2023年09月19日
鈴木知之写真集『MonoriuM』 (私家版、2023年7月20日発行)
鈴木知之写真集『MonoriuM』
私家版/2023年7月20日発行
22×21cm/並製/モノクロ
94ページ/作品点数:74点
定価 : 3000円(税込)
『いつも住宅街の路上で見かける草花。どれも同じようで、特別な印象もなかった。 静物の写真を撮りたいと思い、アレンジや物の配置などが不得手なので、庭の身近な雑草を撮り始めた。 実際に生えている場所で、そのままの姿で、きちんと黒バックを配してみると、雑草たちは思いのほか不思議な形をしていた。 ツタやシダ、ドクダミなど、日陰にある植物ほど面白かった。 ある時、夕暮れの暗い背景に浮かび上がる草木が、より美しい輪郭を見せている事に気づいた。 光は出来るだけフラットに、全体の陰影を消す事で、逆に植物自体が持つ僅かな陰影とテクスチュアが、絶妙な立体感を生んだ。 さらに、銀塩粗粒子のマチエールは、リアル過ぎて写り過ぎてしまう写真から離れ、 まるで乾燥させた植物標本(Herbarium/ハーバリウム)のような、抽象的でグラフィカルな写真になった。 「Monochrome + Herbarium」、それが「Monorium」の由来である。』 (鈴木知之のテキストより)





私家版/2023年7月20日発行
22×21cm/並製/モノクロ
94ページ/作品点数:74点
定価 : 3000円(税込)
『いつも住宅街の路上で見かける草花。どれも同じようで、特別な印象もなかった。 静物の写真を撮りたいと思い、アレンジや物の配置などが不得手なので、庭の身近な雑草を撮り始めた。 実際に生えている場所で、そのままの姿で、きちんと黒バックを配してみると、雑草たちは思いのほか不思議な形をしていた。 ツタやシダ、ドクダミなど、日陰にある植物ほど面白かった。 ある時、夕暮れの暗い背景に浮かび上がる草木が、より美しい輪郭を見せている事に気づいた。 光は出来るだけフラットに、全体の陰影を消す事で、逆に植物自体が持つ僅かな陰影とテクスチュアが、絶妙な立体感を生んだ。 さらに、銀塩粗粒子のマチエールは、リアル過ぎて写り過ぎてしまう写真から離れ、 まるで乾燥させた植物標本(Herbarium/ハーバリウム)のような、抽象的でグラフィカルな写真になった。 「Monochrome + Herbarium」、それが「Monorium」の由来である。』 (鈴木知之のテキストより)





2023年09月06日
大西正写真集『新宿鸚哥 Shinjyuku Inko』 (私家版、2023年発行)
大西正写真集『新宿鸚哥 Shinjyuku Inko』
私家版/2023年発行
A4/並製/モノクロ
62ページ/作品点数:61点/200部
ポールダンサー:アリー カミカゼ
定価 : 2500円(税込)
2023年9月5日(火) 〜 10日にGALLERY NIEPCEで開催の大西正展「新宿鸚哥 Shinjuku Inco」に合わせて制作。展示写真を含む計61点で構成された写真集。
『世界で活躍するポールダンサー アリーが、自身の全てをぶつけて舞う。路上にこびりついたシミのような大西は、その眩しさに飲み込まれそうになりながら、カメラを手にぶつかっていく。ポートレイトやポールダンスの記録写真ではない。わずか数分の間、互いの存在をぶつけ合った。その軌跡を写真として提示する。』(展示案内より)







私家版/2023年発行
A4/並製/モノクロ
62ページ/作品点数:61点/200部
ポールダンサー:アリー カミカゼ
定価 : 2500円(税込)
2023年9月5日(火) 〜 10日にGALLERY NIEPCEで開催の大西正展「新宿鸚哥 Shinjuku Inco」に合わせて制作。展示写真を含む計61点で構成された写真集。
『世界で活躍するポールダンサー アリーが、自身の全てをぶつけて舞う。路上にこびりついたシミのような大西は、その眩しさに飲み込まれそうになりながら、カメラを手にぶつかっていく。ポートレイトやポールダンスの記録写真ではない。わずか数分の間、互いの存在をぶつけ合った。その軌跡を写真として提示する。』(展示案内より)







2023年09月05日
シュガー翔太写真集『雑魚も歩けば某に当たる』 (私家版、2023年6月20日発行)
シュガー翔太写真集『雑魚も歩けば某に当たる』
私家版/2023年6月20日発行
A5/中綴じ/カラー
28ページ/作品点数:38点
定価 : 1500円 (税込)
2023年6月20日〜7月3日にニコンサロンで開催された「雑魚も歩けば某に当たる」に合わせて制作。
『 外の世界を歩き回っていると、たとえば遠い旅先に限らずごく近所であっても、面白いものや美しい風景、本来の用途とは違う顔を見せる人工物など、さまざまな事象に出逢います。 同時にひどい汚染や醜い光景、そして時には「死」にすら出くわしてしまうことも…。 けっして被写体として存在しているわけではない世界の中のそういった一面を、僕の視点から被写体として拾い上げ、写真プリントとして平面に落とし込んだものが今回の作品です。 これらの写真の中には、自ら立ててみたり宙に投げてみたりと、わずかな脚色が入っている写真も数枚あるものの、どれも現実に存在した事象であり、世界を構築しているものの一部であると考えています。 』 (シュガー翔太)




私家版/2023年6月20日発行
A5/中綴じ/カラー
28ページ/作品点数:38点
定価 : 1500円 (税込)
2023年6月20日〜7月3日にニコンサロンで開催された「雑魚も歩けば某に当たる」に合わせて制作。
『 外の世界を歩き回っていると、たとえば遠い旅先に限らずごく近所であっても、面白いものや美しい風景、本来の用途とは違う顔を見せる人工物など、さまざまな事象に出逢います。 同時にひどい汚染や醜い光景、そして時には「死」にすら出くわしてしまうことも…。 けっして被写体として存在しているわけではない世界の中のそういった一面を、僕の視点から被写体として拾い上げ、写真プリントとして平面に落とし込んだものが今回の作品です。 これらの写真の中には、自ら立ててみたり宙に投げてみたりと、わずかな脚色が入っている写真も数枚あるものの、どれも現実に存在した事象であり、世界を構築しているものの一部であると考えています。 』 (シュガー翔太)




2023年08月29日
多々良栄里写真集『遠くから太鼓の音が聞こえる』 (蒼穹舍、2023年9月23日発行)
多々良栄里写真集『遠くから太鼓の音が聞こえる』
蒼穹舍/2023年9月23日発行
A4判変型/上製/カラー
112ページ/作品点数:107点/500部
ブックデザイン:加藤克也
定価 : 4000円+TAX [4400円 (税込)] ※ 著者署名本
『さようであるならば』から11年ぶりの新作となる第二作品集。
『「それで、何か分かったかね」ふと声が聞こえたような気がする。この世に神がいるのなら、こんな風に語りかけてくる存在にちがいない。生前の父はよく、神は自らの中にいると言っていた。かつては妙なことを言うと思っていたけれど、生涯を見渡せばそんな境地になるのも分かる気がする。(あとがきより)






