今日 東北の岩手県で行われた 高校野球県大会の決勝が 物議をかもしています。


最速163キロ右腕、大船渡・佐々木朗希投手(3年)が甲子園を目指し花巻東と決勝戦。2−12で大敗し甲子園出場はならなりませんでした。佐々木選手は先発メンバーから外れ最後まで出場することはありませんでした。
佐々木選手は今大会4試合に登板、29回を投げ9安打2失点(自責2)、7四球、51三振(全29回で奪取)。総投球数は435。最速は4回戦でマークした160キロ。


大船渡・国保陽平監督(32)は佐々木を登板させなかったことについて「
投げられる状態ではあったかもしれませんが、私が判断しました。理由としては故障を防ぐため。(佐々木の状態は)筋肉の張りとかそういう程度です。特に痛いとかはなかった。(登板回避は)朝の練習で伝えました。笑顔で『分かりました』と言いました。(再び登板回避の理由について)
とのこと


これは私は素晴らしい決断だと思いました。
このことに対して、 色々な批判的な意見が飛び交っています。
甲子園での 佐々木選手の姿を見たいと言う 意見が多く見られます。


しかし高校の甲子園の予選で、投げすぎて、野球人生の寿命を縮めた選手は数多いのです。





アメリカの高校野球は、日本とは格段に 野球障害予防プログラムが組まれています。
選手と大切に育てようとする意識が非常に高く、組織ぐるみで 子供の時から故障をさせずに 育成しようとしています。


2014年から メジャーリーグベースボールでは 野球のルールを大幅に変えて、 子供から高校生までの投球制限を厳密にするようなガイドラインができました。




Guidelines for Youth and Adolescent Pitchers

















例えば17〜18歳だと、1日の球数の上限は105球。31-45球を投げた場合は中1日の休養が必要で、76球を超えると最低でも中4日、休養しなければならない と言うルールです。

これはエビデンスの高い疫学研究を礎にして 設立されたガイドラインですので、これを破るとかなりの高い確率で 怪我をすると言われています。




 もともと、アメリカの少年野球は、学校ではなく地域のクラブ単位で行われていた。クラブはリトルリーグなど少年野球リーグに所属しており、同一リーグ内でリーグ戦やトーナメント戦が行われてきた。日本で言う甲子園のような全国大会は存在せず、地域大会が大きな大会です。。

 それゆえに、指導者は勝利を求めて選手に無理をさせることは少ないとされています。
少年野球の指導者は「目先」の勝利を求めるのではなく、有能な野球選手を輩出することを目標にしているから、選手に登板過多などを強いることもないそうです。

 少年野球リーグは独自に球数制限や登板間隔などの制限を定めていました。
それがピッチスマートで統一された見解となっています。
そもそもアメリカでは野球はシーズンスポーツであり、選手の大部分はアメリカンフットボールやバスケットボール、ウインタースポーツなども掛け持ちで行うのが一般的です。日本の高校野球のように一年中野球をしている選手は珍しく、そのような環境下では野球少年の健康被害はそれほど多くはなく、OCD(離断性骨軟骨炎)の発症率も日本よりもはるかに少ないとされています。


この背景を、アメリカの独立リーグに行って勉強されてきた国保陽平監督は、熟知していたからこそ、 どんなに批判をされても、最も正しい決断をされたのです。


もし監督が 甲子園出場のために 自分が監督として出たいと言う 目先の利益 のために 登板させていたとしても、その時は良いかもしれませんが、 大リーグで活躍する佐々木選手の姿は見られなくなる危険が高くなりました。



佐々木選手が プロ野球で活躍された後 皆が理解して 称賛することでしょう。