談志
「立川談志さんが亡くなってしまった」
芸人が死んでしまうとその人の芸まで持って行ってしまうと言いますが、まだまだ談志師匠の落語を聞きたかったです。寂しい限りです。
僕は、談志さんの落語は勿論のことですが、そもそも立川談志という人間が大好きでした。
ずばずばと直球で物を言っちゃいますが、本当は優しく気配りの人だったようです。
台東区千束に伊藤印房という細い竹や桜、楓、椿、山椒、樫、茶の木などの小枝を材料に愛らしくユニークな小枝印鑑を作る印鑑屋さんがあります。2、3年前にそこを訪れた時の話しです、いかにも江戸っ子という雰囲気の女職人でもある店主が、談志さんと2ショットで写っている写真を店の中に飾ってありました。印鑑を買いに行ったのですが、しばらく談志さんの話を聞かせていただきました。
何かの会で知り合いになられ、その頃に印鑑を作ってさし上げたそうです(もちろんお代などは頂かず)それからしばらくしたら、新潟で田んぼを借りて米を作っている談志さんからお米一俵送られてきたそうす。
女ご主人曰く、実はあの人はすごく気配りの人なんだと言われていました。そして談志さんは口は悪いけど「あの人の言うことは間違いないよ」ともおしゃってました。
思わぬところで談志さんの優しい一面をお聞きした事を思い出しました。
奥の深い見識からなる外側と内側のコントラストが人として本当に魅力がありました。

私の枕元には談志さんの本がたくさん積んであります。何かにつけて読んでいるのですが、談志さんの落語についての解釈や考え方は、自分のデザインの仕事に置き換えられるのではないかといつも考えています。
人が生きていくためにぜひとも必要なのは「笑い」だと信じています。
落語のようなデザイン・・・そんな切り口で。

12月21日のお別れの会の談志師匠の遺影、いい顔していました。
スクリーンに映された昨年の暮れの「芝浜」立ったまま最後まで聞き入ってしまいました。

さようなら、談志師匠。