蒼穹舍/2023年9月23日発行
A4判変型/上製/カラー
112ページ/作品点数:107点/500部
ブックデザイン:加藤克也
定価 : 4000円+TAX [4400円 (税込)] ※ 著者署名本
『さようであるならば』から11年ぶりの新作となる第二作品集。
『「それで、何か分かったかね」ふと声が聞こえたような気がする。この世に神がいるのなら、こんな風に語りかけてくる存在にちがいない。生前の父はよく、神は自らの中にいると言っていた。かつては妙なことを言うと思っていたけれど、生涯を見渡せばそんな境地になるのも分かる気がする。(あとがきより)






2023年08月11日
岡本正史写真集『Walks Tokyo 2022』 (蒼穹舎、2023年8月15日発行)
岡本正史写真集『Walks Tokyo 2022』
蒼穹舎/2023年8月15日発行
A4変型/モノクロ/装幀:塚本明彦
上製/62ページ/写真点数:43点
定価:3200円+TAX [3520円 (税込)]
『2022年は入院を含めて100日ほど病院に通いました。母の暮らす老人ホームもコロナ対応でたいへんでした。3年前に保護した猫、ウッキーも変わらず里親さんの家で仲間たちと暮らしています。時の流れは早いですね。皆様のご健康とご多幸をお祈りしております。』(あとがきより抜粋)
「Tokyo Summer 2020」「Everyday Tokyo 2021」に続く今の東京をさりげなく捉えたシリーズの新作。






蒼穹舎/2023年8月15日発行
A4変型/モノクロ/装幀:塚本明彦
上製/62ページ/写真点数:43点
定価:3200円+TAX [3520円 (税込)]
『2022年は入院を含めて100日ほど病院に通いました。母の暮らす老人ホームもコロナ対応でたいへんでした。3年前に保護した猫、ウッキーも変わらず里親さんの家で仲間たちと暮らしています。時の流れは早いですね。皆様のご健康とご多幸をお祈りしております。』(あとがきより抜粋)
「Tokyo Summer 2020」「Everyday Tokyo 2021」に続く今の東京をさりげなく捉えたシリーズの新作。






2023年07月25日
2023年07月20日
中村千鶴子写真集『断崖に響く』 (蒼穹舎、2023年5月23日発行)
中村千鶴子写真集『断崖に響く』
蒼穹舎/2023年5月23日発行
上製/B5変型/モノクロ
96ページ/写真点数:89点/350部
ブックデザイン:加藤勝也
定価:3600円+TAX [3960円 (税込)]
『ここは北上山系のなだらかな起伏が、急激にその傾斜を変えて太平洋に落ちるところ。200mもの断崖はその険しさと美しさで人々を魅了する。一方で、交通の難所として人々の前に立ちはだかってきた。1981年、原子力発電所の候補地として取り上げられた。この地域の女性たちは「いくら交付金をもらっても、美しい故郷を捨てたくない」と反対した。その運動が奏功し、岩手県に原発が建設されることはなかった。2011年3月11日、東日本大震災。田野畑村の沿岸部は大津波により壊滅的な被害を受けた。もし、この地区に原発が建設されていたなら、私は帰る故郷を失っていたかもしれない。私の生まれた町はここから北へ30kmのところにある。田野畑村へ行ってみよう。そして話を聞いてみたい。』(序文より抜粋)






蒼穹舎/2023年5月23日発行
上製/B5変型/モノクロ
96ページ/写真点数:89点/350部
ブックデザイン:加藤勝也
定価:3600円+TAX [3960円 (税込)]
『ここは北上山系のなだらかな起伏が、急激にその傾斜を変えて太平洋に落ちるところ。200mもの断崖はその険しさと美しさで人々を魅了する。一方で、交通の難所として人々の前に立ちはだかってきた。1981年、原子力発電所の候補地として取り上げられた。この地域の女性たちは「いくら交付金をもらっても、美しい故郷を捨てたくない」と反対した。その運動が奏功し、岩手県に原発が建設されることはなかった。2011年3月11日、東日本大震災。田野畑村の沿岸部は大津波により壊滅的な被害を受けた。もし、この地区に原発が建設されていたなら、私は帰る故郷を失っていたかもしれない。私の生まれた町はここから北へ30kmのところにある。田野畑村へ行ってみよう。そして話を聞いてみたい。』(序文より抜粋)






大竹昭子随想録『私、写真を放棄することは、全く不可能です 中平卓馬の写真家覚悟』 (カタリココ文庫、2023年7月15日発行)
大竹昭子随想録『私、写真を放棄することは、全く不可能です 中平卓馬の写真家覚悟』
カタリココ文庫/2023年7月15日発行
文庫版(10.5×14.8cm)/並製/80ページ
装幀:横山雄/本文写真:中平卓馬
定価: 1000円+TAX [1100円 (税込)]
『カタリココ文庫12号は、写真史上、稀にみる生き方を遂げた中平卓馬について書いた大竹昭子の随想録です。中平は1960年代、「写真家になる」と自ら宣言することで編集者から写真家に転向しました。カメラの扱い方や暗室作業を教えたのは彼と同世代の森山大道で、ふたりはブレボケ写真で既成の写真表現に異議を唱え、同人誌『プロヴォーク』でも活動を共にしましたが、1973年以降、中平はブレボケ写真を否定し、対象をはっきりと写しとる「植物図鑑のような写真」を提唱します。
その実践に踏み切ってまもなく、中平は記憶喪失と言語障害を患い、社会生活は困難になり、かつてのように先鋭的な言葉で写真を論ずることはできなくなりました。結果として、彼の写真活動はかつてないほど活発になり、2015年に77歳で他界するまで約40年にわたり、日々写真を撮ることのみに没頭したのです。
本書は、大竹昭子が著作『眼の狩人』のなかの「記憶喪失を生きる神話の人」と「中平卓馬の沖縄撮影行」、および前掲書の増補版として出した『彼らが写真を手にした切実さを』に収録した「中平卓馬の写真家覚悟」の三つの原稿に加筆し、再構成したものです。記憶喪失を患って以降、中平は大きな生の不安を抱えており、写真と関わることでその不安を乗り越え、生きるよすがにしたことは想像に難くありません。本号のタイトル『私、写真を放棄することは、全く不可能です』は彼の発言からとったものです。中平と写真の切実な関係を、そこに感じとっていただければさいわいです』(大竹昭子)。

