「住宅都市整理公団」別棟

ここは団地マニアのためのウェブサイト「住宅都市整公団」の総裁のblogです。団地だけじゃなくて工場やジャンクションや高架下建築や。

GPS描き初め2018「山王子犬」1月7日(日)14時から



2018年は戌年。大森駅近くの山王にかわいい子犬を見つけたので、GPSで "描き初め" しましょう。

  • 2018年1月7日(日)14時から
  • JR大森駅中央改札口集合
  • 参加費などはありません
  • 参加する人は danchimania@gmail.com に「山王子犬参加」のタイトルでメールください

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写真集「香港のてざわり」「チェルノブイリ」冬コミで再リリース




2017年の冬のコミケで「香港のてざわり」と「チェルノブイリ」ふたたびリリースします。場所はビッグサイトの

12月31日・東2ホール 「O-27b」

でお待ちしてます。

両方とも既刊ですが、おかげさまで大人気だったので増刷しました。

「香港のてざわり」の全ページはこちらで見ることができます。

「チェルノブイリ」も全ページご覧いただけます→こちら

香港についてはデイリーポータルZのこの記事→「香港の団地はやっぱりすごい」、チェルノブイリは→「チェルノブイリは『ふつう』だった」を読んでみてください。

大晦日にみなさまのお越しをお待ちしております!
 
 


2017年・夏のコミケ(c92)で見に行くべきお勧めサークル

香港のてざわり


今回のコミケも参加しますよ。来る2017年8月12日(土)ビッグサイトにて。ぼくは

東5ホール ヘ-42b

というところにちょこんとおります。

今回リリースするのは、満を持しての香港の住宅たち。「香港のてざわり」と題しました。こちらで全ページの内容をご覧いただけますので、見てみて気に入った方は、ぜひ! 自分で言うのも何ですが、すごくいいです。

あと、前回おひろめして大人気だったチェルノブイリの写真集も50冊ぐらいだけ持っていきます。増刷の予定はないので、おそらくこれがラストチャンスです。気になる方はこっちもぜひ。これもこちらで全ページ見ることができます。

さて、ぼくの写真集だけがコミケの楽しみではありません。ぼくがいるまわりにたくさん興味深い本を出している方々がいます。ここでその一部、ぼくのお勧めサークルをご紹介。最後にマップも載せておきますよ。続きを読む

コティングリー妖精事件とインスタグラム(「心霊写真と自撮り」補遺)

ここのところ写真論的なエッセイを書いている。先日は『ゲンロンβ16 : 対話する哲学』に「心霊写真と自撮り」と題して、撮影者と被写体が一体化している自撮りを心霊写真と結びつけて考察したエッセイを寄稿した。ぼくらしからぬとてもちゃんとした論考で、自分で言うのもなんだがすごくおもしろいので読んでほしい。

で、本文で書ききれなかった「コティングリー妖精事件」について以下に。

cottingley_4

これは1917年にイギリスはヨークシャー州コティングリーに住むふたりの少女によって撮影された妖精の写真。心霊写真史を語る上で欠かすことのできないものなのだが、「心霊写真と自撮り」では、妖精にまで触れると収拾がつかなくなるのでやむなく割愛した。

シャーロキアンにあこがれたぼくにとって、コティングリー妖精事件の顛末は興味深くそしてちょっと切ない。なぜなら、これはシャーロック・ホームズの生みの親であるコナン・ドイルの晩節を汚した事件だからだ。ドイルは本まで出版してこの写真を本物だとして世に広めたのだが、彼の死後に捏造であったことが当事者によって告白された。

おそらく最も有名な心霊写真であるこの妖精。「心霊写真と自撮り」でぼくは、インスタグラムを代表とする現在の写真SNSにおいては、カメラそれ自体が "幽霊" になっていると書いた。興味深いのは、そのインスタグラムもまた「妖精」に関係しているということ。インスタグラム特有の正方形フォーマットはコダックの「インスタマチック」のそれを踏襲していると言われる。そのインスタマチックカメラはそれまで主流だったブローニー・フィルムを使う正方形フォーマットを踏襲している。そしてこのブローニーの語源はなんと妖精なのである。つまりインスタグラムの正方形はいわば妖精のしわざなのだ。

スピリチュアリズムの信奉者であったドイルにとって、心霊写真は死者の霊など目に見えないものが存在する証拠品であった。このことは、ホームズが「あの女性 」"The woman" とただひとり定冠詞をつけて呼ぶ特別な存在であるアイリーン・アドラーが登場する「ボヘミアの醜聞」のストーリーと合わせて考えるととてもおもしろい。この事件でホームズは、手紙の筆跡も専用封筒も偽造できる以上証拠にはならないが写真は決定的だ、と言う。いまでは疑わしい写真の証拠性を、ホームズはみじんも疑っていない。

