「住宅都市整理公団」別棟

ここは団地マニアのためのウェブサイト「住宅都市整公団」の総裁のblogです。団地だけじゃなくて工場やジャンクションや高架下建築や。

「ザハ・ハディド展」で思い出した学生時代のこと

東京オペラシティギャラリーで開催中(2014年10月18日〜12月23日)の「ザハ・ハディド展」に行ってきた。言うまでもなく、現在いろいろあれしてる新国立競技場のデザインをした、あのザハさんの展覧会だ。

おおまかに2つのことを思ったのでそれについて書きますよ。ひとつはスケールの話。「やっぱりでっかいプロダクト見るとうわー!ってなっちゃうよねえ」っていうこと。もうひとつは、ザハの建築ってバロメーターになってんだなあ、ってこと。

ひとつめについて。今回の展示でぼくが一番興奮したのは、いわゆる「アンビルド時代」のザハのドローイング。かっこよかった。すでに見に行った方の多くが思ったとおもうんですが、単純に「かっこいい絵画作品」ですよねあれ。入り口行ってすぐ正面の壁に並んでる巨大な平面作品のあれです。

「アンビルド」っていうのは、文字通り実物が建てられない建築のこと。それって建築じゃないじゃん、って思う方もいらっしゃると思いますが建築の世界にはそういう分野の方々がいます。かならずしも好きでそうなったんじゃないと思いますけど。

ぼくが学生時代「かっこいいい!!」って魅入られたのがレベウス・ウッズという人。彼はアンビルドの第一人者(?)。

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↑当時暇があれば見ていた雑誌「au」の1991年8月臨時増刊号・特集「レベウス・ウッズ」続きを読む

写真における「思い出」は演出込みになった(写真論的な何かのメモ02)

  • ぼくは「自撮り」以降、写真が劇的に変わったと思ってる(職業写真家以外の画像文化の領域で)

  • この「自撮り」について考えていることは別途詳しく書く

  • その激変のひとつとしてアマナが先頃オープンした「&ima(アンド イマ)」が象徴的

  • 「写真を愉しむ家」として横浜にできたこれは、言ってしまえば撮影スタジオとしての施設なんだけど

  • 「STUDIO」「LIVING」「KITCHEN」の3つのゾーンがあって、「STUDIO」はいわゆる現代版写真館。

  • ここにはカメラマンの他にスタイリストもいて「理想の写真に向け、フォトグラファーと相談しながら一緒にカスタマイズしていく」ことができるという

  • おもしろいのはその「カスタマイズ」の内容に「巨匠リチャード・アヴェドンの撮影したポートレートを思わせる硬質な仕上がりから、雑誌『Milk』の世界観を表現したポップな写真まで様々なテイストで撮影スタイルが選べる」というのがある点

  • ようするに写真表現における作家のスタイルが、あたかもインスタグラムにおけるフィルタと同じようにに捉えられてる(まあ、いまどきの写真館の多くが同じ事をやっているけど)

  • インスタグラムの「フィルタ問題」については別途述べよう。あれも実はおもしろい現象だよ

  • で、問題は「LIVING」ゾーン

  • 写真グッズが展示されているほか「自分撮りができる「Reflekt」や360°回転撮影の「FIGUREME」、自分のミニチュアが製作できる「3Dフィギュア」などの体験型の写真サービス」がある。

  • この空間込みで写真を作っていくサービスを提供、ってけっこうすごいことだと思う。喩えるなら観光地抜きの観光写真的だ。

  • もちろんこの文化はプリクラの延長にある

  • いま思ったけど、それでいうと観光地にある(いまもあるのかな?)ご当地プリクラって記念写真としては何かがねじれててすごく面白いよね

  • ともあれ、このサービスが何を表しているかというと、写真はプロフェッショナルじゃない人にとっても「カメラ 対 世界」(世界を捉える装置としてのカメラ)じゃなくなって、あらまほしき像を映す「表現」になったということ(もちろんプロのスタジオカメラマンは昔っからそうなんだけど)。

