2016年10月29日

天皇賞

天皇賞とジャパンカップは、JRAGIの中でも別格で、超GIとでも呼ぶべきだろう。したがって、勝つのは本当に強い馬。

ただ、ジャパンカップと違って、メイショウビトリアの例を出すまでもなく、東京2000という問題のあるコースであり、枠順など紛れる要素もあることには注意が必要。

前哨戦の毎日王冠はGIIだが、実質GI級なのは、本ブログのエントリーでも述べたが、それゆえ、天皇賞では、そのまま予想すべきと考える。それで王冠、天皇賞ともとったカンパニーがもはや懐かしいが、今年はどうなるか。

それなら、アンビシャスとルージュバックでいいのであり、人気的にも手ごろで、戸崎だし、ギャンブルで食っていくならそれでいいのだろう。

しかし、本当に強い馬が勝つレースであるべき、という日本競馬のさらなる文化的な発展、世界最高の文化となるためには、明日はモーリスとエイシンヒカリとの一騎打ちを期待する。馬券を買うなら、両頭の単のどちらか。

私は、本命モーリス。対抗はなしで、単穴エイシンヒカリ。

素晴らしいレースを期待したい。

スワンSはフィエロだが、こちらは紛れのあるレースで、しかもマイルの強い馬よりは、1400専用、あるいは1200タイプが穴をあけるレース。したがって、見学としたい。  

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2016年10月25日

オリンピックにコスト削減の議論は無用だ

そもそも、オリンピックとは祭りである。

祭りを盛り上げるのに、コストなんて辛気臭いことを言うのは、粋ではない。

もともと、祭りは破綻するためにある。

祭りではしゃいで、そのあと、村が経済破綻して滅んでも、ええじゃないか、太く短く、楽しかったんだから、それでよい人生だった、というのが、祭りだ。

財政破たんしたくなければ、もともと祭りなどやらねばよく、地道に子供たちに教育投資をしておけばよかったのだ。

祭りの前に、後の祭りになる、という議論をしても、だれも聞かない。

それが祭りだ。  
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安倍政権と小池都知事の成功要因

共通項がある。

それは、政策の信念がないことだ。

成功を支持率の高さと定義するならば、小池都知事の大成功は、東京都や日本がどうなってもよい、という良い政策をすることへの無関心から来ている。

これは簡単な算数の問題で、日本のため、東京のため、何かを良くする、という目的が制約条件で入ってくれば、人気を最大化するという目的関数の邪魔になる。小池都知事は、オリンピックがどうなろうと、結果的な負担がどうなろうと、あるいは豊洲がどうなろうと、日本の魚市場が衰退しようと知ったことではない、自分のパフォーマンスができることを唯一最大の目的としているから強い。これは橋下政権と同じ構造である。二人とも、タレントだから、そこに共通点がある。

安倍政権は、徹底した支持率最大化政権であるが、しかし、こちらには、良心も信念もある。日本を良くしよう、日本のための政策をしようという意思がある。だから、外交政策においては、賛否両論、国防政策においては、非難が高まっても、やるべきと思っている政策を実現しようとしている。

ただ、問題は、経済に対する理解がまったくないため、リフレ政策によるコストや、金融緩和や財政拡張に関するコストがわかっていないだけなのだ。

だから、得意なあるいは信念のある外交・安保では批判を浴び、まったく関心も理解もない素人である経済政策については、無邪気に、きわもの政策をアドバイスされても、その問題に気付かず、実行してしまい、一時的に株価が上がって、無邪気で天真爛漫な赤ん坊のように喜んでいただけなのだ。

だから、任期はとことん延長した方がよい、という考え方もある。あと20年も政権を維持すれば、コストについても、実践的に学習することができるだろう。





  
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2016年10月22日

菊花賞

気力も余裕もない時に予想をするべきではないと思うが、予想を継続することだけを目的に、今回も予想をすることにする。

菊花賞が意味のないレースになって久しいが、それでも2頭の有力馬が、天皇賞でもなく凱旋門でもなくあるいはブリーダーズカップでもなく、ここに出てくるのは、弱い相手に勝って1億を得るおいしいレースだから、と言われかねない。欧州の三冠レースの伝統をきちんと守っている素晴らしい日本競馬、という位置づけではなくなっているだろう。

