自然観察会はso-moネット

飯能、奥多摩、青梅、主催者の関係動物園などを中心に自然観察会を運営するso-mo ネットのバックヤードです。

2013年04月

事故はほんとうに多いのだけれど・・・

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シカの死体を片付けてから7日が経ちました。
様子を見に行こうと峠を歩いていたのですが、私の目の前でタヌキが車に轢かれてしまいました。
昼間の15:30でしたが、疥癬に罹ってしまったタヌキは痒さのせいなのか日中でも出歩いてしまいます。画像上は綺麗な背中面ですが、尻尾は先程まで齧っていたのでしょう、血がにじんでいました。
10分ほどは息をしていましたがやがて痙攣し、大きく息をすって動かなくなりました。 
そこへ映像担当の池田さんが通りかかったので、奥の草地に移し合掌。 

シカ現場へ向かい……びっくり!
頭を残してすっかり骨と皮…。周りは動物たちに踏み均され踊り場のよう、左奥へつづくケモノ道も出来上がっていました(画像下)
これには2人で大笑いでした、自然の力強さを現場で見れた!まるで宴会!この爽快な気分!!

山を1つの「個」と考えたとき、そこに暮らす虫、植物、鳥、動物たちもみんな山の「細胞」です。
タヌキたちの間に疥癬が流行ることもあれば、シカがやたらと増えるときもある、植物がたくさん実を付ける年もあるだろうし、鳥が少ないときもある。
これは私たち人間が風邪をひいたり、切り傷をつくったりするのと一緒で「想定内」なのではないだろうかと思うのです。 

以前カラスの死体で観察してみたのですが、草地に死体を置き、それが土に還るころ、そこから一斉に元気な草が我先にと生えてきたのです。
土が元気になれば植物も元気になり、草を食べる生き物たちはどんどん働き、肉を食べる生き物もせっせと繁栄しないと草食組に負けていられません。
そして、死んだ時はまた土を元気にするのですね。 

ちょっとしたいたずらを思いついた!
タヌキが土に還るころ、そこにタヌキのためフンから拾った実の種を・・・・ (笑)

こんな現在進行形のかれらの暮らしに興味のあるかたは、「シシ森」観察会へおいでませ! 

タヌキの交通事故

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今朝「タヌキの死体があるよ」との連絡をもらい、早速現地に行ってきました。

ここには山を背にした集落があり、この道路を渡ると小さな橋が1カ所あります。この橋の先には広大な畑が広がり、そこを抜けて向かいの山へ行くことができます。
この橋を迂回するとなると、うんと遠回りをしなければいけません。 
私が飯能で初めてキツネを見たのも、雪の深夜にこの橋を渡っていく姿でした。 尻尾の美しさにうっとりしたのを覚えています。
今朝のタヌキもこの橋に向かう手前で死んでいました。

タヌキをじっくり見ていると、農作業をしていたおじさんが橋を渡ってやってきました。「もう連絡してあんから大丈夫だぁ、そんなに触っちゃ病気移んからやめなぁ」 
・・・連絡しちゃいましたか・・・。

これは私の思う野生動物たちへのほんの気持ちなのですが、 動物の死体を見つけたときは山へ、土のうえに置いてやりたいと思っています。「食べる」「食べられる」という法則のなかで生きているかれらですから、あとは自然がそれに従って次の生命につなげていくことと思うのです。
4日前の土曜にもこのようにして片付けたシカの死体があったのですが、今朝はお腹の中が半分まで他の動物に食べられていました。 狩りが不得意な動物などは、これが貴重なたんぱく質になるかもしれません。
これが正しいことなのかは、それぞれの判断で良いと思います。けれども、野生界には死体を「専門職」とする 生き物も存在しているということ、他の命に繋がることができて初めて死んだ(生まれた)意味があるのだと思うのです、それが私が死体を運ぶ理由です。

やってきた市職員が現場の写真を撮っていたので、事故の対策を検討したりするのかしら!と思い質問してみたところ「そんなことしたってどーにもなんないよ、書類書かなきゃなんないから撮ってるだけ」・・・分かりました。
タヌキはビニール袋に入れられ、荷台に放り込まれて行ってしまいました。

さよなら、タヌキ。

 

5月25日(土) 「野山を歩いて〜 動物の痕跡をさがそう」

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お待たせいたしました!初夏のシシ森へご案内します!!


