邦画スピリット

お気に入りの邦画を紹介します。感想やコメントをお待ちしています。

2010年04月

ブラック会社 表紙
2009年公開作品
監督:佐藤祐市
脚本:いずみ吉紘
原作:黒井勇人
出演:小池徹平、マイコ、品川 祐、中村靖日、
    田辺誠一、森本レオ、池田鉄洋、千葉雅子





あらすじ
高校を中退し、ニート生活を送ってきた26歳の“マ男”こと大根田真男(小池徹平)は母親を亡くし、一念発起して情報処理の資格を取得する。不況の中、必死で就職活動をするものの試験に落ち続け、最終的にパスしたのはとんでもないブラック会社(問題企業)だった。初出社当日から当然のようにサービス残業をしいられ、納期に向けて残業を繰り返すデスマの日々。責任感のない上司(品川 祐)に無能な同僚(池田鉄洋)、精神状態不安定の先輩(中村靖日)、無関心な社長(森本レオ)。何度もくじけそうになりながらも、成長し続けるマ男についに限界が訪れた!


ブラック会社は、映画の中だけではありません!
大袈裟な表現をしているとはいえ、これくらいの会社は普通に存在します。強烈なキャラクターの漫画チックな言動に大笑いしながらも、どこか冷めた目で観ていました。理不尽な上司の命令や同僚の横着な行動にも、“あ~、こんな奴いるなぁ~”と納得してしまいました。

しかし、映画としては本当におもしろい!品川 祐の「ば~か!」連発する無能な上司のキレっぷりや、池田鉄洋演じるガンダムオタの超ウザい仕草、中村靖日のムンクの叫びのような表情など、漫画チックなシーンはほんとに笑えます。特に池田鉄洋はツボでした。

そんな中、田辺誠一だけは主人公の徹平くんを常にサポートしてくれました。あんまりいい人すぎるので、逆に“こいつは裏があるぞ~”と余計な勘繰りをしてしまいました。ま、最後まで本当にいい人で良かったですけど!彼は、すっごいハンサムってわけじゃないけど、なにかホッとさせる雰囲気を持っていますね。それに、彼の特徴とも云える、あの“情けない笑顔”が女性ファンの母性本能をくすぐるのかもしれません。

ブラック1ブラック2ブラック3





それから、この長~いタイトルは、2ちゃんねるへの実際の書き込みが元になっているんだそうです。映画の中でよく“デスマ”と云う単語が出てきますが、これは“デスマーチ死の行軍”を意味し、とんでもない納期の仕事なんかに使うんだそうです。それを象徴するシーンとして、戦場の兵隊、三国志の登場人物、ペラペラ紙の分身などを使い、判り易く観せてくれました。時々、毛色の違うカットが挿入されるので、ちょうどいいアクセントになっていました。

ただ、最後に主人公がキレて、“俺は、俺なりにがんばって来たんだ。俺の上っ面しか見ないで判断しないでくれ!”という主旨のセリフを吐くんですが、これには共感できませんでした。これは赤ちゃんがもっと自分にかまってと、泣き叫ぶ姿と重なります。“俺なりに”を使のは、たいがい自分に甘い人たちです。また、“自分のことを理解してくれない”と云う人は、自分も他人の上っ面しか見ていないことを忘れています。ここのセリフは、もう少し気の利いた事を云ってほしかったですね~。

いずれにしろ、社会的な問題の提起もしつつ、
コメディとして成り立っている、とても面白い映画でした。
特に、突然入る別カットの漫画チックな表現が秀逸でした。
万人が楽しめる映画だと思います。
お時間があれば、ぜひご覧ください!
(あっ、『山形スクリーム』でおバカな先生役を好演したマイコさんも出てます!)


ブラック会社に勤めているんだが、もう俺は限界かもしれない】 予告編



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ハゲタカ 表紙
2009年公開作品
監督:大友啓史
脚本:林 宏司
原作:真山 仁
出演:大森南朋、玉山鉄二、栗山千明、柴田恭兵、
    松田龍平、高良健吾、遠藤憲一、嶋田久作





あらすじ
かつて徹底した合理主義で幾多の企業を買い叩き、“ハゲタカ”の異名をとっていた鷲津政彦(大森南朋)。相変わらず閉鎖的で不透明な日本のマーケットに絶望し、海外生活を送る鷲津の元へ、盟友・芝野(柴田恭兵)が訪れる。芝野は、日本有数の大手自動車会社に対する、豊富な資金力を持つ中国系巨大ファンドの買収を察知し、鷲津にこの危機を救ってほしいと頼みに来たのだ。そして、この中国系巨大ファンドの命を受けたのが、“赤いハゲタカ”こと劉 一華(玉山鉄二)。彼は、かつてニューヨーク滞在中、鷲津のもとで働いていた男だった。


迫りくる企業買収の魔の手。鷲津はホワイトナイトになれるのか?!
ずっしりと重量感のある映画でした。かと云って、小難しいストーリーではなく、企業買収とか派遣労働のことに詳しくなくても充分楽しめる作りになっています。もちろん、TV放送(NHK)を見てなくても全然大丈夫ですよ。(僕も見てませんから。)

まず、役者さんがすばらしい!主人公の大森南朋さんは、合理主義に徹する非情な男の役だったんですが、その裏側の人間臭さというか優しさが表現されていて良かったですねぇ。玉山鉄二さんは、その大森さんと真っ向から対決するライバルでしたが、これまた裏側の“哀しい生い立ち”が滲み出ていました。初めてまともに演技を見させてもらいましたが、かなりの実力者のようです。

