Perfume Bubbleは崩壊した。しかし、Bubbleは崩壊してからが勝負で、Perfumeはバブルが崩壊しようが関係ない。Bubbleはマーケットというファンダメンタルズとは別の世界の出来事、彼女たちは何も変わらない。そしてそれを支え続けるファンたちも何も変わらない。それがPerfumeのすばらしいところで、Perfumeはコミュニティであり、永遠ではないが、マーケットの勝手なバブルとバブル崩壊など意に介さない。
という原稿を私はずっと温めていた。それは横浜アリーナでのライブ後に書いてもよかった。代々木では、チケット下さいという懇願のプラカードの人の山、横浜では、チケットありますというプラカードの山。そして、ナチュラルに恋してで、あまりに普通のアイドル曲、CMになった時点で書いてもよかった。
そして、満を持して、東京ドーム。横浜アリーナですら、買い占められたチケットは暴落、それがドームで一杯になるのかという疑問に答える形で書こうか。
私はずっと迷っていた。
私は間違っていた。そして正しかった。
昨日の東京ドームは、あふれんばかりの人の山。チケットの売買はほとんど見かけず、誠実なファンたちが誠実にライブを楽しんだ。
チケット的には、バブル崩壊ではない、という意味で私は間違っていたし、ファン層は数的にも質的にも増えており、ライブの質もコミュニティの質も成長していた。
そして、この記事を昨日まで書くことをためらっていた私の無意識の直感は正しかった。
バブルがあったかどうか、そんなことは知らない。彼女たちはそこにいつものようにいたし、ファン達も当然のように楽しんだ。それが昨日のライブだ。
Perfumeについて、バブルが崩壊したかどうか、そんなことを議論すること自体、そんな発想になること自体、たとえそんなことが世間でささやかれても、反論しようとすること自体、すべて無意味だったのだ。私は愚かだったし、汚れていた。
もう一度、彼女たちを、Perfumeコミュニティを、純粋に愛し、見つめていけば、それでいいのだ。
バブルが崩壊していたのは、私自身の心のほうだったのだ。