敗戦意識の欠如。これが日本の最大の問題だ。
日本人がその民族としての真価を発揮するのは、どん底から這い上がる局面で、底力に優れているそうだ。これは、親友の議員の主張であり、日本人は、大化の改新、明治維新、太平洋戦争後、これらの危機にはとてつもない力を発揮し、這い上がってくる、ということだ。私の反論は、「しかし、這い上がると、後はのんびりしてしまい、いい加減、適当な社会になってしまう。それが、江戸文化であり、ええじゃないか、が日本人の本質ではないか」というものだ。
私は、日本人の本質は、明治維新にあるのではなく、いい加減な江戸文化にあると思っているが、彼は、基本的にはそうだが、危機には立ち上がるのが日本人ということに期待を込めている。
まさに危機は15年前からやってきており、現状は、危機というよりは敗戦後のような状況である。今回の敗戦後の、過去の3回の敗戦後との違いは、敗戦したという認識がないことである。危機意識がない、ということより、敗戦意識がない、という言葉の方が適当だ。
日本での最高のサービスを受けるのが外国人で、彼らの施しに群がることにより、給料をもらう。60年前の敗戦後のキャンディーがクレジットカードに代わっただけのことだ。唯一の外交、経済政策は米国の意向に従うこと。これも同じだ。1997年の金融危機がレイテ沖海戦で、現在は、沖縄を取られ、東京は焼け野原という状況。新型兵器による経済崩壊を目の当たりにしないと、敗戦に気づかないのだろうか。
敗戦に気づかないだけでなく、チャンスにも気づいていない。他のアジア諸国との違いがあまりに大きい。中国、中東は、サブプライムというつまらない先方のヘマに乗じて、世界の金融を牛耳る金融機関などのオーナーになりつつある。日本は指をくわえてみている、というより、それがチャンスであることに気づいていない。
日本経済は落ちるところまで落ちた。社会も荒んでいる。東京は世界最先端の荒んだ街で、世界最先端の社会問題が起きているほかの国にとっての実験室だ、という皮肉を言う友人の宗教学者もいる。社会はともかく、とりあえず経済だけでも、どん底から這い上がろうではないか。そのためには、どん底にいるという認識が必要だ。