2006年04月23日
調査
BSE感染によるクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD:Creutzfeldt-Jakob Disease)患者は、2006年4月時点で全世界に189人。
100万人に1人の割合で発症するというCJDは発症平均年齢63歳だが、BSE感染による変異型CJDは発症年齢が若く平均29歳だ。
人口1万1千人の小さな町、ニュージャージー州チェリーヒル(Cherry Hill)のガーデンステート競馬場で働いていたキャリー・メイハン(Carrie Mahan)さんは、2000年2月24日にCJDで亡くなった。
入院から僅か2ヶ月後のことで、享年29歳だった。
それから3年後、キャリーさんの友人で主婦のジャネット・スカーベック(Janet Skarbek)さん(39)は、新聞の死亡記事を見ていて、キャリーさんと同じCJDで亡くなった人を見つけた。
そのキャロル・オリーブ(Carol Olieve)さん(2003年5月31日死亡、享年56)も、キャリーさんと同じ競馬場で働いていた。
さらに探すとCJDで亡くなったジョン・ウェバー(59)さんも、家族に聞いたところ同じ競馬場の会員証を持ち頻繁に通っていた。
ガーデンステート競馬場の約100人の職員のうち2人、約1,000人の会員証保持者のうち7人、同競馬場のTボーン・ステーキで有名なフェニックス・レストランの利用者から8人の合計17人が、1995-2004年の間に亡くなり、その死亡診断書にはCJDが死因と記されていた。
100万人に1人の割合で発症するというCJDは発症平均年齢63歳だが、BSE感染による変異型CJDは発症年齢が若く平均29歳だ。
人口1万1千人の小さな町、ニュージャージー州チェリーヒル(Cherry Hill)のガーデンステート競馬場で働いていたキャリー・メイハン(Carrie Mahan)さんは、2000年2月24日にCJDで亡くなった。
入院から僅か2ヶ月後のことで、享年29歳だった。
それから3年後、キャリーさんの友人で主婦のジャネット・スカーベック(Janet Skarbek)さん(39)は、新聞の死亡記事を見ていて、キャリーさんと同じCJDで亡くなった人を見つけた。
そのキャロル・オリーブ(Carol Olieve)さん(2003年5月31日死亡、享年56)も、キャリーさんと同じ競馬場で働いていた。
さらに探すとCJDで亡くなったジョン・ウェバー(59)さんも、家族に聞いたところ同じ競馬場の会員証を持ち頻繁に通っていた。
ガーデンステート競馬場の約100人の職員のうち2人、約1,000人の会員証保持者のうち7人、同競馬場のTボーン・ステーキで有名なフェニックス・レストランの利用者から8人の合計17人が、1995-2004年の間に亡くなり、その死亡診断書にはCJDが死因と記されていた。
同競馬場は2001年に閉鎖され、関係書類は全て処分されていたが、スカーベックさんは牛からの感染を疑い、亡くなったCJD患者たちの再検査を州政府に訴えた。
この訴えは聞き入れられなかったが、2003年12月に連邦政府が米国内で初めてBSE感染牛が発見されたことを公表すると、事態は一変した。
ニュージャージー州は、死亡診断書にCJDと記載されていた17人の調査を行い、調査開始から僅か1ヶ月後の2004年5月に報告書を公表した。
しかし、州の報告書は、17人のうち11人をCJDと認めたがBSEとは関係がないとし、6人については異常プリオン・タンパク質が発見されないという理由でCJDと認めていなかった。
検死解剖の結果、CJDと診断されていたキャリーさんも、州政府はCJDと認めていない。
「医者たちは何が原因かを分かっていながら、それを確定させたくなかったのです」と語るキャリーさんの母親エベリン(Evelyn)さん(65)たちは納得できず、専門家に再検査を要請した。
要請を受けた著名な神経学者であるクラフリン(Claflin)大学のオマー・バガズラー(Omar Bagasra)医師(サウスカロライナ州)は、政府にキャリーさんの脳の標本を要求したが拒否され、裁判に訴えて入手するまでに1年以上の時間がかかった。
再検査でも異常プリオンは発見されなかったが、スポンジ性脳症とも言われるCJDの形態を示していることから、バガズラー医師はCJDではないかと考えている。
(異常プリオンは発見されなかったからといって)彼女がCJDに感染していなかったということにはなりません。
なぜなら、CJD患者全員に異常プリオンが見つかるとは限らないからです。
同じ競馬場に通い、16人も17人も感染しているとは異常です。
17人中11人は既にCJDだと認められているのですから、何かがあったのだとしか思えません。牛肉だとは言い切れないかもしれませんが、何か食べ物によって感染し、病気になったということでしょう
と、バガズラー医師は言う。
