馬と人間と社会
オルフェーヴル。嫌な予感が当たってしまった。
テレビの特集を見て、これはだめだと思った。周りが、特に調教師が、やりすぎているのだ。
考え方が根本的に間違っている。
メンコを二重に使い、レースでも一つは外さずかぶったまま走る。馬具もコントロールが効くものに変えている。調教審査も余りに入念にやりすぎだ。絞れたというが、ストレスの可能性もある。
パドックでは、菊花賞のときの唸るような、内側に秘めた闘志が気合が溢れ出てくるような感じが見られなかった。凄みがなかった。押さえ込みすぎだ。我慢させすぎだ。
阪神大賞典でダメージを受けすぎたのは、周りだったのだ。
人間の都合で、周りの都合で馬をだめにする。
またいつものパターンだ。
結局、オルフェーヴルを調教師が信頼していないということだ。今まで、気性の問題があっても、それを活かして、ずっと勝って来たのだ。新馬で振り落とされても、菊花賞ですらレース後に振り落とされても、それでも同じ馬具、メンコなしで来たのに、大人になった、古馬になってから、一回レースで負けたからといって、急に使うのはどうなのか。中間、いろいろ前回のレースのダメージをオルフェーヴルから払拭するために、いろいろスクリーニングすることは重要だ。しかし、彼らがやったことは、周りの、人間の不安を払拭するために、自己満足のためにいろいろやったのだ。彼らの不安は薄まったが、オルフェーヴルの気分は損なわれた。なにかが変わったこと、それを感じただろう。
この前のレースは、単に3コーナーのコースを間違えただけなのだ。それを過剰反応して、彼のことを考えずに、いろんな環境を変えてしまった。彼はどんどん不安になっただろう。あるいは今までどおりでは駄目なんだ、と感じただろう。
スクリーニングをしたら、その後は、今までどおりやるのが定石だ。テレビの特集を見て、あれほどいろんなことを同時に変えていることに本当に驚いた。三冠、有馬で勝った彼を信頼しなくなったということなのだ。
レースは、展開もあるが、あの負け方は、他の馬よりも弱かった。だから展開ではない。
そして、今後もダメージは残るだろう。オルフェーヴルはどう走っていいか、わからなくなっただろう。周りは、さらにあせるだろう。悪循環だ。
凱旋門をゴールとして逆算するのはやめてほしい。一旦レースを離れ、周りが、彼を昨年と同じように信頼できるようになるまで、時間を置いた方がいい。
調教師のレース前のインタビューはひどかった。自意識過剰だ。若い。父とも相談して欲しい。じっくり、オルフェーヴルだけを見つめて、周りの都合を排除して、彼と向き合って欲しい。
昨年までの彼を育てたのは、彼であり、池添なのだから、周りが冷静になればいいのだ。信頼して、期待していればこそ、あえて、えらそうなことを書いた。日本の競馬のためでなく、オルフェーヴルのために。祈っている。
Posted by sobata2005 at 18:37│
Comments(9)│
clip!
先の阪神大賞典は、単に3コーナーのコースを間違えただけではないと思う
向こう正面で先頭に立つのように競馬をかつてしたことがなかった
池添ジョッキーは止めよう止めようとしていた
まず調教などということは考えずに、馬なりに走らせてあげることを優先したほうが良いと思う
池江泰寿調教師は年初より凱旋門賞を意識しすぎていた、池添ジョッキーも同じく意識しすぎていたと思う
競馬の醍醐味を見た気がしました。
人馬の奏でるリズムは時として人知を超えた奇跡にも近い音符を用意することがあったりするのです・・
株式投資は人間の心理を読むゲーム。回りが一面の弱気なら阿呆になって花の種をまくのは、株式投資で勝つ王道。我々は人間だから、人間の心理を読むことは実に易しい。勝馬投票は馬と馬に関わる人間の心理を読むゲーム。我々は人間だから、馬の本当の心理を読むことは実に難しい。今日の春天はそれを如実に表した実に良い例であった。
サンデーレーシングなどまクラブ保有には明確に弱点がある
ワンオーナーのほうが英断ができる
創業者オーナー社長とサラリーマン社長のような違いがある
阪神大賞典以来、天皇賞は出走回避すべきだとずっと思ってきた
でも、陣営は天皇賞出走に前向きだったので応援してきた
このことが反省点
・拙速すぎた、時間が不足していた
・距離が長すぎた
オルフェーヴルはここまで終始王道路線を選んできた
神戸新聞杯
↓
菊花賞
↓
有馬記念
↓
阪神大賞典
↓
天皇賞(春)
この使い方は王道中の王道
でもこの王道は時代遅れで古いと思う
調教師もジョッキーも不安で一杯だったんですね。走るのは馬なのに。でも彼らが感じていたであろう計り知れないほどの重圧を生み出す、自分たち周りの人間の過剰な期待の習慣についても、やっぱり考えてみないといけないような。
前のエントリーで言われている、日本人のあたたかさと表裏一体のもの。まあこれでも大昔よりは空気の力も弱まっているのだろうけど。
そもそもこの馬には春天のローテに拘る必要がなかったのも確か。
気性からみても、本質的には明らかに長距離馬ではないのだし、アスコットゴールドカップやメルボルンカップを目指しているのならともかく、あわないのに無理をさせてまで長距離を使うメリットはなかった。
日本の血統が一変しているなか、春天3200がいまだに、いやいやみんな出るっしょみたいな王道になっているのはおかしい。だいたい3F33秒や34秒がゴロゴロでる長距離レースになっている時点で何か歪んでる。
有馬を強い内容で勝った時点で、もう国内には敵はいなかったんだから、個人的にはさっさと海外に行って猛者たちと凌ぎを削って欲しかった。
先生の意見に賛同します、今回間違ってたのは人間の方で
オルフェはなにも悪く無いと思います。
前走の見解は先生と違いあれは騎手と調教師のミスでオルフェが先頭に立とうとしたのを無理に抑えたのが原因だと思っております。まぁ調教師の指示なんでしょうけど池添Jはあのまま先頭にたったオルフェを普通に走らせて勝つべきだったと思っています。折り合い折り合いと念仏のように言っているジョッキーや調教師はアホなんじゃないかと思う今日この頃です、なんでもかんでも馬を抑えつければいいってもんじゃ無いのではないでしょうか?オルフェはどんな競馬をしても勝てるというのを今年証明して欲しかったので非常に残念な気持ちで一杯です。オルフェを管理している調教師やジョッキーが間違いに気づかなければこの先の復活も厳しそうですね。