先日NHK BS2の「熱中夜話」という番組の収録を行ってきた。レギュラーで出させていただいている「熱中時間」とは別の番組。
■この収録がひどかった、という話
いや、内容のひどさじゃなくて出演者の扱いの話。番組はきっと面白いから見てね。
結論から言うと
『なんかテレビの人って、どこか「テレビ出してあげる」って思ってないか?』
ってことだ。
ぼくはいささか「テレビの人」に片足(のつま先か親指ぐらい)突っ込んでいる人間なので、半分以上は自らへの戒めとして書く。あと、おそらく関係者の方がここを読む可能性は大だけど、今後もこの番組が続くのであればこれはあえて言っておかねばなるまい。出演された方々の何人かはぼくを通じてだったので、その責任もあるし。
■とはいえ楽しかった
この収録は「巨大建造物ナイト」と題して、工場、ダム、水門、鉄塔、をテーマに3週に渡って放送されるもので、「工場萌えな日々」の石井さん、「ダムサイト」萩原さん、「ダムマニア」の宮島さん、「floodgates」佐藤さん、「毎日送電線」のサルマルヒデキさん、というさながらドボク・エンタテイメントのサミットのようでした。
さらに客席には「社会科見学に行こう!」の小島さんや、壁の杉浦さん、「ダム日和」のtakaneさん、GPS地上絵師の石川さん、スリバチ学会の皆川さんなどなどそうそうたるメンバーが一堂に会した。それだけでも価値があった。打ち上げも楽しかったし。あれは歴史に残る打ち上げだね。
■この番組で言ってはならない一言
そう、打ち上げがもりあがった。これが問題。石川さんも苦言を呈されていたように収録終了後「まだ話し足りない人は近くの居酒屋へでもどうぞ」ってフロアディレクターさんが言ったのだが、これがカチンと来た。
「スタジオで展開されるオフ会」と銘打つこの番組。ところがぜんぜんオフ会じゃなかったのだ。「しゃべりたいことをしゃべらせてもらえない」だけならまだ良いが(いや、良くないけど)、「しゃべりたくないことをしゃべらせられそうになる」(*)のはいかん。「それがテレビってもの」だと言えるかもしれないが、だったら「オフ会」って言うな。
そう、FDさんは冗談で言ってしまったと思うが、まさに「話し足りなかった」のだ。そして要するにそれは「オフ会番組」として失敗だ、っていうことだよね。冗談でもそれだけは言っちゃいけない一言だったと思う。
今回出演した人たちに、充分なギャラは出ていない。みんな社会人で普段忙しくしてて、せっかくの連休だけどそれでも出演したのは自分たちが好きなものがいかに素晴らしいかを伝えることができる機会があってそれに是非とも協力したいと思ったからだ。それなのにそれをじゅうぶん表現させてもらえないなんて、裏切りだと思う。だったらギャラくれ、って話だ。
一方、スタッフと司会のタレントさんたちは「仕事」。だから、文字通りOFF会のようにみんなにしゃべりたいだけしゃべらせることを基本的なスタンスとして、それをうまく誘導する「仕事」と、そしてそれらをうまく編集する「仕事」をそれぞれ彼らはやるべきじゃないのか。
■極めつけは待遇の悪さ
ぼくがスタジオ入りしたのは10時。終わったのは21時頃だった。みんなとうぜんお腹も減る。なのに、夕ご飯にそうとうする時間にまともな食べ物が出なかった。たまらず「なにか食べ物ください」っていったら全員分に満たないおにぎりがちょこっと出ただけ。繰り返すけど、みんな好意で来てるんだよ?
あとちょっと脱線するけど、いつもこういう素人出演者(ギャラなし)が出る番組で違和感があるのは、素人出演者のほうを先にスタジオに入れて、タレントが入ってくるのを待たせ、しかもそれを拍手で迎えさせる、っていうあのやりかた。逆でしょ?タレントは仕事でギャラもらってんでしょ?先入って、素人出演者を待って拍手で迎えろよ。楽屋も素人出演者は大部屋でタレントは個室が当たり前だし。(あ、「熱中時間」はこんなことしないからね。あの番組は素晴らしいよ)
■べつにテレビ出ることはそんなにありがたいことじゃない
これらの問題のほとんどは、テレビ業界における慣習によっているんだと思う。別に悪意があってやってるわけじゃないのは分かってる。ポイントはこの慣習には「素人はテレビに出られることをありがたがる」という前提があることだと思う。
残念ながらそれは一昔前の話だ。いまどきテレビ出演はそうありがたくもない。
たぶん、今回出演した面々の中には少なからずふたたび出演を頼まれても断る人がいると思う。残念なことだ。
■甘やかされてたなあ
個人的に痛感したのは「熱中時間」があまりに良い番組なので、それしか知らないぼくは甘やかされてたなあ、ということ。繰り返すけど、あの番組は素晴らしいからオファーがあったらみなさん絶対出るべきだと思うよ。