2006年07月12日

覚悟の要る話

1960年の独立以来初めて実施されるというコンゴ民主共和国の選挙は、投票日の7月30日に向けて、33人の候補者が大統領職を、9,707人の候補者が定数500の国民議会の議席を争っている。
新しく選ばれた大統領は、2005年12月の国民投票によって承認された新たな憲法の規定により、議会における最大多数党の中から首相を指名し、国家元首と行政の長として5年(再選されれば3選禁止のため最高10年)の任期を務めることになる。

投票結果は9月14日に発表され、投票総数の過半数を獲得する大統領候補がいないときは、上位2候補による決戦投票を10月15日に実施し、最終結果は11月30日に確定すると予定されている。
国連は1999年から同国に平和維持軍を派遣しているが、この向こう4ヶ月に及ぶ選挙期間中は、17,000人の既存部隊を支援するために主にドイツとフランスからなるEU部隊2,000人が増派されることになった。

Riot police beat protester in Kinshasa7月11日、ドイツ連邦軍の第一陣がコンゴに到着したが、首都キンシャサ(Kinshasa)では暫定政府反対派の数千人のデモ隊と重武装の機動隊が激しく衝突し、警棒と催涙ガス弾によって少なくともデモ隊の10人が負傷した。

抗議者たちは、人口5,750万人の同国で「反政府派500万人が有権者登録されなかった」、ジョゼフ・カビラ(Joseph Kabila)暫定大統領は「西洋の傀儡」だと主張する。

その中には、「欧州の部隊など必要ない。我々自身が兵士だ」と言う教師や「民衆に暴力行使を強いるなら、我々はそうするだろう」と言う会社員のほか、「ドイツ部隊は、コンゴを外国に売り渡そうとする陰謀に荷担している」と言う学生もいた。

コンゴ人の全員がEU部隊の善意を信じているわけではないが、EU部隊の報道官は「我々が公平中立で、いかなる党派にも与せず、選挙を支援するためにここに来たのだということを伝えようとしています」と話していた。
「今日キンシャサで起きたことが選挙の今後を予言するものとは限りませんが、一つの前兆であることは確かです。ヨーロッパの部隊には、相当な覚悟が必要となるでしょう」と、ドイツZDFのハインツ記者は伝えた。
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2006年07月11日

空騒ぎと危機管理の間には

確かに国連安全保障理事会は、先週の北朝鮮のミサイル発射に対する国際的な批判を明記すべきです。
しかし、何か重大な進展がこの問題やこれと関連する北朝鮮の核問題に関して得られるとすれば、それは安全保障理事会の決議や制裁によってではありません。

実際に梃子となるものを持った国が3つだけありますが、アメリカ、中国及び韓国のどこもまだ、さほど挑発的でない路線に北朝鮮を押し込んでいくためにできることのすべてをしているとは限りません。
これらの国が、そうしたことを行うまで、安全保障理事会の決議は、その大部分が象徴的な余興のままでしょう。

先週のミサイル発射は、直ちに北東アジアにおける安全保障の構図を複雑にしましたが、それは安全保障理事会からの強制的な制裁を明白に正当化する国際法や条約に違反していませんでした(インドは、ちょうど昨日、核弾頭を搭載可能な長距離ミサイルの実験をしました)。
それぞれの国家、特に3ヶ国のうち最も影響力のある国は、核兵器及び長距離ミサイルを放棄するよう北朝鮮に説得するために、短期の処罰と長期的な誘因を考案することができるでしょう。

以上、7月10日付け米紙「ニューヨーク・タイムズ」社説「The U.N. Sideshow on Korea」からの一部引用でした。
それから、この社説で興味深いのは、6ヶ国協議が膠着状態に陥ったのはブッシュ政権が行った「不必要な障害」が原因だと指摘しているところです。

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2006年07月08日

最低のドキュメンタリー

モルドバから「独立宣言」した未承認国家「プリドニエストル・モルドバ共和国」(Pridnestrovian-Moldavian Republic:PMR)の「首都」ティラスポリ(Tiraspol)の北方130km、コルバスナ(Colbasna)にある武器貯蔵施設は欧州最大と言われ、旧東ドイツやハンガリーなどから運ばれてきた砲弾・手榴弾など旧ソ連軍の弾薬が貯蔵されている。
その量はピーク時には約4万トンを超えていたが、「独立」後の1992年の武力紛争以降に相当数が流出したとされるほか、2001年に欧州安全保障協力機構(OSCE)の査察が実施され、3年間で2万トン以上の弾薬がその場で廃棄されるかロシアに移送され、現在も引き続き廃棄・移送作業は続けられているものの、今なお2万2千トンの弾薬が貯蔵されている。

OSCE駐モルドバ軍事顧問のベルナール・オセダ(Bernard Aussedat)氏は、コルバスナの貯蔵施設を数回訪れたことのある数少ない西側の軍人の一人だが、この日、カメラクルーと車に同乗してコルバスナの貯蔵施設に向かった。
ところが「国境」の検問所で、PMRの警察から「権限のある査察官の名簿にオセダ氏の名前がない」ことを理由に停止させられたが、オセダ氏は未承認国家にはその権限がないとして自分の持つ外交官パスポートの提示を拒否して、検問を通過するのに1時間待たされることになった。

さらに、コルバスナの貯蔵施設を目の前にして、撮影と立ち入りは拒否された。
「入ってはいけないなんて本当に腹が立ちますよ。彼らに対する不信感がどんどん募ります」「わかっているのは武器や兵器があるということだけです」と、オセダ氏は言う。

