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土曜日は恒例のワイン会。

フィルターが存在しない時代のワインは「どんだけ~」と
 
声をあげるほど美味かったかを確認するために、ヴィンテージの近いもの、

また畑も本丸の両隣等を選ぶと、何れも個性豊かで魅力的だった。
 
普通のワイン会ならどれも主役を張れるくらいだが、圧巻は美味しいと言うのを
 
あまり聞かない「ラ ロマネ」。実はこれが下手な本丸よりもずっと旨い。

 見つけたら「女房を質に入れてでも」すぐに買うように皆に伝えたほどだ。
 
というのは生産量が本丸のロマネコンティより平均で1000本以上少なく、
 
値段よりも現物が出てこない。特にこのような70年代の物などは
 
現地のプロからもオファーがない。

フィルターで濾されていないワインが熟成するとどうなるのか?
 
これが一番聞きたいポイントだと思うが、
 
色が薄く、飲んでみると軽やかだが旨味をたっぷりと感じ、当たり前だが
 
真っ当な味がする。補糖によってアルコール度数を上げ過ぎた、一瞬美味いと
 
思わせる’95年くらいからのワインのような強い酔い心地ではなく、

いつまでものんびりと浸かっていたい湯加減のお風呂のような
 
優しいそして穏やかな酔い心地。それがグラスにスプーン2杯ほど(20cc)
 
注ぐと余白の部分に反響するように香りの「こだま」も楽しめる。とあっては

ワインフリークでなくとも飲まずにはいられないだろう。
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オードブル サラダ、キッシュ、ツナリエット

チーズ オッソイラテイ、ボスケットトリュフ


オードブルの前に一通り味を見ることになり、’80エシェゾーから始める。

 
一番若いから若々しく感じるのは当然だがこれだけ特別の香りと味わい。
 
それでも爽やかな、さくらんぼのような香りと酸味が広がり

後で甘みが追いかけてくる。

’76トマフレールは有名なモワラーヌの別ブランドでこの辺が一番安心して
 
飲める70年代3か4番目に出来の良い年。
 
’73レオンヴィオランは突然柔らかい物腰になり、全身が解放されるような
 
酔い心地。無名ネゴシアン物だがお勧め。
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そして’72ラロマネ。開始6時間前に滓だけ残しデカンタージュして

 
その滓を試飲して驚いた。突風が吹いたようなパワーで、飲み込むと
 
突然離陸前の飛行機に乗ったぐらいのスピード感。まるで別世界だ。
 
’71レボーモン、プルミエクリュとして有名なだけでなく70年代
 
一番の当たり年の味がする。当たり年の味とは「香り豊かで、

酸味は程よくあるが円やかな味わい。開けてすぐでも最後の一滴まで美味しい。」

 
こういうワインをいつも選べば文句はない(予算を考えなければ)。
 
’70サンヴィヴァン、ラベルが裂けて作り手の名前が見えないが、
 
これも無名なネゴシアンでソノワという。
 
この地域特有の水はけの良さからくる軽やかな味わい。

80年代、経営が変わる前のシャトーマルゴーのような体にしみ込むような
 
優しさがある。サンヴィヴァンのお手本だが手に入らない。
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お寿司 ぼたんえび塩辛(えびミソのせ)、うに塩辛、本マグロづけ

花みょうが甘酢漬(シャンパーニュヴィネガー)

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牛タンシチュー、3種のキノコソテー

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ブルーチーズはちみつがけ

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ビギナーの方なら’80のエシェゾーから始めるのをお勧めする。



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美味しいワインを探すには、大袈裟に言えばワインの歴史にも注意するといい。

古いものは思い出の味で美味しいと思われているが、それは間違いなく

科学的な裏付けがある。というのも1980年代初めまで濾過用の

フィルターがなく、時間をかけて静清させ瓶詰めをしていた。

小規模のブルゴーニュ等ではまさに手詰めで、有名なロマネコンティも

味の均一化を図るため何樽か混ぜて濾過なく瓶詰していた。

今回開けたワイン達も濾過によって旨味や香りが滓と一緒に取り除かれた物

とそうでないものの違いが若い順から飲み進めて行くと、70年代から

急に胸に迫ってくる香り、深い味わいと余韻の長さに味の景色が変わったと

気付かされる。それは今よりも天気に左右され、「ガチ」で収穫量を落として

造っていたのと、大気温が低く夜間と日中の寒暖の差が15度以上あるという

理想的な環境の現れだった。
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軽めだがバランスよくできた’88マジシャンベルタン。

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トロワグロなどの星付きレストランの為に詰められた’85、

