股関節の術後の筋力低下 股関節屈筋力低下へのアプローチ
Approach for muscle weakness of hip flexor after hip surgery 



股関節鏡を含めた股関節の手術全般の手術の後に、合併症や後遺症が残ることがあります。
術前に説明して同意を得たとしても、患者さんは苦痛をしいられます。


主なものとしては
深部静脈血栓症 Deep vein thrombosis
細菌感染   Infection
牽引による合併症  Traction related complication
皮膚損傷      Skin injury
神経絞扼性障害 Neuropathy
複合局所疼痛症候群
などがあります。

神経絞扼性障害 Neuropathyの中の一つで、

股関節や骨盤領域、の術後に、股関節が屈曲できない、膝が伸ばせない、 大腿前面が痺れる症状が出ることがあり これは大腿神経 Femoral Nerveという神経が絞扼(圧迫されて締め付けられる)されていることで起こります。

鼡径部と股関節の前面にある神経は、

大腿外側皮神経 Lateral femoral cutaneous nerve

大腿神経 Femoral Nerve

閉鎖神経 Obturator nerve


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これらは 腰神経叢に属していて、脊髄神経から分岐し骨盤・臀部・性器・下肢のうちに大腿・膝・脹脛(ふくらはぎ)へ繋がる神経叢の名称。

腰神経叢は脊髄神経から分岐し背中・腹部・鼠径部と下肢のうち大腿・脹脛・足に繋がる仙骨神経叢と相互に連結しているためこれらを合わせて腰仙骨神経叢と呼ばれます。



外側大腿皮神経:上前腸骨棘の内側で鼠径靭帯の下をくぐり、大腿外側面の皮膚に分布


閉鎖神経(L2~L4):閉鎖動脈と共に閉鎖管を通った後の場合
筋枝:大腿内転筋群(外閉鎖筋・薄筋・長内転筋・短内転筋・大内転筋)を支配
皮枝:大腿内側面の皮膚に分布


大腿神経(L2~L4):鼠径靭帯の下の筋裂孔を通って大腿動脈に沿って下行
筋枝:骨盤腔内で腸腰筋への枝を出し、骨盤から出た後は恥骨筋・縫工筋・大腿四頭筋・膝関節神経を支配
皮枝:主に大腿前面の皮膚へ分布










スライド093

















この真ん中にある 大腿神経が 股関節や骨盤のの手術や外傷(怪我)の後に、圧迫されて 絞扼されると下記のような症状が出てきます。


股関節が曲がらない(太ももを持ち上げることができない)
具体的には 階段が昇れない症状が多いです。

SLRができない 寝た状態で、膝を伸ばして 脚をあげることができない

太ももの前のしびれ


これらだけでなく、しびれはないけど 鼡径部や大腿前面が痛みがある(もわっっとする痛み)
またしびれや知覚鈍麻など 知覚の異常がないのに 筋力が低下していることもあります。




軽い症状の場合は、 リハビリだけで改善しますが、圧迫が強いとリハビリだけでは改善しないことがあります。症状も典型的ではないことや筋電図や神経生理学的な検査でもわからないことが多く、
医師にもわからない場合もあります。




最近私たちは   圧迫された神経の絞扼部分を 超音波ガイド下に 細い針を侵入させて
生理食塩水を注入して、圧迫部分の圧を除圧する   HydroRelease (HR)を行なっております。




femoral nerve US










大腿神経を生理食塩水で囲むように 周りの筋膜や鼠径靭帯から圧迫を解除します。






この注射で  診断に重要であること、
HRは診断にも有用である可能性があることがわかってきました。



骨盤、股関節の手術  外傷後の   産婦人科 泌尿器科  骨盤周囲の手術の後の

鼡径部痛、しびれ 大腿前面部痛   股関節が曲げにくい、
階段が昇らない症状が持続して、

保存療法でも改善しない場合は、  専門医にお問い合わせください。


DSU