... in the air

アマチュア無線局JF3FGLのSOTA活動記録

先日行った滋賀・高島トレイルからの運用。この山域から3エリアの無線局が集中する京阪神地区とのUHF帯での交信はかなり厳しいというのを改めて実感しました。少し前に行った蛇谷ヶ峰もしかり。先日もSOTAメンバーのJM3HRC局が三十三間山で苦戦されていました。

ご存知のようにUHFの特徴はVHFよりも直進性が高く、反射しやすいが、山や建物の陰に回りこみづらい性質があります。なので、基本的に障害物がなく見通すことができる位置ならば交信できるというのは周知の事実。先日、それを顕著に体感できたのが、滋賀県高島市の桜谷山(標高825m、SOTA JA/SI-028)からの運用でした。ここは南方向に標高が高い百里ヶ岳(標高931m)がすぐ隣にあり、京阪神方面をブロック。北西は福井県の小浜市など9エリアで見通せる面積が多くなりますが、圧倒的に433MHzの局数が少ない。東側は樹木もなく、遠くに琵琶湖が見渡せます。

この方向から433MHzのFMで7局と交信。最長が愛知の天狗棚(標高1240m)で距離にして約160km。5Wの運用で信号はピーク59。何と見通せていたようです。
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面白いことに、7局中6局がこの天狗棚とを結んだ赤ライン上にある赤丸で囲んだ市との交信でした。
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もう少し南方向にずれると433でも局数が多い名古屋市ですがQSOなし。名古屋市へは手前にある標高1084mの霊仙山とその後ろに控える養老山地が障害になるようです。その霊仙山山頂で運用の山岳移動局とは見通し範囲なので問題なく交信。同じ方面にある藤原岳(1120m)の移動局もQRVしていましたが、かなり信号が弱い。調べるとその手前にある御池岳(1247m)が障害となり信号を弱めていることがわかります。 ▼
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上記はUHF帯の典型的な伝搬ですが、交信記録と地形データが見事にハマっています。
ただ見通し外通信が可能なケースもあります。VHFでは山岳回折などは普通ですが、UHFでも回折や反射などで通信できます。どのような条件で可能になるのか私には明確に説明できません(笑)

2月に信州の志賀高原にある焼額山でSOTA運用した時、433FMの山岳回折で見通し外交信をしています。2009mの焼額山から、石川県金沢市の平野部にある局と交信できました。
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 ▲ 見事に3,000m級の北アルプスを回折しています。

今までの経験上、このように双方の中間あたりに高い山があるとき、回折する場合があるように感じます。というのは、先日国防関係の通信に詳しい方に話しを聞いたのですが、入射角や山岳の形状などで計算式があって、それに合致すれば見通し外の通信ができるよ、との話しを聞きました。北アルプスのように頂点が尖ってるのはいいが、形状が薄くてもダメでフラットになっても回折はしにくいと。

反射についてはよく1エリアの局は富士山、3エリアだと生駒山や六甲山に向けるといいますが、それでどう飛んでいくのか、見当もつきません。

昨年、桜谷山と同様の山域にある三十三間山842mで運用したとき、430MHzで3エリアのビーコンと呼ばれる(当局が勝手に呼んでいる)堺市の局(もうおわかりですよね、笑)といつものように交信しましたが、反射波独特のエコーがかかったような変調だったのを記憶します。
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 ▲ このように山々が連なり、とても交信できるように思えませんが、複数の反射や回折を経て交信出来たようです。少なくとも片方はビームアンテナが必要になるかと思われます。

1200MHzの場合。
433MHzより直進性が強くなる1200MHz。最近始めたばかりなので伝搬については不明な点が多いですが、障害物に対して信号が弱まるのは確かなようです。

先日、京都の地蔵山(JA/KT-003)で運用した時、大阪の歌垣山(JA/OS-018)で運用するJP3DGT局と1200MHzで初のS2Sを記録。距離にして17kmです。山頂で一番受信状況がいい場所を探してピーク57。少し横に動くとノイズが乗り51まで落ちます。
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 ▲ データでは見通せているようです。