これは、NHK・BS1「世界のドキュメンタリー」「旧ソ連軍巨大兵器庫-密輸疑惑に迫る-」(Transnistria フランス・CAPA制作)の一場面ですが、この部分だけを見せられると、オセダ氏はただの間抜けにしか見えないので、お気の毒としか言いようがありません。
PMR側からすれば「国家」として「入国」しようとする外交官や査察官の身分を確認する行為を省略できるわけがなく、他方OSCE側も通常は事前通告するなどPMR側に配慮をして査察を行ってきたはずですが、この日は取材の便宜を図ってやると安請け合いして見事に失敗したように見えます。

番組では、「国際法に違反して、汎ドニエストルの警察は査察官の仕事を邪魔します」とナレーションを付けていましたが、これは報道とは呼べないですね。
邪魔されたのは「査察官の仕事」ではなく、安易な手法に頼った「この番組の作り手たちの仕事」でしょう。

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2006年07月07日

気持ちはハワイの方に向いている

執務室で大統領に話をする機会があれば、あなたは何と助言しますか?

大統領は、これまでと同様、個人外交を続けるべきです。そして、北朝鮮の行為は受け入れられないことを、はっきりと伝えなければなりません。
しかし同時に「いずれかの時点で北朝鮮と二国間の協議を始めなければならない」と、大統領に助言したいと思います。
マデレーン・オルブライト(Madeleine Albright)元国務長官

私なら、北朝鮮の発射したミサイルは、攻撃ではなく抑止であることを伝えたい思います。それを忘れてはなりません。
双方とも言葉を和らげ、実情を見極めるべきです。そして、対話を始めるための計画を立てていかねばなりません。
ドナルド・グレッグ(Donald Gregg)元駐韓大使

以上、日本時間7日に放送されたアメリカABCニュースでした。
これに先立ち、トニー・スノー(Tony Snow)大統領報道官は発射当日(現地時間4日夜)の声明で、「長距離弾道ミサイルの開発によって他国に恐怖を与えようとする北朝鮮の意図が実証された」と非難しましたが、ミサイルはアメリカにとって危険ではなかったと述べていました。


また、別の報道では「これは北朝鮮とアメリカの問題ではない」と述べたと伝えられていましたが、わざわざ強く否定する必要があったところに問題の本質が見えます。
なぜなら、物理的にはともかく気持ちの上では「ハワイの方に向けて発射した」ことに間違いはなく、アメリカと直接交渉したいという意図が明確だからです。
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2006年07月06日

ジェンダー・インバランス

Population by five-year age group and sex (China)2005年1月、国家人口計画出産委員会は、最新の調査結果をもとに、中国における男女出生比率が119.9:100.0となり、男女比率の正常値とされる106を大幅に上回っていることを公表した。
5省では、女性100に対する男性の割合は130を超え、さらに男女比率の不均衡が深刻化していることが明らかになった。

2005年の推計によれば、総人口13億1,584万人のうち男性は6億7,585万人で女性よりも3,586万人多くなっているが、その7割に当たる2,500万人が24歳以下の男性である。
彼らは「一人っ子政策」の下で生まれた世代だ。

江西省臨川の第10高校(生徒数7,000人)に行くと、その問題ははっきりと目に見える形で現れていた。
女子生徒よりもはるかに多くの男子生徒がいて、100人の少女に対する少年の割合は150人だ。
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スタンダード・プラクティス

カブールの北65kmに位置するアフガニスタン駐留米軍バグラム(Bagram)収容所で、2002年12月3日にムッラー・ハビブラ(Mullah Habibullah)氏(30)が、同月10日にはディラワル(Dilawar)氏(22)が、独房の中で死んでいるのが相次いで発見された。
ハビブラ氏の死は拘束から僅か数日後、ディラワル氏の死は拘束から5日後のことだった。

検死の結果、ハビブラ氏の死因は「肺塞栓症」で、それは「明らかに脚に加えられた鈍器による損傷によって形成された凝血塊によって引き起こされた」ものだった。ディラワル氏の死因も、「下肢に加えられた鈍器による損傷が冠動脈疾患を引き起こした」とされた。
人の死亡診断書は「自然、事故、自殺、殺人」の4つに分類されるが、これは「殺人」に分類されるものである。

さらに、医学専門家によれば、ディラワル氏の怪我は、たとえ生き延びたとしても両足の切断が必要となるほど厳しいものだったという。
検死を担当した病理医のエリザベス・ラウズ(Elizabeth Rouse)中佐は、ディラワル氏の腿の組織を「パルプ化されていた(pulpified)」と表現し、「それはバスに轢かれた人の傷に似ていました」と証言した。

2人の子どもの父親であるディラワル氏は、農業を営みパート・タイムでタクシーの運転手をしていたが、ロケット砲の攻撃を受けた米軍基地の外で拘束された。
「彼は、まずい時に間違った場所にいたというだけで逮捕されたと、ほとんどの尋問官は考えていた」と、1人の兵士は証言した。
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アンチ・エイジング

ラスベガスの「セネジェニックス医療研究所」(Cenegenics Medical Institute)は、アラン・ミンツ(Alan Mintz)医師(67)によって1998年に設立され、現在では、世界中に1万2千人の患者を抱えているという。
ミンツ医師自身、長年にわたるボディービル愛好家でフィットネス・マニアだが、定期的な運動と栄養値の高い食事、ビタミンやサプリメントに加えて、毎日、ステロイド及びヒト成長ホルモンを自ら注射し、患者にも奨めている。