バガズラー医師は既に1年を再検査に費やしているが、すべて調べ終わるにはさらに1年を要するという。また、他の専門家によっても再検査は続けられており、近く結果が出る見通しだ。
キャリーさんの資料を見た青山学院大学の福岡伸一教授は、「(ニュージャージー州の報告書は)さらに詳しく調べる余地がある中間的なデータに見える」と言う。
年間3,500万頭の牛が食肉加工される世界最大の牛肉消費大国アメリカでは、1997年までイギリスから肉骨粉を大量に輸入していたが、これまでに発見されたBSE感染牛は3頭にすぎない。
しかし、検査体制は杜撰で、2004年6月17日には29頭のへたれ牛を食肉加工していたことが、農務省の監査によって判明している。
アメリカ国内でも大きなシェアを占めている大企業のペンシルバニア州の工場では、1日に1,900頭の牛が処理されているが、「私が働いていた頃、ここはアメリカ国内で一番へたれ牛が多い工場でした。1日に22頭から25頭もいたのです」と、元農務省検査官のレスター・フリードランダー氏は言う。
私は、検査官として牛を十分に検査するため生産ラインの速度を落としたり止める権限がありました。
私がそれを実行すると、ここの責任者が農務省に抗議したのです。
私がラインを止めると「1分間におよそ4,000ドルの損失を被る」と彼らは言うのです。
と話すフリードランダー氏は、検査態勢の不備を指摘したために1995年に農務省を解雇されたという。
この工場は、「内臓を使った加工食品」「ハンバーグなどの様々な牛肉製品」を、禁止措置がとられるまで日本に輸出していたという。
連邦政府の公式発表によれば、アメリカのBSE感染患者は2人だが、どちらもイギリスで感染した疑いが強いとされ、国内感染の例はないという。
しかし、CJD発生の報告を義務付けている州は、全米50州のうち26州しかない。
CJD患者の遺族が結成し、全米に会員を持つ「CJDボイス(CJD voice)」テキサス州代表のテリー・シングルテリー氏は、1997年にCJDで母親を亡くしている。
「私の目指すゴールは二つです。まずは、CJDの情報をアメリカのすべての州の人に知ってもらうこと。そして、もう一つは100%の牛をすべて検査することです」と、シングルテリー氏は言う。
かつて年商の20%を日本向け輸出が占めていたクリークストーン・ファームズ(Creekstone Farms)社は、輸出再開を目指して60万ドルを投じて自主的に全頭検査の体制を整えた。
しかし、農務省に全頭検査を禁止され、2006年3月、同社は農務省を訴えた。
CJDが「集団発生」したチェリーヒルでは、スカーベックさんが調査を続けている。
ルース・ハースコビチさん(74)は、9月19日に入院し、3週間後にスカーベックさんが訪れてから7日後に亡くなった。
ハースコビチさんは、ガーデンステート競馬場のフェニックス・レストランで食事したのは、17-18年前のクリスマス・パーティのときに1度だけだという。
スカーベックさんは、競馬場に牛肉を納入していた業者を特定するべく調査を進めている。同レストランで食事したことのあるCJD患者は、さらに増え死者23人となった。
以上、TBS「報道特集」でした。
州の報告書を見ると、CJDとされた11人のうち6人はニュージャージー州の居住者で、5人は他州の居住者だったようですが、ニュージャージー州の全人口850万人に対する発生率で比較した場合、この11件は予想される範囲内にあるという結論を出したようです。
しかし、「この競馬場のレストランで飲食した経験の有無」を全く考慮しないで母集団を州総人口にしていい理由はありませんし、CJDで死亡した疑いのある全患者のリサーチが不十分であることは報告書も認めているようです。
特定のレストランを調べると「この数」になるのなら、特定の食肉加工業者の同じようなレストランでも一軒毎に「同じような数」になるのでしょうか。
1回食事しただけで発病するとは考えにくいのですが、それだけ多いということは確かなようで、とても不気味な話です。。。
この訴えは聞き入れられなかったが、2003年12月に連邦政府が米国内で初めてBSE感染牛が発見されたことを公表すると、事態は一変した。
ニュージャージー州は、死亡診断書にCJDと記載されていた17人の調査を行い、調査開始から僅か1ヶ月後の2004年5月に報告書を公表した。
しかし、州の報告書は、17人のうち11人をCJDと認めたがBSEとは関係がないとし、6人については異常プリオン・タンパク質が発見されないという理由でCJDと認めていなかった。
検死解剖の結果、CJDと診断されていたキャリーさんも、州政府はCJDと認めていない。
「医者たちは何が原因かを分かっていながら、それを確定させたくなかったのです」と語るキャリーさんの母親エベリン(Evelyn)さん(65)たちは納得できず、専門家に再検査を要請した。