その翌週はまた別の山同士でDGT局とS2Sを記録。滋賀・百里ヶ岳(JA/SI-016)と兵庫・大野山(JA/HG-052)で距離にして62km。信号強度はピーク59。受信した変調も前週のS2Sと比べて明らかに後者のほうが強く感じました。
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 ▲ 山並みが続く方向なので、とても見通してはないと思っていたのですが、何とダイレクトです。

距離は今までの1200MHzで最長。しかも一番信号が安定していました。前者との違いは何か。経路上にデータには出てこない何かがあるのかもしれませんが、思い当たるのは周りの樹木くらいです。地蔵山の山頂は樹木に囲まれて眺望はNGです。比べて百里ヶ岳はその方向に障害となる樹木はなく、山並みもきれいに望めました。このように、樹木など近くに障害物があるとUHF帯では減衰につながります。

今回、このように伝搬ルートなど検証したのは初めてで興味深い結果となりました。これらを踏まえ、山に行く前にはその山頂からの見通しの方角など調べておき、ビームアンテナを活用すれば効率の良い運用ができそうです。今までビームアンテナの使用時、経路上の障害を考えず適当に京阪神方向や名古屋方向といった向け方をしていたのでRH-770よりも運用効率が悪いと思うことが多々ありました。

あと、一発で伝搬経路などがシミュレーションできる海外製の便利なソフトがあるようですが、使い方がわからずこんなアナログな解析となりました。

今回の結果は特に目新しい発見ではなく、教科書を裏付けるという位置付けです。また運用で気づいたことがあったら報告したいと思います。







2019年4月13日(土)桜谷山(点825) SOTA JA/SI-028

4月後半は山以外の予定が詰まっており、今週を逃せば次はGWの中盤までお預けなので出かけます。昨年から構想に入れていた高島トレイル。全長約80キロあり、一気に縦走する方はテント持参など一般的に2~4泊ほどかけて踏破されます。その間にSOTAポイントが10カ所ほどあり、すべて運用していくとなると1週間くらいかかりそう。しかもこの地域は局数の多い京阪神地区へのVHF、UHFの飛びはかなり厳しいし、HFとなるとコンディションに左右されます。高島トレイルの公式サイトでは分割コースなども紹介されており、当局も期間を設けず長期スパンでSOTA運用も含めた分割での踏破を目指します。
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高島トレイルのコースを歩くのは初めて。近畿でも雪深い地域なので、安全を考え雪解けを待っての出陣です。今回は雲海で知られるおにゅう峠から百里ヶ岳を経て桜谷山までを往復します。おにゅう峠までの林道は積雪状況がわからず、ダメなら引き返して百里新道から登るつもりでしたがまったく問題なし。ただ落石のほうがヤバイ状況でした。

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 ▲ おにゅう峠。向こう側は福井県小浜市になります。小浜に下りる道は残雪で通れません。

とりあえず百里ヶ岳を目指し稜線歩きです。おにゅう峠が標高830mほどで百里ヶ岳が931m。アップダウンを繰り返しながら進みます。

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 ▲ 歩きやすいコースです。清々しい天候で気持ちいい!

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 ▲ 百里ヶ岳手前の急登を登り切り、スタートして約1時間で百里ヶ岳山頂に到着。

山頂は広く、周りの樹木も落葉しており眺望は最高です。夏場は若干視界が遮られそう。手元のハンディで山頂の受信状況を確認。すると、愛知の茶臼山でSOTA運用しているJS1JNM局が交信中。JNM局は昨年の関ハムにも参加されたアクティヴ局です。とりあえずS2Sをゲット。JNM局も次のポイントに移動するというので、こちらもここでの運用は後回しにして次の桜谷山で再びS2Sを狙うことに。昼から風が出る可能性もあるのでドローンだけ飛ばします。

