長くなりそうなので、予想だけが必要な方は明日のエントリーを参照してください。
今回は、外国馬も多いが、それ以上に外国人騎手が多い。スタッフも含めて、日本の大ファンも多く、すべての面で楽しんで世界最高の高額賞金水準(優勝しない場合の金額は破格だ)も手にし、何度でも日本に来たいと思う。差別がないのも魅力で、これほど競馬を社会が受け入れている国もない。
このジャパンカップをきっかけに、日本競馬を日本の世界の誇れる産業、文化の一つとすることを明確な目標設定としてほしい。それは私の昔からの夢だ。
二ノ宮調教師は、そういう観点で週刊競馬ブックのインタビューに答えていた。素晴らしい。そうなると、冷静さを欠いた馬券となってしまいそうだが、これでナカヤマフェスタが負けるようなら、日本の競馬と世界の競馬は別種のものだと言うことになるだろう。いいタイプのものか悪いタイプかわからないが、ガラパゴスと言うことになってしまうだろう。日本の馬場、日本独特のレースのペース、駆け引き、それがナカヤマフェスタが負けるとすれば、結果として語られる理由となるだろう。
そうはならないだろうと思うので、ナカヤマの単。
日本のレースは、顔見知り同士の騎手が、ぬるいもたれあいの中、スローペースで異常にスピードの出る直線でチョイ差しをする競馬が主流になってしまった。これがレースがまぎれる要因で、底力は関係なく、直線で器用に捌ければ、あるいは内を上手くついた馬、そして外をぶん回しても切れ味だけで勝つ、というレースになってしまっている。だから、ために大逃げされると、後ろでけん制して捕まえられないし、底力に優れたスノーフェアリーが力任せに堂々と内を突くと、完敗してしまう。そして、ディープ病にかかった武は、馬の行く気に任せて、最後、外ぶん回す、というつまらない競馬になり、実力のある馬を、2着だったが敗れてなお強し、という一銭にもならないコメントをもらって、繁殖としての馬の価値を下げている。
しかし、ジャパンカップはそうならない。底力の争いになる。まず、東京2400という展開不問の距離、コース。そして、外国馬と、外国人騎手。インナーサークルでないから、けん制しあって横並びなどというつまらない日本の大企業のようなことは起きない。だから展開がレースを左右せず、馬の底力が十分に出るレースとなる。
ホーリックスとオグリキャップ、私が単勝を握りつぶしたシングスピールとファビラスラフィン、テイエムオペラオーとメイショウドトウ、ジャングルポケットとオペラオー、そして昨年のウォッカとオウケンブルースリ、多くの名勝負が、底力を振り絞るような叩きあいとなる。それ以外のほとんどの勝ち馬も底力のあるタイプで、種馬としての価値もあるものが多い。カツラギエースですらフロックかと思われたが、次の有馬で底力があるところを見せたように、ジャパンカップに紛れはない。
したがって、今年も、そういう馬を買うべきで、歴史に残る一騎打ちを期待したい。
さて、血統をみると、いつの間にか、サンデー王国は変貌を遂げており、サンデーどころか、hail to reason系も少数派になりつつある。今や米国と欧州は完全に母系と父系で融合しており、実は、このグローバル化には、日本の競馬の発展が大きな貢献をしているのではないかと思っている。
このジャパンカップは、血統的にも、多種多様で、アウトブリードの馬が多いのも面白い。その中で、サンデー系のフェスタを本命にするのもあれだが、フェスタの不可解さは、母系から来るもので、父系としては期待外れに終わったタイトスポットがBMSで、底力に優れた種馬は、日本では父としては成功しないが、父が軽いスピードばかりが成功するので、その偏りをBMSとして是正するせいか、BMSとして成功する馬が多い。Sadler's Wellsがその典型だ。タイトスポットは何と言ってもリボーの血を引いているところが狂気を生み出す要因だろう。そして、ステイゴールドもこんなに父として成功すると思わなかったが、これも、種牡馬としてステイヤーを生むと言う意外な大成功をしたサッカーボーイを生んだ、ダイナサッシュとディスタスのなせる業であろう。
一方、一番人気のブエナは、社台に挑戦し、名を挙げ破滅していった早田の怨念のこもった母系に、サンデーとは言え、マルゼンスキーに日本の伝統的な母系をあわせたスペシャルウィークというのも面白いところだ。
日本が世界に羽ばたくための基礎を作るレースと名ってほしい。