ミンツ医師は、彼自身約10-11年間ヒト成長ホルモン注射しているが「非常に低用量」なので悪影響はないと主張し、「エネルギーが漲る感じがして体脂肪が落とせる」「脳機能が5-6年前よりずっと良くなっている」と語る。
また、ミンツ医師によれば、加齢に伴ってテストステロンやヒト成長ホルモンの分泌が減っていく現象は、「成長ホルモン分泌不全症」と呼ぶべき病気の一種であり、「正常と考えられるものの範囲内で常に」失われたホルモンを補充しているのだと言う。

彼は、老化現象もホルモン不足が原因だと主張し、テストステロンとヒト成長ホルモンは、多量の筋肉を構築して脂肪を減らし、骨格を強くして骨粗鬆症を予防すると主張する。
「セネジェニックス医療研究所」は、全米に100人を超える医師のネットワークを持ち、東京、ソウル、香港の企業とも提携し、2006年の売り上げは2,000万ドルに達する。患者の中には、映画スター、ラスベガスのエンタテイナー、CEO、外国の大統領が含まれ、月に1,000ドルを注ぎ込む人もいるという。
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2006年07月01日

パートナーシップ

2006-07年国連予算(総額37億9千万ドル)は昨年12月23日に承認されたが、「国連の抜本改革」を主張して「改革が進まない限り、予算を一切認めない」と主張するアメリカの主導で、予算執行には6月末までの半年分の支出に相当する上限(9億5千万ドル)が設定されていた。
6月28日に開催された国連総会第5委員会(管理・予算)は、支出上限を解除する決議案を全会一致で承認したが、「改革は不十分だ」と主張する国連分担金最大拠出国のアメリカと同2位の日本及びオーストラリアは、この合意に加わらなかった。

開発途上国77ヶ国グループ及び中国を代表して、南アフリカのドゥミサミ・クマロ(Dumisani S.Kumalo)国連大使は、この委員会の決定に満足したと述べ、次のように語った。

私は、アメリカ、日本及びオーストラリアが、合意に加わらないと決めたことを残念に思います。
ある点で言えば、結局のところ合意に加わらないということは、そうした同僚たちにとって、共通のゴールに向かって仕事を進めていくことが、どうすれば可能になるのか、理解するのにメンバーの助けが必要だということでしょう。

そのためには既に多くのことがなされました。
私たちのグループは、そうした貢献をしたことを誇りにしていますが、今から6月30日までの間に、さらに熱心に働くことが委ねられました。

まず第一に支出上限が課されるべきでなかったように、無条件で支出上限を解除することは非常に重要なことでした。
(予算を承認した)2005年12月23日に使用された言葉は、「適切な時期に事務総長からの要請に応じて国連総会は行動する」というものでした。事務総長は、今、承認を要請する時が来たと述べています。行動する時がやって来たのです。

合意に基づき支出上限が解除されることに驚く人は誰もいません。私たちのグループは、(事務総長が要請を行った)6月20日には対処する準備ができていました。
私は、支出の上限が「害毒と乱用」に変わり、共に仕事をするうえで必要とされる信頼に影響を及ぼし始めたときに、委員会が行動したことを喜んでいます。

私たちは、信頼の再建に関与しました。
自ら離れていった同僚たちと信頼を再建することは困難でした。私たちは、国連が組織として強くなったことを確実にするために日夜働くことでしょう。
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2006年06月30日

5対3(あるいは5対4)でも勝利は勝利だが・・・

オサマ・ビンラディン氏の運転手だったイエメン人のサリム・ハムダン(Salim Ahmed Hamdan)被告の裁判で、6月29日、アメリカ連邦最高裁は、グアンタナモ基地の収容施設内に設置した特別軍事法廷で収容者の裁判を行うことは、戦争捕虜の扱いを定めたジュネーブ条約に違反するだけでなく、国内法にも違反するとの判決を下した。

弁護人のチャールズ・スウィフト(Charles Swift)海軍少佐は、「グアンタナモ基地に着いたとき、収容所の護衛官が『ここは無法地帯だから、やり放題だ』と言っていたと、ハムダン被告は私に言いました。無法地帯など存在しません。今日の最高裁の判決も、そうした考えに基づいています」と言う。
ジョージ・ワシントン大学のジョナサン・ターリー(Jonathan Turley)教授は、「(被告人欠席のまま、被告が原告と対面できず、弁護士も被告も見ることができない秘密の証拠が採用される)この軍法委員会は、国際社会の弁護士たちからは笑い者になっています。合法的な裁判所に必要とされる保護措置が何もないんです」と言う。

判決は5対3だったが、ジョン・ロバーツ(John Roberts)最高裁長官は、高裁判事時代に特別軍事法廷を適法とする上訴審の審理に加わっていたために最高裁の審理に加わらなかったので、実質的には5対4だった。
少数派となったクラレンス・トーマス(Clarence Thomas)判事は、判事席から反対意見を読み上げる異例の行動をとり、「新しく恐ろしい敵と対峙する大統領の能力を損なわせる判断だ」と述べ、同じく少数派のアントニー・スカリア(Antonin Scalia)判事は「最高裁は、大統領の判断を覆す権限を持っているのかどうかすら疑わしい」と述べた。
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2006年06月29日

まだ丸くなれない・・・

ファンは共和党支持の州に多いから、星条旗カラーのギターを持って、「アイ・ラブ・ブッシュ」と書いたシャツを着よう。
そんなことは考えもしないわ。私たちはミュージシャンよ。政治家じゃないわ。

こんなことは耳にしませんか?
「お客様の反感を買うようなことはするな」、これがビジネスの鉄則では?

