2005年09月05日

最後の願い

最後の願い

光原百合

以前表紙に惹かれて借りた光原さんの「十八の夏」が、表題作以外はどうもぴんとこなかったのです。なので今回少々不安に思いつつ手にとったのですが、こちらはおもしろかったです。連作小説がラストに向って収束していく感じは、読んでいて気持ちがいいし、仲間が一人また一人と加わっていくというのは桃太郎のように?!なんだかわくわくして、1話1話次はどんな人との出会いがあるのだろうと、楽しみで仕方ありませんでした。「仲間」といい「舞台」といい、熱い思いが伝わってくるこういう話って、好きなのです。
そしてここでは1話1話それぞれにミステリーの要素がちりばめられています。それは日常のミステリーと呼べるようなものから、本当に事件がらみのものまでありますが、それを劇団員である度会や風見が、偶然耳にする話の真相を推理していくというスタイルなのです。中でも好きなのは、「最後の言葉は・・・」と「風船が割れたとき・・」でした。どちらもこの中では比較的真相を推理しやすいものだと思いますが、人の心の底を優しく暖かく見てくれているのが感じられました。そして事件とも呼べない一見ささいな出来事の中にも、様々な思いが隠れている、そんなことに考えをめぐらせました。
でも、実はラストの「・・・そして開幕」にちょっとがっかりしてしまったのです。あれだけミステリーを整然と推理しながらこうなるの??この人が語り手なの??と・・。そういいつつも、どんな舞台になったのかすごく気になってます。これだけの個性が集まったら衝突もすごそうですが、1つにまとまったらもっとすごそうです。あったら見て見たいなぁ・・・そんなわくわくする気持ちが残りました。
soleil1 at 23:50│Comments(17)TrackBack(11) 光原百合 

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1. 最後の願い(光原百合)  [ のほ本♪ ]   2005年09月06日 08:07
日常の中で起こる他愛もないこと。だがその裏には隠された事実があった。新しく劇団...
2. 『最後の願い』  光原百合  光文社  [ アン・バランス・ダイアリー ]   2005年09月06日 22:02
最後の願い 久しぶりの光原さん、嬉しいですね〜〜 新しく劇団を立ち上げるため、一緒にやっていく仲間を集めている度会恭平。彼は自分がこれぞと思えるメンバーを求め、人材を探す過程で、様々な謎に出合う・・・。 光原さんらしい、とても優しく、楽しい雰囲気あふれ....
3. 「最後の願い」光原百合  [ ナナメモ ]   2005年09月08日 19:56
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4. 『最後の願い』 光原百合 (光文社)  [ 活字中毒日記! ]   2005年09月11日 17:23
最後の願い光原 百合 / 光文社(2005/02/23)Amazonランキング:118,647位Amazonおすすめ度:いいなあ・・・劇団Φ期待が大きかっただけに・・・Amazonで詳細を見るBooklogでレビューを見る by Booklog 私たち読書好きにとって、新たにお気に入りの作家を発見した時の喜びっ...
5. 最後の願い  (光原 百合)  [ 花ごよみ ]   2005年09月12日 19:44
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6. 最後の願い  [ 雑食レビュー ]   2005年09月18日 23:11
最後の願いposted with amazlet at 05.09.18光原 百合 光文社 (2005/02/23)売り上げランキング: 59,516Amazon.co.jp で詳細を見る 新しい劇団を作るべく、希望通りのメンバーを集めるために東奔西走している度会と風見。彼らが目をつけたスタッフ候補たちは、それぞれにいろ...
7. 「最後の願い」 光原百合  [ *読書の時間* ]   2005年09月20日 17:03
「劇団Φ(ファイ)」を作る為、個性豊かな人たちを一章ごとに集めていくストーリーは面白い。そしてその一章ごとに不可解な謎を解いていく。 役者は人間をとことん追及する人でない
8. 『最後の願い』 光原百合 光文社  [ みかんのReading Diary♪ ]   2005年09月24日 06:19
最後の願い 7章からなる連作短編集。 新しく劇団Φ(ファイ)を立ち上げようとしている度会恭平と風見は人材を求め探しまわる。 1章ごとに脚本家など裏方ながら大切なを「あなたしかいない」とスカウト。だが、ことごとくスカウトした相手は悩みを抱えていて渋ってい...
9. 「最後の願い」光原百合  [ 本を読む女。改訂版 ]   2005年10月23日 02:21
最後の願い発売元: 光文社価格: ¥ 1,890発売日: 2005/02/23売上ランキング: 81,410posted with Socialtunes at 2005/10/23 光原さんの本はこれで5冊読みましたが、今のところ私のベストはこれです。 なんか、好きな作家さんの最新作を手放しで評価できるって嬉しい気...
10. [本]光原百合「最後の願い」  [ Four Seasons ]   2005年12月03日 18:02
最後の願い 光原 百合 / 光文社新たに小劇場系の劇団を立ち上げようと奔走する若者2人が、 原案提供者や制作、美術担当などの人材を探しながら、 大小の謎を解いてゆくミステリ。 “度会”と“風間”なる2人の演劇青年を軸としつつも、 短編(章)ごとに語り手の変...
11. 最後の願い、光原百合  [ 粋な提案 ]   2006年06月24日 22:16
カバー写真はKOICHI YOKOYAMA。「2006年度版このミステリーがすごい!」の国内編第10位を獲得。「ジャーロ」2002年から2005年にかけて不定期掲載された連作短編集。 新しく劇団Φ(ファイ:空集合の意呀

