理由の一つは、欧州ECBは利下げをしなかったという意味で、淡い期待が裏切られたことによる失望があったが、その後のトリシェ総裁の記者会見の中身が良かったことにより、これの解釈が変化し、上昇に転じた可能性がある。(これも解釈という点が怪しく、会見直後の動きと数時間後の動きが違うというのは、変な気もするが、この点についてはまた別の機会に)
トリシェが、成長に対するリスクを十分に認識している、という点が評価されている。それは下心から行けば、今後の利下げ期待、ということだが、正論から言っても、これだけやばいときに、危機感をもっていないのは、心配になり、今の経済はやばい、リスクが顕在化してきた、という認識を示す方が、金融政策の運営を委託している側からすれば、信頼できるというものだ。
どこかの国の政治家のように、大丈夫なはず、おかしいのは株価のほう、あるいは外国のせい、と危機感、責任感のない発言をするのは最悪で、それだけが、中央銀行総裁、政府高官のしてはいけないコメントだ。