そんなものに左右されないのが音楽というものじゃないかしら。だから、私はいつも音楽を称え愛してきた。
意見を持たずに事なかれ主義でいることが、正直に生きることだとは思わないわ。主張すべきよ。私は、メッセ−ジ性のある音楽を、いつも愛してきた。

イラク戦争の開戦直前の2003年3月10日、前年夏にリリースした3枚目のアルバムのプロモーションのために開催したロンドンでの講演で、3人姉妹のカントリー・バンド「ディクシー・チックス(Dixie Chicks)」のボーカル、ナタリー・メインズ(Natalie Maines)は、「私たちは、ブッシュ大統領が自分たちと同じテキサス州の出身であることは恥ずかしいと思っている」と発言。
他のカントリー・ミュージックのスターたちが戦争支持の曲を発表している中でのこの発言は、多くのカントリー・ファンから猛反発が起き、カントリー専門のラジオ局からボイコットされ、暗殺するとの脅迫も受けるようになった。
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2006年06月28日

こういう人は能吏、あるいは酷吏と言う。

我々が現在グアンタナモでしていることは、基本的に人間関係を構築するということです。
それは、我々が今やっているインタビューと似たような尋問です。あなたが知っていて私にすることができた、私に対するあなたの質問は、我々の尋問者が、ここの抑留者に対して行う対応と違っていません。

しかし、あなたは床に繋がれませんよ。

それは、そうです。
しかし、抑留者全員が、床に繋がれるというわけではありません。

グアンタナモ収容所の管理責任者であるハリー・ハリス(Harry Harris)海軍少将は、アメリカのABCニュース「ナイトライン」のテリー・モラン(Terry Moran)記者のインタビューに応じました。
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2006年06月27日

弁護士は、なぜ会見したのか?

秋田県藤里町の小学1年生(7)が殺害された事件で、2006年6月9日、秋田弁護士会所属の池条有朋、有坂秀樹の両弁護士は、逮捕拘留中の被疑者と接見した際の被疑者の供述内容を詳細に明かす異例の記者会見を行った。
その主な理由は、「母親ら家族を守りたい」という被疑者本人の強い意向を受けて、「家族への取材を自粛してもらうため」だという。

会見当日の前、両弁護士は、幹事社を通じて秋田県警記者クラブ加盟の報道各社14社に対し、「被疑者の供述・様子について発表するに当たっての制約条件」と題する文書を配布した。
文書の内容は、報道各社に対して、(1)被疑者の親族には、取材しない、(2)親族の顔や姿の写真や声を、取材済みの分も含め、掲載・放映・再生しない、(3)親族への取材は、弁護士を通じて書面で行う、という3点を要望するものだった。

会見会場で協議を開始した各社は、当初、多くの社が「一方的だ」と応じない姿勢だったが、弁護士と交渉し「同意やむなし」が大勢となり、「要望に最大限配慮し、節度ある取材、報道に努める」ことで合意し、会見が始まった。
最後の段階で「同意」に回った毎日新聞は、「弁護士の事前説明で会見内容が一定程度担保された。家族への報道被害は、最大限、防ぐべきだと判断した」と述べ、読売新聞などとともに「原則としてのめない」立場だった朝日新聞の板野康郎(秋田総局長)は「求めに応じれば、報道の自主性を放棄することになる。各社が自主的に取り決めるべきだと考えた」と話す。

両弁護士による会見は、9日に続いて14日、23日の計3回行われたが、池条弁護士によれば、会見以来、家族への取材を試みたのは週刊誌1誌のみだという。

以上、6月27日付け朝日新聞の石川智也記者のリポートから事実に関する部分(一部は同月10日付け同紙の報道から補足)のみを抜き出したものですが、これでは状況がわかったようでわからないように思いました。
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2006年06月25日

遠くの国家より、近くの隣人

これまで、フランスには「不法移民であっても、一定条件を満たせば、10年後に滞在許可が得られる」という制度があったが、このほど新たな移民法案が6月末にも成立する見通しとなり、この制度は廃止されることになった。

5年前にアルジェリアから渡ってきたソフィアさんは4人家族で、息子のサミール君(12)も娘のイクラムちゃん(7)もフランスの学校に通っていおり、今ではフランス語以外話せないという。
ソフィアさんはベビーシッターを、薬剤師だった夫のアブデラフマンさんは塗装工をして生活を支え、滞在許可の条件とされる収入申告も毎年欠かさず行ってきた。

ソフィアさん一家にとって滞在許可制度の廃止は大きなショックで、国外退去を求められるおそれも出てきた。
こうしたなか、一家と家族ぐるみのつきあいをしてきたマルタさんは、支援活動を始めた。

最近の世論調査でも「移民規制をもっと強化すべきだ」と考える人は60%に上っており、マルタさんも「新たな移民が増え続ける状況では、規制強化は必要だ」とは考えているが、自分の子どもの同級生までもが国外に追い出される恐れがあると知って、法案に反対するようになったという。
後見人となって子どもたちを守ろうというフランス人のグループが結成され、マルタさんも、ソフィアさんの子どもたちのために後見人となるための署名式典に参加した。

マルタさんは、「これからも、ずっとそばにいて、彼女たちの家族を助けていくつもりです」と言う。
国外追放にならないように後見人となったり支援を申し出て今回の法案に反対している人は、既に6万人を越えている。
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2006年06月24日

