2007年05月06日

バベル

本作が日本で大きな注目を集めたことは2点。1つは菊地凛子がアカデミー助演女優賞にノミネートされたこと。もう1つは菊地が登場するクラブシーンで、「ポケモン」で有名になった高速点滅「パカパカ」により体調不良者を出したことである。

 「パカパカ」は気にはならなかった。それ以上に、言葉以外で疎外感やいらだちを表現した菊地の演技は堂々たるものだった。いずれも緻密(ちみつ)に構成されたパズルの1ピースとして作品になじんでいた。ただ、複雑かつ多様なピースで構成されたこのパズルの完成形を見いだすことができるのか。私は詳しい説明がないパズルを自分なりに楽しんだが、意見ははっきりと二分される気がする。

 日本、モロッコ、メキシコなどを舞台に、銃撃事件から物語が展開していく。イニャリトゥ監督は交通事故から3人の悲劇と再生を描いた前作「21グラム」同様、時間軸を交差させるお得意の手法を取った。前作より世界が広がった分、時間軸の幅の触れ方も大きくなり、頭の中で整理しながらたどる必要が生じる。

 羊飼い一家のなりわいなど、手ぶれ感たっぷりにそれぞれの生活をドキュメンタリータッチで描いた映像はリアルだ。一方、映像とは異なり、神のように世界中をふかんしているかのような視点は、登場人物との間に微妙な距離を感じる。

 各国のパートが密接に結び付いていない分、自力で解釈しなければならない。分かりやすい物語が多い中、深く行間を読む必要がある映画もたまにはいいかも。ただし、疲れていない時に、ですが。





出典:nikkansports


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1. 「バベル」  [ お楽しみはココからだ?? 映画をもっと楽しむ方法 ]   2007年05月13日 01:08
(2006年・ギャガ/監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ) ちょっと個人的な事を書きますと、現在三重県某市に単身赴任しております。大阪と比べて困っているのは、まずレンタ