2006年07月12日

覚悟の要る話

1960年の独立以来初めて実施されるというコンゴ民主共和国の選挙は、投票日の7月30日に向けて、33人の候補者が大統領職を、9,707人の候補者が定数500の国民議会の議席を争っている。
新しく選ばれた大統領は、2005年12月の国民投票によって承認された新たな憲法の規定により、議会における最大多数党の中から首相を指名し、国家元首と行政の長として5年(再選されれば3選禁止のため最高10年)の任期を務めることになる。

投票結果は9月14日に発表され、投票総数の過半数を獲得する大統領候補がいないときは、上位2候補による決戦投票を10月15日に実施し、最終結果は11月30日に確定すると予定されている。
国連は1999年から同国に平和維持軍を派遣しているが、この向こう4ヶ月に及ぶ選挙期間中は、17,000人の既存部隊を支援するために主にドイツとフランスからなるEU部隊2,000人が増派されることになった。

Riot police beat protester in Kinshasa7月11日、ドイツ連邦軍の第一陣がコンゴに到着したが、首都キンシャサ(Kinshasa)では暫定政府反対派の数千人のデモ隊と重武装の機動隊が激しく衝突し、警棒と催涙ガス弾によって少なくともデモ隊の10人が負傷した。

抗議者たちは、人口5,750万人の同国で「反政府派500万人が有権者登録されなかった」、ジョゼフ・カビラ(Joseph Kabila)暫定大統領は「西洋の傀儡」だと主張する。

その中には、「欧州の部隊など必要ない。我々自身が兵士だ」と言う教師や「民衆に暴力行使を強いるなら、我々はそうするだろう」と言う会社員のほか、「ドイツ部隊は、コンゴを外国に売り渡そうとする陰謀に荷担している」と言う学生もいた。

コンゴ人の全員がEU部隊の善意を信じているわけではないが、EU部隊の報道官は「我々が公平中立で、いかなる党派にも与せず、選挙を支援するためにここに来たのだということを伝えようとしています」と話していた。
「今日キンシャサで起きたことが選挙の今後を予言するものとは限りませんが、一つの前兆であることは確かです。ヨーロッパの部隊には、相当な覚悟が必要となるでしょう」と、ドイツZDFのハインツ記者は伝えた。

一方、イギリス・BBCは、東部のキサンガニ(Kisangani)で、10人が選挙の不正行為で5年の禁固刑を受けたほか、有権者15,000人が二重登録した疑いをかけられているが、そのうち起訴された者は僅かだと伝えている。
さらに、キンシャサのデモは33人の大統領候補のうち19人の支持者だとして、彼らは、5mの超える投票用紙が「あまりにも多く印刷された」ため、投票日を延期して投票用紙を破棄するように要求していると伝えた。

ヨーロッパ・アフリカの諸国は、約2万人のコンゴ人の警官・兵士を訓練したが、2005年には国内に約30万人の戦士がいた。
そのリーダーの多くは暫定政府に参加しているが、武装グループの軍事部門は今なお市民軍をコントロールしており、候補者が選挙活動をするにも、多くの地域では地域を掌握する市民軍の許可を得る必要があるという。

最有力候補のカビラ暫定大統領(35)は、父親のローラン・デジレ・カビラ(Laurent-Desire Kabila)大統領が暗殺された2001年1月、世界で最も若い国家元首になったが、新憲法によって候補者の最低年齢が35歳から30歳に引き下げられたため、立候補が可能になったという。
彼は、5年間以上大統領職にあるにもかかわらず、キンシャサで2つ記者会見を行っただけで、演説をほとんどしていない。

カビラ氏は、反逆者だった父親の長男としてコンゴ領内の拠点地で生まれたが、1997年5月に父が権力を奪取して国内に戻るまでの間は、追放先のタンザニアでニエレレ大統領の保護の下、首都ダルエスサラームで成長した。
このため、コンゴ民主共和国の公用語であるフランス語を話すと英語の訛りがあり、リンガラ語はわからないので、彼のことを「外国人だ」と悪口をいう者もいる。


内戦に参加したわけでもないのにEU部隊の中立性を疑う人がいるようですが、実際に中立かどうかは個別具体的なケース毎に試されることになるので、そのうち反政府勢力にもわかるようになるでしょう。
信頼されれば、攻撃されるようなことはなくなるはずです。

他方、政府側と反政府側が互いに殺し合っているような場合、たとえ中立であっても傍観しているようでは任務を果たせないということになりますし、傍観すること自体、中立ではなく本音のところは殺す側に荷担しているとも言える。

と、ここで考えてしまうのはイラクの多国籍軍のことですが、本当のところ彼らは何の役割を果たしているのでしょうね?

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