足首の捻挫 足関節外側靱帯損傷 の診断と治療

足関節外側靱帯損傷の診断と治療

＜概念＞
足関節外側靱帯損傷は、足首（足関節）の内反が強制されることで生じ、スポーツ傷害の中で最も多い外傷です。外側靱帯は、前・後距腓靱帯、踵腓靱帯から構成されています。足関節に内反力が加わると、特に前距腓靱帯が損傷されやすく、さらに重症となると距腓靱帯が損傷されます。

損傷の程度は、?度（捻挫）、?度（部分断裂）、?度（完全断裂）と分類されています。

また、損傷が放置されたり、不十分な治療の結果、疼痛や不安感が残存して捻挫を繰り返す場合を特に陳旧性外側靱帯損傷といいます。


＜診断＞   
((症状))
・新鮮外側靱帯損傷
前距腓靱帯の単独損傷の場合は外果の前方に腫脹および圧痛があり、損傷が踵腓靱帯にまで及んでいると外果全体の腫脹をきたし、圧痛点が後下方にも認められます。?度　完全断裂では、関節内血腫も見られ、受傷後数日で皮下血腫となります。

・陳旧性外側靱帯損傷
主訴は足関節の疼痛、腫脹、不安定感で、捻挫を繰り返すことによって初期には外側部に限られていた疼痛が内側部にも出現します。
((問診))
初回の受傷かどうかや、受傷時の肢位を詳細に尋ねる。陳旧性の場合は捻挫の既往歴や回数、不安定性の有無について尋ねる。

((徒手検査))
・内反ストレステスト
足関節底屈30度において、片手で下腿を持ち、もう一方の手で踵骨をしっかりと把持し内反させると、距骨傾斜角が健側よりも増大する。
・前方引き出しテスト
足関節を中間位にして片手で下腿を把持し、もう一方の手で前足部を持ち前方へ牽引すると距骨が果部から亜脱臼する。


((画像検査))
・単純Ｘ線検査
Ｘ線２方向単純撮影像から骨折の有無を確認する。特に距骨滑車内外側の骨軟骨損傷に注意する。

・ストレスＸ線撮影
靱帯損傷の程度を診断するのに有用である。内反ストレス、前方引き出しストレス下においてそれぞれ、Ｘ線撮影をおこなう。前者は5度以上の距骨傾斜角を異常とし、後者は３mm以上の前方移動を異常としている。新鮮外傷の場合は、靭帯損傷の重症度を悪化させる場合が有るため　最近行われなくなっている。

・関節造影
補助診断として施行される。前距腓靱帯単独損傷では前方へのみの造影剤漏出が、踵腓靱帯損傷を合併すると腓骨筋腱に沿う漏出が認められる。　最近はMRIがあるため　侵襲的な検査はあまり用いられない

MRIや超音波検査は診断に有用である。


・＜治療＞
((保存療法))
 最近では、保存的治療が主流です。理由は手術した症例と成績にあまりさがないと言われています。しかしプロ選手はしたほうがよいなど賛否両論が有ります

ちなみに私が靭帯を両足関節ともに大きな捻挫をして　靭帯を切りましたが、手術をせずに、ラグビーも柔道もできるようになりました。パチパチ

新鮮靱帯損傷の急性期にはＲＩＣＥ療法（安静・冷却・圧迫・挙上）が原則である。

新鮮例?度では、湿布・弾性包帯による固定を７日程度、
?度では3週間のU字ギプス固定後、テーピングまたは装具療法を行う。
?度の新鮮例については、保存療法と手術療法のどちらが良いかはまだ結論が出ていないが、年齢や職業、生活習慣、骨形態などから総合的に判断しているのが現状である。

((手術療法))
新鮮例?度の場合の観血的治療では、断裂した靱帯の一次縫合をおこなう。陳旧例で保存療法が功を奏さない場合は再建術の適応となる。再建方法は大きく分けて２つの方法がある。１つは遺残靱帯、腓骨骨膜など局所の再建材料を使う方法（Karlsson法、Glas法）である。もう１つは、長掌筋腱、短腓骨筋腱、薄筋腱などの腱移植を用いる方法である。距骨傾斜角が10〜14度であれば遺残靱帯の応用、15度以上であれば腱移植が検討されることが多い。