そしてこの物語の最後で、依頼人に褒美は思いのままだと言われたにもかかわらず、ホームズが報酬として求めたのは自分を出し抜いた "The woman" の写真だった。証拠性と、センチメンタルな性質。「ボヘミアの醜聞」は写真の対照的な2つの機能を描いた意味でも名作だ。 
 

現実は想像より強い — 2017年4月24日・団地団イベント


  • 次回の団地団(2017年4月24日 19:30〜 阿佐ヶ谷ロフトにて。詳しくは→こちら)でみんなでおしゃべりしようと思っている内容がてんこもりでして。稲田さんの新刊『ドラがたり — のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』、山内さんが短編小説を寄せている『団地のはなし — 彼女と団地の8つの物語』、うめさんの『おもたせしました』、これらについて。いずれも団地団メンバーです。いかにぼくだけ仕事してないかが分かるってものです。がんばらねば。

  • そしてゲストにはすばらしい団地マンガ『サザンウィンドウ・サザンドア』の作者である石山さやかさんをお迎えします! ちょうたのしみ。

  • で、もうひとつ。同じく団地団メンバー今井さん(今回は登壇されませんが、ぜったいどこかで見てるはず)の『アリスと蔵六』のアニメ化だ。これについて、イベントでお話ししようと思っていることを、以下に。

  • 物語中、ぼくがもっとも「おお!」と思ったのはこのシーン↓
    AZ
    「イメージって余計な情報に簡単に左右されますから 『自由な想像』を能力として使いこなすのってじつは難しいんです この現実の暴風雨に体力を奪われるのを五感で感じながら…… 『雨にまったく濡れていない自分』を想像できます?」
    「想像さえすればそれが現実になる」は万能に思えるけれど、実はその「想像」がけっこう困難である、というのはほんとうにその通りで、すごくおもしろい。これこそこの作品のテーマだとぼくは思っている。

  • なので他の能力者たちが「一種類のものしか現実化できない」というのも納得した。圧倒的な現実を前に安定して「想像」できるものって、一人の人間につきひとつぐらいのものかもしれない。ぼくは趣味でジャズピアノを弾くのだけれど、自由にインプロビゼーションというのはなかなかできなくて、ついつい手癖で「いつものフレーズ」を弾いてしまう。それとこの能力は似ている。

  • 以前「団地団」のイベントで作者の今井さんが「なんでもありに見える『不思議の国のアリス』だけれど、実は今のぼくらには簡単に想像できるのに、アリスには(ルイス・キャロルには)想像できなかったことがある。それは『空を飛ぶ』こと。アリスは空を飛ぶことだけはしない」と言っていたのを思い出す。
    『不思議の国のアリス』は1865年に出版された。ライト兄弟がはじめて有人飛行したのはずっとあとの1903年。現実は想像より強い。

  • ミリアム・C・タチバナが出現させられるのは、死んだ夫の腕(頭も体もなく腕だけ)というのも興味深い。彼女が安定して想像できるのは愛した夫の腕ということ。腕だけ。これってすごくグロテスクで、フェティッシュ。

  • そういう意味で一条雫が「術式」を唱えることによって、何種類も出現させられるのもすごく面白い。どうして魔法を使うときに「呪文」が必要なのかが分かった。つまり現実の圧倒的な情報によって想像力が攪乱されないようにするための、いわば瞑想なのだ。

  • あと「紗名はどうして子供なのか問題」があるな、と思う。ある時突然人間の形をして存在を始めた彼女は、どうして子供として出現したのか。大人でも幼児でもなく、子供として。

  • 「子供」という概念が「発見」されたのは17世紀とされているが、「子供服」が人類史に出現するのはヴィクトリア朝時代。なんと『不思議の国のアリス』の挿絵に描かれた服がその嚆矢だという。子供服は、その誕生からして「キャラクター商品」だったのだ。(『アリスの服が着たい — ヴィクトリア朝児童文学と子供服の誕生』より)

  • コミックスにはなくて、アニメ化で追加されたものに、裸で逃げ出した紗名が、アリスのような子供服を出現させて自分に着せるシーンがある。以上のような「子供問題」を連想したので、あのシーンの追加はすごくいいな、と思った。

