2014年06月22日
シリーズ:中世のミサ曲(3)「キリエ」
皆様こんにちはー、副顧問のたろうです。
ワールドカップ見てますか。
先日のギリシャ戦、残念でしたね。
私は職場の近くのパブで見てました。
試合終了のホイッスルとともにいそいそと出勤。
次はおれたちの戦いだ・・・みたいな笑
さてー、更新が遅れましたが今回はシリーズ「中世のミサ曲」第3回、
テーマは「キリエ」ということで、やっとプログラムの紹介に入ります。
キリエは、ミサ曲のセットの中で最初に置かれている曲です。
実際のミサでも最初の方に唱えられます。
日本語では「憐れみの賛歌」と呼ばれており、
自分たち(人間の)弱さを認めたうえで、私たちを憐れんでください、と
神に助けを求める内容です。
歌詞は次の通りです。
Kyrie eleison. (主よ、憐れみたまえ)
Christe eleison. (キリストよ、憐れみたまえ)
Kyrie eleison. (主よ、憐れみたまえ)
それぞれ3回ずつ繰り返しますが、これだけです。短いです。
この歌詞、実は古いギリシャ語です。
ミサ曲の歌詞の中では唯一ラテン語でない部分ですね。
12月の演奏会のプログラムでは、グレゴリオ聖歌のキリエを歌います。
グレゴリオ聖歌・・・また聞きなれない言葉ですね。どんな聖歌なのでしょうか。
◆「はいはーい。知ってますよ。この前教会音楽史の授業でやりました」
あ、どうも・・・。こんにちは。(また出たな)
◆「おじさん達が、声を揃えて、のそーっと歌うやつですよね」
ふむ。そうですね。
再び登場の通りすがりの方の答え、適当な言い方をしているようですが、
グレゴリオ聖歌の特徴がきちんと捉えられていますね。
まず、グレゴリオ聖歌は男声にのみによって歌われます。(「おじさん達が」)
これは昔の教会の伝統によるものなので、現代では女声も一緒に歌ったりしています。
それから、グレゴリオ聖歌は単旋律の聖歌です。(「声を揃えて」)
最初から最後までハモリは無く、このような音楽はモノフォニーなどと呼ばれます。
そして、グレゴリオ聖歌には拍子がありません。(「のそーっと歌う」)
言葉の持つアクセントに合わせて自由なリズムで歌われます。
素晴らしいですね。ご名答!
◆「わー。ありがとうございます。実はもう1つ特徴を習ったのですが、難しくてよく分からなかったです」
ほう。どのような特徴ですか。
◆「うーん。なんか、グラタンだかなんだかっていう、美味しそうな単語が出てきたんですが・・・」
・・・。ドリアですね。
◆「それ!私、好きです!ドリア!」
ドリアというのは、教会旋法の中の1種類です。
グレゴリオ聖歌は教会旋法に基づいて作られているんです。
◆「教会旋法って何なんですか?」
ものすごーーーーく単純化して言うと、昔の調のことです。
今は長調と短調の2種類ですが、昔はもっとたくさんあったんです。
そのうちのひとつがドリアといって、第1旋法とも呼ばれます。
落ち着いていて、厳かな感じのある旋法です。
ピアノの鍵盤を使って例を出すと、
レから上のレまで、白い鍵盤のみを弾いた場合の音階
がドリアの音階です。
(弾いてみました)
前半4音(レミファソ)と後半(ラシドレ)が対称的な半音構成のため、
均質のとれた音階になっていますね。それが落ち着いた感じを出しているように思います。
また、7音と主音の間が全音になっており、いわゆる導音がありません。
この辺りから厳かな感じが出ていますね。
◆「12月の演奏会で歌うキリエは、どの旋法なんですか?」
実は、このドリアなんです。
ステージの最初の曲で、ミサ曲の中で唯一ギリシャ語で、
神に救いを求める静かな祈りであるキリエですから、
荘厳な響きのグレゴリオ聖歌を選びました。
ということで、今回はステージの最初の曲、キリエをご紹介しました。
現代の学生たちが歌う中世の祈り、一体どのような響きになるのか。
是非、会場でお聴きいただければと思います。
【次回予告】
次はグローリアです。また見てネ♪
◆「次はちゃんと土曜日に更新しましょうね」
・・・はい。
