2016年12月25日

有馬記念

有馬記念は、スポーツとしての競馬としては意味がないレースだが、興行としては、世界最高のレースである。売り上げはもちろん世界最高。クリスマス後で自棄になった人々、モチ代を得るために賭ける人々、ボーナスで今年最後の夢に賭ける人、競馬はほとんどやらないが、有馬だけは毎年やる人、職場でグループでみんなでかけて、初めて馬券を買う人、そして、ギャンブラーたちも、今年の総決算、帳尻を合わせるために、最後の勝負をかける。そして、賭け金、動員人数は最高となる。JRAの最高の発明であろう。

だから、わたくしは有馬記念は嫌いであり、こんなシーズンオフに馬は可哀そうで、人間ならば先日のレアルのように、遊びでやる気なくやればいいわけだが、人間でもそういうときほどけがをするから、馬のためにはやらない方がいい。

これらの理由で、有馬記念に馬を完全に仕上げる調教師は良心的ではないが、3億円のためにはやるしかないか。金があってこその競馬で、日本の馬と競馬が議論の余地なくいまや世界一なのは、JRAによるビジネスの大成功によるものだから、受け入れるしかない。

こんな愚痴が予想に関係するのか、というとするのである。有馬は、チャンピオン決定戦ではなく、ファン投票で選ばれたオールスター戦、プロ野球と同じく余興であり、GIではなく、実質GIIのレースとして考えればよく、だから力が劣っても、展開や運、あるいは実力馬が100%発揮しないことにより、勝ってしまうことがままあるわけで、それがギャンブルとしての面白さ、祭りとしての有馬記念を盛り上げることになっているのである。

そうなのだ。今日は祭りだ。

***

キタサンブラック。無印。

俺は堕落した上海の奴とは違う。

今回のレースはキタサンブラックにぴったりだ。

中山の2500.逃げ馬。またもや1枠1番。衰えていたオグリですら持ってきた祭りの天才武豊。実質GIIという低レベルの戦い。

キタサンブラックに勝ってくれ、と言わんばかりのレースとなった。

私はキタサンブラックという馬が嫌いなのではない。彼は日々成長し、春の天皇賞でもパドックは素晴らしいかったが、ジャパンカップのパドックでは惚れ惚れする馬体。雄大な馬格、かつ美しく、落ち着いた歩き。風格を備えてきた。血統も大好きで、異常な過小評価、かつ結果もまったく出せなかったジャッジアンジェルーチ。これが底力を与えており、しかも祖母の乙女心は、異様に不器用で重いジャッジ産駒にも関わらず4勝もあげており、理想的な繁殖牝馬。これに、日本が生んだスピードもスタミナも意外な成長力も備えたサクラバクシンオーが加わるという素晴らしい血統だ。

また馬主を特に嫌っているわけでもない。ほかの馬主のことが好きだとは到底言えない。

私が違和感があるのは、競馬は馬が主役、女房役の騎手、親である調教師、彼らが出てくるのは構わないが、馬主が出てくるのはやめてくれ、馬を映さずに馬主を映すテレビが大嫌いなだけで、一旦こうなってしまうと、見たい情報がほとんど見られない酷い競馬になってしまうからだ。

ただ、ケンタッキーダービーでフサイチペガサスが何十年かぶりで1番人気で勝ち、米国はオーナーがすべてを支配する社会であるから、米国テレビ中継では関口氏が大きくアップされていた。

しかし、日本は違うのだ。オーナーは大事でも、投資家は大事でも、常に縁の下、裏にいて、表に出ないのが流儀だし、それを引っ張り出すテレビは大嫌いだ。それだけのことだ。あとパドックに競馬と無関係な派手な女を呼び込む馬主達も嫌いだ。

本命はサトノダイヤモンド。穴はシュヴァルグラン。

どちらもオーナーは有名だが、テレビの取り上げ方が違うので、それは構わない。

一番強いのはダイヤモンド。間違いない。そして、ルメールがほかの軟弱なJRA騎手とは違い、だれも潰さなければ、残り1000メートルからキタサンブラックとマッチアップをして、力を振り絞るようなレースをして、彼を下そうとするだろう。それに賭けたい。

ダイヤモンドをジャパンカップに出さなかったのは理解できず、さらにそちらをスキップして有馬に出るのはもっと理解できないが、間隔を取りたいということだろうが、昔と違い、菊花賞は天皇賞の後ではなく前になったのだから、大きく不満だ。

まあ言っても仕方がないので、そのうっぷんをここで晴らしてほしい。

キタサンブラックは、ジャパンカップを圧勝し、日本でもっともレベルの高いレースだから、キタサンブラックの強さは認めざるを得ないが、ただ、やはり展開に恵まれた、というかほかの騎手が腰抜けすぎた、ということに尽きる。

