2005年05月11日

イラク駐留米軍はテロの呼び水

「イラクのアメリカ軍は、世界各地からやってくるテロリストの標的になるのではないか?」と質問されたブッシュ大統領が「テロとの対決は望むところ」と答えたように、イラクのテロはアメリカが火を着けたと言える。

テキサス生まれの大統領のカウボーイ顔負けの強気の発言の後、政府の高官や軍の幹部が異口同音に「イラク駐留米軍がテロの呼び水になっている」と繰り返し発言している。
つまり、アメリカ政府は、世界中のテロリストをイラクに結集させて、そこで戦うことで、アメリカ本土からテロの脅威を一掃する作戦をとったことになる。


以上は、NHK・BS1で見たアメリカのABCニュース「ナイトライン」の冒頭部分ですが、こうした戦略に対して、米紙「タイム」のマイケル・ウェア(イラク支局長)は、むしろ逆効果だと語ります。

80年代のアフガニスタンと同様、新世代のヒーローが生まれている。我々は、怒りの温床を造り、怒りを示す場を造っている。
9.11同時多発テロの実行犯は、アフガニスタンでソ連と戦った世代だった。今は、テロ行為のためにイラクに入った者たちが自国に戻り、自国で過激な原理主義を輸出している。テロリストの中でイラク経験者は、以前とは全く違う立場を得るようになっている。
この流れは増幅していて終わりがない。人々を奮い立たせ、彼らを送り込むというのが、オサマ・ビンラディンの最大の戦略だ。


さらに、イギリスのアラビア語紙「アルクッズ」のアブデル・バリ・アトワン(編集局長)は、アメリカ軍にできる最善の策は、撤退することだと語ります。

彼らはイラクにいるほうがアメリカ攻撃の効率的な足場を得て勢いづくことができる。最も賢明な策は、イラク人に後を任せて撤退することだ。アメリカ軍が撤退すれば、彼らはアメリカを叩く口実をなくして、戦いを続けることができなくなる


なるほど、さすがにきちんと考えて報道しているなと思うのですが、番組の中ほどには「テロには屈しない」と、

イラクでは、アメリカ軍とイラク警察に加えて、アメリカ軍やアメリカ企業に働くイラクの民間人も自爆攻撃の標的となっているほか、女性や子どもの区別なく巻き添えの犠牲者が増えている。
自爆攻撃を実行しているのは、大半がシリア・サウジアラビアなどの湾岸諸国から来た若い外国人でほとんど訓練を受けていないイスラム原理主義者である。

テロの心理的標的は、イラクから9000km以上離れたところにいる私たちアメリカ人だ。私たちが疲れ果て、イラクから撤退するよう政府に圧力をかけることを敵は狙っている。
しかし、今のところそれは起きそうにない。選挙当時も今も国民の半数以上が大統領のイラク政策に反対しているものの、イラクに派兵した大統領が再選されて半年しか経っていない。

レーガン政権下の1983年、平和維持軍としてレバノンに駐留していた米軍が241人の犠牲者を出してレバノンから撤退したことがあるが、こうした成果が得られることを敵は知っているので、自爆攻撃が続けられている。
しかし、死をも恐れぬ固い決意の敵から自爆攻撃を受けようが、神風特攻隊の攻撃にもひるまず戦ったように(ここで硫黄島に星条旗を立てる例の写真)、アメリカ軍の勝利への強い信念を挫くことはできない。

これでもかとばかりに勝利への決意が顕著に示されてました。


それから、NHK的には全て「自爆テロ」で統一されてましたが、多くの場合、Human Bombs、Suicide Bombers、Suicide Attack と言ってるようですから、本当は「自爆攻撃」と訳すべきでしょうか。もちろん、Suicide Terror(-ism,-ist) と言ってる場合もありましたけど、オリジナルの音声が聞き取りにくかったこともあって、厳密に区別して使われていたかどうかはわかりません。

しかし、まあアメリカ的には、いままで戦ってきた敵は全てテロリストというのが都合がいいのでしょうね。。。


【関連記事として】言葉を奪われた人々(2005/06/06)
soliton_xyz at 23:47│Comments(0)TrackBack(3)イラクと中東 

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