2006年06月29日

まだ丸くなれない・・・

ファンは共和党支持の州に多いから、星条旗カラーのギターを持って、「アイ・ラブ・ブッシュ」と書いたシャツを着よう。
そんなことは考えもしないわ。私たちはミュージシャンよ。政治家じゃないわ。

こんなことは耳にしませんか?
「お客様の反感を買うようなことはするな」、これがビジネスの鉄則では?

そんなものに左右されないのが音楽というものじゃないかしら。だから、私はいつも音楽を称え愛してきた。
意見を持たずに事なかれ主義でいることが、正直に生きることだとは思わないわ。主張すべきよ。私は、メッセ−ジ性のある音楽を、いつも愛してきた。

イラク戦争の開戦直前の2003年3月10日、前年夏にリリースした3枚目のアルバムのプロモーションのために開催したロンドンでの講演で、3人姉妹のカントリー・バンド「ディクシー・チックス(Dixie Chicks)」のボーカル、ナタリー・メインズ(Natalie Maines)は、「私たちは、ブッシュ大統領が自分たちと同じテキサス州の出身であることは恥ずかしいと思っている」と発言。
他のカントリー・ミュージックのスターたちが戦争支持の曲を発表している中でのこの発言は、多くのカントリー・ファンから猛反発が起き、カントリー専門のラジオ局からボイコットされ、暗殺するとの脅迫も受けるようになった。

3月14日には公式サイトで、ナタリーは「私の発言は尊敬を欠いていました。アメリカ市民としてブッシュ大統領に謝罪します。大統領の職務に就く人は誰であれ、最大の敬意を持って扱われるべきです」と「気乗りのしない謝罪」を行ったが、あまり効果はなかった。

グループのエミリー・ロビンソン(Emily Robison)は、「時間、場所、凶器まで詳しく告げられた」暗殺の脅迫まで受けたと語る。それは、ダラスでのコンサート中に撃ち殺してやるというものだったという。
警察、FBI、テキサス・レンジャーズが脅迫に備えて警備を行い、サンアントニオにジェット機で到着したディクシー・チックスは、パトカーからコンサート会場まで直接に行くと、厳戒態勢の会場から帰りもそのままパトカーで飛行場に戻った。「何から何まで現実離れしていた」と、ナタリーは言う。

また、あるラジオ局のヴァンがディクシー・チックスのポスターをボディに張り付けて高速道路を走行していたところ、一台の車が近づいてくると、ウィンドウを下げ、ショットガンを向けてきたということもあったとエミリーは言う。

マーティ・マグワイア(Martie Maguire)は、「私たちのコンサートに来る人で、カウボーイハットを被ったいわゆる『レッド・ネック』は、あまり見かけない。もっと進歩的な人が多い」と言う。
しかし、多くのアーティストがファン層の幅を広げてきたのに「コアなカントリーファンの手によって、状況が逆戻りしてしまって悲しい。今では、カントリー専門のチャンネルを聞くのも辛いくらいだ」と彼女は言う。

ロック色が強くなった彼女たちニューアルバム「Taking the Long Way」は、5月23日にリリースされ好調だが、シングル「Not Ready to Make Nice」は、なかなかカントリー系のラジオ局ではかけてもらえなかった。
この歌は、戦争や大統領や自分たちに背を向けたファンに対する怒りではなく、ブッシュ批判で彼女たちが受けた人々の憎しみや心の狭さに対する怒りを歌にしたという。

代償はもう支払ったはず それでもまだ足りないという
水に流すなんてできない 非を認めるつもりもない
憤りで目が眩みそう 向き合うこともできない


以上、TBSで見たアメリカのCBSドキュメント「60Minutes」からクロフト記者のリポートでした。

【参考として】 「Natalie was Right −ディクシー・チックスのブッシュ批判事件とは-」

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