5月 25日   10:30〜15:00

集合場所  飯能市市民会館103会議室

大人 ¥2,000 小人 ¥1,000 (小学3年生以上対象)

持ち物  弁当、雨具、飲み物、筆記用具、長靴があると便利です。 

雨天の場合でも、森の中を歩くためあまり気になりませんので決行いたします。
ドロ場、足場の悪い箇所がございます、長靴、手袋などがあると便利です。

お申し込みはメールでどうぞ!



画像のフィールドサインはいくつ分かりましたか?
こちらの観察会では室内でのガイダンスの後、みなさんとシシ森を1時間半〜2時間程度歩き、見つけたフィールドサインを講師が分かりやすく解説します。
もちろん持って帰って復習もできる資料付き!これに参加すればどこの森へ行ってもどんな動物が棲息しているかが分かるようになりますよ!あなたの近くにはどんな動物が棲んでいるかな?!

前回のシシ森観察会の様子が飯能市エコツーリズム推進室のHPで掲載されています。http://hanno-eco.com/site0003/ecotour_no_goannai/koremade_no_ecotour/tr121013shishimori.html




画像左上から、キツネ巣穴入り口、アナグマセット、シカぬた場
画像左下から、タヌキためフン、シカ足跡、イノシシ擦り痕 

4月13日ムササビ観察会をしました!

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みなさま、ご参加ありがとうございました、お疲れさまでした!
ガイダンスやフィールドワークを楽しんでいる参加者のみなさんの意識の高さには、本当に嬉しい思いでした。感謝!!

今回は時間の変更などもあり(ご迷惑をお掛けしました)バタバタするかな?と思われましたが、15:30から始まり、自己紹介、ガイダンスもスムーズに進み、この時点でみなさんニコニコ顔!!
そして17:30からフィールドワーク、サクラ祭りが開催されている公園のゴミ集積所で立ち止まり、道路を渡ってやってくるタヌキの話し。タヌキたちはカエルがたくさん鳴いている池を素通りに道路を渡ってまでここに吸い寄せられて来ます。理由は簡単に餌がとれる…というか置いてあるから。
もし野生動物の事故現場に遭遇した時は、周りの環境を見ることで簡単に理由が分かることがあります。その動物が出てきた場所、行こうとしていた方向、その先になにがあったのか、なぜここを通らなければならなかったのか。私たちがもう一段階視野を広げて周りを見ることが出来れば、簡単に動物たちの事故は減らすことが出来そうです。

さて、N寺へ到着。ケヤキ巣でフンを探し、サクラポイントで食痕を探し、天覧山のトイレ広場まで登って目線にある樹洞の前で樹洞ができるまでの面白いお話。(画像は参加者のお父さんが子供に樹洞を見せているところ、いい絵でしょ!)たかが樹洞1つでも出来上がるまでにはたくさんの生き物たちが関わり、さらに何度もの偶然が重なってやっと生き物が住める物件になるのですね!
と、そろそろムササビが顔を出す時間。18:41、約束通りに出て来てくれました!参加者の頭上、脇を3度滑空!!ありがとうムササビ!!(そこまで見せてくれるなんて!!)
これがそのときの映像!!(リーダーが必要な時だけ赤色ライトを使っています)
私は別の場所から出るムササビを張っていたので、遠くから聞こえるみなさんの歓声、それを知ってか知らずかそれに応えるように啼くムササビ、ふふ、面白かった〜!


これからも、雨の日や風の日、「今日ムササビどうしてるかな?」と参加者に思い出してもらえるような観察会を続けていけるよう私も精進していきたいと思います、みなさんありがとうございました!!



次回の観察会は、5月25日 あの「シシ森」でフィールドワークをします!!

