おたるなつかし写真帖

 北海道新聞小樽支社発行の「おたるなつかし写真帖」が、1/10発売になり、その日のうちに完売した という
 そりゃ そうだろう
 これだけ 珍しく 貴重な写真集だ
 いまや 古さが新しい時代
 若者があたし物好きで 年寄りが古い物好きなどという概念が 崩れた昨今
 古さの中にこそ 新しさを発見する時代なのだから
 編集スタッフの皆さんの努力に敬意を表したい
 こんな素晴しい写真帖を ありがとう

 丁度、高校の同期会の幹事会が弊店であり 
 その発刊されたばかりの「小樽なつかし写真帖」を 運良く購入した仲間が 持って来てくれて

 その宴では とある 薬問屋の 古いが鮮明な外国人の映っている一枚の写真から 話は ロシア革命 ポーランド ロシア赤軍侵攻 亡命ポーランド人 そして尼湊事件と どんどん発展して・・・
 同期会の 新年幹事会の宴席が そんな話で 盛り上がる
 小樽の歴史の深さ 文化の濃さを つくづく。
 
 この「小樽なつかし写真帖」にも、数多くの 旧国鉄手宮線の写真が 掲載されている

 この旧国鉄手宮線を巡ってである
 小樽の いや 日本の近代化遺産・産業遺産である 小樽運河にも劣らない旧国鉄手宮線のもつ意味合いやその活用の展望から 目を反らそうとする傾向が とある観光関連の会議で 目立つ。
 
 経済産業省が昨年4月、我が国の近代化を支えた産業遺産の保全と活用を図るため「産業遺産活用委員会」を設置し、注目を浴びた。
 これまで技術革新や産業近代化を牽引して来た主務官庁がである。
 従来から産業遺産に腰の重かった主務官庁でさえもうこうなだ。
 このため、各方面に大きな影響を与えている。
 そういう時代なのに である。

 にもかかわらず 産業遺産の宝庫である小樽の その観光関係者が 旧国鉄手宮線から目を背けようとしている。
 ただでも観光への事業費が少なく 皆 身銭を切って観光事業を推進している時に 小樽市が旧国鉄手宮線を購入するなど 無駄であり 浪費だ と言いたいらしい。
 小樽運河と堺町観光で20年走って来て、今、その観光入り込みが減少しているのに。
 小樽運河と堺町で20年も観光を牽引して来たものの 飽きられてきていることは 周知の事実なのに。

 その小樽運河と堺町一点主義から、もっと重層的で 深度のある小樽の街に誘う、通過型観光から時間消費型観光にしていくのに 旧国鉄手宮線のもつ位置はきわめて高い。
 《観光》だけでもない 《まちづくり》だけでもない 《観光まちづくり》という小樽の到達点が まだ理解されていないのだ。

 かつて 《歴史的投資》 という言葉が 小樽運河保存運動で 語られた。

    「小樽運河は、歴史的投資(ヒストリカル・インベストメント)
     という概念でとらえ得る。
     投資とは本来、現在の消費を抑え、後日に喜びや恩恵を
     与えてくれる。
     それは長い歳月や歴史だけが創りだせる投資で、後々ま
     で人々に精神的喜びや感動を与えてくれるのだ」 
と。
 小樽運河保存運動がまだ少数派運動で苦しんでいるとき、余暇開発センター理事長・元通産省事務次官・故佐橋滋氏が来樽し講演してくれたときの言葉だ。

 この《歴史的投資》という観点で、11年、市民が小樽運河保存運動を担った。
 全国ブランドまでになった小樽で その観光を推進していこうとする人たちは、いかなる《歴史的投資》を、今していこうとするのか だ