彼は強いのだから、つぶしに行かなければ、自分がつぶれてしまったとしても、彼に勝たれてしまう、自分の馬が勝つ可能性がゼロになる、ということを誰も考えない、実行しない、というのがJRA病、日本病なのだ。

2着、3着でほっとして、上位人気で惨敗してファンに怒鳴られるのが嫌なら、競馬の騎手などやめてしまえ。競馬では1着がすべて、2着、3着で褒められるのは日本だけ、普通の競馬社会なら勝てるチャンスがあったのに取りに行かなかったということで首になるだろう。柳井氏に切られた経営者と同じだ。

前回の戦犯は吉田隼人。レースをする意味がない。ただ、馬の調子が悪かったかもしれない。今回は、前回の悔いもあるはずで、枠順からもそれ以外にやることはない。彼にも勝つチャンスがあるはずだし、やるしかない。

彼がやらなければルメールがやる。

したがって、さすがの甘え社会、日本、JRA、といえども、今日は違うだろう。

さらに行動経済学的にも、上海馬券王ですら陥落した、みながもうキタサンブラックで仕方がない、と思った時は逆張りをする最大のチャンス。問題はオッズがそれほど下がっていないことだが。

シュヴァルグランの福永は、やはりコラムを読む限り、永遠に勝負師としては駄目な勝負師で、騎手には向かないが、まじめに努力しているから、彼の柔軟性の完全なる欠如があっても、馬の実力はあるから、そこが障害にならなければチャンスはあるだろう。スタミナ十分。

大穴はアルバート。われらが戸崎。さすが、非JRAジョッキー。日本のライアンムーアの戸崎が、世界の戸崎になるために。スタミナ十分だから、誰もいかなければ彼こそがつぶしに行くだろう。ルメールとの首位争いも注目。

今年の有馬は例外的に注目だ。


この記事へのコメント
私も本日はキタサンブラックに刃向いますっ!しかし先生、ホントに書くのが早いっすね。
Posted by かんべえ at 2016年12月25日 08:43
私もキタサンブラックの馬券は買わない。

予想は3連複1点。
◎ヤマカツエース
〇サトノダイヤモンド
▲ミッキークイーン

モーリスのおかげでスクリーンヒーローが評価され、グラスワンダーも再評価された。
グラスワンダーは中山競馬場と有馬記念が得意中の得意だった。

ゴールドアクターもグラスワンダーの影響か、中山競馬場が得意だが、今回は買わない。
Posted by . at 2016年12月25日 09:01
小幡と吉崎は今日の有馬記念を最後に競馬予想やめろ。
Posted by 北島三郎 at 2016年12月25日 10:31
 昨日のルメールは確かに良かった。あれしかミッキーをつぶす方法はなかった。
 ただ、あれでリーディング取れるかな。
 密かに戸崎とルメールの戦いが今日は、1番面白いかも。
Posted by めんそ at 2016年12月25日 11:00
2
ジャパンカップの賞金が高額であることを忘れて記事を書いてますよね?でなければ、こんなカバカバな記事を書かないと思います。
Posted by 紫禁城 at 2016年12月25日 12:20
あなたが一番わかっていない
Posted by とおりがかり at 2016年12月25日 12:43
有馬記念

1着 2.6

2着 1.4.11
Posted by めんそ at 2016年12月25日 13:48
サトノノブレスは、完全にキタサンブラックを潰すためだけの出走。
こういうことはサトノダイヤモンドにも悪影響が出る、と見てダイヤモンド消し(3着はアリ)。
キタサンブラックは強い。現在、最強馬であることは疑いないが、
ペースを乱され、連止まりとみる。そうなると騎手で買って良し。
1着サウンズオブアース 2着キタサンブラック固定軸から
3着2,4,8,10,11,14,15,16 各1,000円×8点=合計8,000円
Posted by someone at 2016年12月25日 13:52
キタサン単勝2.4倍。
これは来ないぞ、誓える!
今年は荒れるダイユウサクの時と同じく荒れる有馬として記憶されるであろう。
Posted by サウンズオブアースとデニムアンドルビー at 2016年12月25日 14:01
ルメール良かった。
Posted by めんそ at 2016年12月25日 15:36
かたかったけど3連単とれた!
さいごサトノが差したとこ震えた!
Posted by 飯島愛とASKAはシャブセックス友達だった。 at 2016年12月25日 15:39
1着はサトノ固定 2着と3着はキタサンと上がり馬と
会社でいったら笑われた、展開予想はちょっと違ったが
本線で3連単、馬単的中。
オッズはこんなものか、意外とついたような気もする。
Posted by さいとう at 2016年12月27日 05:51