senroリトルモアとBCCKS共催の「写真集公募展」というのがありまして。その入選作に非常に面白い作品がありました。YTPXさんと名乗っておられる方による「線路とその周辺」。この方、以前行ったぼくのワークショップ(に名を借りたただの町歩き)に参加していただいた方でした。いやあ、暑かったねえ、あの日。熱中症で死者が出なくてほんとよかった。

で、この「線路とその周辺」。ぼくは光栄なことに筋金入りの鉄の人たちとお近づきになる機会があって彼らのすごい活動を見聞きするのが大好きなのですが、そういう方々とは異なった「ふつうのひとが思う鉄道って面白いよね写真」も好き。
ぼく自身も鉄道にまつわる写真と文章はたびたび書いてる。「高輪台駅の壁がすごい」とか「地下鉄階段のっぺり壁」とか「地下鉄ホームのその先」とか。なんだ、地下鉄ばっかりだな。
同じDPZのライターだと乙幡さんも鉄道にまつわる記事書いてて、かなりすき。「東京の地下鉄文庫マップ」とか「ホームの座りにくそうなベンチめぐり」とか「ほころびとしての貼り紙」とか。乙幡さん、いまやすっかり工作の人になっちゃいましたが、またこういうの書いてほしい。

話がそれた。で、「線路とその周辺」もそういう「そういえば駅とか電車って面白いよねー」っていうのを写真の力だけで思い出させてくれる。すばらしい。ページめくりながら何回か笑っちゃいましたよ。


それにしてもこのBCCKS、ウェブサイトで写真発表する際に本のインターフェースを模する意味が全く理解できなくて、正直あんまり好きじゃなかったんですが、こういう写真見ると、DPZ的なあるいは駅で寝てる人的な写真じゃない写真を見せたかったら、やっぱり本の体裁をとるほうが有効なんだなあ、と思った。写真を「作品」として見るときの心構えを容易に作り出すことができる。いや、これ、ぜんぜん皮肉じゃなくて。

でも、いままさに実物の本を作ってるわけですが、「どうやったら『写真集』じゃなくなるか」に逆に腐心していて、それはそれでたいへん。