  • つまり、いま必要とされる写真ビジネスにおける装置はカメラだけじゃなくて、被写体を演出する環境も必要なんだ、ということ。

  • もちろんこういう「理想的な自分が映った写真イメージが先行して、それを実現するために演出をしていく」っていう考え方はいままでなかったわけじゃないけど、自撮りによって「撮り手と被写体が一体化」してそれがより強力になったと思う。

  • あと、ぼくは自撮りこそ写真のあり方として主流になると思ってて(もはやそうなってる)、それについて先日三土さんが自撮りじゃない写真のことを「他撮り」っていうようになるんじゃないか、って言ってて、それだ!って思った。

  • あと、手前に向かって腕が伸びているフレーム作って、それを手前に入れて人に撮ってもらう「人が撮っても自撮りフレーム」を作りたい。完全にデイリーポータルZだな。


【追記】
三土さんご本人からコメントが:
なんと!これはおもしろい!

撮ってどうするんだ問題

  • デジカメ化とSNS隆盛の狭間の時代は「撮ってどうするんだ」の時代だった。

  • 個人サイトで趣味性の高い写真を発表する人以外の、とりあえずデジカメ買った、という人たちは新しいカメラを手に入れた興奮状態が去った後、みんな思ったに違いない「撮ってどうするんだ」。

  • 銀塩の時代の強固な「趣味写真」(セミプロ級)の世界は、つまりこの「撮ってどうするんだ」を乗り越えた人だけが生き残った世界だった。いまよりも写真にコストがかかるので、ずっと「撮ってどうするんだ問題」はシビアだった。猛者だけが生き残るわけだ。

  • デジカメでフィルム・現像・プリントのコストの障壁は下がったが、「撮影の手間」というコスト(これはけっこうばかにならない)は変わらないので、いつかみんな「撮ってどうするんだ問題」にぶち当たる。そして撮らなくなる。

  • デジカメの性能進化が急激だった頃は、スペックの向上と作例が謳うきれいさがカンフル剤のように効いて「撮ってどうするんだ問題」の芽を摘んでいた。

  • だから「写真好き」といわれる人たちが「カメラ好き」でもあるのは当然なのだ。カンフル剤を効かせ続けていないと「撮ってどうするんだ問題」と向き合わなくてはならない

  • このやっかいな問題をSNSは取り払った。革命だ。「撮ってどうするって?UPしてシェアするんだよ!」

  • 考えてみれば、銀塩の時代、よくもまあ発表の場所もないのに撮ってたものだ、と思う。

  • ただいずれ(すでにはじまっているかもしれないが)「SNSに上げてどうするんだ問題」もおこるでしょう

  • 一方で、360°カメラやドローンによる空撮などの新たな分野のカンフル剤も登場。カンフル剤を効かせる対象が画質→アップ場所→フォーマット、という風に移行しているように思える。

  • いまもっともカンフル剤が強烈に効いているのは動画の世界だ。GO PROがその最たる例。とりあえずみんなGO PROほしい!って思っちゃう。

  • でもきっと動画でも早晩おこるだろう「撮ってどうするんだ」。

  • あと「カンフル剤」っていう言葉、死語っぽいよね。

鳥取の「レントゲン地図」を見ながら散歩してみよう

ひさしぶりに鳥取に行きます。およそ15年ぶりぐらい。「間取り図ナイト」開催のためと、みんなと鳥取市街を散歩するのが目的。「よみときあるき」という散歩イベントです。
  • 鳥取「よみときあるき」
  • 2014年10月25日(土)
  • 14:30〜17:00
  • 散歩場所:鳥取市街地
  • 集合場所:パレットとっとり2F屋外テラス
  • 定員:20名
  • 参加申し込み:mdrz.night@gmail.com に「よみときあるき参加希望」とメールください
  • 参加費:500円
と、えらそうに告知してますが、なんせ15年ぶりでべつに鳥取について詳しいわけではないのですすみません。たぶん参加者の方が詳しいでしょう。みんなで楽しく歩ければいいな、ぐらいの感じです。