馬券を買う側にとっては、菊らしい穴馬を探すレースだが、メジロもいないし、やる気がでない。長距離専用血統の馬など世界どこにも存在せず、3着の穴をねらうだけのつまらないギャンブルだ。

カフジプリンスは人気になりすぎているし、それで、みなシュペルミエールを狙っているようだが、皆が狙うのでは面白くない。穴をねらうなら、ミッキーロケット、プロディガルサンがいいと思っていたが、前者は4番人気、後者は外枠となり、妙味がないか。それなら、レインボーライン。人間としては応援している福永とは馬券の相性が悪すぎるが、そういうことは一切考えずに、淡々と穴を狙ってみよう。

ただ、本命は面白くもおかしくもないが、サトノダイヤモンド。血統的にはディーマジェスティの方が好きだが、ダイヤモンドの方が強いと思う。マカヒキより上と思っている。1番人気でもこの馬が勝つレースを期待したい。ディーマジェスティとのマッチレースという、伝統のクラシックにふさわしいレースを久々に見たい。  
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富士S

直前だが 予想を。

毎日王冠が実質GIなら、こちらは実質GII。いいメンバーがそろった。
ヤングマンパワーは戸崎でこれを買うのが通だろうが、実力馬が勝つレースが望ましいと考えているので、願望予想で。

イスラボニータ、フルーキーの復活、そして三歳で天皇賞を勝つ可能性のあるロードクエスト。

震えるようなレースを期待したい。  
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2016年10月19日

今週のメディア 日経ヴェリタス

日本国債市場について コメント  
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2016年10月15日

秋華賞 府中牝馬S

人間界と違って、牝馬の世界は素晴らしい。

私の大好きで、かつては予想も得意なレースだったが、近年はむつかしく、とりわけ今年の秋華賞は、面白くもなく、かつ難しい、王道予想をしにくいレースだ。ギャンブルで穴狙いをするべきなのだろうが、その観点でも魅力のある馬がいなく、明日の上海馬券王の三浦九段へのコメントとレース予想を期待したい。

さて、私のつまらない予想の方は、秋華賞はビッシュ。

前走、期待して、期待以上だったこと、戸崎であること、オークス最先着で、夏を越して秋初戦に体重を増やして快勝、という条件が揃っているから、断然の人気になっていても本命にせざるを得ない。

心配なのは、須田鷹雄も書いているように、体重。もともと小さいのが少し増えてきたのは良いが、木曜の調教後の体重が、前走と同じで、輸送があり、当日のレース体重は大きく減ることが懸念される。10キロ以上のマイナスなら迷わず消し、パドックが重要だ。

ジュエラーの選択はむつかしく、前回本命で外し、今回外して勝たれると、後悔が無限大だが、この後悔を恐れて失敗するのが人間、わたくしの後悔理論(もっとちゃんとした行動経済学の後悔理論もある)であり、ここは軽視。シンハライトが出てくれば、三番人気ということはなく、五番人気程度に落ちたと思われ、本命不在で仕方なく格上ということで再浮上していると思う。シンハライトが出ていれば、むしろ本命もあったが、ここは枠順も悪く、思い切って切る。買うなら本命にすべきで、どちらかだ。

穴はダイワドレッサーとクロコスミア。

府中牝馬は、いつも通り、牝馬の古馬重賞は、牡馬相手に戦ってきた馬。

マジックタイム、カフェブリリアント、アスカビレン、スマートレイヤー、クイーンズリング。

人気を無視すれば、マジックタイムで、オッズ重視なら、カフェブリリアント。この二頭の軸で考えたい。穴ならアスカビレン。


  
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女性活躍の日本

女性活躍という前世紀どころか前々世紀のような言葉が跋扈する我が国、ニッポンであるが、実際、政界を見ていると、確かに、前々世紀に我々はいることを認識させられる。

要は、みんな珍しいから、いまどきの小学生なら幼稚園児の時に卒業した、女の子が好きだから、いじめてみたい、ということなのだろう。

野党の代表の議員はいじめてもひるまないから、ムカついてきて、むきになってとことん虐めつくす、振り上げたこぶしをおろすところを失ってなお、いじめエネルギーを持て余している感じ。