この鼻を擽る魅力的な香りは他には見当たらず、シャンベルタンと

同格を感じさせる。

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’78はまさにレーズンフレーバー全開で70年代最高の当たり年と言っても

過言ではない味の風格を見せた。

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’72は外れ年とされていて、価格も安めで探せばまだ見つかるので

お勧めだ。ただ開くのに時間がかかるので前日抜栓は必要。

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前回のミュジニでも圧倒された名手「クレールダユ」、

そのカズテイエ。プルミエクリュながら堂々たる体格で

’85よりもスケールが大きく説得力のある味わい。

「これだけでもいい」という人続出

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パトリアルシュの最後の末裔(ノエミヴェルノ)を付けた’64の

シャンベルタンは圧巻で「膝まづいて脱帽して飲むべし」は

モンラシェだけでないことに一同異論はなかったはずだ。

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オードブルはあわびスモーク、チューリンガー、本マグロハム

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寿司はインドマグロづけ、平目昆布〆、こぼれ帆立

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メインはカナールオフランボワーズ、ポテトピュレ、ごぼうロースト

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1958年アルマニャックをたっぷりしみ込ませたデセールはオペラ




























































































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1月27日のワイン会はシャンボルミュジニの魅力に迫ったはずだった。


事の発端はメンバーのAさんが何度説明してもシャンボルミュジニと覚えてくれず、


頑なに「ミュジニ」を連呼するので、本当に前に何もつかない、


それも名手クレールダユの本物を登場させることになった。


ただこのワインだけでも¥250000、ドキドキである。

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つまみの準備も完了し、いつものシャンパーニュでスタート。


これは我が家のスタンダードで輸出用ではないものを蔵から直接買い付けたので、


鮮度は抜群だ。その鮮度がどのくらいの物かカーミットリンチ風に言えば、


「水の中で水中めがねを差し出され、急に視界が開けくっきり見えるようになった」感じ。


まるで8kテレビを初めて見た時のようで、初めての人は味の際立ちに驚く。


業界関係者でもこの味を知るものは少ないかもしれない。


次はラフェ一族のワインだが蔵の情報がないので味わいだけで色々探る、


これがまた楽しい。


続く’85マグナムは先月忘年会で開けたので参加メンバーは知っている味のはずだが、


今回の全部デカンタージュをした円やかさと最後まで続いた甘みには驚いたと思う。
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そしていよいよこれを「とり」にしても文句が出ないレベルの


レザムルーズ’83の登場。今が絶頂のピークで火の打ちどころなし、


といった状態。まるで孔雀が優雅に羽を広げた見事さ、


所謂ピーコックテールを見せられたようで、円やかさ、透き通った香り


そして何処までも続く甘み、なかなかブルゴーニュワインを飲んで


ここまで美味しいのは御目にかかれないのではないか?そんな出来栄え。


そのあとの’66、そしてとりのミュジニと続いたのだが、


あまりの出来栄えに皆でAさんに感謝したはずだ(たぶん、心の中で)。


やはり何もついていないミュジニは最強だった。飲み進んで6本目、ということは


他のワインの育ち方を一同確認しながらここまで来たわけである。


当然年代の熟成具合を体験してきたはずなのに、矛盾した味と出会う。


42歳になっているのに若さの象徴の「渋み」がたっぷりとある。


それにものすごく力強い。ブルゴーニュワインの中で一番軽やかで


チャーミングなはずがちょっと違う。そのためスプーンで一口くらいの量


をグラスに注いでも入りきれないスケール感。


前回のリシュブールの素晴らしさを経験して、怖いもの知らずになっていたはずの


メンバー一同が驚愕する。逆にこれが1本¥250000だと安く感じる味だ。


しかし私の一番のお気に入りは’83レザムルーズでもこの最強の1本でもなく


50歳を過ぎているのに軽やかでチャーミングで優しく微笑んでくれた、


’66のシャンボルミュジニだった。


これは無名で(私が知らないだけ)ラベルも良く見ずに開けたのだが、


香りが一番魅力的で「はぁ~」と声が出てしまった。


皆それぞれに宝物を見つけた「飲む歴史遺産の旅」、収穫が多かったようだ。
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トマトをマリネしたドレッシングで合えたサラダ、天然紅鮭マリネ、


ほっき貝のワイン蒸し、ほたてスモークバジルソース、フォアグラムース
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鶏のオレンジソース

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本マグロヅケ、ボタンエビ、クエ(九絵)の寿司

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デセール ジャマン特製 ノワゼットのプラリネが入ったガトー































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