  • また思いついたら追記していきますー。みなさんぜひお越しください。

  • あ、あと「マンションポエムの最終形態」ともいえる物件があったので、それについてもプレゼンテーションします。

「盛られた」顔がほんとうの顔

『特に若い女性の間で写真アプリ依存というか、現実との乖離が進行してるように思う。以前、どんな風に撮れているのか見せて欲しいと言われたので、デジカメ背面モニターで見せたところ、「違う!これは私の顔じゃない!写真撮るの下手ですね」と不機嫌さを露わにされた』
というカメラマンの方のtweetがあった(→こちら

この話、ものすごくおもしろい。というのも19世紀中頃にナダールは肖像写真館を開くが、その時のことを「人は撮られた写真をはじめて見るとかならず失望する」と語っているからだ。ほとんどが怒りに燃えて写真館を後にした、と。(『新聞報道と顔写真』より)肖像画はもともと「盛る」ものであり、ほんらい「顔」とはそういうものだった。

おそらく写真の出現によってはじめてわれわれがいま「ほんとうの自分の姿」だと思われているものが発明された。だから、アプリが「現実から乖離」した像をつくっているのではない。これまでの写真が見せる像が「現実」とはほど遠い異様なものなのだ。(念のため言っておくが、上記カメラマンの方のことを云々するものではない。tweetされている内容はほんとうに困ったことだと思う。お察しします)

肉眼で見る恋人の顔は、写真で撮られる像とはまったく異なる。鏡にうつった自分もそうだ。これは脳内にあるその人のイメージによって「補正」されるというだけでなく、写真がある一瞬の顔の筋肉の動きをとらえてしまうという原理的な「不具合」にもよっている。「顔」には時間が含まれている。一瞬の表情が「ほんとうの自分の姿」なわけがない。

つまり自撮りアプリの「盛り」はほんらいあるべき自分像に寄せてくれるものであり、ようやく写真は肖像に適したものになった、ということだ。黎明期からその分野に挑み、200年弱たってようやく。

こうした「写真は現実を写すもの」という19世紀に発明された感覚を最もよく表しているのは『ボヘミアの醜聞』だろう。この話の中でホームズは、筆跡も便せんも封蝋も女性との親密な交際の証拠にはならないとしているのに「一緒に写った写真」ばかりは証拠として致命的だ、と言っている。

ちなみにこの話の最後で、その女性は「証拠写真」とは別の自分の写真を残して逃げる。そしてホームズは大金の報酬を断り、かわりにこの写真をもらう。その後、彼女のことをときおり思い出し "the woman"「あのひと」と呼ぶのであった。

ただ一点気になるのは盛って実現しようとする「本来あるべき自分の顔」のイメージはどこからやってくるのか? ということ。これについては別途じっくり考えよう。
 
 

桜色の底の青

花見や花火といえばブルーシート。安くて丈夫な建設資材であるシートがたまたまブルーなため桜の下が青くなるわけだが、ブルーシートがなぜ青いかというと「見た目爽やかだから」らしい。そういう理由がまわりまわって風景を決めちゃうのおもしろい。

_DSC5987


さらに面白いのは、ホームレスの家が青くなるのは、置かれていったシートをふたたび"建設資材"として再利用するからだそう。上野公園や隅田川に青が目立った(最近あまりいらっしゃらないけど)のは花見と花火があるからだという。これは以前ホームレスの家の観察をしたとき隅田川のホームレスの方にきいた。

風景の色が何で決まったか、でいうと、香港の古い団地の色あいはなぜ赤が多いのか、という記事を現地の新聞コラムで読んだことがあってそれも面白かった。それによると、赤系塗料の値段が安かったから、だそうだ。曰く、あの赤の成分は錆の色で、最も安価につくることができる、と。

青といえばクロマキー合成のブルーバックも、おおもとをたどるとモノクロフィルムの時代のフィルムの特性に由来するという(後にも使われ続けたのは肌の色との兼ね合いだろうけど)。ブルーシートほどではないが色それ自体に理由がないのおもしろい。

青でさらに思い出したのはブルースクリーンだ。あれ、なぜ青なんだろう。ブルーバックと同じように、初期のディスプレイの性能がおおもとにあって、それが解消された今でも受け継がれているのではないかと予想するんだけど。

さらに思い出した。そういえば青焼きってなんで青いのか。同じく青いサノアタイプ(いわゆる「青写真」)が紫外線によって還元された鉄イオンとだけ反応する塩で現像するため、と習ったけど。

いずれにせよ人間が青を選んだわけではないっていうの、やっぱりおもしろい。
 
 

『東京大改造マップ2017-2020』がほぼ写真集

_DSC0389


東京の再開発動向をまとめたムック『東京大改造マップ2017-2020』にぼくの写真が載っています。これがもはや写真集っぽい!

_DSC0391
↑A4版判型見開きでどーんと!続きを読む
tw fc
カモ
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