danchidan_cover_obi_3Dいよいよ発売となりました!うれしいな。

団地団 〜ベランダから見渡す映画論〜
●大山顕、佐藤大、速水健朗・著
●キネマ旬報社・刊

佐藤大さん速水健朗さんといぼく、という奇跡のメンバーでひょんなことから結成した「団地団」。3人でしゃべりまくったイベントの書籍化なわけです。本について詳しくは過日書いたエントリを読んでいただくとして、本エントリではぼくがこの本に寄せた前書きを読んでいただきましょう。自分で言うのもなんだけど、すてきな文章だ。
「みなさんこんばんは。団地団です」

団地団のイベントはいつも佐藤大さんのこのあいさつで始まります。

団地団とは、脚本家の佐藤大、評論家の速水健朗、フォトグラファーの大山顕、の3人をメンバーとして、2010年12月に東京新宿のトーク・ライブハウス「LOFT/PLUS ONE」の天野店長の引き合わせで結成されました。(詳しい経緯は202ページの佐藤さんのコラムを参照)

ぼくら3人が、古今東西、団地の登場する映像・文学・マンガなどさまざまな作品を持ち寄り、その描かれ方を見ることで時代のありようを説き、映像論をぶつ、というトークイベントを現在まで4回行いました。その内容があんまりにも面白いので本にしよう、となったのが本書です。ほんと、すごく面白かった。いま読み返しても自分で興奮しちゃうくらい!

さて、およそ専門分野がばらばらのこの3人。ぼくと佐藤さんに至ってはこの団地団結成が初対面。「なんとなく3人で団地でも語ったら面白いんじゃない?」という天野店長の野性的感は見事に的中したわけです。

この奇跡的な組み合わせは、しかし振り返れば必然という気もします。それは、ぼくらの仕事がいずれも「ほんとうにワクワクすることは、ぼくらのすぐそばにある」ということを言っている点によっていると思います。

ぼくらの仕事は誰も知らない秘境に出かけていって、その驚異を知らしめることではありません。佐藤さんが紡ぎ出す物語は、舞台が異世界であろうともかならず最後は主人公自身あるいはその友人や家族にテーマが帰ってきます。速水さんが解き明かすのは、ぼくらがよく知っているショッピングセンターや郊外の姿、あるいは日用品が生み出されるシステムの面白さです。そしてぼくは、団地や工場など、みんながいつも目にしているはずのものを写真に撮ってきました。

だから団地団のショーはいつも、ぼくら3人が団地の階段の踊り場にあつまって「なあなあ、見てみろよ、こんなにすげーもの見つけたんだぜ!」と言い合うような、そんな感じです。秘密基地で悪だくみをしているようなワクワクをぼくら自身がいつも感じています。

見慣れたものほど、見えなくなる。理解しているものほど、知らない。そういうものの代表が団地だったのだと思います。そしてぼくら3人がそれぞれの興味から団地をこねくりまわしたら、当人たちもびっくりするような面白いことがたくさん飛び出してきました。それをまとめたのが、この一冊です。

この本を読んだみなさんが、本を閉じた後よく知っているはずの景色にいつもと違った世界を見つけたら、ぼくら団地団の悪だくみは大成功。

それでは、団地団、開幕!

「みなさんこんばんは。団地団です!」


ほんと、おもしろい本になりました。みなさんぜひ!