 ▲ カラスに囲まれるわ、「モーターに異常」とのアラートが出るわで、墜落するのではとビビりました(^^;)

桜谷山に向かいます。ここから木地山峠まで標高差260mほど高度を下げます。

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 ▲ 木地山峠。ここから高度差160mの急登です。

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 ▲ 桜谷山(SOTA JA/SI-028)に到着。SOTAサイトでは点825の登録ですが高島トレイル公式案内板にも名前が書かれています。

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 ▲ 残雪の武奈ヶ岳も良く見えます。

頂上部は広く、80mのフルサイズも張れそう。夏場は樹木が鬱蒼としそうです。東方面に開けた場所で運用します。433FMでは霊仙山で運用している局と交信している天王山の局は全く聞こえず。やはりこの地域は3エリアの本丸には攻め入ることができないようです。2エリアとは交信出来ましたが、ピンポイントのようです。とりあえずはノルマは達成。ランチ中に先ほどのJS1JNM局が本日2番目のポイントに移動したようで再びS2Sゲット。思惑通りでした!

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 ▲ 運用開始。眺望は一方向のみ開けています。結果、この方向にしか飛ばない感じがしました。

JNM局もDJ-G7を持参しているようで、1200Mで交信できるかお願いしたかったのですが、このあと下山してCMとのことで遠慮しました。しかし、2座登ってからCMとはタフですね(^^;)

【交信記録】
■桜谷山(点825)SOTA JA/SI-028(滋賀県高島市)
430MHz FM 7局 (JS2DDW/3局 霊仙山 JA/SI-010、JS1JNM/2局 JA/AC-002 天狗棚とS2S)


2019年4月13日(土)百里ヶ岳 SOTA JA/SI-016

折り返し、アップダウンを繰り返しながら百里ヶ岳まで戻ります。結構足にきます。

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 ▲ 百里ヶ岳。まだ距離があります(汗)

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 ▲ 1時間余りで再び百里ヶ岳に到着。

いきなり2mFMで近くの野坂岳からのCQが入り、メモを準備する間もないので残雪に書きなぐってメモ代わりに。その後、433FMでCQを出すも空振り。2mSSBにQSYすると高野山の移動局が出ていたのでQSO。その勢いでCQ出すも空振り。やはりこの山域は厳しい! HFもコンディションが良くなければ同じこと。スマホ電波のコンディションもこの場所はいまいちで、3Gと圏外の繰り返し。と、そこに兵庫・大野山に移動しているJP3DGT局から1.2Gのアンテナを滋賀に向けて待機中とのメッセージがツイッターに。433でもこのありさまで1.2Gなんて眼中にありませんでしたが、声を出すと何と応答が。60kmほどあるかと思います。久しぶりに感動しました!

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 ▲ 山頂に立てば百里四方が見渡せると山名由来だけあってロケーションは抜群ですが、V・UHFは苦戦を強いられます。2mSSBで大阪と京都の局が41~51しか聞こえないのでは難しい・・・

【交信記録】
■百里ヶ岳SOTA JA/SI-016(滋賀県高島市)
430MHz FM 1局(JS1JNM/2局 茶臼山 JA/AC-001とS2S)
144MHz FM 2局(JE9VWK/9 野坂岳 JA/FI-028とS2S)
144MHz SSB 2局
1200MHz FM 1局(JP3DGT/3局 大野山 JA/HG-052とS2S)

無線は苦戦しましたが、山歩きは天気もコースも気持ち良く最高でした。終わってみればS2Sは5カ所と成果はありました。裏を返せば山岳移動局頼りの山域とも言えますが・・・
次回、この日体感した電波の伝搬ルートなどを別の項で考察したいと思います。




