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復活のゆっくりぬいぐるみ。つやつや。もう絶版なのでコンティニューできない


~今回はsomeyoungからお送りさせていただきます~

前回同様にネタバレや長い話が多いです。それから現時点ですでに旅行は終わる寸前なので、これをバックナンバーを読み返している最中の方は後回しにした方がしっくり読めるかもしれません。




この先、一光年
    ↓


















(前回の続き)


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最後の旅行先としてあげたパキスタンは前述の理由であきらめた。しかし航空券はもう買ってしまっている。となればプランBでいくしかあるまい。インドから東へ向かい、ネパール経由でチベットをめざすというものだ。チベットのラサがひとまずのゴール。ネパールからチベット自治区に入区するにはツアーを利用しなければいけないが、入ってしまえさえすれば現地解散オプションもある。ラサからは列車が出ているので、上海までたどりつくのはそう難しい話じゃないだろう。




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イスタンブールのアヤソフィア


しかし、なんとここでも政治情勢の問題が発生してしまっていた。チベット僧侶が焼身自殺した事件を受けて、ネパールからのチベット入区条件が厳しく改められてしまったのである。その条件は「外国人は同一国の観光客5名を揃えてツアーに参加せよ」というものだった。この規制はマイナーかつ急な変更だったのでインドに渡ってから知ることとなった。




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アヤソフィアはキリスト教のカテドラルとして建造され、幾度かの破壊を経て後にイスラム教のモスクとして再建されたという


つまり、ネパールからチベットへ行くにはツアーでしか行けず、そのうえ同一タイミングで参加する日本人が5名揃わないと入れないんである。これは……厳しい。案の定、ネパールの首都カトマンズで一週間ほど待ったがツアー希望客はどこにもいなかった。共産党め!と毒づいても入れないものは仕方ない。中国サイドからは行けるのでチベット自体は観光可能なんだが、ネパールから国境を越えて入るのは規制が厳しいのだ。陸路も空路も同様だ。




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東アジアを陸路で通過しようとすると陸路入国不可のミャンマーが立ちふさがる。この国は空路でないと原則入れないというアジアを旅する旅行者にとっては壁のような国だ。ネパールからチベットへ抜けられないとなると、日本へ近づくにはもうフライトするしかない。いったんアジアの辺境へ移動してまた帰ってくるというのも釈然としないし、この旅は東南アジアか中国で終わりになる。




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アヤソフィアと肩を並べる城塞のような宗教施設ブルーモスク


ネパール滞在中にこの情報がつかめてきた時点で、この先にはもう荒野も砂漠も高空もないことがわかり、正直なところやる気はだいぶなくなってしまった。自分の中での海外放浪はここまでということだろう。とはいえ、これも運命と思って割り切れるくらいには旅行を楽しめた。昔旅行したヨーロッパやエジプト、トルコ、オーストラリアも含めれば、まあ30歳までにこんだけフラフラ遊べたなら十分だろう。




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アヤソフィア同様の威容を誇る


ただ、他の自転車旅行記も数多くある中から、あえて僕の日記に目を通してくださっている方にはもっと行ってほしい地域もあっただろうし、申し訳ない気持ちがある。こればかりはお金と時間、ひいては僕の人生の都合でもあるのでどうか勘弁してもらえればと弁明するほかない。ゴメン。

正直言って、残念ながら当初計画していたとおりの世界一周はお金と時間の都合でできそうにないっす。世界一周と題したクセにおめおめと……という感じだが、では世界一周とは何か?




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飛んでカッパドキア。トルコ内陸、アナトリア高地にある奇岩地域


世の中の多くのブログやら何やらで声高に叫ばれていて、今や世界一周はありふれたものになっている。その内容もピンキリだが、世界一周というワードに自分の人生をそれなりに賭けたという点では、まあ共通しているんでないかと思う。僕にとってもこの旅行者の時代は人生の転換期ともいえるGreatJourney的な何かではあった。人生の一部を投げうって壮大な旅に出ようとする人が何をめざすかと言えば、そういった心に浮かぶ不定形の何か、人それぞれのロマンの形で、それが世界一周と呼ばれるんじゃないか。




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寒いと思ったら雪降ってきた


僕には世界一周してきましたとはとても言えないが、それをめざすに足るもの、GreatJourneyというワードの日本語化しづらい部分を、次の世代が夢想できるくらいの旅とサイト運営はそこそこ成せたかと思う。海外自転車旅行というニッチな趣味の歴史を少し前進させられたような気はする。この場で世界一周ワロスw とか言えるくらいには。




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寒いのはいやだお……


旅行は不完全な形になってしまったけど新しい旅行のスタイル、楽しみ方ができたし、そういう道筋を次の世代にも示せたなら、いずれ他の誰かが今までにない何かを生み出すかもしれない。そういう可能性を残して終わるなら、染谷にしてはまあまあじゃねーの。というのが正直な気持ちです。




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スーパー豪雪タイム


ぐだぐだと書いてきてしまったが、あと資金とウェブサイト運営についての話と、トルコの話をどうすんのか、などについてぐだぐだ書く。




(もうちょっとだけ続くんじゃ)





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     旦
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  ~(__.ノ~(_茶__ノ  旦  旦  OO )~