2006年02月
2006年02月28日
法的な過失=客観的な義務に対する違反
ともかく「国家賠償法1条1項」を読もう
大日岳遭難事故訴訟での原告側の登山家の証言への批判を開始する前に、まず、この裁判で争われている「法的責任」の有無がどのような仕組みによって判定されるのかを確認しておきたいと思います。
この裁判の結果、つまり、大日岳事故における国の法的責任の有無を決定する法的根拠は国家賠償法1条1項にあります。したがって、大日岳事故の法的責任を正確に考えるためには、とにもかくにも、まず第一に、この条文を読んで、その意味を理解することが必要です。
続きを読む2006年02月24日
登山家の証言の公開と検証が必要だ
合理的な判決を得るためには、登山家の証言の公開と検証が、絶対に、必要だ
登山事故裁判における登山家の陳述と証言は、公開されて、他の登山者たちの検証を受ける必要がある。そうでないと、登山者は日本の登山の実状に見合った合理的な法的判断を得られなくなってしまう。
これが、ここ数年、登山事故裁判での登山家の陳述書、意見書、証言調書、そして、代理人の手による書類を検証して来たぼくの結論です。
言い換えると、このような結論に到達せざるをえないほど、これらの中には、「なにがなんでも不正確では。。。」と感じるような主張・根拠・論拠が見受けられたということなのです。
無理な原告側主張 in ある登山事故裁判
一例をご紹介しましょう。
続きを読む2006年02月22日
Blog開設のごあいさつ
このblog「大日岳事故とその法的責任を考える」の目的は、文部科学省登山研修所が実施した大学山岳部リーダー冬山研修会中に発生した「大日岳事故」とこの事故の法的責任は主催者の国にあるとする「大日岳遭難事故訴訟」について、ぼくが考えたり実行してきたことを公開し、みなさんからのフィードバックを受け、この事故とその法的責任についての合理的な認知に到達することにあります。
ぼくは、これまでも、この裁判についての個人的な見解を、ぼくの主催するHP「登山事故の法的責任について考えるページ」に掲載してきましたし、今後も掲載していく予定です。
しかしながら、より多くの意見をいただくためにはHPだけでは限界がありblogというToolはこの目的のために非常に有効なように感じたのです。
大日岳事故とその法的責任について、ぼくたち登山者が論じなければならないテーマは多岐にわたります。しかしながら、一審の判決日は2006年4月26日ですので、当面は、国の法的責任という問題に焦点をしぼることにします。
具体的には、登山関係者の陳述や証言についてのぼくの考察を開示していこうと考えています。
(言い換えると、大日岳事故の後に発生した様々な問題はしばらくは取り扱わないということです。)
事実関係の精度には最大の努力をはらいたいと思います。しかし、間違ってしまう可能性を否定できません。誤りを発見された方はぜひコメントやメールでお教え下さい。確認の上、訂正させていただきます。
コメントへのお返事には全力をつくしますが、かなりズボラな性格ですので、お返事が遅れる場合があるに違いありません。どうかご容赦ください。また、記事に無関係なコメントは予告しに削除させていただくことがあるかもしれません。
トラックバックはもちろんご自由にどうぞ。
大日岳事故と大日岳遭難事故訴訟のデータ
大日岳事故と大日岳遭難事故訴訟、つまり、平成14年(ワ)第48号損害賠償請求事件についての概要をお知りになりたい方は、とりあえず、以下の2つを御紹介します。
文部科学省による大日岳事故の報告が、文部科学省ホームページの「2.報道発表一覧」「スポーツ・青少年」の「2001年」経由で入手できます。つまり、「北アルプス大日岳遭難事故調査結果について」and/or「北アルプス大日岳遭難事故調査報告書」です。
大日岳事故のご遺族の主催ページです。
大日岳事故についての報道記事、国に対する訴訟の進行状況、原告準備書面、原告陳述書などが掲載されています。
大日岳事故の法的責任を考える上では、裁判所のまとめた争点の主張整理(第2次案)と原告の法的な主張である最終準備書面副本は必読です。
このBlog管理人の経歴
ぼく、つまり、このBlogの管理人である宗宮誠祐の経歴についてはプロフィール欄に簡単な属性を掲載しました。詳しい経歴については以下をどうぞ。
願わくは、本Blogにおけるぼくの考察が我が国におけるアウトドア活動の法的責任についての共通認識の確立に少しでも貢献できることを!!
ぼくに連絡を取りたい方は以下のGmailアドレスへどうぞ。(アドレスは、必ず、すべて半角英数字でご入力ください)。
sohmiyaseiyu@gmail.com
2006年2月22日
宗宮誠祐拝