2018年12月11日

立木義浩写真集『舌出し天使』 (リブロアルテ、2018年11月16日発行)

立木義浩写真集『舌出し天使』
リブロアルテ/2018年11月16日発行
25.5×27cm/上製/モノクロ/120ページ/写真点数:86点
ブックデザイン:加藤勝也/テキスト:草森紳一/企画協力:木本禎一/協力:村越としや
定価: 5500円+TAX
『「舌出し天使」は1965年4月号『カメラ毎日』に56ページにわたり掲載されました。立木27歳の鮮烈のデビューとなりました。当時の編集長山岸章二氏の判断で掲載が決まったと聞いています。写真構成には和田誠氏、詩を寺山修司氏、解説に草森紳一氏と錚々たるメンバーでした。
今回の写真集には当時掲載された62点に加えまして未収録のカット24点で構成いたします。』(版元の紹介より)

『草森紳一氏による解説(昭和40年当時の原文)
夢を見ている時、いくら奇妙であっても私たちは波間に漂うイカダのようにただ運ばれていくにすぎないが、この「舌出し天使」のページも波間のイカダのようにめくっていきたい。少女が星条旗をからだにまきつけて魔法使いよろしくほうきにまたがっても、決して文明批判などと考えないでほしい。夢の観客であってほしい。立木義浩も夢の運転者であると同時に観客なのだ。この写真集の新しさはそこにある。これは従来の数々の主観写真、心象写真などともちろん異なっている。彼は、写真が文学や絵画の弾力を受けないこと、つまり象徴におちいりがちなセンス(意味)と構図の魅惑を一応放棄したのだ。また一般には写真の本質とは、記録性・報道性であるという神話がある。というよりそれは、母の懐みたいなものだ。立木はセンスを放棄することによりこの懐(記録性)にも接近した。これは一群のフォト・ストーリーのよき仲間ではない。そう見えなくもないのは、1人の少女におこった肉体と心理のメカニズムの遭遇を連続して記録しているからだ。故意を避ける姿勢であり、このナンセンスとの集中的めぐりあいは、ストーリーというよりドキュメントなのだ。この少女がいかにユーモラスで悲しげであっても彼女のせいではなく、27才の立木義浩のある決算報告であり、ヤケドの跡なのだ。

出典 1965、4月号 立木義浩写真集「舌出し天使」 「カメラ毎日」』(版元の紹介より)
立木義浩写真集『舌出し天使

立木義浩写真集『舌出し天使1

立木義浩写真集『舌出し天使2

立木義浩写真集『舌出し天使3

立木義浩写真集『舌出し天使4

立木義浩写真集『舌出し天使5



sokyusha at 15:32│ 写真集新刊