「シシ森」では、数多くの動物の痕跡、シカ舞台、ぬた場、アナグマの巣穴(セット)などなど現在進行形の動物たちの暮らしを見つけることができます。ケモノ道を歩きながらかれらを想像して一緒にワクワクしましょう〜!!
詳細が決まり次第、近々にお知らせいたします!!


飯能に棲む野生動物たち

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犬の散歩中に名栗川の対岸にいたカモシカです。
犬が吠えてもカモシカは知らんぷり。道を歩く人もカモシカには気付かない。

私は飯能に棲んでいる野生動物たちが好きです。ツキノワグマは見たことがないけれど、足尾まで見に行くより飯能で見たい。川越でアザラシを見るより裏庭でタヌキに出会うほうが何百倍もワクワクします。

so-moの観察会には全国から参加者が来てくれます、その方達がそれぞれの地元の動物にフィードバックしてくれたらそれはそれはとても嬉しいことです。
けれども、私が飯能の動物たちのことを一番知ってほしいのは飯能に住んでいる方達です。
熊谷さんは里山動物たちのことを「血の通った隣人」と呼びます。
この隣人たちがこれからもこのままここで暮らして行くには、地元に住む私たちがまず、かれらがこんなに近くで安らかに暮らしているかを知ることが出来れば、あんな馬鹿げた大型造成地を作ることはもうなくなるのかもしれません。



4月13日の「ムササビ観察会」は募集を締め切らせていただきました。

見慣れぬムササビと疥癬タヌキ

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さて、今夜もムササビに会いに行ってきました。
19:04 スギ巣からの出巣だったのですが、行動や滑空ルートまでいつもの動きとはどうも違うようです……、よそから来た個体??だといいですね、動物の血はどんどん巡り交うことでその地域の種は元気に発展して行くことでしょう。新顔の個体に会えるのはとても嬉しいことなのです。
それにしても、あのメスたちはどうしているだろう…。

今日はやけにタヌキに出会ったのでした。もしかして花見客がたくさん来ているからなのかな?
そのなかの1頭は疥癬を患っていました。「疥癬」を知らない人は少ないと思いますが、これはペットから発生した、いわば人間が野生に持ち込んだ病気です。
毛皮はかれらにとって「防寒着」です。真冬にこれだけ毛がなかったら死んでしまいます、 あまりの痒さで昼間でも道路に出てくることもあります。ほかにもロードキル、罠によって片手足を失った動物、それらによってせっかく生まれて来た子供達を育てきれずに全滅する家族もいることでしょう。
すべての原因は、すぐそばに暮らしているかれらに関心を失くしてしまった私たちの生活にあるのだとしたら???…などと思った夜なのでした。


4月13日の「ムササビ観察会」は空きが少しありますので、お早めにどうぞ〜! 
次回の観察会は
「冬の星座とカノープスを観察しよう!」     2月22日(土) 美杉台公民館       大人 ¥1,500 小学生 ¥1,000          ゲスト講師 雙木 潤(アマチュア天文写真家)                         「天覧山で学ぼう〜冬を越した生きものたちの暮らしと知恵〜」                 3月8日(土) 飯能市立図書館        大人 ¥ 1,500  小学生 ¥1,000
so-moネットの理念
so-moネットの主催する観察会は、まず室内で、これから見る動物について勉強をする「ガイダンス」があります。 「え〜っ? 動物を見に来ただけなのに!? 勉強かぁ」と思うかもしれませんが、これは、実際にフィールドで動物を観察することは、あくまでも教材という考えからで、観察している動物が、ただ 「かわいい」とか「すごい」というだけではなく、何をたべているのか?どうやってみつければいいのかを事前に知ることになり、その動物がもっと身近に感じられるはずです。 人間だって、初めて会う人が、自分のことを知ろうとしてくれている方が心を開きたくなるでしょう? 多分、動物もそうだと思うのです。 so-moネットの考える観察会の最大の目的は、参加者が現地に来て環境を見たときに、「なるほど、野生動物がいそう」と感じてもらうことなのです。 そのため、もし観察会で野生動物に会えなかったとしても、「また参加しよう」という気持ちになってもらえるように、教材や資料を準備して「ガイダンス」を行っているのです。