カタリココ文庫/2023年7月15日発行
文庫版(10.5×14.8cm)/並製/80ページ
装幀:横山雄/本文写真:中平卓馬
定価: 1000円+TAX [1100円 (税込)]
『カタリココ文庫12号は、写真史上、稀にみる生き方を遂げた中平卓馬について書いた大竹昭子の随想録です。中平は1960年代、「写真家になる」と自ら宣言することで編集者から写真家に転向しました。カメラの扱い方や暗室作業を教えたのは彼と同世代の森山大道で、ふたりはブレボケ写真で既成の写真表現に異議を唱え、同人誌『プロヴォーク』でも活動を共にしましたが、1973年以降、中平はブレボケ写真を否定し、対象をはっきりと写しとる「植物図鑑のような写真」を提唱します。
その実践に踏み切ってまもなく、中平は記憶喪失と言語障害を患い、社会生活は困難になり、かつてのように先鋭的な言葉で写真を論ずることはできなくなりました。結果として、彼の写真活動はかつてないほど活発になり、2015年に77歳で他界するまで約40年にわたり、日々写真を撮ることのみに没頭したのです。
本書は、大竹昭子が著作『眼の狩人』のなかの「記憶喪失を生きる神話の人」と「中平卓馬の沖縄撮影行」、および前掲書の増補版として出した『彼らが写真を手にした切実さを』に収録した「中平卓馬の写真家覚悟」の三つの原稿に加筆し、再構成したものです。記憶喪失を患って以降、中平は大きな生の不安を抱えており、写真と関わることでその不安を乗り越え、生きるよすがにしたことは想像に難くありません。本号のタイトル『私、写真を放棄することは、全く不可能です』は彼の発言からとったものです。中平と写真の切実な関係を、そこに感じとっていただければさいわいです』(大竹昭子)。

2023年06月27日
2023年06月19日
本庄佑真写真集『光のまち』 (GRAF Publishers、2023年5月13日)
本庄佑真写真集『光のまち』
GRAF Publishers/2023年5月13日
カラー/A4変型版横本/上製
92ページ/写真点数76点
編集発行人: 本山周平/ブックデザイン: 加藤勝也
定価:4000円+TAX [税込:4400円] ※ 著者署名本
『この本の写真は、西日本を撮影したものです。行った先の店や風景を撮るのですが、今では建物も無くなり更地になってしまっている所もあり、少し寂しい気もします。知らない町を歩いていても、何処か懐かしいと感じるのは自分だけでしょうか。山陰生まれの僕は、あの高湿度や天気の悪い山陰の気候に飽きて、どこか明るい光を求めて写真を撮りに行っていたのかもしれません。』(あとがきより)






GRAF Publishers/2023年5月13日
カラー/A4変型版横本/上製
92ページ/写真点数76点
編集発行人: 本山周平/ブックデザイン: 加藤勝也
定価:4000円+TAX [税込:4400円] ※ 著者署名本
『この本の写真は、西日本を撮影したものです。行った先の店や風景を撮るのですが、今では建物も無くなり更地になってしまっている所もあり、少し寂しい気もします。知らない町を歩いていても、何処か懐かしいと感じるのは自分だけでしょうか。山陰生まれの僕は、あの高湿度や天気の悪い山陰の気候に飽きて、どこか明るい光を求めて写真を撮りに行っていたのかもしれません。』(あとがきより)






菊地大吾写真集『あの町』 (GRAF Publishers、2023年1月17日発行)
菊地大吾写真集『あの町』
GRAF Publishers/2023年1月17日発行
モノクロ/25.4×20.3cm/並製
62ページ/200部/責任編集: 本山周平
定価:3000円(税込)
2023年1月17日〜22日に、トーテムポールフォトギャラリーにて写真展「あの町」を開催。展示に合わせて同タイトルの写真集を刊行。
『僕は秋田県能代市という町で産まれた。 実家は昭和30年開業で三代続いた写真館三羊堂。 小さいときから地元が好きじゃなかった。 子ども心ながらぼんやりと都会に憧れていた。 大学の進学を期にあの小さい町を離れた。 帰省するたびに、昔行っていた場所が無くなり、思い出が一つずつ失っていく感覚になる。 実家の写真館は、人口の過疎化により客足が遠のき2020年の8月をもって閉店した。 8人の家族が住んでいた実家には父しか残っていない。 実家の倉庫に大量の家族アルバムを見つけた。 祖父が撮った写真 父が撮った写真 黴臭いアルバムの写真が語りかけてくる。 家族が思い描いていた未来とは違うだろう。 それでも残された写真は自分たち家族を細い糸のようなもので繋げてくれている。 僕にできるのはそれを続けることだ。 衰退していく能代に思いを馳せながら。 』(菊地 大吾)





GRAF Publishers/2023年1月17日発行
モノクロ/25.4×20.3cm/並製
62ページ/200部/責任編集: 本山周平
定価:3000円(税込)
2023年1月17日〜22日に、トーテムポールフォトギャラリーにて写真展「あの町」を開催。展示に合わせて同タイトルの写真集を刊行。
『僕は秋田県能代市という町で産まれた。 実家は昭和30年開業で三代続いた写真館三羊堂。 小さいときから地元が好きじゃなかった。 子ども心ながらぼんやりと都会に憧れていた。 大学の進学を期にあの小さい町を離れた。 帰省するたびに、昔行っていた場所が無くなり、思い出が一つずつ失っていく感覚になる。 実家の写真館は、人口の過疎化により客足が遠のき2020年の8月をもって閉店した。 8人の家族が住んでいた実家には父しか残っていない。 実家の倉庫に大量の家族アルバムを見つけた。 祖父が撮った写真 父が撮った写真 黴臭いアルバムの写真が語りかけてくる。 家族が思い描いていた未来とは違うだろう。 それでも残された写真は自分たち家族を細い糸のようなもので繋げてくれている。 僕にできるのはそれを続けることだ。 衰退していく能代に思いを馳せながら。 』(菊地 大吾)





2023年06月15日
2023年06月13日
武田孝巳写真集『バンコク』 (蒼穹舍、2023年5月25日発行)
武田孝巳写真集『バンコク』
蒼穹舍/2023年5月25日発行
A4版変型/カラー/上製
64ページ/作品点数:58点
装幀:塚本明彦/タイプセッティング:赤川延美
定価:3600円+TAX [税込:3960円] ※ 著者署名本
撮影時期:2012〜2018バンコク及びバンコク近郊にて
『私は、整然とした綺麗で瀟洒な街よりも、どこか雑然としていて、不均一で猥雑で、活気と喧騒をあわせ持つ、カオス的な街が好きである。私にとって、このような街のほうが何となく人間味が感じられ、自ずからそちらのほうへ足が向いてしまうのである。タイ王国の首都、バンコクもその一つである。』(あとがきより抜粋)






蒼穹舍/2023年5月25日発行
A4版変型/カラー/上製
64ページ/作品点数:58点
装幀:塚本明彦/タイプセッティング:赤川延美
定価:3600円+TAX [税込:3960円] ※ 著者署名本
撮影時期:2012〜2018バンコク及びバンコク近郊にて
『私は、整然とした綺麗で瀟洒な街よりも、どこか雑然としていて、不均一で猥雑で、活気と喧騒をあわせ持つ、カオス的な街が好きである。私にとって、このような街のほうが何となく人間味が感じられ、自ずからそちらのほうへ足が向いてしまうのである。タイ王国の首都、バンコクもその一つである。』(あとがきより抜粋)






