シカ、カモシカ

昨夜は雨の中、国立科学博物館の解説員の方々と飯能のフィールドを巡礼してきました。
この方たちは、これまでも季節ごとに何度も飯能に足を運び、集めたフィールドサインなどを教材として展示、野生動物について解説されています。
上野まで行って「これN寺で拾ったタヌキのフンよ〜!」なんて言われてしまうと、それはそれはもうすごく嬉しいものなのです!
この方たちは木曜に解説していらっしゃるので、科博に行く機会があったら是非、飯能の野生動物のことを聞いてみてくださいね!
メインはナイトサファリですが、飯能へ来たらまずはムササビにご挨拶。
7本杉から駐車場へ1頭が滑空(18:20〜:30の間)、すでに駐車場にいた個体と同じ幹でバッタリだったのですが、お互いスルー・・・?顔見知り?兄弟?
大量の中華を食べて(完食したの池田さんだけ!)、ナイトサファリへ出かけました。
いつもは1、2頭を見かけるだけの斜面で9頭の群れを観察できました。
そしていつものポイントを巡り、いかにもモテそうな立派な雄ジカにも会うことができました。
こうしてシカたちを見ながら自分の中の謎がどんどん膨らんできました。
もう少しこの謎をジュクジュク楽しんでみよう〜!
科博のみなさんありがとう!Hさん、本に感謝!!骨の勉強しますね〜!!

今夜はシカの初ラットコールが聞こえてきます。何度も何回も練習しています。
まだまだ下手〜な歌ですが、毎晩練習して、角にも磨きをかけて、可愛いお嫁さんをもらうため、ついこの前までは一緒に行動していた顔見知りの雄ジカたちは、今や憎き恋敵です。
先週から山にハンターが入り始めました。恋狂いの雄ジカたちは罠など目にも入らないかもしれません。
半年かけて立派に作り上げた角は、シカよけネットによく絡むことでしょう。
「ラットコール」は繁殖期に雄ジカが発する恋の歌声です。それはそれは大きい、森をも抜けて遠くまでよく通る声です。
今年はそれぞれの個体の声の違いに耳を澄ましてみようと思っています、どんな違いがあるんだろう!
キツネポイントでこの写真を撮った1時間後、大きい2頭の内のどちらかがこの前の道路で轢かれてしまったそうです。

今回も「シカ観察ツアー」の参加者のみなさん、個性的な方たちばかりで楽しかったです!
まずは明るいうちに現地でフィールドワーク、シカ、ノウサギ、タヌキ、キツネ、イノシシなどのフン、足跡、食痕などなどここで暮らしている野生動物たちの多数のフィールドサインを観察。
もう山ではなくなったこの場所に、これだけの動物の生活痕が残されていること、つくづく自然は私たち人間が保護してあげなければ失くなってしまうものでは決してないことが分かります。
いま生き物たちはこの造成地に、絆創膏を張ったり、栄養剤をあげたりして森に還す作業中なのですね。
室内へ戻り、1時間ほどのガイダンスが始まりました、シカをメインとした偶蹄目の話です。
子供たちもしっかり聞いてくれていたし、大人たちからも質問がたくさんあり、私にとっても本当に「勉強会」と言える場になり、みなさんには本当に感謝です!もっとみなさんの話も聞きたかった!
メインのナイトサファリに出かけ、まさかの!!!シカいない!!!!
相手が野生動物なのを重々に理解してくださっている参加者のみなさん、だからこそ観せてあげたい!!
みなさんにお付き合いいただき、ポイントをもう一週することに。やっといた〜・・・。
2ポイントで遠目にシカ2頭、ウサギポイントでノウサギ2頭を観察することができました。
参加者の方から「季節などの時期を考慮してはどうですか?」というアドバイスをいただいたのですが、この環境を感じていただければ分かるように、「今しか出来ない、いつまで出来るかわからない」観察会なのです。
10月26日にもこの「シカ観察ツアー」を行ないます、10月の半ばはちょうどシカたちの繁殖期が始まる時期です。立派な角になった雄シカに会えますように!!
今回に続いて参加を申し込んでくださった方、初めて参加される方々もお楽しみに!!

