2010年02月06日

負けたのは誰か

小沢氏が不起訴となった。

これは当然で、これまでメディアに流布されていた情報がすべて認められたとしても、起訴することは難しかったし、それが物証がない中で、事実として立証するのは無理だ。

確かに流布されている情報のイメージを膨らませれば、ゼネコンからの収賄というイメージになるが、それはもともと検察側としてもあり得ないストーリーで、はじめから起訴はあり得なかった。

事実だけを見れば、検察の完敗だ。

しかし、検察は、100%完敗のシナリオで突き進んでいたわけで、シナリオどおり進んで完敗と言うのでは、いったい何を目指していたのか、ということになる。

ところが、メディアでは、負けたのは小沢氏という見出しが躍る。しかも、社説でだ。このロジックは、結局、国民、世論に対するイメージでは、小沢氏への疑惑は晴れるどころか深まっただけで、小沢氏にとっても、民主党にとっても大きなダメージが残り、小沢氏の影響力を封じたい検察の勝利、小沢氏の完敗だというロジックだ。

現実に起きたことは、その通りだ。

疑わしきは罰せず、推定無罪の原則は、裁判には適用されるはずだが、メディア、世論には適用されない。しかも、元東京地検特捜部長が出てきて、白ではなく、まだまだこれからだ、という説を主張し、正面から、小沢氏と検察の戦いであることを認める。彼は、特捜がこれだけやるからには、別の物証をつかんでいるはずだと言う論理を展開し続け、それが間違いと分かると、まだまだ疑惑は晴れていないと言う。彼らは、商法を認識しているはずだが、株式市場ならば、風説の流布にあたる。

検察は誰のもので、何のためにあるのか。

検察は、日本を良くするためにある。検察は政治家と戦っているわけではない。政治家の悪と戦い、その結果、日本を悪くする勢力と戦っているのだ。

もし、この件で小沢氏を追及するのであれば、彼らが悪と信じる小沢氏を挙げて、日本の政界から追放するか、小沢氏が潔白となり、日本の有力政治家として、日本をリードすることになり、日本が方向性を失うという悪に陥ることを防ぐというシナリオのどちらかしかないはずだ。

鳩山氏の問題は棚上げで、小沢問題で盛り上がる、検察、メディア、世論は、やはり小沢嫌いということがすべてだと解釈される。だから、日本の選択肢として後者はないという判断で、検察は後者のシナリオを防止するという彼ら独特の正義感で突っ走ってきたのだろう。

しかし、そうであれば、何としても、第一のシナリオを達成しなければいけなかったのだ。それに失敗したというのが今回の事件のすべてだ。検察により、日本の迷走は深まったのだ。

小沢氏は、彼らの意向からすれば、中途半端に残ることになる。彼らの尻拭いをメディアと世論が、辞任要求という形で行おうとしている。

これが日本だ。

小沢氏排除に成功したとしても、その後に何も残らない。国の将来デザインなしに個人を排除しても何も進まない。しかし、それを求めているのが日本だ。

小沢氏を責めるのであれば、将来ビジョンの不明確性を責めるべきであるし、何より、我々のリーダーである鳩山氏のビジョン、具体策、行動力、信念の欠如を責めるべきだと思う。

方向を見失ってさまよい続ける日本。

今回負けたのは日本なのだ。




この記事へのコメント
今回負けたのが、日本だけならまだ良いです。もし今の検察の愚かさと、戦前の軍部エリートの愚かさが、同じ類いの物ならば、日本人達は60年間、特に団塊以降の戦争未経験の世代は、何一つ変われなかった事に 日本だけではなく、「日本人達」の「心地良い破滅」が始まって行くならば、慄然とします。
Posted by SENMU at 2010年02月07日 10:49
メディアが全て、メディアの発信が全て正しいと
思い違いしているお馬鹿さんが、日本には多くい
すぎですね。
そいつらは、考えることをやめたように感じます。

薄っぺらいところでは芸能界なんて虚像の賜物ですが、先生の愛するPerfumeなんかも裏では、あんな
こと、こんなこと、あんなに広げちゃってなこと、
なんですかね〜。

もしかすると同じ様に反小沢の視点も騙されるこ
とに陶酔している奴らのやり方なのかもしれませ
んよ・・・。
Posted by プチトメト at 2010年02月07日 12:53
しかし、気になりますなあ。
本当に第一のシナリオは失敗が確定したのか。
だって、元特捜部長はそうじゃないといってるわけで。
これが間違いなら・・・だって、それではあまりにもお粗末でしょう。

もっとも、小沢が辞任すれば民主党は圧勝しますよ。マスコミは、だから、裏側から民主党を応援しているんです、実は。これは自民党時代にはありえない構図ですが。

いやあ、政権交代って、本当に面白いですねえ。(笑)
Posted by kaka at 2010年02月07日 13:40
マスコミと検察は 腐りすぎている。

検察の 裏金問題と守秘義務違反と無実の人間を強引に死刑にしようとするやり方、もっとあると思うが、徹底的に糾弾されなければならない。

西松建設に 逢坂とかいう検事が 大久保秘書逮捕後に再就職していたなんて、狂気の沙汰だ。

小沢が悪いという人間が多いが、岩倉 西郷 大久保 山県 伊藤よりは、人間として まともでしょう。

これから明治維新並みの変革をするには、小沢一郎のような悪が 必要だと思います。
Posted by タカ at 2010年02月07日 14:25
究極の売国法案である外国人参政権を成立させようとする民主党
その民主党の正体が国民に見抜かれ敗北していく過程
Posted by SST−α at 2010年02月07日 19:00
検察+メディア複合体の大本営発表によって、すっかり「小沢=悪」に洗脳された世論をみて、冤罪は今後もなくならないんだろうなと思いました。悲しいですね。
Posted by ○×□ at 2010年02月07日 20:27
日本は法治国家ではあれど、「法の支配」という点においては、まだまだな気もします。
Posted by あおやま at 2010年02月07日 21:46
>検察は政治家と戦っているわけではない。