「罪作りなことをする」という日本語をアメリカにも広めたい

2005年12月16日、マイアミで左官及び石工事の建設業を営むナジール・バティスト(Narseal Batiste)氏(32)は、ホテルの一室で、国際的テロ組織「アルカイダ」(al Qaeda)の代理人と面会した。
このとき、バティスト氏は、聖戦を戦うイスラム軍創設を計画していると言い、アルカイダの代理人に対して、機関銃、ブーツ、制服及び車両を含むイスラム軍の創設に必要な物資・装備のリストを示した。

同月22日のアルカイダの代理人との会合では、バティスト氏はシカゴのシアーズ・タワー(110階建て)への攻撃を含む彼の作戦の概略を示して、兵士のブーツのサイズを書いたリストを提供し、29日にアルカイダの代理人からブーツを入手すると、新たに、ラジオ、双眼鏡、防弾チョッキ、武器、乗り物、車両及び現金5万ドルを含む必要な物資・装備のリストを示した。
翌2006年1月28日、バティスト氏のほかにアブラハム(26)、ヘレーラ(22)、Rオーガスティン(22)、ファノール(31)の4人がフロリダ州イスラモラダ(Islamorada)で車を交換する際にアルカイダの代理人と会って、バティスト氏と会合した。

2月19日、マイアミデード(Miami-Dade)郡のアパートで、バティスト氏とアブラハム氏は、アルカイダの代理人と会合した。
バティスト氏が、4月第2週に彼の5人の兵士にアルカイダの訓練を行いたいと述べ、「できるだけ多くの悪魔を殺す」合衆国に対する「全面的な地上戦」は「9.11とちょうど同じか大きいぐらいの」シアトル・タワーの破壊で開始されるという彼の作戦の詳細を語って、シカゴまでの旅行に一緒に来るかどうかを尋ねて、ビデオカメラが必要だと述べた。

3月10日、バティスト氏とレモーリン(31)氏がアルカイダの代理人と会い、このときにバティスト氏はアルカイダに忠誠を誓う宣誓を行った。
同月16日、バティスト氏ら7人は、マイアミデード郡の倉庫でアルカイダの代理人と会合し、先に宣誓したバティスト氏を除く6人がアルカイダに忠誠を誓う宣誓を行い、5都市のFBIビルを爆破する筋書きについて討議するとともに、アルカイダの代理人からデジタルビデオカメラを入手すると、バティスト氏は今週中にマイアミのFBIビルを撮すのに「ちょうど良い尺の長さだ」と語った。

23日、バティスト氏は、共謀者に写真とビデオでFBIビルを偵察させるために彼が使うバンを借りるよう、アルカイダの代理人に依頼した。
翌24日、バティスト氏とアブラハム氏は、アルカイダの代理人とともにFBIビルを撮すデジタルカメラ用のメモリーチップを購入するためにマイアミデード郡の店に行き、車を運転して、FBIビルと州兵兵器庫を通り過ぎた。

26日、バティスト氏とBオーガスティン(21)氏は、アルカイダの代理人に対して、FBIビルの写真を提供したが、それと同様に、マイアミデード郡内にある連邦司法省ビル、連邦裁判所ビル、連邦拘置センター、マイアミ警察本部を撮影した写真とビデオを提供した。
このときに、FBIビルを爆破する筋書きについて討議したが、4月6日にも、バティスト氏のほかBオーガスティン、ファノールの2人が、アルカイダの代理人と会合して、同様の討議を行った。

5月24日、バティスト氏はアルカイダの代理人と会合し、彼の組織にある様々な問題のために遅れているが、彼としては、自分の作戦を継続し、アルカイダとの連携を維持したいと望んでいると述べた。

以上、起訴状からの一部抜粋ですが、6月22日夜までにバティスト氏ら7人はテロを共謀した容疑で逮捕され、翌23日には起訴されました。
なぜなら、ここに登場する「アルカイダの代理人」は、「おとり捜査官」だったからです。

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2006年06月23日

獄中からの投稿

今日、本当に刑務所にいるんだと思いました。私は、自分がどのように感じているのかわかりません。
自分は大丈夫だと思いますが、私はずっと起きたままでいます。囚人仲間は私を見て気分が悪いようだと言いますが、私は実際、そう感じることができません。

刑務所は予想したようなものではないと言えますが、私は期待を持っていませんでした。何のイメージもなく、恐れさえも、何もありません。
時間がかかると推測してください。私はここで1ヶ月も過ごすことになるでしょう。それは刑務所の醜い側を全部見て、心底落ち込むのに十分な時間だと確信します。

私は、たぶん良い監房にいます。
「明日(Al-Ghad)党」の若い党員であるカリーム・レダと、私だけが、経験のない新入りです。

監房付きの陸軍兵士について書きますが、それはイカれた犯罪者向けだと告げられました。
ここでは誰もが死に至る打擲に直面しているように見えます。最初、私より僅かに年上の3人と、30代初めが2人、年輩者が2人でした。2人は2003年以来ここにいて、残り1年未満です。最初の死、それは、唯一の主張が無実というものでしたが、彼はケチな泥棒だと言われていました。

区画全体が封鎖されたなかで、私は1日目を過ごしました。たとえ数分であろうと、誰も外に出ることを許可されませんでした。
それはハンストに対する罰だとわかりました。

私は他の房を知りません。しかし、第7房では、彼らはカリームを傷つけませんでした。彼らは、彼に止めるように説得しましたが、脅かしたりはしませんでした。しばらくして、彼らのうちの2人が、4日間ハンストを続けていたカリームの健康を深刻に心配するようになりました。
私は、ストライキには、まだ参加していません。カマル・ハリからか外からの言葉か何かを待つことに決めました。

