2010年02月08日

「竜馬がゆく 3」司馬遼太郎


竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫)
竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫)
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勝海舟との出会いが描かれた3巻。俄然おもしろくなってきました。この時竜馬は28歳です。33歳で暗殺されてしまうまで、残り5〜6年。その短い期間で成し遂げたことを考えると、改めて驚嘆せずにはいられません。そしてその後も生き続けていたらどんなことをさらに成し遂げていたのか・・。見てみたかったです。

浪人となった竜馬は、幕府の要職にある勝海舟と運命的な出会いをする。勝との触れ合いによって、かれはどの勤王の志士ともちがう独自の道を歩き始めた。生麦事件など攘夷熱の高まる中で、竜馬は逆に日本は開国して、海外と交易しなければならない、とひそかに考える。そのためにこそ幕府を倒さなければならないのだ、とも。


脱藩して江戸の千葉道場にかくまってもらったものの、眼と鼻の先にある土佐藩邸では竜馬の存在は公然の秘密。逮捕されそうになったところを逆に自分のペースに引き込んでしまったり、土佐藩士たちが竜馬を慕って千葉道場に遊びに来るようになったりするエピソードが、何だか微笑ましくて楽しかったです。

楽しみにしていた勝海舟との出会いの場面は、ついこの間見たような・・と思ったら「仁」で見たシーンを思い出していたのでした。私は新撰組サイドからばかり幕末を読んいて、その時も勝海舟すごい!と思いましたが、竜馬サイドからみてもやっぱりすごい人です。そしてここから竜馬の世界がどんどん広がっていきます。日本史にとっても運命の出会いだったんですね。

長州と薩摩の会合での長州の剣舞や、大久保一蔵のタタミ踊りの場面とか、幕末のメインキャストたちがめちゃくちゃ熱くておもしろかったです。竜馬は議論に夢中になると、羽織の紐を解いて房を口にくわえて噛む。興に入ってくるとそれをぐるぐる振り回すので、房からつばが飛ぶ・・とか、熱くて濃い人たちばかりなのです。
熱いといえば、薩摩同士での斬りあいになってしまった寺田屋騒動では、斬られる側が「俺共な、死にもしても、お手前らが居もす。生きて生き抜いて、今後の天下のことは頼もすぞ」と言って、少しも斬った側を恨まず亡くなっていったとか。時代の空気に流されているのかもしれないし、こういう熱狂はとても恐ろしいことなのかもしれませんが、この熱さとか、ピュアさの上に今の日本があるのかも・・と思ったら、なんだか胸が熱くなるような切ないような気持になりました。
ところでこの時代には日本人という概念がなくて、幕末で日本人は坂本竜馬だけだったそうです。これには驚きました。士農工商のない万人が平等な日本、剣に頼らず法律と常識に頼れるような日本、そんな国を作ることを目指すことが、この時代には思いもつかないことだったとは・・。新しい世界を夢見て若い人たちが何かをせずにはいられないような当時でも、当たり前だと思っている世界のカラを破るこういう竜馬のような考え方は、なかなかできるものではないのですね。
4巻も楽しみです。

以下は備忘録
寺田屋騒動
清河八郎との出会い
千葉道場にかくまってもらう竜馬
生麦事件
勝海舟との出会い
海軍操練所(中浜万次郎、永井尚志と会う)
勝海舟と松平春嶽の仲介で脱藩の罪を許される
おりょうとの出会い
海軍学校のための資金を春嶽に借りに行く(由利公正と会う)

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本を読むことが大好きです。家事や仕事の合間にちょこちょこと読んでいます。
このごろは中学生になった子供たちと同じ本を読んで、感想をあーでもないこーでもないと話すことができるようになりました。

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