ハゲタカ1ハゲタカ2ハゲタカ3






その他、栗山千明さん、高良健吾さん、柴田恭兵さんなど、出演者が皆すばらしい演技を見せるので、グイグイと引き込まれて観てしまいました。あと、松田龍平さん!彼は相変わらず存在感がありますねぇ。彼が画面に映ると、ふわっ~とした安心感が漂うんですよね。何か起こっても、彼なら何とかしてくれそうな気がするんです。こういった雰囲気は持って生まれたものですから、彼は御両親に感謝しないといけませんね!(ご存知でしょうが、父親が松田優作さん、母親が松田美由紀さんです。)ただ、旅館の主人という役では、活躍のしようがないですよね。もう少し出番を増やしてほしかった・・・・・・。

この映画、Yahoo映画の採点でも、4.19(5点満点)という高得点をマークしていました。
それぐらい出来のいい映画でしたよ。
また、ちょこちょこ出てくる栗山千明以外、女性は出てきません。
画面に映るのは、魅力的な男性ばかりなので、ある意味女性向きの映画かもしれません!
(いや、老若男女にお薦めです。)

みなさんも、ぜひご覧になってください!!


ハゲタカ】 予告編



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2本続けてハズレです。
ちゃんと観たんですけど、両方とも残念な映画でした。
したがって、今日のレビューはお休みです。
どうもすみません!

また新しい映画を仕入れなくては・・・・・・。


そんな今日の暗~い気分を変えてくれるのは、
青空が似合う、村田和人の「一本の音楽」です。
この曲はMAXELLのイメージ・ソングでした。
とにかく爽やかなドライヴィング・ソングです。
では、どうぞ!

一本の音楽/村田和人



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2009年公開作品
監督:吉田大八
脚本:香川まさひと、吉田大八
原作:吉田和正
出演:
堺 雅人、松雪康子、満島ひかり、
中村優子、新井浩文、児嶋一哉、
安藤サクラ、内野聖陽










あらすじ
自称36歳の米軍パイロット、父はカメハメハ大王の子孫、母はエリザベス女王の妹の夫のいとこ、そして、ジェット機を操り世界中を転戦している・・・・・・。そんな嘘八百の経歴と巧みな変装で、推定1億円を女たちから騙し取った希代の結婚詐欺師・クヒオ大佐(堺 雅人)。彼の嘘にまみれた人生と彼を取り巻く3人の女たちの人間模様を描く。弁当屋の女社長・永野しのぶ(松雪泰子)は、クヒオ大佐の虚言を信じて目前に迫った結婚の準備に勤しむ日々。一方クヒオ大佐は、博物館学芸員の浅岡 春(満島ひかり)、さらには銀座のホステス・須藤未知子(中村優子)をもターゲットに捉え、彼女たちに言葉巧みに近づいていく・・・・・。


1人の詐欺師と3人の女たちの滑稽で悲しい人生模様。
クヒオ大佐は、純粋な結婚詐欺師ではないような気がします。子供の頃のトラウマに怯え、何かにすがりつくように女性との触れ合いを求めたのかもしれません。それは、学芸員の満島ひかりとの関係に表れていたような気がします。彼女はお金持ちではなかったですしね。

しかし、整形による高い鼻、胡散臭い片言の日本語、ありえない親類関係、どれをとっても騙されなさそうに思えるんですが・・・・・・。それでも、松雪泰子は騙されるんですよねぇ。いや、彼女は判っていたのかもしれません。彼女にこんなセリフがありました。「ジョナサン・エリザベス・クヒオなんて関係ない。目の前のあなたが好きだったの。」彼女は気付いていたんでしょう。でも、寂しいよりマシだったのです。このあたりは、クヒオ大佐も同じです。

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映画としては、笑えるところがけっこうあります。特に、クヒオ大佐の情けないところは失笑ものです。この哀愁が漂うせつなさは、堺 雅人だからこそ出せたものかもしれません。しかし、その滑稽な動作や表情が、途中から“うっちゃんなんちゃん”の内村さんに見えてしょうがなかった!ほんとよく似てましたよ。もしかしたら、主演=内村光良でもよかったかもね?!

それにしても、衝撃的なのはラストの15分ぐらいです。妄想と現実を行ったり来たりしながら、えっ~!という結末を迎えます。そして、その状況を頭ん中でまとめきれずにいると、クレイジー・ケン・バンドのエンディング・テーマで強引にハッピーエンドに持っていかれました。このあたりは、吉田監督の『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(2007年)と同じように、なんとなく最後に納得させられてしまいましたねぇ。終わり方が独特なんですよ、この監督!

いずれにしても、不思議な映画でした。面白いとか、そうじゃないとか論ずる映画ではないような気もします・・・・。元フォルダー5満島ひかりもラブシーンを演ずる歳になったかとか、奥田英二安藤和津の娘・安藤サクラが出てるとか、けっこう話題性もありました。

考えてみると、これは実話なんですよね。そう考えると、女たちの寂しさにリアリティが感じられます。クヒオ大佐は、実際に鼻の整形もしていたそうです。なんだか人間のペーソスを感じますね。

判っていながら流されていく・・・・・。
そんな人間の弱さみたいなものが理解できる方は観てください。
では、また!

クヒオ大佐】予告編



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