同房の者が肩越しに読むのを防ぐために、私は英語でこれを書いています。これが役に立つと確信しているわけではありませんけど。
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2006年06月22日

偽装工作(おそらく、そのプロローグ)

2006年4月26日の真夜中、バグダッド州の西端に位置するハムダニア(Hamdania)の町に住むファルハーン・アーメド・フセイン(Farhan Ahmed Hussein)氏の自宅玄関のドアを激しく連打する者がいたので、彼はアメリカ人が来たと思った。
ドアを開けると、その兵士は、カタコトのアラビア語で「Tefteesh」(捜索)と言い、武器を持っているかどうかを尋ねた。

多くの家と同様に彼の家にもAK-47が1丁あったので、そう答えると、兵士たちはアラビア語で彼の協力を感謝すると言い、そのAK-47と家の前に置いてあったシャベルを持ち去った。
フセイン氏は、それを重要なことだとは思わなかった。翌朝、最初に会ったパトロール隊を止めて、自分のAK-47とシャベルを返してくれるように頼むつもりだった。

次に、その兵士たちは、近くに住むフセイン氏の従兄弟のアワド・イブラヒム・アワド(Awad Ibrahim Awad)氏の家のドアをノックした。
それは午前2時頃だったが、彼がベッドから出ないままでいると、兵士たちは立ち去った。その地域は電灯で照らされていたので、アワド氏が外を見ると、兵士たちが彼の兄弟の家の裏に歩いていったので驚いた、と彼は言う。

ムハンマドとだけ名乗った匿名の隣人は、「兵士たちは、私たちの家に他に人がいるかどうか私の母に尋ねました。母が誰もいないと言うと、彼らは家を捜索せずに立ち去りました」と言う。
その後、兵士たちはアワド氏の兄弟であるハシム・イブラヒム・アワド(Hashim Ibrahim Awad)氏(52)宅のドアをノックすると、「戸口まで出てきたハシムを、2人の兵士がそれぞれ片手を掴んで、彼を家から引っぱり出した」とアワド氏は語る。

しかし、きっと数日間ほど調べられた後で解放されるだろうと考えていた。
アワド氏が銃声を聞いたのは、その30分後だった。
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2006年06月21日

キャンペーン

サウス・ウェールズのニューポート(Newport)にあるロイヤル・グウェント(Royal Gwent)病院の小児科医イベット・クロート(Yvette Cloete)医師(30)は、2000年8月30日、彼女が転居しなければならなかった理由を初めて公にした。
同月28日、クロート医師が借りていた家の正面玄関のガラス窓を横切るように黄色のペンキが塗りつけられ、「paedo」と落書きされていたのである。彼女は警察に直ちに電話をかけるとともに、できるだけ早くきれいにしようとして、その言葉から消し始めた。

私は今、友達と一緒に住んでいます。二度と前の家には戻らないでしょう。どこかもっと上流階級が住むような所を探そうと思っています。
私には、それが単に私の職名を他の何かと混同したように見えます。実際のところ、私は無知の犠牲になったように思っています。


と、クロート医師は語る。

誰がやったのかは不明だが、グウェント警察も、彼女と同様、この野蛮な破壊行為に関する唯一の説明は「極端な無知」だと信じている。
つまり、小児科医(paediatrician)と小児性愛者(paedophile)の違いのわからない誰かが行ったことだと考えられているのだ。

折しも、同年7月、サラ・レイン(Sarah Payne)ちゃん(8)が性犯罪の前歴者に殺害された事件を契機として、タブロイド紙「ニュース・オブ・ザワールド」(The News of the World)が、有罪判決を受けた性犯罪者の写真を公表し、200人を指名して、11万人を「追い出す」キャンペーンを展開していた。
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2006年06月20日

選挙結果を無効にする方法

2006年6月15-18日に、ヨルダン川西岸地区とガザ地区で、パレスチナ政策分析センター(Palestinian Center for Policy and Survey Research)によって行われた最新の世論調査の結果が、このほど公表された。

無作為に選択された127地区で対面調査を行った成人1,270人の調査によると、イスラエルの刑務所に拘束されているハマスやファタハなどパレスチナ各派のメンバーが合意し5月10日に発表した18項目の提案「パレスチナの統一を保持するために」(俗に言う「囚人文書」)を国民投票に付すことについては、賛成53%、反対43%で、仮に、今日投票が行われた場合の囚人文書に対する賛否は、賛成47%、反対44%、未定9%だった。

「マハムード・アッバス(Mahmoud Abbas)議長は国民投票を要求する権利を持っている」ことについては、「同意する」が56%、「同意しない」が38%で、「ハマスがボイコットを呼びかけた場合」は、「国民投票に参加する」が50%、「ボイコットする」が44%。
「国民投票が囚人文書を承認した場合」は、「ハマス政権は囚人文書を拒否すると思う」が67%、「受け入れると思う」が23%で、逆に「国民投票が囚人文書を承認しなかった場合」は、「アッバス議長とファタハは、ハマスの計画を受け入れ、ハマスの計画に基づく挙国一致内閣を組織しないと思う」が60%だった。

既に、アッバス議長は、7月26日に国民投票を行うと表明しているが、この調査を見る限り、囚人文書の承認は微妙で、現に国民投票を拒否しているハマスがボイコットを呼びかけた場合には、その正当性すら失いかねない情勢のようだ。

しかし、国民投票で賛否を問うという「政策の内容」については、賛成多数なのである。
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2006年06月19日

報道するなは報道できる

アフガニスタン情報局が国内のジャーナリストを会合に呼び出して配布した、その2頁からなる文書をBBCは入手したが、それには再配布とコピーを防止するためのマークが付けられていた。