2023年06月07日
田中昭史写真集『秩父風景』 (冬青社、2023年4月10日発行)
田中昭史写真集『秩父風景』
冬青社/2023年4月10日発行
モノクロ/24.8×23.8cm/上製
124ページ/写真点数:113点
定価:4200円+TAX [4620円 (税込)] * 著者署名本
私と秩父とのかかわりは、1973年写真学校への入学で始まった。2年後の卒業制作のために選んだテーマが生まれ故郷の秩父だった。 1948年に生まれた私は、小学校4年になった春に名古屋へ転校するまでの約十年間多感な時期をその地で過ごし、その後成人するまで行くこともなかった。 十数年ぶりに訪れた秩父は、故郷でありながらどことなくよそよそしく、あまり居心地のいいものではなかった。そこに半分よそ者としての自分を意識しつつ撮影を続けているうちに、秩父通いはすでに150回をこえた。 「風景」「祭り日」は、その間の1988年から2015年にかけて撮影したものである。「闇の伝説一秩父夜祭1976/77」は、1978年に二人展「闇の伝説一秩父夜祭り」と題して秩父市矢尾百貨店で開催した作品である。撮影者は田中昭史および写真学校同級生の新 晴雄で、78年当時の構成を基に新たに組み直し、二人の写真を分けることなくここに掲載している。 いつしか還暦も過ぎ、意識のずれを感じながらも結局身体が動けなくなるまで通い続けることになることだろう。(あとがきより)







冬青社/2023年4月10日発行
モノクロ/24.8×23.8cm/上製
124ページ/写真点数:113点
定価:4200円+TAX [4620円 (税込)] * 著者署名本
私と秩父とのかかわりは、1973年写真学校への入学で始まった。2年後の卒業制作のために選んだテーマが生まれ故郷の秩父だった。 1948年に生まれた私は、小学校4年になった春に名古屋へ転校するまでの約十年間多感な時期をその地で過ごし、その後成人するまで行くこともなかった。 十数年ぶりに訪れた秩父は、故郷でありながらどことなくよそよそしく、あまり居心地のいいものではなかった。そこに半分よそ者としての自分を意識しつつ撮影を続けているうちに、秩父通いはすでに150回をこえた。 「風景」「祭り日」は、その間の1988年から2015年にかけて撮影したものである。「闇の伝説一秩父夜祭1976/77」は、1978年に二人展「闇の伝説一秩父夜祭り」と題して秩父市矢尾百貨店で開催した作品である。撮影者は田中昭史および写真学校同級生の新 晴雄で、78年当時の構成を基に新たに組み直し、二人の写真を分けることなくここに掲載している。 いつしか還暦も過ぎ、意識のずれを感じながらも結局身体が動けなくなるまで通い続けることになることだろう。(あとがきより)







2023年06月01日
大竹昭子随想録『姓がおなじ人 極私的大竹伸朗論』 (カタリココ文庫、2023年5月3日発行)
大竹昭子随想録『姓がおなじ人 極私的大竹伸朗論』
カタリココ文庫/2023年5月3日発行
文庫版(10.5×14.8cm)/並製/80ページ
装幀:横山 雄/表紙・装画:大竹伸朗+大竹彩子
図版:大竹伸朗
定価: 1000円+TAX [1100円 (税込)]
『カタリココ文庫第2期・最初の号は、画家・大竹伸朗について、私、大竹昭子が書き下ろした『姓がおなじ人 極私的大竹伸朗論』をお届けいたします。
私が大竹伸朗の作品に出あったのは1980年代前半のことです。2022年秋から翌年2月にかけて東京国立近代美術館でおこなわれた「大竹伸朗展」で久しぶりに膨大な量の大竹作品を目にし、感無量な気持ちになりました。実に40年の時が流れたわけで、さまざまな記憶がよみがり、書きたいという衝動を覚えたのです。
本書はカタリココ文庫シリーズの初の書き下ろし作品であり、第2期にふさわしいスタートが切れたことをうれしく思います。
展覧会終了の翌日には伸朗さんにお会いして久しぶりにおしゃべりし、「オフトーク」としてまとめました。そのなかに伸朗さんのおばあさんの井上照さんがお連れ合いとやっていた池袋の井上カバン店の話がでてきます。その店は私にとって思い出深い場所であり、そのことを伸朗さんと話すことができたのも本号の喜びでした。
照さんは中村草田男に師事し、井上てる女の俳号で俳句を詠んでおられました。照さんには伸朗さんに通じる創作へのパッションが感じられますが、それがよく表れでている、てる女さんのエッセイ「二十年」を巻末に転載しました。
第2期のスタートを記念して本号からカバー色を少し変えてみました。装画は伸朗さんのキカイダーの絵に、娘さんの彩子さんが本号のためにコラージュしてくださったものです。今後の展開にどうぞご期待ください。』(大竹昭子)

カタリココ文庫/2023年5月3日発行
文庫版(10.5×14.8cm)/並製/80ページ
装幀:横山 雄/表紙・装画:大竹伸朗+大竹彩子
図版:大竹伸朗
定価: 1000円+TAX [1100円 (税込)]
『カタリココ文庫第2期・最初の号は、画家・大竹伸朗について、私、大竹昭子が書き下ろした『姓がおなじ人 極私的大竹伸朗論』をお届けいたします。
私が大竹伸朗の作品に出あったのは1980年代前半のことです。2022年秋から翌年2月にかけて東京国立近代美術館でおこなわれた「大竹伸朗展」で久しぶりに膨大な量の大竹作品を目にし、感無量な気持ちになりました。実に40年の時が流れたわけで、さまざまな記憶がよみがり、書きたいという衝動を覚えたのです。
本書はカタリココ文庫シリーズの初の書き下ろし作品であり、第2期にふさわしいスタートが切れたことをうれしく思います。
展覧会終了の翌日には伸朗さんにお会いして久しぶりにおしゃべりし、「オフトーク」としてまとめました。そのなかに伸朗さんのおばあさんの井上照さんがお連れ合いとやっていた池袋の井上カバン店の話がでてきます。その店は私にとって思い出深い場所であり、そのことを伸朗さんと話すことができたのも本号の喜びでした。
照さんは中村草田男に師事し、井上てる女の俳号で俳句を詠んでおられました。照さんには伸朗さんに通じる創作へのパッションが感じられますが、それがよく表れでている、てる女さんのエッセイ「二十年」を巻末に転載しました。
第2期のスタートを記念して本号からカバー色を少し変えてみました。装画は伸朗さんのキカイダーの絵に、娘さんの彩子さんが本号のためにコラージュしてくださったものです。今後の展開にどうぞご期待ください。』(大竹昭子)