「シカ観察ツアー Enjoy!ナイトサファリ」
9月14日(土) 17:00〜21:00
※9月の部は締め切りとなりました、ありがとうございました。
10月26日(土) 15:30〜20:00
集合場所 美杉台公民館
大人 ¥1,500 小人 ¥500 ※小学4年生以上が対象です
こちらの観察会はまず、シカなどの野生動物が観察できるポイントを明るいうちにフィールドワークし、足跡やフンなどの見つけ方、見分け方をお教えします。
室内にて、シカを含む野生動物たちの生態、私たちと野生動物たちのあいだで起きている問題などを勉強した後、かれらが活動しているフィールドへと観察に出発します。
なぜ、今しか出来ないのか・・・動物たちの最後のメッセージを聴きにおいでください。
たくさんのご応募お待ちしています!!

生憎の空模様のなか、「シカ観察ナイトサファリ」をしました。
so-moの観察会は雨天でもよほどのことがなければ決行しています。今回の目的のシカ、ノウサギ、それから、レギュラー観察会のムササビなどの草食動物は、比較的雨のなかでも活動しているからです。
まずは明るい時間にポイントへ行き、足跡、フンなどのサインを探し、環境をみてもらいました。
前回の「シシ森」にも参加してくれたりんたろうくんは、旅行先でも自分でシカの食痕やらを見つけられるようになったそうで、 すごい〜!またひとり、小さなフィールドワーカーが誕生しました!
市民会館へ戻り、ガイダンスではシカの生態、なぜ害獣と呼ばれるようになったのか、なぜ増えていると言われているのか、などなど私たち人間社会とシカとの間に起きている問題をお勉強。
その間も雨はどんどん勢いを増し、上空を見ると雷がドッカンドッカン造成地に落ちていく………。
20:30を回り、ナイトサファリ中止と判断、室内で質疑応答していると、雨が止み雷が遠のいて行くでは!ツアー終了時刻21:15まであと20分、「……行こう!!」
急いで車に乗り込み造成地へ到着、3ポイントを巡り、シカ5頭を観察できました。
バタバタと慌ただしい移動と、急なコース変更などで、参加者のみなさんには大変ご迷惑をおかけしました。 修正すべき点と反省すべき点が多々見つかり、今後のツアーに活かして行きたいと思います。
今回、たくさんのお申し込みをお断りしてしまったこと、造成地は今しか出来ない、いつまで観察できるか分からない早急なフィールドということもあり、9月には、「ムササビ観察会」を予定していましたが、できれば「ナイトサファリ」に変更したいと思っているところですので、決定次第にお知らせいたします。
山が伐られ、これから人間の生活する空間に変わろうとして行くこの造成地で、野生動物たちがどのように生活しているか、これからどのように変動していくのか、これらをできるだけたくさんの方たちと見届けていければと思います。人数に限りはありますが、2度目、3度目の方でももちろん遠慮なくご参加ください。もし平日ご希望の方でも対応できますので、是非ご相談ください。
参加者のみなさま、ありがとうございました。

こちらのツアーは締め切りとさせていただきました。ありがとうございました。
7月27日(土)17:30〜21:15
集合場所:飯能市市民会館
大人:¥1,500 小学生以下:¥500
持ち物:飲み物、雨具、筆記用具、など
飯能では数多くのシカの痕跡を見つけることができます、これだけ見つかるということは当然私たちの暮らしにも接点が生じます。
農業、林業に携わるかたの声も聞こえてきます、ハンターが少なくなったとも言います。ロードキルも増えています。
ハンターがいないから、オオカミがいないからシカがこんなにも人里に現れるようになったのでしょうか?
それを知るには、まずフィールドワークをしてみませんか?
これはシカと車の事故の話し。
車にぶつかると、まずシカの細い足が折れます。シカは道路脇で立ち上がれないまま朝まで苦しんで死んでいきます。スピードを出した事故では、シカは体高があるため、ボンネットに乗ってきます。そのシカがオスジカだった場合、角がフロントを突き破ります。
夜だけではありません、猟期になると犬に追われたシカが突然道路に飛び出して来ることもしばし……。
私がフィールドワークができるようになって「よかった!」と思うのはここです。動物たちが道路を横断するポイントがはっきり見えてくるようになったので、写真も狙って撮れるようになりました(笑)
画像は運転席から撮ったもので、助手席の窓枠が映り込んでいます。