とはいえ「よみときあるき」と銘打ってしまっているので、予習を。

鳥取地形図全体
(国土地理院「基盤地図情報数値標高モデル5mメッシュ」をSimpleDEMViewerで表示したものをキャプチャ・加筆加工)続きを読む

千葉と爆風スランプ

速水健朗さんがチェッカーズについて書いてるのを読んで思いだした。ぼくが同時代好きでよく聞いていたのは爆風スランプだった。彼らの2枚目のアルバム『しあわせ』だ。

このアルバムにぼくがシンパシーを感じる理由は、収められた曲の多くが東京に対する複雑な思いを歌っている点にある。10曲中(バンド紹介ソングであるボーナストラックを含めれば11曲)4曲が何らかの形で東京について歌っているのだが、どれも一筋縄ではない。後に往年のファンからすると安易な青春ソングを歌うバンドに「堕落」してしまう彼らだが、この時期の曲はどれも爆風スランプらしい諧謔に彩られている。東京に対するスタンスも同様だ。

あからさまなのは『せたがやたがやせ』だ。続きを読む

間取り図ナイトツアー2014〜 東京・長野・松本・静岡・名古屋・浜松・津・鳥取・岡山

間取り図ナイトツアー2014

毎回好評のイベント「間取り図ナイト」、再び全国ツアーに出ます。いつもの東京カルチャーカルチャーはもちろんのこと、長野、松本、静岡名古屋、浜松、津、鳥取、岡山という本気のラインナップ。いつか札幌とか行きたい。

へんな間取りを見ながらトークをするというイベントですが、人気でして。過日本も出ました。いつも東京と大阪ばかりなので、これを機会にみなさんぜひ!

以下、スケジュールとチケット申し込み、会場の情報です。続きを読む

ある重要なデータだけが載っていない!〜 CanCam2014年10月号『私って、どのくらい"平均"ですか!?』

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東京エスカレーター」の田村さんから「今月号のCanCamがすごいよ!」と教えられて、買ってみた。たしかにこれはすごい!特集が『私って、どのくらい"平均"ですか!?』なのだ。

いまや「いかに目立たず埋没するか」に腐心する時代なのか!ぼくの理解では、ファッション誌って「いかに個性的になるか」の指南書だと思っていたのでこれにはびっくりだ。続きを読む

「駅もれ」ツアーやりますよ!2014年9月7日開催

ekimore

ぼくの大好きなサイト「駅もれ」さんと駅もれ巡りをします!みなさん一緒に行きましょう。
  • 駅もれツアー
  • 2014年9月7日
  • 13時に新宿駅東口改札集合(中央東口じゃなくて「東口」です)
  • 参加費無料
  • 当日いきなりぶらりとお越しください。申し込みなど不要です。

24駅もれ」とは鉄道駅構内の漏水の対策っぷりを採取しているサイトで、ほんとうに素晴らしくて、素晴らしすぎてくやしいです。インターネットってこのサイトのためにあるんじゃないかと思います。わりと本気で。だいたい「駅もれ」ってネーミングが素晴らしいよね。

しかしこうやって見ていくと、けっこうその場しのぎ急ごしらえでビニールとパイプをテープで止めて、バケツで受ける、みたいな手作り感あふれるものが多くてすてき。みなさんのいつもの通勤経路にも結構あったりするので「駅もれ」のTwitterアカウント@ekimoreに見つけ次第送るといいと思います。ぼくもいくつか投稿してます。

ただひたすら駅をめぐって駅もれを愛でる。すごく楽しみ!みなさんぜひ!
 
 


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名団地たちをペーパークラフトにしました。
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