先日、ぼくのtwitterのタイムラインで非常に興味深いやりとりがなされたのでご紹介したい。

まずは例の「自分探し禁止」写真ワークショップで自分を探さないかわりにアロエを探してしまうハメになったsayakeruさん。(毎回、ワークショップ終了後もこうやって取り憑かれ続けてサイト開設しちゃう人がいてうれしい。やった甲斐があった。すばらしい)

で、このsayakeruさんがこうつぶやいたわけです。

これから近所のアロエの花を撮りに行くなう。いわゆる「東京のオランダ」エリアは、アロエばっかりエリアでもあるんですよ。 sayakaeru 2:22 PM Dec 12th

ワークショップ終わってはや半年。いまだに「これからアロエ撮りに行く」ってのがすばらしくどうかしている(←褒め言葉だよ。念のため)わけですが、これを読んでぼくは「慧眼だ!」と思った。かねてより路地のアロエの繁殖ぶりには興味を抱いていたぼく。さっそくreplyを。

名言。 @hajimebs がなぜ高等ゼロメートル地帯にアロエが多いか解き明かしてくれることと思います。 sohsai 3:07 PM Dec 14th

「東京のオランダ」というのは、江東区のことでして。そう、ゼロメートル地帯。

確かに、江東区の路地とかってアロエだらけな気がする、と。で、@hajimebsにいきなり振ったわけです。@hajimebsとはGPS地上絵師の石川さん。地形のことなら石川さん、とぼくらの間ではもう決まっているわけですが、植生についても(「も」というか、そちらが専門)詳しい。だから振ってみた。そうしたら、期待以上の答えが!

アロエは南アフリカ原産。南アフリカはもとオランダ領。 hajimebs 3:44 PM Dec 14th

なるほど!いや、なるほど、っていうかえらいこじつけですが、これは非常に興味深い。で、さらに追い打ちが。

J-オランダ地域は舗装面が多くて、植物が容器で育成されることが多いので、土壌が乾燥気味。砂漠出身のアロエやサボテン、乾燥岩場出身のハーブ類などが多いのは、これらの種類が「路上気候」に強いからだと思います。(←マジレス) hajimebs 9:43 PM Dec 14th

それと、たぶんヒートアイランド効果のために、江東では冬の最低気温が高め。これが植生に効く(亜熱帯性が生存できる)。気候区としては、江東は南伊豆と同じ分類に属せるかもしれない。サブトロピカル・Jダッチエリア:江東。 hajimebs 9:55 PM Dec 14th

(これらのやりとりを@errieまとめてくれてます。ありがとう)

いやはや、なにこの安楽椅子探偵。いや、実はこの話、以前雑誌「10+1」で石川さんが書いていたのをおぼろげに覚えていたので振ってみたわけです。そこであらためて引っ張り出してみた。「10+1」のNo.29
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2002年のものだった。石川さんと知り合うずっと前だ。

で、問題の石川さんの記事はこれ↓
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もう、だって、トビラがすでにアロエだもん。その名も「東京エキゾチック植物ガイド」。

ぼくがすごく印象的だったのはこのページ。
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東京のごく狭い街の一角に、実は世界中の、しかもいろいろな気候帯原産の植物がいるのだ、という図。いやほんと、当時これ見て衝撃的だった。

今回石川さんが応えてくれた「江東では冬の最低気温が高め」という説明も、記事中にあった。
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この記事では、さらにその植物がもつイメージと、東京でその植物が暮らしていけるか、という2つのフィルターを通過したものが定着してぼくらの東京の植生風景を作っている、と論じている。いま読み返してみたら、やっぱりすごく面白い。アマゾンにもまだ在庫あるので、興味ある人は是非。休刊しちゃったんだよねえ、10+1。あらためて残念。

で、ぱらぱらとなんだか懐かしい思いでめくっていたら、びっくり。この号、石川さんもびっくりしてたが、宮本さんの「環境ノイズエレメント」初掲載の号だった。
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地図見て、なんでこの建築/線路/道路はこんなへんてこな形なんだろう?と思ったことがあって、その謎解きに興味がある人は必見だ。あと中谷礼仁さんの「先行形態論」も。

そうそう。この「先行形態論」すごいよー。「じゃあ、仮に全く元の制約がなくなったまっさらな場所に新しく街を立ち上げ道路をひくとなったら?それでも"何か"に影響受けちゃうものなのか?」を調べてる。「まっさらな場所」としてどこを選んだか?「そこがあったかー!」ってびっくりの町を選んでる。鳥肌立ったよ、これ読んで。結論もびっくりだし。(ぼくは「岩波講座 都市の再生を考える〈第1巻〉都市とは何か」に収録されているもので読んだ)

さらに、この「10+1」のNo.29、10年前ぼくが夢中だったメイド・イン・トーキョー(サイトもまだあった!→madeintokyo)の塚本さんが東京のいろんな特徴的な町で建築とそこにいる人のファッション、アイテムなどを対比させているおもしろい記事もあった。
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さらにさらに、TOKYO STYLE について都築さんのインタビューとか。
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すっかり10+1の宣伝みたいなっちゃったけど、なにかこう、自分の原点を発見した感じがしてうれしかったので。ほかの号も読み返してみようかな。