一方、ともみんは、いじめると泣いちゃう姿が可愛いから、とことん、ゆっくり味わい尽くすように、優しいサディズムで虐め続けるのだろうか。個人的には、衣装を替えて欲しい。

しかし、その正反対に、知事はなぜか大絶賛されている。彼女のやっていることは、自分のパフォーマンスのために、何の解明もできずに、豊洲のイメージだけを地に落とし、今後の日本の魚市場の価値を暴落させただけだ。落ち着いたら、原発事故の風評被害を世界に広げた元首相と同様に、損害賠償請求を農家も漁民も仲買人も行った方が良いと思う。

彼女のこの活躍は、残念なことに、女性だから許されていることで、前知事が同じことをやったらドラキュラによる迫害ということで、知事サイドが評判を落としたことだろう。

この不思議な社会、日本は、まだまだ未開の地だ。  
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2016年10月10日

オリバー・ハート ノーベル経済学賞 受賞!

とったか!

私のコミッティの先生の一人です。

不肖の弟子ですみません。  
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2016年10月09日

ノーベル経済学賞 明日の出演 ニコ生

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2016年10月07日

毎日王冠 京都大賞典

競馬をする気分ではないので、簡単に済ませよう。

毎日王冠は、かんべえ氏は田辺のロゴタイプ

まさにギャンブルとしてはねらい目、わたくしも騎手も馬も大好きで、狙いたいところだ。しかし、前走は田辺が素晴らしい騎乗をしたこと、展開に恵まれたこと、したがって、次はどうか。

かんべえ氏は、GIIタイプかGIタイプか、と書いているが、わたくしは毎日王冠はGIに匹敵すると考えているので、GIを勝つ可能性のある馬から。

状態もいまひとつ、たたき台、試走、と明言している音無師であるが、それでも実力ナンバーワンのアンビシャスで。

穴ならしつこくディサイファ。ステファノスもギャンブルとしてはお薦め。

京都大賞典は、ラブリーデイ。キタサンブラックはしつこく嫌いたい。

  
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2016年10月06日

日本FIX委員会トレーディングサミット 講演

昨日、無事ではないかもしれませんが、波紋を呼びながら、盛り上がり、終了しました

  
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2016年10月05日

福永祐一

すばらしい。

これほど誠実で正直な人間はいるだろうか。

彼を人間として尊敬する。

ただ、以前にも書いたが、勝負師としては失格だ。

彼はまじめで一生懸命考えるし、頭も良いのだろう。

しかし、良い頭で無駄なことを考えるのは、もっとも頭の悪いことだ。

将棋の羽生前名人の言葉を送ろう。

「強いとは、読まなくてよいことです。」

強いこととは、読まなくてよい手が多いこと、読むべき手を絞れることだと。

直感と言っても良いが、その感じることが重要なのだ。

瞬間の勝負師である騎手ならなおさらだ。

ただ、これは治らないものだと思う。

  
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2016年10月03日

米経済学者のアドバイスがほとんど誤っている理由

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凱旋門賞 マカヒキ

惨敗だが、負けた理由は、ばてたのだと思う。

前哨戦は、残り600までは、ただのジョギング。そこからの勝負だった。凱旋門は、スタートから気の抜けない展開。ずっと緊張感を持って走っており、日本の競馬、直線ちょい差しでも前半はどのポジションでもリラックス、という甘いレースで、凱旋門の厳しさが出たのだと思う。ポストポンドもばてたのだと思う。

ムーアが内で相対的にリラックスさせたファウンドが勝ったのも、タフなレースであった結果だと思う。

凱旋門に向く馬は、やはりエルコンドルパサーやオルフェーヴルのように切れ味もスタミナもあるタイプでないとだめだろう。ロンシャンなら馬場適性も重要だが、今回のシャンティイでの凱旋門を見ると、馬場適性以上に、レース適性、持続力というスタミナ、そして切れの両方が必要であることがわかった、というのが、世界の常識、日本の新発見ということだろう。  
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2016年10月02日

