N寺へ到着。ケヤキ巣でフンを探し、サクラポイントで食痕を探し、天覧山のトイレ広場まで登って目線にある樹洞の前で樹洞ができるまでの面白いお話。(画像は参加者のお父さんが子供に樹洞を見せているところ、いい絵でしょ!)たかが樹洞1つでも出来上がるまでにはたくさんの生き物たちが関わり、さらに何度もの偶然が重なってやっと生き物が住める物件になるのですね!
と、そろそろムササビが顔を出す時間。18:41、約束通りに出て来てくれました!参加者の頭上、脇を3度滑空!!ありがとうムササビ!!(そこまで見せてくれるなんて!!)
これがそのときの映像!!(リーダーが必要な時だけ赤色ライトを使っています)
私は別の場所から出るムササビを張っていたので、遠くから聞こえるみなさんの歓声、それを知ってか知らずかそれに応えるように啼くムササビ、ふふ、面白かった〜!


これからも、雨の日や風の日、「今日ムササビどうしてるかな?」と参加者に思い出してもらえるような観察会を続けていけるよう私も精進していきたいと思います、みなさんありがとうございました!!



次回の観察会は、5月25日 あの「シシ森」でフィールドワークをします!!

「シシ森」では、数多くの動物の痕跡、シカ舞台、ぬた場、アナグマの巣穴(セット)などなど現在進行形の動物たちの暮らしを見つけることができます。ケモノ道を歩きながらかれらを想像して一緒にワクワクしましょう〜!!
詳細が決まり次第、近々にお知らせいたします!!


飯能に棲む野生動物たち

写真





















犬の散歩中に名栗川の対岸にいたカモシカです。
犬が吠えてもカモシカは知らんぷり。道を歩く人もカモシカには気付かない。

私は飯能に棲んでいる野生動物たちが好きです。ツキノワグマは見たことがないけれど、足尾まで見に行くより飯能で見たい。川越でアザラシを見るより裏庭でタヌキに出会うほうが何百倍もワクワクします。

so-moの観察会には全国から参加者が来てくれます、その方達がそれぞれの地元の動物にフィードバックしてくれたらそれはそれはとても嬉しいことです。
けれども、私が飯能の動物たちのことを一番知ってほしいのは飯能に住んでいる方達です。
熊谷さんは里山動物たちのことを「血の通った隣人」と呼びます。
この隣人たちがこれからもこのままここで暮らして行くには、地元に住む私たちがまず、かれらがこんなに近くで安らかに暮らしているかを知ることが出来れば、あんな馬鹿げた大型造成地を作ることはもうなくなるのかもしれません。



4月13日の「ムササビ観察会」は募集を締め切らせていただきました。

次回の観察会は
「冬の星座とカノープスを観察しよう!」     2月22日(土) 美杉台公民館       大人 ¥1,500 小学生 ¥1,000          ゲスト講師 雙木 潤(アマチュア天文写真家)                         「天覧山で学ぼう〜冬を越した生きものたちの暮らしと知恵〜」                 3月8日(土) 飯能市立図書館        大人 ¥ 1,500  小学生 ¥1,000
so-moネットの理念
so-moネットの主催する観察会は、まず室内で、これから見る動物について勉強をする「ガイダンス」があります。 「え〜っ? 動物を見に来ただけなのに!? 勉強かぁ」と思うかもしれませんが、これは、実際にフィールドで動物を観察することは、あくまでも教材という考えからで、観察している動物が、ただ 「かわいい」とか「すごい」というだけではなく、何をたべているのか?どうやってみつければいいのかを事前に知ることになり、その動物がもっと身近に感じられるはずです。 人間だって、初めて会う人が、自分のことを知ろうとしてくれている方が心を開きたくなるでしょう? 多分、動物もそうだと思うのです。 so-moネットの考える観察会の最大の目的は、参加者が現地に来て環境を見たときに、「なるほど、野生動物がいそう」と感じてもらうことなのです。 そのため、もし観察会で野生動物に会えなかったとしても、「また参加しよう」という気持ちになってもらえるように、教材や資料を準備して「ガイダンス」を行っているのです。