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Comments

[1. 徳永典彦]

はじめまして、13歳の娘が右足首の内側の剥離骨折、陳旧例です。陸上競技をしてます、痛くなって安静の繰り返しです。手術はかなり難しい手術だと整形外科の先生２人にいわれましたが手術したいと本人は希望してますし、治るものでしたら私もさせたいと思いネットで調べています。宮崎県に住んでいます、一度診察していただきたいのですがどこに行けばよろしいでしょうか。

[2. 関節鏡のファンタジスタ]

徳永典彦様
コメントありがとうございました。
足首の内側の剥離骨折は、実は　二次性骨化中心といって　骨折でないこともあります。
骨片はまるっぽくないですか？

疼痛が再発するようだったら　手術も治療オプションの一つとして考えた方が良いと思います。

もし内果にある骨片だけの痛みであれば、内視鏡で摘出することができる可能性があります。骨片が大きければ骨接合をした方が良い場合が有ります。

いずれにしましても、診察させていただく必要が有ると思います。

春休み内の　診察日と診察場所です。

３月３１日　１１時から１７時　産業医科大学
４月１日木　１１時〜１４時　　　福岡和仁会病院　　　　　fukuoka-wajinkai-hp.or.jp
４月３日土　１７時〜１９時　　　福岡スポーツクリニック　　www.med-sakai.jp
４月６日　　９時〜１３時　　　産業医科大学

となっています。ご都合は如何でしょうか？
--
内田宗志　Soshi Uchida MD PhD
産業医科大学整形外科　
〒８０７８５５５
北九州市八幡西区医生ヶ丘１−１
Tel [phone]（医局直通）
FAx [phone]
[e-mail]

[3. 川越隆治]

　はじめまして、山口県防府市の川越と申します。
柔道をしている１４歳の娘ですが、今年の２月２２日に左足関節陳旧性外側副靭帯断裂と診断されました。
　昨年の６月から痛みがあり１１月に左足首が「ばっきっ」という音がし痛みがあると訴えたのですが、歩行ができ、翌日も痛みが治まったとのことで、私が判断を誤り受診をさせていません。
　その後も痛みが続き長引くので、今回受診し見ていただいた医師からは、大腿部裏側の靭帯組織を左足首関節に移植をすることを勧められましたが
、全身麻酔のリスクを考えると親としては、他の治療を考えたい気持ちがあります。
　先生のことをインターネットで知り、ぜひ受診したいと思いメールしたしだいです。
　何卒、宜しくお願いいたします。

[4. 内田宗志]

川越様
そちらからでしたら産業医大の　２２日火曜日　２３日水曜日の外来は如何でしょうか？
現在受診されていらっしゃる　先生に診療情報提供書と画像を御願いしてください。
よろしく御願いします。


> 　はじめまして、山口県防府市の川越と申します。
> 柔道をしている１４歳の娘ですが、今年の２月２２日に左足関節陳旧性外側副靭帯断裂と診断されました。
> 　昨年の６月から痛みがあり１１月に左足首が「ばっきっ」という音がし痛みがあると訴えたのですが、歩行ができ、翌日も痛みが治まったとのことで、私が判断を誤り受診をさせていません。
> 　その後も痛みが続き長引くので、今回受診し見ていただいた医師からは、大腿部裏側の靭帯組織を左足首関節に移植をすることを勧められましたが
> 、全身麻酔のリスクを考えると親としては、他の治療を考えたい気持ちがあります。
> 　先生のことをインターネットで知り、ぜひ受診したいと思いメールしたしだいです。
> 　何卒、宜しくお願いいたします。

[5. 川越隆治]

返信が遅れましてすみません。
２３日の水曜日に産業医大の外来を受診したいと思っております。

診療情報提供書と画像は手に入りませんでしたがよろしくお願いいたします。