2023年05月26日
2023年05月17日
2023年05月12日
2023年05月02日
2023年04月25日
山谷佑介写真集『ONSEN I』 (flotsam books、2023年発行)
山谷佑介写真集『ONSEN I』
flotsam books/2023年発行
カラー&モノクロ/A4変型/中綴じ/64ページ
定価:3850円 (税込)
『野湯と呼ばれる自然の中に自噴する整備されていない温泉巡りは、山谷がカメラを手にして間もない15年程前から始まり、友人や家族、時にはSNSやZINEで希望者を募り現在も続けられています。それら一連の実践は、時間を超えて変わらずに存在する自然や人間の姿を記録する撮影行為だけにとどまらず、ありのままの風景に身体を介在させて、人間と世界そのものを捉え直そうとする試みです。』(著者のサイトの紹介より)




flotsam books/2023年発行
カラー&モノクロ/A4変型/中綴じ/64ページ
定価:3850円 (税込)
『野湯と呼ばれる自然の中に自噴する整備されていない温泉巡りは、山谷がカメラを手にして間もない15年程前から始まり、友人や家族、時にはSNSやZINEで希望者を募り現在も続けられています。それら一連の実践は、時間を超えて変わらずに存在する自然や人間の姿を記録する撮影行為だけにとどまらず、ありのままの風景に身体を介在させて、人間と世界そのものを捉え直そうとする試みです。』(著者のサイトの紹介より)




PHOTOGRAPHER HAL写真集『洋子』 (冬青社、2023年4月28日発行)
PHOTOGRAPHER HAL写真集『洋子』
冬青社/2023年4月28日発行
カラー/B5変型/上製/76ページ/写真点数:65点
定価:5000円+TAX [税込:5500円]
”2022年1月に晴太郎が誕生した。私は出産に立ち会うことができず、もどかしさと無力感を感じていた。出産から数日経ち、病院の外からガラス越しに洋子と晴太郎に対面することができた。
その姿は神々しかった。私はその時の思いを形にするため、母子の光の像で沖縄や東京の風景を包み込んだ。その姿はまるで人間と森羅万象が溶け合った私にとっての新たな「聖母マリア」像の誕生だった。” (写真集テキストより一部抜粋)




冬青社/2023年4月28日発行
カラー/B5変型/上製/76ページ/写真点数:65点
定価:5000円+TAX [税込:5500円]
”2022年1月に晴太郎が誕生した。私は出産に立ち会うことができず、もどかしさと無力感を感じていた。出産から数日経ち、病院の外からガラス越しに洋子と晴太郎に対面することができた。
その姿は神々しかった。私はその時の思いを形にするため、母子の光の像で沖縄や東京の風景を包み込んだ。その姿はまるで人間と森羅万象が溶け合った私にとっての新たな「聖母マリア」像の誕生だった。” (写真集テキストより一部抜粋)




2023年04月17日
原芳市写真集 『常世の虫』改訂版 (蒼穹舍、2023年4月4日発行)
原芳市写真集 『常世の虫』改訂版
蒼穹舍/2023年4月4日発行
モノクロ/A4変型/上製
84ページ/作品点数:75点
編集:大田通貴/装幀:加藤勝也
定価:4000円+TAX [税込:4400円]
日本書紀に書かれている『常世の虫』という文言を見いだした事から生まれた不思議な気持ち...。『現の闇』『光あるうちに』に続く、原芳市の世界。長らく品切れしていた作品の待望の改訂版。
「人は、死んで虫に化身するという伝説を聞きます。本当なのかもしれません。『常世の虫』を得たことで、ぼくは、とても、自由な気分を味わっているのです」(あとがきより)






蒼穹舍/2023年4月4日発行
モノクロ/A4変型/上製
84ページ/作品点数:75点
編集:大田通貴/装幀:加藤勝也
定価:4000円+TAX [税込:4400円]
日本書紀に書かれている『常世の虫』という文言を見いだした事から生まれた不思議な気持ち...。『現の闇』『光あるうちに』に続く、原芳市の世界。長らく品切れしていた作品の待望の改訂版。
「人は、死んで虫に化身するという伝説を聞きます。本当なのかもしれません。『常世の虫』を得たことで、ぼくは、とても、自由な気分を味わっているのです」(あとがきより)






林朋奈写真集『フラグメントライト』 [3rddgbooks(サードブックス)、2023年3月1日発行]
林朋奈写真集『フラグメントライト』
3rddgbooks(サードブックス)/2023年3月1日発行
カラー/30.6×19.8cm/上製/80ページ+10ページ(付属冊子)
装丁:松本孝一/テクスト : Cutsigh/翻訳:ジョン・サイバル
定価:5000円+TAX [税込:5500円]
林朋奈初の写真集。サードディストリクトギャラリーの出版部門サードブックスが発刊するはじめての書籍です。タイトルが示すとおりに断片的かつ光の存在を強く示す映像群は、きわめて写真的であり、見る者に言葉への安易な置換を拒絶するような印象を与えます。(版元の紹介より)





3rddgbooks(サードブックス)/2023年3月1日発行
カラー/30.6×19.8cm/上製/80ページ+10ページ(付属冊子)
装丁:松本孝一/テクスト : Cutsigh/翻訳:ジョン・サイバル
定価:5000円+TAX [税込:5500円]
林朋奈初の写真集。サードディストリクトギャラリーの出版部門サードブックスが発刊するはじめての書籍です。タイトルが示すとおりに断片的かつ光の存在を強く示す映像群は、きわめて写真的であり、見る者に言葉への安易な置換を拒絶するような印象を与えます。(版元の紹介より)





2023年04月14日
北井一夫写真集『ドイツ表現派紀行』 (PCT、2023年4月20日発行)
北井一夫写真集『ドイツ表現派紀行』
PCT/2023年4月20日発行
20×20cm/上製/モノクロ/88ページ
価格 : 4000円+TAX [4400円 (税込)] ※ 著者署名本
『ドイツ表現派は1920 年代の10 年間だけ活発になったドイツ固有の総合芸術運動で、この時代フランスはアールヌーボー、日本では大正ロマンと、世界各国がそれぞれに芸術を謳歌しました。ドイツ表現派はそれまでの建築様式と違って権力を誇示するような装飾はなく、バウハウスの合理主義的機能美もありません。一見矛盾に満ちた建築でありながら、建築が何かの形象を模倣した面白さがあるのです。オランダ・アムステルダム、ドイツ・ケルン、ハンブルク、東ベルリン、西ベルリン、チェコ・プラハなど、表現派建築やその街の写真を撮りながら歩いた4 か月の道程。撮影から40 年という時を経て、未発表作品を多く含む写真集として刊行いたします。』(版元の紹介)
「ドイツ表現派はそれまでの建築様式と違って権力を誇示するような装飾はなく、バウハウスの合理主義的機能美もない。一見矛盾に満ちた建築でありながら、建築が何かの形象を模倣した面白さがある」(北井一夫)







PCT/2023年4月20日発行
20×20cm/上製/モノクロ/88ページ
価格 : 4000円+TAX [4400円 (税込)] ※ 著者署名本
『ドイツ表現派は1920 年代の10 年間だけ活発になったドイツ固有の総合芸術運動で、この時代フランスはアールヌーボー、日本では大正ロマンと、世界各国がそれぞれに芸術を謳歌しました。ドイツ表現派はそれまでの建築様式と違って権力を誇示するような装飾はなく、バウハウスの合理主義的機能美もありません。一見矛盾に満ちた建築でありながら、建築が何かの形象を模倣した面白さがあるのです。オランダ・アムステルダム、ドイツ・ケルン、ハンブルク、東ベルリン、西ベルリン、チェコ・プラハなど、表現派建築やその街の写真を撮りながら歩いた4 か月の道程。撮影から40 年という時を経て、未発表作品を多く含む写真集として刊行いたします。』(版元の紹介)
「ドイツ表現派はそれまでの建築様式と違って権力を誇示するような装飾はなく、バウハウスの合理主義的機能美もない。一見矛盾に満ちた建築でありながら、建築が何かの形象を模倣した面白さがある」(北井一夫)