おまけー1:通りすがりの方の名前・設定等まだまだ募集中です。コメント欄からどうぞ。
ワールドカップ見てますか。
先日のギリシャ戦、残念でしたね。
私は職場の近くのパブで見てました。
試合終了のホイッスルとともにいそいそと出勤。
次はおれたちの戦いだ・・・みたいな笑
さてー、更新が遅れましたが今回はシリーズ「中世のミサ曲」第3回、
テーマは「キリエ」ということで、やっとプログラムの紹介に入ります。
キリエは、ミサ曲のセットの中で最初に置かれている曲です。
実際のミサでも最初の方に唱えられます。
日本語では「憐れみの賛歌」と呼ばれており、
自分たち(人間の)弱さを認めたうえで、私たちを憐れんでください、と
神に助けを求める内容です。
歌詞は次の通りです。
Kyrie eleison. (主よ、憐れみたまえ)
Christe eleison. (キリストよ、憐れみたまえ)
Kyrie eleison. (主よ、憐れみたまえ)
それぞれ3回ずつ繰り返しますが、これだけです。短いです。
この歌詞、実は古いギリシャ語です。
ミサ曲の歌詞の中では唯一ラテン語でない部分ですね。
12月の演奏会のプログラムでは、グレゴリオ聖歌のキリエを歌います。
グレゴリオ聖歌・・・また聞きなれない言葉ですね。どんな聖歌なのでしょうか。
◆「はいはーい。知ってますよ。この前教会音楽史の授業でやりました」
あ、どうも・・・。こんにちは。(また出たな)
◆「おじさん達が、声を揃えて、のそーっと歌うやつですよね」
ふむ。そうですね。
再び登場の通りすがりの方の答え、適当な言い方をしているようですが、
グレゴリオ聖歌の特徴がきちんと捉えられていますね。
まず、グレゴリオ聖歌は男声にのみによって歌われます。(「おじさん達が」)
これは昔の教会の伝統によるものなので、現代では女声も一緒に歌ったりしています。
それから、グレゴリオ聖歌は単旋律の聖歌です。(「声を揃えて」)
最初から最後までハモリは無く、このような音楽はモノフォニーなどと呼ばれます。
そして、グレゴリオ聖歌には拍子がありません。(「のそーっと歌う」)
言葉の持つアクセントに合わせて自由なリズムで歌われます。
素晴らしいですね。ご名答!
◆「わー。ありがとうございます。実はもう1つ特徴を習ったのですが、難しくてよく分からなかったです」
ほう。どのような特徴ですか。
◆「うーん。なんか、グラタンだかなんだかっていう、美味しそうな単語が出てきたんですが・・・」
・・・。ドリアですね。
◆「それ!私、好きです!ドリア!」
ドリアというのは、教会旋法の中の1種類です。
グレゴリオ聖歌は教会旋法に基づいて作られているんです。
◆「教会旋法って何なんですか?」
ものすごーーーーく単純化して言うと、昔の調のことです。
今は長調と短調の2種類ですが、昔はもっとたくさんあったんです。
そのうちのひとつがドリアといって、第1旋法とも呼ばれます。
落ち着いていて、厳かな感じのある旋法です。
ピアノの鍵盤を使って例を出すと、
レから上のレまで、白い鍵盤のみを弾いた場合の音階
がドリアの音階です。
(弾いてみました)
前半4音(レミファソ)と後半(ラシドレ)が対称的な半音構成のため、
均質のとれた音階になっていますね。それが落ち着いた感じを出しているように思います。
また、7音と主音の間が全音になっており、いわゆる導音がありません。
この辺りから厳かな感じが出ていますね。
◆「12月の演奏会で歌うキリエは、どの旋法なんですか?」
実は、このドリアなんです。
ステージの最初の曲で、ミサ曲の中で唯一ギリシャ語で、
神に救いを求める静かな祈りであるキリエですから、
荘厳な響きのグレゴリオ聖歌を選びました。
ということで、今回はステージの最初の曲、キリエをご紹介しました。
現代の学生たちが歌う中世の祈り、一体どのような響きになるのか。
是非、会場でお聴きいただければと思います。
【次回予告】
次はグローリアです。また見てネ♪
◆「次はちゃんと土曜日に更新しましょうね」
・・・はい。
おまけー1:通りすがりの方の名前・設定等まだまだ募集中です。コメント欄からどうぞ。