2006年06月15日

何事も遊びから始まる

2005年4月9日のことでした。友人と一緒に検問所の方に歩いていってイスラエル兵に調べられました。
持っていた爆弾が見つかって投獄されました。


と語る17歳のパレスチナ人、ニダル・アボウ・シハブ(Nidal Abou Shihab)君は、1年間投獄されたが、自爆することが目的ではなく、逮捕されることが目的だった。

家族の負担を減らすために逮捕されたかったのです。
刑務所では、ちゃんと食事も与えられ、「手当て」ももらっていたので、お金を家族に渡していました


「手当て」とは、パレスチナ自治政府が、イスラエルに拘留されているパレスチナ人全員に対して、毎月支給している150ユーロのことだ。

2001年から失業している彼の父親も息子の行動を支持している。
「この狭い部屋で、6人の兄弟と一緒に寝起きしているのですから、気持ちは理解できます。ここでは高校も卒業できませんが、イスラエルの刑務所ではちゃんと勉強もさせてもらえます」

彼のように、貧しい難民キャンプでの生活よりイスラエルでの刑務所生活を望む若者は少なくない。
ヨルダン川西岸地区ナブルス(Nablus)の検問所では、2年前から200人以上の子どもや若者が「テロリストのふり」をして捕まっている。

しかし、イスラエル兵にとって、本物と偽物の区別を付けることは難しい。
2004年3月24日に見つかった子どもの場合、本物の自爆ベルトを身体に巻き付けていた。

他方、偽のピストルと自分で作った爆弾を持ってくる子どももいる。
「以前は、全員をテロリストとして逮捕していましたが、少しづつ子どもの遊びに過ぎないことが、わかってきました。だから、現在は、調書だけ取って家に帰すかパレスチナ警察に引き渡すことにしています」と、イスラエル国防軍のファウド・ハウハ(Fouad Halhal)中佐は言う。


一方で、こうした行動を防止するために、イスラエルは、懲役3年以下の受刑者に体罰を行うようにもなった。
しかし、服役や自爆が英雄視されているナプルズで、こうした現象は終わりそうにない。

以上、NHK・BS1で見たフランス国営テレビF2でした。

占領地域の人々の民生の安定を図ることは占領当局の義務であるはずですが、イスラエルはこれを一部放棄しているところがあって、パレスチナ自治政府に対する「国際社会」の支援は、イスラエルの果たすべき義務を代替しているという側面がありますね。
また、イスラエル当局には、占領行政の下請け機関としてのみパレスチナ自治政府の存在意義を認めるという姿勢が顕著ですが、それは言うなれば、ナチス・ドイツ占領下のフランスにおけるヴィシー政府のようなものでしょうか。

解放後こそ英雄視され過大に宣伝されたフランス・レジスタンスですが、ヴィシー政府は彼らを犯罪者・テロリストと規定し、ドイツ占領当局に協力して、せっせと捕まえていたのでした。
パレスチナ自治政府はそれほど簡単ではなく、イスラエルが犯罪者・テロリストと規定しているにもかかわらず、抵抗運動の戦士が拘束されれば、戦時捕虜が本国から送金される給与を受け取るように、手当てを支給しているわけですが、その一方で、これまでファタハが主導してきた治安機関は、他派の軍事部門を弾圧することで、多少なりとも占領当局の要望を受け入れつつ、自派の権力基盤の安定を図ってきたようにも見えます。

さて、「国際社会」ですが、選挙で勝利したハマス政権の発足後の対応というのは、非常に奇妙なものに思われますね。
ハマスに限らず、本気でパレスチナ人に武力闘争を放棄させたいのであれば、占領状態の解消は不可欠なはずですが、本気でこの課題に取り組むという強いメッセージは、「国際社会」を構成するどの国の政府にも見あたらないようです。。。


【関連記事として】共通の敵はボーダレス(2005/06/22)子どもたちの声を聞け(2005/09/28)

soliton_xyz at 23:15│Comments(0)TrackBack(0)イラクと中東 

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