ニセコ車窓
 先日ニセコまで所用で出かけた。
 一面モノクロの世界。

 「ここでは《白い》季節と、《白くはない》季節の交替が、劇的で激しい変貌をしめしながら進行していきます。 ここに居住する者にとって、即ち、本州からの移住者の子孫達にとっては、日本人特有の繊細な四季感とよばれるあの感覚は、実のところ血縁史的伝承されたそれに過ぎないし、また教育の場で与えられた知識に属するものに過ぎないのです。 実際には《白》か、《白くはない》かの二季が、季節感の根底を振り分け、その二者交替のもつテンポの激しさが、この土地に居住するものたちを性格づけているのです。」

 この私のいとこ叔父で画家・小川原脩の言葉にがいつも初冬に思い出されてならない。