スプリンターズSというよりは福永祐一について

実は嫌な予感はあった。

火曜日掲載のコラムで(今週は見る余裕がなかったので、昨日のエントリーを書いた後に読んだのだが)、彼が変な理屈を述べていたからだ。重要部分を引用すると

「しかし、その理由について、今ここですべてを明かすことはできない。セントウルSに込めた思いは、スプリンターズSのレース回顧のときに改めて書きたいと思う。」

ということだ。

なら書くな。

と思ったが、祐一に悪気はないから、一生懸命な祐一をもう一度信じて見たのだ。というより、ビッグアーサーを信じ、強い馬が勝つのを人間が邪魔することはあってほしくない、という私の願いから、信じたのだ。また、騎乗について愚痴るのは、下手なギャンブラーだけだから、騎手云々で強い馬の予想を変えることはしたくないのだ(良い騎手でプラスにはする)。


あれではどうやっても勝てない。

祐一。

考える前に、感じよ。

私は、ビジネススクールで学生たちにいつも教えている言葉だ。

調教師も、今度は逃げない、と言っていた。これもひっかかった。

1枠1番となったら、もう逃げるしかないだろう。レース次第だが、スタートしたあの感じなら、ミッキーアイルの二番手以外あり得ない。

しかしどうやって勝つつもりだったのか。

予想は外れて構わないが、ビッグアーサーの生涯を変えることになった敗戦だった。

このようなことは本当に悔やまれる。

  
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米国経済学者の提言がほぼ誤りである理由

経済学者にとっては、いつまでも問題があるとされる日本経済は格好の評論の的だ。

ただし、クルッグマンなどの引退した学者は言わずもがな、様々な著名実力経済学者まで、日本経済への提言、特に金融政策に関する提言は、的外れなものがほとんどだ。それはなぜなのだろうか。

第一には、まじめにやっていないからである。

これはセミリタイアの方々に多いが、現役の方にも一部存在する。要は、他人事であり、また日本の論壇、経済学者を見下しているのである。だから、よく調べもせずに、勝手な、雑なことを言うのだ。

例えば、ヘリコプタマネーという政策をまじめに論ずることは、まともな経済学者ではありえない。しかし、一部の米国経済学者は、他に手がないならやってみたらよい、と言う。それは無責任に適当に言っているからなのだ。彼らが、米国で、FEDにヘリコプターマネーでもやってみたら、とは絶対に言わない。

第二に、日本経済の現状認識が間違っているからだ。

日本に来てみて、経済が豊かなのに驚いた、と多くの経済学者、経営者が言う。報道されている日本経済は、もはや破綻寸前、という認識が広がっているのが問題だ。1998年は、そういう面はあったと思うが、それでもそれは不動産関連の不良債権処理が問題で、バブル構造から抜け出せない構造不況業種(本当は構造の問題ではなく、バブルに乗りすぎただけなのだが)への債権が徐々に劣化していっただけのことで、銀行セクターを除けば、日本経済は破綻することはなく、根本はしっかりしており、銀行が復活すれば、復活できる力は維持していたのだ。

現在は、それとは比べ物にならないどころか、経済は順調で、長期成長力が落ちているのは事実だが、それは世界的な現象、経済の歴史上、無限に成長を続けることはあり得ないから、受け止めるしかない。それが深刻だと捉えるとしても(いや、むしろ、そう考えるからこそ)、それを政策で対応しようなどというのは間違いで、不可能なことに全力で取り組めばコストだけが残る。ましてや、それを金融政策で何とかしようというのは、経済学の常識からも、一般的な常識からもあり得ない。

第三に、やはり学者だからだ。

これは悪い意味の学者、ということで、理論上の大問題、学問上は大問題であるために、熱くなりすぎて、世の中がどうなろうと、その「異常な」知的好奇心から、問題を解明するために、実験してみたくなるのだ。

だから、バーナンキでさえ(フリードマンでさえ?)、ヘリコプターマネーなどという、奇策を議論してみているのだ。もちろん思考実験であって、実行を考えているまともな人はいないはずだが、興奮しすぎた学者は何をしでかすかわからないところもある。まあ、理解せずにやってしまう政治家よりはましだが、それをもたらすかもしれない思考実験は危険なので、個人的には控えた方がよいと思う。