いやいや、政治サイドと戦わずして何と戦うのか。
検察は政治を監視する機構の一部です。

近代国家成立の過程で一番苦心したのが権力の暴走を防ぐ事ですから。


あと小沢は限りなく悪ですよ。
なぜ政治家からあれだけの建設業者の名前があがるのか?
健全であるはずが有りません。

典型的な利権政治家です。
それも時代錯誤のね。
Posted by ナカジマ at 2010年02月07日 22:27
負けたのは日本という国と思っている。政治資金規制法などという日本独特のくだらない悪法に振り回されつまらないことを何ヶ月もやって税金を浪費し国益を損ねて嬉々としているネガティブ好きな国民体質の悲劇もそうであるのだが、自民党そのものだった小沢という旧手法に今まだ助けてもらわねば一人立ちできない新政権の未熟さは改革、革新の名に価しない政治体制であることを顕している。
Posted by チルチル at 2010年02月07日 22:57
政治資金規制法は事実上、小沢が成立させた法案です。

それに裁かれるのなら本望と言う奴でしょう。
Posted by ナカジマ at 2010年02月08日 04:29
日本が負けた、と言いたくなる気持ちは分からないでもないのですが、言いすぎな気がします。

私は今回一番負けたのは大手マスコミではないかと思っています。

今回の事件で最も妥当な見解が提示されていたのはインターネット上だと思います。

こうしたインターネット上の情報にアクセスした人は今回の事件について冷静に判断できたのではないかと思います。また、先生もその一人なのではないでしょうか?

今回の事件を契機に大手マスコミの問題点に気付いた人が少なくないのであれば、その点については良い効果をもたらしたのではないかと思います。

楽観的にいきましょう!!
Posted by あー at 2010年02月08日 05:13
検察というのは「行政」の一つの機関であり
法律により,刑事事件を起訴して有罪を目指す立場

政治家は法律をつくる立場

要するに,身内同士のゴタゴタである

これらを裁けるのは選挙での有権者の投票行動しかない
メディアは関係ない
Posted by ロック at 2010年02月08日 08:09
先生のおっしゃる通り、負けたのは日本ですね。

この国は、政治家に一体何を期待しているのでしょうか。
そもそも期待などしていないのでしょうか。

政治を他人事だと思っているとしか思えません。
自分たちで選んだリーダーではなかったのか、なぜ
自らのリーダーを信用せず、検察やマスコミを信じるのか。

世論の小沢氏への嫌悪感は単なるイメージに依拠
するものでしかないと思いますが、それにしても異常だと思います。

このツケは最後は日本人に降りかかってくるのであり、
やはり日本が負けるということになるのでしょうね。





Posted by hiro at 2010年02月08日 09:43
小沢もクソだが、本来分権すべき捜査権と起訴権を同時に持って振り回す後進特高官僚国家にも飽き飽きしている。自民? ありゃ、もちろんクソだ。清く正しく美しくなどと儒教まがいの青いことを言っている日本は先進国なのかどうか疑ってみるのが先だ。政治家は不倫しようと賄賂をズッポリ懐にしていようと国家全体の国富を築くのが何よりも優先することのだ。政治倫理や下の倫理はその後に考えればいい。自殺で年間3万人も死ぬ国家が先進国などと嘯く馬鹿もいるから大したもんだ。
Posted by チルチル at 2010年02月08日 18:07
政治家は大物であっても選挙で落とすことができる。

検察は行政府の一部だが、高度の独立性を保有しており民主的なコントロールは効かない。(法相の指揮権は吉田内閣瓦解のトラウマから、残念ながら現実的選択肢足り得ない状況にある)

前者の暴走は国民が止めることはできるが、後者の暴走は阻止できない。(健全なジャーナリズムと世論があれば状況は変わるかもしれないが、)

キレイなファシズムよりカネに汚い民主主義の方がはるかにマシである。

「国滅ぶとも、正義は行われるべし」という言葉があるようだが、あまりにも独善的で恐ろしい言葉だ。

日本は先進国中、おそらく唯一の市民革命未経験国である。また現行憲法はいうまでもなくGHQという「横からの革命」勢力によってもたらされたものだ。

自分の手で、自由を保障する憲法を勝ち取ったという意識の希薄さが、自分たちの代表である国会議員より検察という官僚機構=「お上」を信頼するという結果に繋がっているのだろう。

今回負けたのは、日本の「戦後民主主義」ではないだろうか?
Posted by 政治学専攻者 at 2010年02月08日 18:43
もう間接政治は一切を辞めて、国会議事堂を法案審議投票集計サーバーと、議会意見交換掲示板サイトの運営施設にして、有権者の直接総意で議決権を行使すればと思います。

代議士の、公務員による、特定のための、無駄とバイアスによる醜態はもうおなかいっぱいです。

いや、これ以上先人のツケを払っていくだけの人生に意義を見いだせないんです。
Posted by サヨりではありませんが at 2010年02月09日 14:49
最近の先生は、民主党を応援する記事と、perfumeや競馬の記事ばかりで。すっかり経済について語らなくなりましたね。
行動ファイナンス投資日記というタイトルはちょっとした詐欺行為では?(笑)
Posted by 何というか at 2010年02月10日 00:57