2010年06月20日

「追想五断章」米澤穂信

追想五断章
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5つのリドルストーリーを探すという探偵のようなお話を楽しみながら、見つかればそのリドルストーリーを楽しむことができ、さらにそれらのリドルストーリーを追ううちに、20年以上前に起き未解決に終わった事件「アントワープの銃声」の謎に突きあたり、その真相にも迫っていくという、凝った構成のお話です。やっぱり米澤さんの作品はおもしろいです。
ということですごくおもしろかったしうまいなぁと思ったのですが、どんより暗いお話でした。平成4年の設定なのですが、平成4年というと私が新卒で勤めた会社を退職した年です。こんなに閉塞感のある時代だったかなぁ・・。なんだかうまく思いだせない・・。引き込まれたしおもしろかったのだけれど、どんよりと重い気持になるようなお話でした。

内容(「BOOK」データベースより)
古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在を知る。二十二年前のその夜何があったのか?幾重にも隠された真相は?米澤穂信が初めて「青春去りし後の人間」を描く最新長編。


リドルストーリーはどれもすごく不思議な雰囲気のお話ばかり。次に見つかるのはどんなお話なのか、そしてそれはどんな意味を持つのか。リドルストーリーのラストはそのたびに読むことができるのですっきりするのですが、そこはかとなく感じた違和感はこういうことだったのですね。構成もひねりもうまいです。読み終えてから思わず前に戻ってリドルストーリーを読み返してあれこれしてみました。
それにしても「ボトルネック」ほどではないけれど、ダークでした。彼らの未来が明るいものであることを祈りたいけれどそれがうまく想像できないという・・。

ところで調べ物だったら図書館のレファレンスとかネットをもっと使えばいいのに・・って思ったのですが、平成4年ってまだネットは普及してなかったんですね。平成というとすごく最近のことに思えるのに・・。
soleil1 at 21:37│Comments(4)TrackBack(3) 米澤穂信 

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1. 追想五断章 米澤穂信  [ 苗坊の徒然日記 ]   2010年06月21日 12:14
追想五断章クチコミを見る 叔父の経営している古書店に身を置き居候している菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。 依頼人・北里可南子は、亡くなった父参吾が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。 調査を続けるうち芳光は、未解決のままに....
2. 『追想五断章』/米澤穂信 ◎  [ 蒼のほとりで書に溺れ。 ]   2010年07月07日 20:49
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3. 「追想五断章/米澤穂信」感想・・・じめっとしてます。(75点)  [ スターブックスコーヒー〜本と映画とおこづかいかせぎ〜 ]   2010年09月23日 00:01
これ好き。 2時間くらいで一気に読み終わっちゃいました。 古本屋の独特な“ニオイ”ってありますよね? 薄暗くて、ちょっとカビ臭いよ??.

この記事へのコメント

1. Posted by 苗坊   2010年06月21日 12:17
こんにちは^^TBさせていただきました。
確かに平成4年だったらネットはないですよね。
今は生活にはなくてはならないものなのに。
そして図書館でのレファレンスも、同人誌なら難しそうですねぇ^^;

18年前なんですねぇ。
私も平成とか、2000年代だと最近の気がするのですが、経ってるんですよねぇ・・・。

作品は暗かったですが、2つの物語を楽しんでいるようで面白かったです。
2. Posted by june   2010年06月21日 22:52
>苗坊さん
こんばんわ。平成になったのってつい最近の気がしてたんですが、平成4年って18年も前だったんですよね。
今は何でも検索しちゃいますけど、当時はどうやって調べ物をしてたんだろう・・・。今となっては思い出せないくらいです。そういえば卒論の調べ物とかすごく大変だった覚えがありますが・・。

全体の流れだけでなくリドルストーリーも楽しむことができておもしろかったんですが、作品は暗かったですよね!ちょっとどんよりしてしまいました。
3. Posted by 水無月・R   2010年07月07日 21:00
juneさん、こんばんは(^^)。
わぁ、そうですよね平成4年はついこの前・・・なわけないじゃんという(笑)。
「アントワープの銃声」の真実は、雪の中に眠ったまま・・・なんですよねぇ。
物語にすると美しいけど、怖ろしい話だと思います。
リドルストーリー、読みなおしちゃいますよね〜。
4. Posted by june   2010年07月12日 20:22
>水無月・Rさん
こんばんわ!
平成になったのはついこの間・・と思ってたら、もうずいぶん前のことになってたんですね^^;気づいてショックでした(笑)。

ほんと、物語にすると美しいけれど、恐ろしくて苦しくて辛い話ですよね。リドルストーリー、私も読みなおしました。でも私だったら絶対気づかなかったです。

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本を読むことが大好きです。家事や仕事の合間にちょこちょこと読んでいます。
このごろは中学生になった子供たちと同じ本を読んで、感想をあーでもないこーでもないと話すことができるようになりました。

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