雑誌『PHaT PHOTO vol.94 2016 7-8月号』に写真評論家のタカザワケンジさんとぼくの対談が8ページにわたって載っております。

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『同じ被写体を集めて見えてくること』という特集。まさにぼくがやってることなわけです。
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対談のタイトルは『ルール写真のススメ』。ザンダー、アジェ、ベッヒャーからはじまり、杉本博、松江泰治、柴田俊雄さんなどタイポロジーの重鎮の方々への愛を語っております。

タカザワさんとの対談はとても楽しくて、けっこう良いこと言い合ったと自負しております。『ルールがなくても撮れるのは天才だけ』『ルール決めて10年撮れば作品になる』『ルールは何でもいい。ただ続けることだけが重要』『ルールを設けないで写真を撮ると自分の中にあるものを撮っちゃう』『タイポロジーかどうかというより、ルールを設定して自分から抜け出すことのほうが大事』などなど。ルールとしつこく続けること。これ大事。というかそれさえできれば写真はOK。でも最低10年ね。『才能があるから10年撮れるののではなくて、10年間が才能を与えてくれる』のだ。

他にも『写真がシェアするためのものになって、自分の中で寝かせておく時間がなくなった』『現像という行為がなくなって失われたのは、その写真について考える時間』などについては対談以降もずっと考えてます。特に写真作品におけるステートメントの重要性、というか、テキストこそが写真を作品にするのだ、という話はもっとじっくりタカザワさんとしたいなあ、と思った。「いい作品には言葉は要らない」的な妙な純粋主義がまだ写真の世界にはあるように思う。ほんとあれどうにかならんか。

写真に興味がある方に何かしら考えさせるキーワードがあると思います。ぜひ読んでみてください。

対談ではいろんな写真家・写真集をふたりで紹介してるんですが、タカザワさんが持ってきた『Kim Jong Il Looking at Things』が最高にクールで最高に可笑しい本だった。すぐ買いました。

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タイトル通り、いろんなものを見ているキム・ジョンイルの写真を延々ならべた本。

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ラディッシュを見るキム・ジョンイル

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セーターを見るキム・ジョンイル

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風船ガムを見るキム・ジョンイル

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綿を見るキム・ジョンイル

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魚を見るキム・ジョンイル

延々160ページこの調子です。キム・ジョンイル、見過ぎ。

ポルトガルのアートディレクターであるジョアン・ローシャ(Joao Rocha)がニュースで見かけるキム・ジョンイル視察の様子を Tumblr でまとめたものが本になった一冊。ふつう一枚ずつでしか眼にしないものをまとめるだけで浮かび上がる政治性とその滑稽さ。クール。

あと、今号『同じ被写体を集めて見えてくること』という特集に沿って何人かの写真家さんの作品も載ってるんですが、Fang Yen Wenさんの台北の古い商店を撮ったシリーズ↓
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と、海老原祥子さんの顔ハメ写真↓
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がすごくすてきでした。

ということで、『PHaT PHOTO vol.94 2016 7-8月号』ちょうお勧めです!