第四に、アドバイザーの誤謬だ。

アドバイスをするからには、取り入れられるために、あるいは自分が取り立てられたいために、さらには、取り立てられなかった恨みを晴らすために、目立つ必要がある。そのとき、これで一気解決、という処方箋を提示したくなる。

これは人情としてはわかるが最も迷惑な話だ。自己の欲望のために、日本経済を犠牲にされてはかなわない。

第四の要素は、日本にいる経済学者の方が強いのであるが、第三と第四の要素は、自己の欲望であるために、米国のことになれば、まともな学者のピアプレッシャーもあるため、ある程度自粛される(恨みを晴らすためのクルッグマンは別だが)。日本のことならお気楽に話せるということだ。

***

少し具体的に議論しよう。

日銀の今回の金融政策への批判を行っているある学者の提言は、賃金を一律10%上げるように政府が強制しろ、というものである。目を疑った。その学者は、成長戦略が大事だから、規制緩和をしろ、というのが結論としての提言なのだが、規制が経済を阻害するなら、強制的な賃金上昇は、経済を破壊する。全部上げれば中立的だ、という幻想、机上の空論を言っているのに気づかないのは、確信犯なのか。

もし確信犯でないとすれば、知的好奇心の誤謬に陥っているのであり、どうしてもインフレにならない、それならインフレにする理論的な提言をしよう、ということなのだろう。

しかし、もちろん、現実的には、実行不可能であるし(実行不可能な政策提言というのは非常に便利だ、実行されないから誤りが明らかにならない。しかし、そう思っていたら、リフレ政策も実行されたし、ヘリコプターマネーのリスクまで出てきた)、短期的な景気も、長期的な成長力も悪化させ、経済を破壊する政策であるが、物価が上がれば何でもよい、物価を上げることだけが目的ならば、確かに、その狭い目的には適合的な政策提言であろう。学生の政策提言コンテストなら佳作ぐらいにはなりそうだ。

もちろん、これは理論的にも誤りで、インフレにはなるが、経済は破綻する。賃金を無理に上げれば、人から機械、AIに置き換える、という供給側の対応により、失業率は急上昇し、需要サイドからいけば、人々は人件費がかからないサービスに移行するだろう。スターバックスに行くのは夢のまた夢となり、セブンイレブンのコーヒーを飲むことになろう。ローソンも店員がいれるのではなく、セルフに移行するだろう。

実際、このような賃金調整が必要なところでは、調整は行われており、人手不足の都心部の外食チェーンなどの時給は10%から20%上がっている。それが経済であって、政府が賃金を10%上げて経済がよくなるとは、経済学の教科書にすら、どこにも書いていない、机上の空論としても誤りの政策だ。

また、日銀の今回の金融政策の枠組みの変更が悪い理由は、これでは緩和にならない、というものだ。

これも確信犯なのか、単なるレトリックなのか、わからないが、それが日銀の狙いだから、批判にすらなっていない。

今、日本経済に緩和拡大は必要がないし、金融市場の状況からすれば、何としても緩和縮小、国債買い入れ拡大の縮小(減速)を行わなければならない。だから、日銀の今回の量から金利へというのは、もちろん正しく、日銀は、政策に対して責任を持っているだけに、最後の一線は何としても死守する意思をみせたのは高く評価できる。

ただ、実際に死守できるかは、難しいところもある。つまり、今回の政策の枠組み変更は、国債買い入れは縮小したいが、経済への影響として、金融引き締めと思われてはいけないので、国債を買い増すことで景気を良くする、と言ってきた政策から、国債を買い増すことは減らすが、景気には中立的だ、という政策に移行したことをなんとか主張したい、という執念の政策である。この執念をわたくしは高く評価するし、日銀はさすがだと思うのだが、実際には、引き締めではない、ということのために、長期金利をゼロに固定してしまい、しかも、それをほぼ永遠に続ける、インフレ率が2%を安定的に超えるまで続ける、と約束してしまったために、緩和を永久にやめられないことになってしまったことが問題だ。

私が「永久緩和」と名付けたこの政策は、現状では、セカンドベスト、日銀としては、ナイフエッジのようにこれしかないのであり、素晴らしいが、それでも、結局、この緩和の出口はないことがはっきりしてしまった、という問題点がある。