シカの死体を片付けてから7日が経ちました。
様子を見に行こうと峠を歩いていたのですが、私の目の前でタヌキが車に轢かれてしまいました。
昼間の15:30でしたが、疥癬に罹ってしまったタヌキは痒さのせいなのか日中でも出歩いてしまいます。画像上は綺麗な背中面ですが、尻尾は先程まで齧っていたのでしょう、血がにじんでいました。
10分ほどは息をしていましたがやがて痙攣し、大きく息をすって動かなくなりました。
そこへ映像担当の池田さんが通りかかったので、奥の草地に移し合掌。
シカ現場へ向かい……びっくり!
頭を残してすっかり骨と皮…。周りは動物たちに踏み均され踊り場のよう、左奥へつづくケモノ道も出来上がっていました(画像下)
これには2人で大笑いでした、自然の力強さを現場で見れた!まるで宴会!この爽快な気分!!
山を1つの「個」と考えたとき、そこに暮らす虫、植物、鳥、動物たちもみんな山の「細胞」です。
タヌキたちの間に疥癬が流行ることもあれば、シカがやたらと増えるときもある、植物がたくさん実を付ける年もあるだろうし、鳥が少ないときもある。
これは私たち人間が風邪をひいたり、切り傷をつくったりするのと一緒で「想定内」なのではないだろうかと思うのです。
以前カラスの死体で観察してみたのですが、草地に死体を置き、それが土に還るころ、そこから一斉に元気な草が我先にと生えてきたのです。
土が元気になれば植物も元気になり、草を食べる生き物たちはどんどん働き、肉を食べる生き物もせっせと繁栄しないと草食組に負けていられません。
そして、死んだ時はまた土を元気にするのですね。
ちょっとしたいたずらを思いついた!
タヌキが土に還るころ、そこにタヌキのためフンから拾った実の種を・・・・ (笑)
こんな現在進行形のかれらの暮らしに興味のあるかたは、「シシ森」観察会へおいでませ!

犬の散歩中に名栗川の対岸にいたカモシカです。
犬が吠えてもカモシカは知らんぷり。道を歩く人もカモシカには気付かない。
私は飯能に棲んでいる野生動物たちが好きです。ツキノワグマは見たことがないけれど、足尾まで見に行くより飯能で見たい。川越でアザラシを見るより裏庭でタヌキに出会うほうが何百倍もワクワクします。
so-moの観察会には全国から参加者が来てくれます、その方達がそれぞれの地元の動物にフィードバックしてくれたらそれはそれはとても嬉しいことです。
けれども、私が飯能の動物たちのことを一番知ってほしいのは飯能に住んでいる方達です。
熊谷さんは里山動物たちのことを「血の通った隣人」と呼びます。
この隣人たちがこれからもこのままここで暮らして行くには、地元に住む私たちがまず、かれらがこんなに近くで安らかに暮らしているかを知ることが出来れば、あんな馬鹿げた大型造成地を作ることはもうなくなるのかもしれません。
4月13日の「ムササビ観察会」は募集を締め切らせていただきました。
次回の観察会は
「冬の星座とカノープスを観察しよう!」 2月22日(土) 美杉台公民館 大人 ¥1,500 小学生 ¥1,000 ゲスト講師 雙木 潤(アマチュア天文写真家) 「天覧山で学ぼう〜冬を越した生きものたちの暮らしと知恵〜」 3月8日(土) 飯能市立図書館 大人 ¥ 1,500 小学生 ¥1,000
so-moネットの理念
so-moネットの主催する観察会は、まず室内で、これから見る動物について勉強をする「ガイダンス」があります。
「え〜っ? 動物を見に来ただけなのに!? 勉強かぁ」と思うかもしれませんが、これは、実際にフィールドで動物を観察することは、あくまでも教材という考えからで、観察している動物が、ただ
「かわいい」とか「すごい」というだけではなく、何をたべているのか?どうやってみつければいいのかを事前に知ることになり、その動物がもっと身近に感じられるはずです。
人間だって、初めて会う人が、自分のことを知ろうとしてくれている方が心を開きたくなるでしょう?
多分、動物もそうだと思うのです。
so-moネットの考える観察会の最大の目的は、参加者が現地に来て環境を見たときに、「なるほど、野生動物がいそう」と感じてもらうことなのです。
そのため、もし観察会で野生動物に会えなかったとしても、「また参加しよう」という気持ちになってもらえるように、教材や資料を準備して「ガイダンス」を行っているのです。
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