2005年09月04日

責任をとらない人たち(その3)

新型の重爆撃機1機分のコストで、30以上の都市に学校が建設できます。人口6万の町の電力を賄える発電所なら2基、大きな病院なら2つ造れます。
こんなことではいけません。戦争の闇の中で、人間性が鉄の十字架に掛けられています。

ドワイト・アイゼンハワー 第34代アメリカ合衆国大統領(1953-1961)

祖父は言ったそうです。
「神よ。軍をよく知らない人が大統領になったとき、どうかこの国を救ってください」

アイゼンハワー大統領の孫 スーザン・アイゼンハワー氏


NHK・BS1「世界のドキュメンタリー」「なぜアメリカは戦うのか(前編) - 巨大化する軍産複合体 -」(Why We Fight アメリカ・シャーロット ストリート フィルムズ制作)のメッセ−ジは、冒頭に引用した演説や、軍産複合体(Military-industrial complex)について警告した有名なアイゼンハワー大統領の離任演説(1961年1月17日)に要約できそうでした。
まあ、それだけ古くて新しい問題だということでしょうか。。。

CIAの用語に「ブローバック(blowback)」という言葉があります。
これは、秘密裏に行われた工作活動が予想外の結果を生むことを意味します。
例えば、国が秘密裏に行った活動に対して敵が報復してきた場合、国民には因果関係がわかりませんから、「なぜだ」という疑問ばかりが膨らむのです。

2001年9月11日の同時多発テロは、かねてからアメリカの帝国主義的拡大を狙っていた一部の人々に絶好のチャンスを与えました。

チャルマーズ・ジョンソン CIA顧問(1967-1973)


アメリカの関与は、どこまでが善意で、どこからが帝国主義的な力の行使になるかが問題なんです。

軍産複合体に対するアイゼンハワーの危惧は、現実のものとなってしまいました。
心配していたとおり、国益よりも企業の利益が優先されるようになったんです。

(官僚と企業に)非常に緊密な関係があるのは確かです。
「汚職」とまでは言わなくとも、それに近いことをする人が企業にも国防総省にもいるのです。

酷い話です。ハリバートン(Halliburton)社は連邦政府に対し、過剰な金額を請求しています。不当な行為ですよ。
国が事実関係を調査すべきでしょう。

ジョン・マケイン(John McCain) 共和党上院議員


9.11同時多発テロ以降、アフガニスタンやイラクで軍の仕事を請け負うようになった会社は、わかっているだけで71社あります。
そのうちの上位10社は国防総省をはじめとする政府の元高官たちを取締役などに迎え入れるんです。

そのような天下りは常に行われてきました。
民間会社に入った官僚たちは、かつての給与の3倍から4倍、ときには10倍もの収入を得ています。

特に契約数が多いのが、チェイニーが経営に参加していたハリバートン社の子会社KBR社です。

私たちは33人のスタッフを6大陸に派遣し、60万ドルの費用と2年半をかけて、世界中の民間軍事会社とその請負事業について調べ上げました。
調査の結果、注目すべき事実が浮上しました。

1992年、国防総省は、KBR社に900万ドルを支払い、炊事や清掃、さらには一部の軍務を民間会社に委託する案を検討するよう依頼していたんです。
当時の国防長官は、ディック・チェイニー("Dick" Richard Cheney)でした。つまり、依頼主はチェイニーだったんです。
KBR社は、この案は非常に有効であると報告し、10年後、700から800の契約を獲得するに至っています。

(1995年)ハリバートンは、国会議員や国防長官、大統領首席補佐官を務めた有力者を取り込みました。
その強力なコネは、ワシントンのみならず世界中で力を発揮しました。
もちろん、これによってチェイニー自身も莫大な利益を得ました。純資産が5年間で、100万ドルから7,000万ドルに跳ね上がったんです。

(2001年)政府の請負業者が副大統領になりました。
こうしたことが現実に起こっていて、法的にも問題はないとされています。

チャールズ・ルイス(Charles Lewis)  CPI (the Center for Public Integrity)創設者


誰だったか、土建国家・日本を例にして「戦争はアメリカの公共事業だ」と言ってた人がいたのを思い出しました。。。


【関連記事として】民主主義社会における「高貴な嘘」の価値は?(2005/06/25)

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1. Tramadol.  [ Tramadol. ]   2007年04月21日 18:32
Snorting tramadol.

この記事へのコメント

1. Posted by march-hare   2005年09月07日 13:25
こんにちは。いただいたコメントのリンクからやって来ました。
アイゼンハワー、いい言葉を一杯残していますよね。

『銃の製作、軍艦の出航、ロケットの発射の一つ一つが、最終的には飢えに苦しみながらも食料を与えられていない人々、寒さに凍えながらも衣服を持たない人々から盗んでいる事に等しい。』という言葉も、印象に残っています。
現在の共和党大統領に学んで欲しいです。

戦争の体験を持つ軍人のほうが、経験のないGWB や チェイニーやラムスフェルドなどよりも、ずっと慎重で、戦争とは基本的に取ってはいけない手段という意識が高いような気がします。中には命令遂行のみを義務と思っている人々もいるようですけど。

歴史を振り返ったら〜とよく言われますが、振り返って事実と状況がまともに把握されるまでに、取り返しのつかない程のダメージが積み重なってしいまうようで、とても憂鬱です。
2. Posted by soliton_xyz   2005年09月07日 22:41
嘘をつく権力者というのは、嘘はやがてバレると思ってる確信犯じゃないかと思いますね。

嘘はいずれバレるが、そのときは勝負が着いている。
それこそおっしゃるとおり「取り返しのつかない程のダメージ」で「覆水盆に返らず」です。

運が良ければ自分の在任中に嘘がバレることはないかもしれないし、運が悪くても、民主主義の世の中ですから、「国民総懺悔」して後始末は国民みんなで分かち合えばいい。

そういう考え方ですから、歴史に悪名を残すことなど気にしません。
歴史の評価などより大事なことと言えば、理想に燃えるラムスフェルドなら「戦果」、利権を貪るチェイニーなら「財産」、そして、敬虔なGWBなら神の御心に沿って大事を成し遂げたという「神の祝福」でしょうかね、本当のところはよくわかりませんが。

その3人ですが、名言を残すことなど考えたこともないと思いますね。。。

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