ただ、日銀が恐れたのは、経済に対しての悪影響よりも、株価や為替が暴落(円は上昇)することで、実体経済は二の次だった。実際には、実体経済はそれほど悪くはないし、金利が上がっても0.1%程度であれば実質的な影響はゼロなので、要は、投機家の亡霊を恐れていたということだろう。

したがって、日銀は、これでは異常に緩和しすぎたことへの歯止めとしては力不足という経済をよくわかった専門家からの批判、経済に関心のない相場師たちの暴動は恐れていたはずだが、一流の経済学者から緩和にならないから駄目だと言われるとは思わなかったし、言われても、あまりに的外れなので相手にはしないだろう。

現実的に最大のポイントは、なぜそこまでしてインフレ率2%を達成しなければならないのか、という問題に尽きる。インフレ率が1%よりも2%の方が良い理由はいくつかあるが、しかし、それはどんな犠牲を払ってでも実現しなければならないことではないことは議論の余地がない。したがって、そのトータルのコストベネフィットを議論せずに、ただ2%を実現するための提案は、どんなものであっても問題外なのである。

そして、最大の問題は、インフレ率が高めの方が望ましい、2%あるいは3%の方が望ましいという、この数百年で初めて出てきた議論の、学問的にも、現実経済においても重要なポイントは、長期的な成長率の低下により、望ましい実質利子率(経済学の今の流行で言えば中立利子率:現状で景気が減速も加速もしない利子率、あるいは需給がバランスする利子率)がマイナスに落ち込んでいるから、名目利子率がゼロ以下では弊害があり、ゼロが長期的な水準としては下限であるならば、インフレ率が高くないと、望ましい実質利子率に到達できない、というところだけがポイントなのである。

実際、米国経済学会においては(あるいは、その中の少なくともまともな人々だけは)、この点だけが大きな議論となっており、テクニカルな金融政策、ましてやヘリコプターマネーは、極東の未開の地の日本で行われている呪術として面白い話題となっているに過ぎない。

サマーズの長期停滞論が正しいのか、所詮、短期的な生産者の都合として供給過剰になったのをなんとか需要で解消してもらいたいという、実体経済バブル後の処理の願望なのか、もちろん後者はわたくしの意見であるが、という論争が必要なのであって、日銀の金融政策は、もはや実質的には議論する余地はないのである。  
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2016年10月01日

スプリンターズS 凱旋門賞

余裕がないので、ごく簡単に。

スプリンターズは、ビッグアーサー。

前走、福永が逃げたことに批判があるが、彼の勝利後のインタビューでは、もうビッグアーサーはそういう次元になく、レース毎に、そのレースで一番勝つ確率が高くなるように騎乗する、という答えで、強い信念があった。彼を信じよう。今回、最内なので、むしろ逃げても、展開に合わせて自由に乗れるという意味で、前走の逃げはプラスにもなり得る。単勝。

ただ オッズ的には人気になりすぎているので、ギャンブルをしたければ、別の馬を。その場合は、ダンスでは意味がなく、実績的に逆転できる格の馬を。ミッキーアイルとベルカント。オッズ次第。ミッキーアイルは人気になりすぎているようなので、このまま人気ならブランボヌールも候補に加えたい。

凱旋門賞は、なぜかNHKまで大盛り上がりだが、このレースで日本調教馬を応援しない理由はない。マカヒキ。

ただ、馬券的には日本から買えるようにもなったので、過大評価ではあるので、馬券を買うなら、ポストポンド。実力は、落鉄があったとはいえ、マカヒキよりは強いと思われるドゥラメンテに圧勝したことから、上だと思われる。穴なら、前走負けて人気を落としているハーザンド。

マカヒキが可能性がある理由は、やはりコースがシャンティイであることが一番で、二番目は、早めにフランス入りして、前哨戦を使ったこと、三番目はルメール、およびルメールと厩舎のチームの強さ。第四に、実力から行けば、オルフェーヴルの方が可能性が高かったはずだが、マカヒキの気性はフランス競馬向きではあるだろう。

ともかく応援したい。  
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