要請を受けた著名な神経学者であるクラフリン(Claflin)大学のオマー・バガズラー(Omar Bagasra)医師(サウスカロライナ州)は、政府にキャリーさんの脳の標本を要求したが拒否され、裁判に訴えて入手するまでに1年以上の時間がかかった。
再検査でも異常プリオンは発見されなかったが、スポンジ性脳症とも言われるCJDの形態を示していることから、バガズラー医師はCJDではないかと考えている。
(異常プリオンは発見されなかったからといって)彼女がCJDに感染していなかったということにはなりません。
なぜなら、CJD患者全員に異常プリオンが見つかるとは限らないからです。
同じ競馬場に通い、16人も17人も感染しているとは異常です。
17人中11人は既にCJDだと認められているのですから、何かがあったのだとしか思えません。牛肉だとは言い切れないかもしれませんが、何か食べ物によって感染し、病気になったということでしょう
と、バガズラー医師は言う。
バガズラー医師は既に1年を再検査に費やしているが、すべて調べ終わるにはさらに1年を要するという。また、他の専門家によっても再検査は続けられており、近く結果が出る見通しだ。
キャリーさんの資料を見た青山学院大学の福岡伸一教授は、「(ニュージャージー州の報告書は)さらに詳しく調べる余地がある中間的なデータに見える」と言う。
年間3,500万頭の牛が食肉加工される世界最大の牛肉消費大国アメリカでは、1997年までイギリスから肉骨粉を大量に輸入していたが、これまでに発見されたBSE感染牛は3頭にすぎない。
しかし、検査体制は杜撰で、2004年6月17日には29頭のへたれ牛を食肉加工していたことが、農務省の監査によって判明している。
アメリカ国内でも大きなシェアを占めている大企業のペンシルバニア州の工場では、1日に1,900頭の牛が処理されているが、「私が働いていた頃、ここはアメリカ国内で一番へたれ牛が多い工場でした。1日に22頭から25頭もいたのです」と、元農務省検査官のレスター・フリードランダー氏は言う。
私は、検査官として牛を十分に検査するため生産ラインの速度を落としたり止める権限がありました。
私がそれを実行すると、ここの責任者が農務省に抗議したのです。
私がラインを止めると「1分間におよそ4,000ドルの損失を被る」と彼らは言うのです。
と話すフリードランダー氏は、検査態勢の不備を指摘したために1995年に農務省を解雇されたという。
この工場は、「内臓を使った加工食品」「ハンバーグなどの様々な牛肉製品」を、禁止措置がとられるまで日本に輸出していたという。
連邦政府の公式発表によれば、アメリカのBSE感染患者は2人だが、どちらもイギリスで感染した疑いが強いとされ、国内感染の例はないという。
しかし、CJD発生の報告を義務付けている州は、全米50州のうち26州しかない。
CJD患者の遺族が結成し、全米に会員を持つ「CJDボイス(CJD voice)」テキサス州代表のテリー・シングルテリー氏は、1997年にCJDで母親を亡くしている。
「私の目指すゴールは二つです。まずは、CJDの情報をアメリカのすべての州の人に知ってもらうこと。そして、もう一つは100%の牛をすべて検査することです」と、シングルテリー氏は言う。
かつて年商の20%を日本向け輸出が占めていたクリークストーン・ファームズ(Creekstone Farms)社は、輸出再開を目指して60万ドルを投じて自主的に全頭検査の体制を整えた。
しかし、農務省に全頭検査を禁止され、2006年3月、同社は農務省を訴えた。
CJDが「集団発生」したチェリーヒルでは、スカーベックさんが調査を続けている。
ルース・ハースコビチさん(74)は、9月19日に入院し、3週間後にスカーベックさんが訪れてから7日後に亡くなった。
ハースコビチさんは、ガーデンステート競馬場のフェニックス・レストランで食事したのは、17-18年前のクリスマス・パーティのときに1度だけだという。
スカーベックさんは、競馬場に牛肉を納入していた業者を特定するべく調査を進めている。同レストランで食事したことのあるCJD患者は、さらに増え死者23人となった。
以上、TBS「報道特集」でした。
州の報告書を見ると、CJDとされた11人のうち6人はニュージャージー州の居住者で、5人は他州の居住者だったようですが、ニュージャージー州の全人口850万人に対する発生率で比較した場合、この11件は予想される範囲内にあるという結論を出したようです。
しかし、「この競馬場のレストランで飲食した経験の有無」を全く考慮しないで母集団を州総人口にしていい理由はありませんし、CJDで死亡した疑いのある全患者のリサーチが不十分であることは報告書も認めているようです。
特定のレストランを調べると「この数」になるのなら、特定の食肉加工業者の同じようなレストランでも一軒毎に「同じような数」になるのでしょうか。
1回食事しただけで発病するとは考えにくいのですが、それだけ多いということは確かなようで、とても不気味な話です。。。

