2006年06月19日

報道するなは報道できる

アフガニスタン情報局が国内のジャーナリストを会合に呼び出して配布した、その2頁からなる文書をBBCは入手したが、それには再配布とコピーを防止するためのマークが付けられていた。

文書の内容は、メディアに対する当局の要求をリストアップしたもので、アメリカ主導の多国籍軍やNATOの作戦を批判したり、政府の外交政策に反対するインタビューを公表したり、アフガニスタン軍の弱さを表すような報道を禁止しているほか、いわゆるテロリスト指導者については、インタビューだけでなく、そのビデオ映像や写真に至るまで禁止している。
また、放送についても、トップニュースに自爆・路肩爆弾のような攻撃的な活動に関するニュースを置かないように命じている。

文書をどのレベルが認可したものかは不明だが、カルザイ大統領の報道官事務所は、政府が国内メディアの活動を制限する指令を出したとの報道を否定して、「テロリズムを賞賛したり、テロリストに発言の場を与えることを差し控える」ように単にメディアに依頼しただけだと述べ、「この要請は、憲法上の報道・言論の自由の原則と完全に一致している」と述べた。

現在、アフガニスタンには、政府に全く批判的な多くの新しいテレビ局・ラジオ局が存在している。
ある報道機関のチーフは、もしこれらの規制が法律になれば、彼の言論の95%は禁止されるだろうと語った。

以上、イギリス・BBCのアラステア・レイザード(Alastair Leithead)記者のリポートでした。

他方、同じBBCの2005年9月のシャラズィディン・シッディッキ(Shirazuddin Siddiqi)記者のリポートは、300を越える新聞とその他の出版物が国中を循環し、50を越えるFMラジオ局と5つの民間テレビ局が放送しているなど、「2001年12月に米国主導の連合によってタリバンが打倒されて以来、アフガニスタンのメディアの風景は劇的に変わった」として、「数年間の危機と戦いは、アフガニスタン人を鋭く教養のあるメディアの受け手に変えた」とも伝えていました。

もっとも、その質と内容については、元ジャーナリストで国連事務総長アフガニスタン代表のスポークスマンを務めるエイドリアン・エドワーズ(Adrian Edwards)氏が、「記事の調査は貧弱で、出所はチェックされず、ルーズな見解が堅固な事実に取って代わり、根拠の薄い非難や告発が真実の代わりになっているので、誰にとっても価値のある批判的な種類のジャーナリズムは後回しになっている」と指摘していました。

さらに、エドワーズ氏は「威嚇や自己検閲の圧力を含むいくつかの重要なエリアがある」ことを指摘して、「結局のところ国家と社会の健康を見張ることにあるメディアの役割を果たすのであれば、ジャーナリストは適切な仕事を不健全な圧力から自由に行う必要がある」と述べるとともに、「アフガニスタンの広告市場は明白に小さすぎる」ために現在存在する多くのメディアのうちいくつかは市場から消えるだろうとの見通しを述べていました。

しかし、こうした点にも関わらず、エドワーズ氏は、アフガニスタンのメディアの将来については楽観的で、「健康で強いメディアは手の届くところにある」と信じているそうです。
なぜなら、「それは真実を捜し出す困難な仕事ですが、私は、明白な知性とユーモアと判断力を持ってそれを行うジャーナリストに会ったばかりです」と。


冒頭の記事に戻って言うと、文書をジャーナリストに示すのでなく口頭で社主に指示を伝えるような国とか、放送前に御用聞きに伺うような国とか、意欲と資質に欠けるような人が偉くなってるような国では、報道もできませんけどね。
そういう点で言えば、自由を手にしたばかりの若い国って良いですねえ。。。

soliton_xyz at 23:05│Comments(0)TrackBack(0)イラクと中東 

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