文書の内容は、メディアに対する当局の要求をリストアップしたもので、アメリカ主導の多国籍軍やNATOの作戦を批判したり、政府の外交政策に反対するインタビューを公表したり、アフガニスタン軍の弱さを表すような報道を禁止しているほか、いわゆるテロリスト指導者については、インタビューだけでなく、そのビデオ映像や写真に至るまで禁止している。
また、放送についても、トップニュースに自爆・路肩爆弾のような攻撃的な活動に関するニュースを置かないように命じている。

文書をどのレベルが認可したものかは不明だが、カルザイ大統領の報道官事務所は、政府が国内メディアの活動を制限する指令を出したとの報道を否定して、「テロリズムを賞賛したり、テロリストに発言の場を与えることを差し控える」ように単にメディアに依頼しただけだと述べ、「この要請は、憲法上の報道・言論の自由の原則と完全に一致している」と述べた。

現在、アフガニスタンには、政府に全く批判的な多くの新しいテレビ局・ラジオ局が存在している。
ある報道機関のチーフは、もしこれらの規制が法律になれば、彼の言論の95%は禁止されるだろうと語った。
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2006年06月18日

非対称性の戦争の記録

「家族で海辺に座り、楽しくトウモロコシを食べていたら、突然イスラエルの砲弾2発が撃ち込まれ、隠れようとしたけど、砲弾が近くに落ち、気が付いたときには、周りがすべて真っ白でした」と、ガザ地区北部のベトラフィア(Bet Lahiya)に住むフダ・ガリア(Huda Ghalia)さん(12)は語る。
6月9日の夕方、彼女は、父親、義理の母(負傷した実母とは別の夫人)及び生後8ヶ月の弟ハイサム(Haitham)ら兄弟5人を含む家族7人を失い、他に海辺では子どもを主に35人が負傷した。

同日、イスラエル防衛軍(IDF)の砲艦はベトラフィアの地中海沿岸から肉眼で見える位置にあって、事件後に軍が設置した調査委員会の発表によれば、海岸及び海岸周辺に向けて155mm砲弾6発を発射していた。
そして、砲撃が午後4時30分から48分の間に行われたのに対して、海岸を監視していた際の鈍い低音に加えて、ちょうど5時前までリラックスしていた人々が見えたこと及び5時15分に救急車が到着したことから、ガリア一家に致命傷を与えた爆発は4時57分から5時10分の間に生じたものであり、この9分間のギャップはイスラエル軍が責任を負うには大きすぎるという。

調査委員会を率いたIDFのメイア・カリフィ(Meir Kalifi)少将は、「私は、この時間にIDFによって使用された手段が、その出来事を引き起こさなかったと、疑問の余地なく言うことができる」と述べた。
さらに、その調査は「負傷者から摘出された榴散弾は、砲弾のものではない」との結論を下し、その爆発は「おそらくハマスによって敷設された地雷又は埋設された古い砲弾」だという。

Huda Ghaliaまた、メディアの報道に影響を及ぼそうと努力しているアメリカのイスラエル支持派の圧力団体「カメラ」(Camera)は、世界中に衝撃を与えた事件直後のフダさんのフィルムは「作り物」であり、「死体は動かされたのではないか、少女は死体を発見する場面を再び演じるように依頼されたのではないか、ビデオは脚色されたものではないのか」と言う。

しかし、目撃者、医師及び救急救命隊員の証言や入院記録は、軍が海岸を砲撃している時間に爆発が生じたことを示唆している。
榴散弾についても、ヒューマン・ライツ・ウォッチの依頼を受けて調査に当たった元アメリカ国防総省戦場分析官のマーク・グラスコ(Marc Garlasco)氏は、直ちに反論した。
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2006年06月17日

A・ルーニーのワイヤレスのススメ

utility poles and wire 1むやみやたらと立てられている電柱と空中に張り巡らされた電線のせいで、街の美観は損なわれています。

ニューヨーク市は、この奇怪な化け物を法で規制していますが、これはレア・ケース。
アメリカの80%の地域では、電柱とケーブルの設置に何の規制も設けていないのです。


utility poles and wire 2立派な並木道も、見るも無惨な姿に変わり果ててしまいました。

電力・通信会社側は、「電線類を地下に埋設するのは、コスト面から無理だ」と言ってますが、冗談を言ってはいけません。
いくらかかろうが、やるべきなんです。
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2006年06月16日

ターニング・ポイント?

ソマリアでは、過去4ヶ月にわたる死者350人前後という激しい戦闘の後、6月5日に首都モガディシュを制圧した民兵組織「イスラム法廷連合」(Islamic courts union)が、14日にはモガディシュの北約90kmに位置するジョワル(Jowhar)も制圧した。
これで、アメリカが支援していたとされる「平和回復と対テロ同盟」(ARPCT:Alliance for the Restoration of Peace and Counter-Terrorism)は最後の戦略拠点を失い、「イスラム法廷連合」はソマリカ南部をほぼ掌握した。

アルジャジーラによれば、「ARPCT」の最有力指導者とされるモハメド・クワイヤレ・アフラフ(Mohamed Qanyare Afrah)ソマリア暫定連邦政府元国家安全保障担当大臣は、「ARPCTは終わった」と宣言し、最近の戦闘で被害を受けた国民に対して謝罪の意を表明したという。