この記事へのコメント

1. Posted by ゆこりん   2005年09月06日 08:08
おはようございます。
私もこの作品、大好きです(o^∇^o)
劇団Φの公演、見てみたいですね。
2. Posted by EKKO   2005年09月06日 22:00
5 こんばんは〜
「桃太郎」って面白い〜言われてみればそんな趣ですよね。
そして光原さんらしい優しさあふれる作品だったと思います。
TBさせていただきました。
3. Posted by june   2005年09月06日 22:47
>ゆこりんさん
お久しぶりです。ゆこりんさんのブログはいつも参考にさせていただいてます!
劇団Φの公演、洋館を舞台に4人の登場人物それぞれが語る1つの出来事・・。見てみたいですー。
4. Posted by june   2005年09月06日 22:53
>EKKOさん
こんばんわー
「桃太郎」なんて、小学生の感想文のようで、後になって恥ずかしくなりました
光原さんの作品って、ほんと優しくあたたかいですね。次は「時計を忘れて〜」を読んでみようと思います。
5. Posted by なな   2005年09月08日 19:55
「桃太郎」!確かにそうです。いいです!
ちょっと小耳に挟んだ話から解決する、こんな洞察力のある人が回りにいたら怖いですね。
6. Posted by kazu   2005年09月12日 23:41
相互TBありがとうございました。 
この登場人物の公演見たくなりますね。 
たくさん本のレビューがあって
素敵です。 
またおじゃまさしてもらいますね♪ 
7. Posted by june   2005年09月13日 17:21
>kazuさん
コメントありがとうございます♪
この劇団というか、度会さんにはモデルとなった役者さんがいらっしゃるそうです。お芝居はあまり見たことがないのですが、見てみたくなってしまいました。

これからもどうぞよろしくお願いします。
8. Posted by おおき   2005年09月18日 23:19
こんばんは。
この作品はかなり好印象でした。光原さんうまいです。
ミステリとして読むと、最後の章だけは「?」となるかもしれませんが、ぼくはすんなり受け入れられました。

TBさせていただきました。
9. Posted by june   2005年09月19日 22:07
>おおきさん
こんばんわ!
実は、最後の章の「?」については訂正しようと思いまして・・。
つい先日、友達と「オペラ座の怪人」の話をしていて「劇場のような空間というのは、そういうものがいても不思議ではないよね」と自分がしゃべるのを自分で聞いて愕然としたのです。
ミステリの部分を強く意識しすぎてかたくなだったようです。今は最終章は受け入れてます^^;
10. Posted by ruka   2005年09月20日 17:00
juneさん、こんにちはー♪
私も光原さんの「十八の夏」はちょっと物足りなかったのですが、juneさんのこの記事を読んで触発されて読んでみました。
登場人物たちが個性的で面白かったです。何年かしたら、劇団Φのその後の話が書かれそうな気がするのですが?(期待!)
11. Posted by june   2005年09月20日 22:58
>rukaさん
こんばんわー。ここの感想を読んで、この本を手にとって下さったなんて、うれしいです!
これは安心してオススメできる1冊だと思っています。

私もこれは続編があったらなぁ・・と思います。魅力的な登場人物たちなので、その後も見てみたいですよね。
12. Posted by ざれこ   2005年10月23日 02:24
こんばんは。TBさせていただきました。
この作品よかった〜。光原さんで一番好きです。
桃太郎って比喩いいですねえ。仲間がどんどん増えていく感じが私も好きでした。
13. Posted by june   2005年10月23日 22:11
>ざれこさん
こんばんわ。TB&コメントありがとうございました。
この作品いいですよね〜。光原さんはまだ2作しか読んでませんが、これを読んでがぜん他の作品にも興味がでてきました。
最終章で、今まで見てきたものがひとつに収束していく感じが好きです。
14. Posted by tamayuraxx   2005年12月03日 18:09
juneさん、こんにちは ^^
桃太郎のように仲間が増えてゆく・・・確かにそうですね。
こうやって仲間を見つけてゆくお話、好きです。
15. Posted by june   2005年12月05日 12:45
>tamayuraxxさん
こんんちわ!
劇団の旗揚げにいたるまで、謎を解きながら仲間が増えていくっていうところがいいですよね。
私もこういう話は好きですー。
16. Posted by 藍色   2006年06月24日 22:10
juneさん、こんにちは。
仲間を増やす楽しさと、謎の解決を上手くアレンジして合わせ持った作品でした。
光原さんはやさしくあたたかいミステリ系の人だったのですね。
17. Posted by june   2006年06月25日 12:17
>藍色さん
こんにちわ。どんな劇団ができていくのか、読んでいて楽しかったです。
日常の謎系のミステリーですが、ちょっと苦くて、でもあたたかさがあって好きです。

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このごろは中学生になった子供たちと同じ本を読んで、感想をあーでもないこーでもないと話すことができるようになりました。

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