いわゆる「今上陛下ご譲位」に関しての、政府の有識者へのヒアリングが終わった。

何と云うか、気持ちが晴れない。

馴染み深い、保守派の「先生方」のご意見はおしなべて「ご譲位反対」である。

まあ、確かに、御懸念の理由は解らないでもない。

では、いわゆる「皇室の制度」を厳守するあまり、今上陛下ご自身の大御心はいったいどうなるのだろうか?

確かに、悠久の歴史と伝統の天皇陛下やご皇室の永久の存続と安寧は自分も切望するところである。

だが、今上陛下ご自身のお気持ちからかけ離れたかたちでの「決着」を誘導しようとするならば、国民の大多数は絶対に納得しないだろう。

そして、「常日頃、『陛下、陛下』と口にしておきながら、肝腎の天皇陛下のお気持ちを踏みにじって平気な『保守派』というのは、なんて薄情なんだ!人としての心が無いのではないか!」ということに成ろう。

それは、いわゆる「保守派」の「主張」に対して、「胡散臭さ」を国民は感じさせることに成るだろう。

そうなれば、当然ながら、「憲法改正」に関しても、いわゆる「保守派」に対しての「主張」に対して不信感を抱かれることに成って行くだろう。

いわゆる「保守派」の「先生方」は、自分たちの「得意分野」だったので、何の意識も無しに率直に「主張」をされたのだろう。

だが、それが「陥穽」であったのだ。

国民の大多数は、そんな「専門的」な理屈や事例をいくら並べ立てたところで、先月に今上陛下ご自身の録画映像で見聞きし、感じたことの方を「正しい」と思うのだ。

このままだと、いわゆる「保守派」の「主張」は、「何だかおかしいぞ。」と思われてしまうだけである。

今まさに、「保守派」は、自滅の道を歩もうとしているようにしか、自分は思えない。