2023年04月11日
2023年04月04日
宛 超凡 (Wan Chaofan)写真集『河はすべて知っている―荒川』 (STAIRS PRESS、2022年11月15日発行)
宛 超凡 (Wan Chaofan)写真集『河はすべて知っている―荒川』
STAIRS PRESS/2022年11月15日発行
蛇腹、ケース付/47.1×20.1cm/500部限定
カラー/48ページ/写真点数:40点
編集:宛超凡/デザイン:唐雅怡/テキスト:伊藤俊治
定価:7700円 (税込)
第24回(2022年度)三木淳賞 受賞作品
『水はあらゆる生命の源である。
また、都市が成り立ち、発展するためには、いつの時代も、水害を防いだり、水路を整備したりする治水は重要な課題だったと考える。河川は人類文明を育て、その一方で、人類は河川の有り様を度々構築し直してきた。
荒川は、過去には何度も氾濫を起こし、人々の生活に大きな影響を及ぼしてきた。また、荒川の支流には、東京の“母なる川”と言われる隅田川もあり、荒川を下っていくことで、東京という都市の、様々な側面が見えてくると考えた。
これが、荒川を被写体として選んだ理由である。
そして、荒川を下ることで見えてきたのは、都市の一つの側面だけではなかった。自然に対する人間の力も、まざまざと見せつけられた。荒川が、現在のような流域にあるのは、人間の力の介入があったからこそ、ではないだろうか。
川にはいろんな水が注いでいる。工業排水や生活排水、そして雨水などだ。人々は、川で泳いだり、川辺で釣りをしたり、あるいは、川の上を船で走る。また、水面をゴミが漂い、死んだ魚が川辺に打ち捨てられている光景も見た。
川に注いだ水の成分の違いにより、川の両岸の人類社会や自然環境は異なる。川はそれらの全てを知っている。また、川はすべてを受け入れ、流れ続けている。
これが『川はすべて知っている』というタイトルを付けた理由だ。』(宛 超凡)





判型201 × 471 mm頁数48頁、掲載作品40点製本ハードカバー、ケース発行年2022言語英語、日本語エディション500ISBN978-4-908851-08-7
STAIRS PRESS/2022年11月15日発行
蛇腹、ケース付/47.1×20.1cm/500部限定
カラー/48ページ/写真点数:40点
編集:宛超凡/デザイン:唐雅怡/テキスト:伊藤俊治
定価:7700円 (税込)
第24回(2022年度)三木淳賞 受賞作品
『水はあらゆる生命の源である。
また、都市が成り立ち、発展するためには、いつの時代も、水害を防いだり、水路を整備したりする治水は重要な課題だったと考える。河川は人類文明を育て、その一方で、人類は河川の有り様を度々構築し直してきた。
荒川は、過去には何度も氾濫を起こし、人々の生活に大きな影響を及ぼしてきた。また、荒川の支流には、東京の“母なる川”と言われる隅田川もあり、荒川を下っていくことで、東京という都市の、様々な側面が見えてくると考えた。
これが、荒川を被写体として選んだ理由である。
そして、荒川を下ることで見えてきたのは、都市の一つの側面だけではなかった。自然に対する人間の力も、まざまざと見せつけられた。荒川が、現在のような流域にあるのは、人間の力の介入があったからこそ、ではないだろうか。
川にはいろんな水が注いでいる。工業排水や生活排水、そして雨水などだ。人々は、川で泳いだり、川辺で釣りをしたり、あるいは、川の上を船で走る。また、水面をゴミが漂い、死んだ魚が川辺に打ち捨てられている光景も見た。
川に注いだ水の成分の違いにより、川の両岸の人類社会や自然環境は異なる。川はそれらの全てを知っている。また、川はすべてを受け入れ、流れ続けている。
これが『川はすべて知っている』というタイトルを付けた理由だ。』(宛 超凡)





判型201 × 471 mm頁数48頁、掲載作品40点製本ハードカバー、ケース発行年2022言語英語、日本語エディション500ISBN978-4-908851-08-7
2023年03月28日
2023年03月24日
『写真の会会報 第87号』 (写真の会、2023年2月18日発行)
『写真の会会報 第87号』
写真の会/2023年2月18日発行
A4/中綴じ/48ページ/初版発行300部
定価 : 1000円(税込)
・これまでの写真の会賞受賞作品
・写真の会賞『APPEARANCE』(作者・兼子裕代)
・第32回写真の会賞 選考会、文字によるドキュメンタリー
・選評 沖本尚志/河島えみ/深川雅文/タカザワケンジ
・幼年期に見た光の輝きを追い求めて 兼子裕代『APPEARANCE』インタビュー
・写真の会について/写真の会サポーター募集
写真の会/2023年2月18日発行
A4/中綴じ/48ページ/初版発行300部
定価 : 1000円(税込)
・これまでの写真の会賞受賞作品
・写真の会賞『APPEARANCE』(作者・兼子裕代)
・第32回写真の会賞 選考会、文字によるドキュメンタリー
・選評 沖本尚志/河島えみ/深川雅文/タカザワケンジ
・幼年期に見た光の輝きを追い求めて 兼子裕代『APPEARANCE』インタビュー
・写真の会について/写真の会サポーター募集
2023年03月22日
2023年03月17日
楢橋朝子写真集『春は曙』 (オシリス、2023年2月1日発行)
楢橋朝子写真集『春は曙』
オシリス/2023年2月1日発行
B5変型/上製/モノクロ
120ページ/写真点数:79点
定価 : 4800円 + TAX [税込:5280円]
1989年に撮影された楢橋朝子の最初期の作品を当時展示で発表したものに未発表のものも含めて79点に纏めたもの。
『濃密な1989年――この年の楢橋は、8回の旅をし、6回の個展を開き、4回のグループ展に参加している。熊本、博多、那覇、石垣島、竹富島、三宅島、御蔵島、横浜、横須賀、東京、湯沢、八戸、三沢、竜飛や十三湖や小泊など津軽のあちこち……撮影地は南へ、北へ、島々へと広がっている。 1989年4月に「春は曙」と題した初個展を開催。本書の書名は、このタイトルからとられている。収録のエッセイで楢橋は、写真が日々を突き動かしていた当時の気持ちをこう語る。 「……どこへ行くかも何を撮るかもつよく決めていたことはひとつとしてなく、流れや勢いや絡みや逃げなどが針を動かしていたような気がする。どこでもよかったしなんでもよかったのだと思う。写真は手段ではなく、目的だった。」 』(版元の紹介文より抜粋)