中央政府崩壊後、過去15年間にわたってソマリア南部の各都市を支配してきた「将軍」たちは、暫定連邦政府の発足にあたって、いずれも大臣に任命されたものの、中央政府が実効支配を確立するにはほど遠い状態で、政府機関を首都に置くこともできなかったが、「将軍」たちの同盟が敗北したことで、暫定連邦政府は今後、「イスラム法廷連合」に対処していくことになる。

13日、暫定連邦政府樹立に結びついたケニアでの和平会談を2年前に仲介した「政府間開発機構」(IGAD:Intergovernmental Authority on Development)は、9人の「将軍」たちの渡航禁止と銀行口座の凍結を即時実施するとともに、イスラム系民兵に対しては、暫定連邦政府のみが兵士を統制すべきであると主張した。

このIGADの会合で発言したケニアのラファエル・トゥジュ(Raphael Tuju)外務大臣は、アメリカを名指しすることは避けたものの、「将軍」を支持した国がモガディシュの紛争に燃料を供給したと述べ、15年間にわたって首都を「脅迫」していた「将軍」は、イスラム勢力による秩序の回復を「大衆暴動」と呼んでいたと述べた。
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2006年06月15日

何事も遊びから始まる

2005年4月9日のことでした。友人と一緒に検問所の方に歩いていってイスラエル兵に調べられました。
持っていた爆弾が見つかって投獄されました。


と語る17歳のパレスチナ人、ニダル・アボウ・シハブ(Nidal Abou Shihab)君は、1年間投獄されたが、自爆することが目的ではなく、逮捕されることが目的だった。

家族の負担を減らすために逮捕されたかったのです。
刑務所では、ちゃんと食事も与えられ、「手当て」ももらっていたので、お金を家族に渡していました


「手当て」とは、パレスチナ自治政府が、イスラエルに拘留されているパレスチナ人全員に対して、毎月支給している150ユーロのことだ。

2001年から失業している彼の父親も息子の行動を支持している。
「この狭い部屋で、6人の兄弟と一緒に寝起きしているのですから、気持ちは理解できます。ここでは高校も卒業できませんが、イスラエルの刑務所ではちゃんと勉強もさせてもらえます」

彼のように、貧しい難民キャンプでの生活よりイスラエルでの刑務所生活を望む若者は少なくない。
ヨルダン川西岸地区ナブルス(Nablus)の検問所では、2年前から200人以上の子どもや若者が「テロリストのふり」をして捕まっている。
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2006年06月14日

私は彼と目が合いました。彼はすぐに私を撃ちました。

オレンジ色のスパークが見えて、大きなバンという音がしました。私の身体は壁に吹き飛び、(階段の)床に滑り落ちました。
右の胸から血が出ていました。胸に穴が開いていました。そのとき、私は撃たれたのだとわかりました。

私は、「お願いだ。動くことが出来ないんだ」と懇願しました。
すると彼は、私の顔を蹴り、「だまれ」と叫んだのです。

母が連れ出されるのを聞きました。母は泣き叫んでいました。
一人づつ殺されるのだ、と私は思いました。

私は左の脚を掴まれ、階段を引き摺り降ろされました。そのとき、私の頭がバンバンと階段に当たりました。
玄関を出ると、彼らは私を歩道に投げました。そして、一人が私の胸にティッシュペーパーを当てると、上から押さえたのです。

6月2日午前4時頃、イースト・ロンドンのフォレストゲート(Forest Gate)地区ランズダウン通り(Lansdowne Road)にあるテラスハウスで、捜査員250名以上を動員して行われた大がかりな家宅捜索の際、マホンマド・アブドゥル・カハール(Mohammed Abdul Kahar)氏(23)は自宅内で警察官に撃たれ、弟のアブル・コヤル(Abul Koyair)氏(20)とともにテロを計画した容疑で逮捕された。

しかし、数日間かけて行われた家宅捜索では何も見つからず、1週間以上拘留された後に釈放された兄弟は、13日に記者会見を行った。

「家に侵入した強盗によって殺されると思った」と言うカハール氏は、家の外で護送車を見た時に、彼らが警察官だとわかったと語った。
ロンドン警視庁から「警告が与えられた」との表明はなく、公式発表は「23歳の人が銃創を負った」と単に述べていただけだった。
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2006年06月13日

テロリストではない塀の中の面々の状況について

Prison Violence 1受刑者を犬のように扱って、暴力を振るったり、治療を受けさせなかったり、十分な栄養を与えなかったり、少しの休憩時間も与えないとします。
すると、その受刑者は、釈放されるときには、刑務所に入る前より、はるかに悪い人間になってしまっているんです。
ロン・マクアンドリュー(Ron McAndrew)
            元フロリダ州刑務所長


Prisoner and Officer Demographics現在、アメリカでは、毎年約1,350万人が刑務所や監獄に入れられているが、全国的に見れば、白人と比較して、アフリカ系アメリカ人は、おおまかに言っておよそ7倍、ラテン系は3倍の割合で投獄されている。
もっとも、そのまま留まるのは約68万人ほどで、95%は結局のところ釈放されているが、そのほとんどが、犯罪発生率が高くて雇用率が低い貧しいマイノリティの地域社会に戻っている。
そして、そのときには、投獄された際に彼らがそうだったときよりも、猛烈に腹を立てて。

全米に約5,000ある成人用の刑務所及び監獄の中には、小さな国家に匹敵するほどの人口の約220万人が常時暮らしており、俗に「地獄の世話係」と呼ばれる75万人のいわゆる看守、矯正官がいて、その年間経費は600億ドル以上に達している。
毎年、約65万人以上が釈放されているが、3年以内に、その2/3は再び逮捕され、半数は再び塀の中に戻っている。
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