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はじめに、プログレの定義と歴史から。

まずは、“アフロディテス・チャイルド” が属するジャンル、プログレッシブ・ロック(プログレ)の説明から。
プログレとは、様式にとらわれない実験的な試みや、変拍子の多用などの高度な演奏技術、それらに加えて、
クラシック音楽のような芸術性や構成美、さらに、自身のルーツにある民俗音楽的なサウンドが特徴のジャンルです。

そして、“楽しさ” は求めないので、宣材写真をみても、どのバンドも難しい顔で修まっています。(でも、一人ぐらいは異端児がいました)
つまり、一般的なロックのように娯楽性が表に出るのではなく、宇宙や未来、異次元などのサウンドを想像させ、
主題によってはアカデミックな組曲形式の長尺(20分〜30分くらい)な曲もありました。

主なバンドは、ピンク・フロイド、イエス、エマーソン・レイク&パーマー、ジェネシス、キング・クリムゾン、キャメルなどで、
1970年代にイギリスを中心にヨーロッパで栄華を誇り、80年代になりパンク・ロックの台頭により下火になりました。


2BAND


すると、それまでの組曲形式の作品構成を止め、ヒット狙いのシングル曲を中心のロック・バンドに転身したのが、
イギリスのイエスやエイジア、アメリカのアンブロージアなどで、うまく時流に乗って成功しました。
一方で、ペンドラゴンやマリリオン、マグナムのように、70年代のプログレを継承するバンドが現れます。

しかし、60年代後半から70年代中盤までを最初の波(プログレ全盛期)と呼ぶなら、第二波的なポジションの彼らは、
プログレッシブの“先進性”という言葉がそぐわず、代わりに、大仰でハード&ヘビィーなサウンドを、
“華麗、盛儀“という意味のある“POMP”を使って、ポンプ・ロックと呼んでいました。


民族性を感じさせる、神秘的でドラマチックなサウンド!

さて、映画の『炎のランナー』(1982年)や『ブレードランナー』(1982年)の音楽監督をご存知ですか?
それらを作曲/プロデュースしたのが、ヴァンゲリス (フルネーム;ヴァンゲリス・パパサナシュー) というミュージシャンです。
ここまでは、ちょっとした音楽ファン(映画ファンも)なら、ついてこられると思います。


T20 (2)

ALBUM FORMAT
アルバム『666』 ユニバーサルインターナショナル 国内盤(限定盤/紙ジャケット仕様)
2004年(オリジナル1971年) 参考価格 1,800円より(税込)         ★アルバム詳細


しかしその彼が、長ったらしいフルネームで、キーボードを担当していたギリシャのバンド、
“アフロディテス・チャイルド” という舌を噛みそうな呼び名の3人組を知る人は多くないと思います。
この宗教的な “アフロディーチェの子供” というバンドのご紹介です。

しかし、コアなプログレ・ファンなら、アルバム『666』(2枚組)の中の 「エーゲ海」 はご存知でしょうか?
深い海の底にある神殿から聴こえてくるような、この神秘的でゆったりとしたサウンドにうっとりしていると、
その静寂を切り裂いて、いかにもエーゲ海を感じさせる、民族音楽的なギターが鳴り響きます。

まさに、ギリシャという歴史と伝統と神秘を感じさせる名曲です。
また、『666』という宗教的なタイトルは、ヨハネの黙示録にあるのですが、《7つの頭と10本の角を持つ、
野獣の数字もしくは名前で、じつはその正体は人間である》
というようなことが書いてありました。
当然ハッピーな意味ではないようです。映画『オーメン』(1976年)でも悪魔の子の額にある刻印が「666」でした。


AC正-2


余談ですが、ヴァンゲリスは、1974年にリック・ウェイクマンの抜けた絶頂期のイエスから誘われましたが、
断ったという話は有名です。ま、結果的には個人で売れたので、イエスに参加しなくて良かったですね。


「エーゲ海」と並び称される、独特の世界観にあなたを誘います!

では、最初に、このアルバムのハイライトで、神秘的で映像的な 「エーゲ海」 をお聴き頂きましょう。
続く2曲目は、こちらもシングルになった 「4人の騎手」 です。曲の構成が、「エーゲ海」とほとんど同じで、
「ちょっと安易すぎないかい」 と思ったのですが、レコード会社としてはよくあるパターンですね。

そして最後に、この2枚組24曲のトリを務めるのが、どこかホッとさせるポップな 「ブレイク」 です。
しかし、ポップなメロディとは裏腹に、バンドの解散のことを語っているような・・・・・・・・・。
で、最後に入っている、“Do It!” は、もう次の曲なので気にしないでください。。
※ちなみに、“Do It!” の日本語訳は、 “やっちまえ!” 、”SEXしろ!”、“やれ!(殺せ!)”などです。

まあ、メンバーとか、音楽出版社、レコード会社に、マネジメント先と、人間関係は難しいですからね。
でも、半世紀前のもめごとなので、とっくに時効でございます。おしまい。


■『Aegian Sea』(1971)  〜エーゲ海 〜




■『The Four Forsemen』(1971)  〜 4人の騎士 〜




■『Break』(1971)  〜 ブレイク 〜



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