オシリス/2023年2月1日発行
B5変型/上製/モノクロ
120ページ/写真点数:79点
定価 : 4800円 + TAX [税込:5280円]
1989年に撮影された楢橋朝子の最初期の作品を当時展示で発表したものに未発表のものも含めて79点に纏めたもの。
『濃密な1989年――この年の楢橋は、8回の旅をし、6回の個展を開き、4回のグループ展に参加している。熊本、博多、那覇、石垣島、竹富島、三宅島、御蔵島、横浜、横須賀、東京、湯沢、八戸、三沢、竜飛や十三湖や小泊など津軽のあちこち……撮影地は南へ、北へ、島々へと広がっている。 1989年4月に「春は曙」と題した初個展を開催。本書の書名は、このタイトルからとられている。収録のエッセイで楢橋は、写真が日々を突き動かしていた当時の気持ちをこう語る。 「……どこへ行くかも何を撮るかもつよく決めていたことはひとつとしてなく、流れや勢いや絡みや逃げなどが針を動かしていたような気がする。どこでもよかったしなんでもよかったのだと思う。写真は手段ではなく、目的だった。」 』(版元の紹介文より抜粋)







2023年03月15日
2023年03月14日
高井博写真集 「やとのじゃぬけ」 (蒼穹舎、2023年2月22日発行)
高井博写真集 「やとのじゃぬけ」
蒼穹舎/2023年2月22日発行
A4変型/上製/モノクロ
72ページ/作品:64点
編集:大田通貴/装幀:加藤勝也
定価:4000円+TAX [税込:4400円]
2014年8月16日から17日にかけて降り続いた雨は414ミリ、時間降雨量は91ミリの記録的豪雨となり推計50万立米に及ぶ土砂が崩れて甚大な被害をもたらした。夜が明けると耕していた棚田は収穫直前の稲をなぎ倒し全面が緩斜面と化した。災害には顔がある。そしてその顔は突然に表情を変える。災害は避けられず、先人たちはそこから立ち上がって再び以前と変わらぬ生活を送っている。人間讃歌の思いで災害の復旧から復興までの道のりを撮った。(あとがきから抜粋)







蒼穹舎/2023年2月22日発行
A4変型/上製/モノクロ
72ページ/作品:64点
編集:大田通貴/装幀:加藤勝也
定価:4000円+TAX [税込:4400円]
2014年8月16日から17日にかけて降り続いた雨は414ミリ、時間降雨量は91ミリの記録的豪雨となり推計50万立米に及ぶ土砂が崩れて甚大な被害をもたらした。夜が明けると耕していた棚田は収穫直前の稲をなぎ倒し全面が緩斜面と化した。災害には顔がある。そしてその顔は突然に表情を変える。災害は避けられず、先人たちはそこから立ち上がって再び以前と変わらぬ生活を送っている。人間讃歌の思いで災害の復旧から復興までの道のりを撮った。(あとがきから抜粋)







2023年03月01日
真月洋子写真集『a priori』 (蒼穹舍、2023年2月1日発行)
真月洋子写真集『a priori』
蒼穹舍/2023年2月1日発行
300部/A4版変型/モノクロ/上製
56ページ/作品点数:28点
装幀:塚本明彦、赤川延美(タイプセッティング)
定価:5000円+TAX [税込:5500円] ※ 著者署名本
最初のa prioriシリーズは、 2013年に写真集『a priori innerplants』(蒼穹舎)の上梓という形で区切り、一旦制作を止めていたが、 作家の身近に起こった出来事をきっかけに2018年末から制作を再開したものを纏めた新作作品集。
『目の前にあるものの背後にあって、目にはみえず、耳にきこえるわけでもないけれど確実にそこに在ることを感じられるもの。それを言葉が生じるより先に、身体から身体、皮膚から皮膚へと直接語りかける。そんな試みをつづけています。』(あとがきより)






蒼穹舍/2023年2月1日発行
300部/A4版変型/モノクロ/上製
56ページ/作品点数:28点
装幀:塚本明彦、赤川延美(タイプセッティング)
定価:5000円+TAX [税込:5500円] ※ 著者署名本
最初のa prioriシリーズは、 2013年に写真集『a priori innerplants』(蒼穹舎)の上梓という形で区切り、一旦制作を止めていたが、 作家の身近に起こった出来事をきっかけに2018年末から制作を再開したものを纏めた新作作品集。
『目の前にあるものの背後にあって、目にはみえず、耳にきこえるわけでもないけれど確実にそこに在ることを感じられるもの。それを言葉が生じるより先に、身体から身体、皮膚から皮膚へと直接語りかける。そんな試みをつづけています。』(あとがきより)






2023年02月28日
2023年02月25日
野口靖子写真集『赤光の庭』 (Fields、2022年7月1日発行)
野口靖子写真集『赤光の庭』
Fields/2022年7月1日発行
25.4×25.0cm/並製/モノクロ
288ページ/写真点数:146点
定価:4500円 + TAX [4950円税込] ※ 著者署名本
赤光、しゃっこう。いつもこの言葉の響きや字の形にかっこよさを感じていました。 モノクロ暗室に灯る赤い光。 「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」のお経の鮮やかでいて静かなイメージ。 それぞれが自らが発する光に輝いていて存在している、そして存在するだけで既に喜ばしいことだと表現できることは、私が写真をやる上での究極の目標です。 道程の途中ではありますが、自分にはっきりさせるためにこのタイトルとしました。 写真としては、近年、言い切るイメージよりも、含みを持った複雑なことがらを一枚に重ねられるような一枚の写真を思い続けてきました。 正方形は肉眼の視覚にはない、カメラアイがもたらすものの見方であるから「自然」な視覚ではない。 イメージを固着させることも、逆に全方位へ解き放つこともできる、魔法陣のようにたくさんの意味を内包できる形だと私は思うのです。 そのことを一番よく表す写真集の形はなんだろうと考えてきましたが、今回はこの形で作りました。 ― 野口靖子







Fields/2022年7月1日発行
25.4×25.0cm/並製/モノクロ
288ページ/写真点数:146点
定価:4500円 + TAX [4950円税込] ※ 著者署名本
赤光、しゃっこう。いつもこの言葉の響きや字の形にかっこよさを感じていました。 モノクロ暗室に灯る赤い光。 「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」のお経の鮮やかでいて静かなイメージ。 それぞれが自らが発する光に輝いていて存在している、そして存在するだけで既に喜ばしいことだと表現できることは、私が写真をやる上での究極の目標です。 道程の途中ではありますが、自分にはっきりさせるためにこのタイトルとしました。 写真としては、近年、言い切るイメージよりも、含みを持った複雑なことがらを一枚に重ねられるような一枚の写真を思い続けてきました。 正方形は肉眼の視覚にはない、カメラアイがもたらすものの見方であるから「自然」な視覚ではない。 イメージを固着させることも、逆に全方位へ解き放つこともできる、魔法陣のようにたくさんの意味を内包できる形だと私は思うのです。 そのことを一番よく表す写真集の形はなんだろうと考えてきましたが、今回はこの形で作りました。 ― 野口靖子







