これほど退屈な菊花賞があっただろうか。
本命には、エピファネイアしかない。しかし、彼を見るレースというほど、彼の力が絶対的なわけでもなく、ここが本当の試金石。
前走が圧勝で、他にろくな馬がいないから、断然の本命になっているが、なんともいえない部分もある。
こういう馬の単勝を買うべきではないのだが、他に買いたい馬もまったくいない。
しかたがないから、win5だけにして、ここは彼1本でいくことにしよう。
こういう意味で、キズナは正解だ。英国でセントレンジャーの意味も価値もなくなったように、菊花賞はクラシック三冠の三番目という意味以外はないレースとなっていくだろう。キズナは皐月を勝たなくて本当によかったということになる。なぜなら、二冠とってしまうと、三冠目をパスすることには軋轢が生じるからだ。
一方で、本当に強い馬を残していくには、菊花賞を最も特意とするような馬も必要で、オルフェーヴルやゴールドシップを生み出したステイゴールドは偉大なのだ。
菊花賞を孤独死させないためには、もう一度、日本の強い馬作りを根本から見直す必要がある。
凱旋門を目標とするならば、スピード競馬は京都と新潟、小倉だけにして、東京も深いオーバーシードにして、札幌の直線が長い版とすべきで、そうなれば、ダービーは底力も必要とされるようになるだろう。
そして、古馬の2400の重賞を増やすべきである。有馬記念はギャンブルレースとして必要だが、キズナやオルフェーヴルを出すのはやめてくれ。ファンのためだけに走り、レースは能力検定としては意味がなく、また、真冬の東京という故障リスクもあり、JCなどを目標に燃え尽きた、凱旋門で燃え尽きた馬を引っ張り出すのは危険が大きい。
今年の菊花賞はあまりに退屈なので、競馬改革に思いを馳せながら観戦することにしたい。