野口靖子写真集『青空の月 <神戸・阪神間 2010-2013>』 (Fields、新装改訂版 2022年7月1日発行)
野口靖子写真集『青空の月 <神戸・阪神間 2010-2013>』
Fields/新装改訂版 2022年7月1日発行
25.4×25.0cm/並製/モノクロ
168ページ/写真点数:86点
定価:4000円 + TAX [4400円税込] ※ 著者署名本
ある夜、夢を見ました。我を忘れるくらいの喜びの中で撮影している夢です。流れるように動き回って、手にはローライフレックス75mm付きを持っていた。 その少し前から正方形の写真はお休みしていて、35mmや6x7フォーマットを試してみたり、違う道を探していたのですが、そのローライの夢を見た朝に、ああ、やっぱり6x6でやってみよう、と思ったのがこのシリーズが始まったきっかけです。 ですから、このシリーズには喜びを撮っていこうという明るさがあって好きです。 このたび大阪へ引っ越しすることになって、自分のバックグラウンドが5歳から40年以上過ごした阪神間の空気や文化にいかに強く裏打ちされていたかを意識するようになりました。 小学校へ通う道ぞいに谷崎潤一郎が住んでいたと言う家があって、今でも本棚のトップに君臨しているし(オールタイムベスト制の本棚なので)、大学を決めたのは稲垣足穂の小説に出てくる学校だったから、、というような、いちいち阪神間モダニズムに憧れていた青春時代でした。 今では住宅地の印象が強い土地かもしれませんが、歩き慣れた道にたくさん面白いものが見つかって楽しい撮影でした。見慣れたところに新しい物事を発見することは写真をやる中で一番面白いことの一つだと私は思います。
<旧版との違い> 今回は神戸・阪神間、そして撮影年も限定することで、より具体的な写真を収録できるように工夫しました。 ― 野口靖子





Fields/新装改訂版 2022年7月1日発行
25.4×25.0cm/並製/モノクロ
168ページ/写真点数:86点
定価:4000円 + TAX [4400円税込] ※ 著者署名本
ある夜、夢を見ました。我を忘れるくらいの喜びの中で撮影している夢です。流れるように動き回って、手にはローライフレックス75mm付きを持っていた。 その少し前から正方形の写真はお休みしていて、35mmや6x7フォーマットを試してみたり、違う道を探していたのですが、そのローライの夢を見た朝に、ああ、やっぱり6x6でやってみよう、と思ったのがこのシリーズが始まったきっかけです。 ですから、このシリーズには喜びを撮っていこうという明るさがあって好きです。 このたび大阪へ引っ越しすることになって、自分のバックグラウンドが5歳から40年以上過ごした阪神間の空気や文化にいかに強く裏打ちされていたかを意識するようになりました。 小学校へ通う道ぞいに谷崎潤一郎が住んでいたと言う家があって、今でも本棚のトップに君臨しているし(オールタイムベスト制の本棚なので)、大学を決めたのは稲垣足穂の小説に出てくる学校だったから、、というような、いちいち阪神間モダニズムに憧れていた青春時代でした。 今では住宅地の印象が強い土地かもしれませんが、歩き慣れた道にたくさん面白いものが見つかって楽しい撮影でした。見慣れたところに新しい物事を発見することは写真をやる中で一番面白いことの一つだと私は思います。
<旧版との違い> 今回は神戸・阪神間、そして撮影年も限定することで、より具体的な写真を収録できるように工夫しました。 ― 野口靖子





野口靖子写真集『桜狩り』 (Fields、2022年7月1日発行)
野口靖子写真集『桜狩り』
Fields/2022年7月1日発行
25.4×25.0cm/並製/モノクロ
142ページ/写真点数:99点
定価:4000円 + TAX [4400円税込] ※ 著者署名本
写真専門学校の学生時代から、卒業後の約6年間にかけて撮影していました。 既存のテーマについて撮影せず、あるかどうか定かではないが、自分のイメージを探そうとしていた模索の時代。 自己と他者が織りなす空間で、幾巡にも繰り返される日常。 その中に「花」を見つけること。 特別な無時間が出現するように自己の意識を変革して、日常に間隙を作り出すこと。 そこでイメージが咲き出す瞬間に立ち会い、それが散るまで見とどけること。 カメラを通して得られるそのような経験が自分の写真のはじまりと信じて、いろいろな場所へ出掛けていました。 ― 野口靖子





Fields/2022年7月1日発行
25.4×25.0cm/並製/モノクロ
142ページ/写真点数:99点
定価:4000円 + TAX [4400円税込] ※ 著者署名本
写真専門学校の学生時代から、卒業後の約6年間にかけて撮影していました。 既存のテーマについて撮影せず、あるかどうか定かではないが、自分のイメージを探そうとしていた模索の時代。 自己と他者が織りなす空間で、幾巡にも繰り返される日常。 その中に「花」を見つけること。 特別な無時間が出現するように自己の意識を変革して、日常に間隙を作り出すこと。 そこでイメージが咲き出す瞬間に立ち会い、それが散るまで見とどけること。 カメラを通して得られるそのような経験が自分の写真のはじまりと信じて、いろいろな場所へ出掛けていました。 ― 野口靖子





2023年02月21日
吉村朗写真集『吉村朗の眼』 (さいはて社、2022年10月20日発行)
吉村朗写真集『吉村朗の眼』
さいはて社/2022年10月20日発行
モノクロ&カラー/A4変型/並製/240ページ
定価 : 2200円+TAX
東京綜合写真専門学校・4FGallery Forestでの同名展にあわせて制作。
『吉村朗が挑んだ”新たな物語”のための写真 ──それは、まさに止むことのない実験であった。1980年代半ばより都市のスナップ写真家として脚光を浴びた後、1990年代に大きく作風を変え、現代も跳梁跋扈する日本近代という怪物をめぐって自己の実存と歴史のあり方を重ね合わせ問い掛ける問題作を発表し、内外の注目を集めた。生前、その仕事は一部の評論家と作家を除けば、けして広く評価されることはなかった。吉村朗は、そうした状況をものともせず、馴化されず、媚を売らず、自らの道を突き進んだ。孤高の写真家の眼差しの軌跡と奇跡に刮目せよ!』(東京綜合写真専門学校・4FGallery Forestでの同名展の告知より)






さいはて社/2022年10月20日発行
モノクロ&カラー/A4変型/並製/240ページ
定価 : 2200円+TAX
東京綜合写真専門学校・4FGallery Forestでの同名展にあわせて制作。
『吉村朗が挑んだ”新たな物語”のための写真 ──それは、まさに止むことのない実験であった。1980年代半ばより都市のスナップ写真家として脚光を浴びた後、1990年代に大きく作風を変え、現代も跳梁跋扈する日本近代という怪物をめぐって自己の実存と歴史のあり方を重ね合わせ問い掛ける問題作を発表し、内外の注目を集めた。生前、その仕事は一部の評論家と作家を除けば、けして広く評価されることはなかった。吉村朗は、そうした状況をものともせず、馴化されず、媚を売らず、自らの道を突き進んだ。孤高の写真家の眼差しの軌跡と奇跡に刮目せよ!』(東京綜合写真専門学校・4FGallery Forestでの同名展の告知より)