2019年4月6日(土)地蔵山 SOTA JA/KT-003

金曜日は会社の宴会があり、今週のSOTAは日曜に行こうと決めていたのですが、天気予報が変わり何やら悪くなるようです。それでは土曜日に、ということで少し遅めに出発してもアクセスがいい場所をチョイス。登山口までは高速を使えば家から1時間足らずで行けるので、地蔵山と昨年行けなかった三頭山近傍の2ポイントで運用してきました。
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京都市右京区の越畑からスタートします。集落を抜け登山道に差し掛かる手前に無線のアンテナを発見! 昨年来た時には気づかなかったのですが、最近設置したようでもなさそうです。
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 ▲ ワイヤーDP、V型DPとGPアンテナが見えます。

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 ▲ 倒木が結構ありました。越えるのが面倒くさい。

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 ▲ 芦見峠。地蔵山と三頭山方面の分岐地点。ここまで約30分。まずは右の地蔵山に向かいます。

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 ▲ 登山道にはアセビがたくさん咲いていました。

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 ▲ 最後の急登を登りきり、しばらく行くとお地蔵さんが出迎えてくれます。

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 ▲ 約1時間30分で地蔵山の山頂に到着!

今日訪れる2つの山は山頂からの眺望はないとわかっていたので、無線重視の機材となっています。40m、17m、15m、10m、6mの短縮VDPといつものRH-770、リグはFT-857DMとDJ-G7の重量級の構成。HFに関してはQRO仕様となります。

まずは40mから出ますが、6、7、8のエリアしか聞こえません。ツイートしてチャレンジしてみますが、入感なしとの報告。すると、本日開催のSOTAの「VK ZL JA EU S2S QSO Party」というワールドワイドなイベントに参加するために、大阪北部の歌垣山に登っていたJP3DGT局が1200MHzにQRVするとのツイート。受信状態にしていたメインからCQが聞こえてきたのでとりあえずQSYし、1200初のS2Sをゲット。そのままの流れでCQ出すも1局しか応答がないので2mSSBに移行。コンテスト中なので結構応答がありました。

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 ▲ 結局HFでは交信できず、2mでの運用となりました。

【交信記録】
■地蔵山SOTA JA/KT-003(京都市右京区)
1200MHz FM 2局(JP3DGT/3局 歌垣山JA/OS-018とS2S)
144MHz SSB 14局(JM3HRC/3局 三十三間山JA/SI-026とS2S)

次のポイントに行こうとしたとき、SOTAメンバーでツイッターでもお世話になっているJA4RQOさんから40mのコンディションが上がって3エリアもよく聞こえるとの報告。でも荷物はまとめた後で本当に残念。次に期待ということで三頭山に向かいます。


2019年4月6日(土)三頭山近傍 SOTA JA/KT-115

三頭山と書いて「みつずこやま」と呼びます。地蔵山より標高で200mちょっと低くなるので、VUの飛びが心配されます。
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 ▲ ひとまず、芦見峠まで下ります。ここで三頭山方面へ。

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 ▲ しばらく行くと本日一番開けた場所に来ました。振り返ると地蔵山のどっしりとした山容を見ることができました(高圧電線が邪魔です)。

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 ▲ 地蔵山を出発して約1時間で三頭山近傍のポイントに到着。三頭山は標高728mですが、SOTAの指定場所は少し手前の標高730m地点になり、三頭山近傍という登録名です。樹木に囲まれ、非常に狭くなっています。

HFのコンディションが気になります。GAWANTでチェックです。40mは同調してないので不明。17mは7、8が良く聞こえます。おなじみJA3WPNさんが7エリア局に声かけています。WPNさんもかすかに入感していました!

まずは、ミッションをクリアしてからと思い、2mSSBと433FMでコンプリート。SOTAお馴染みの局から応答がたくさんありました。少し時間があるのでHFにQRV。17mは大陸方面とのコンディションが良くなり、近場はまったく聞こえない状況。やっぱり再度40mにチャレンジ。

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 ▲ 何とかVDPを設置。コンディションが上がっており、JA/NN-059移動のJG0AWE/0局のCQ-SOTAが聞こえHF初のS2S。続いて地蔵山でNGだったJA4RQO局とも交信できてホッとしました。

【交信記録】
■三頭山近傍SOTA JA/KT-115(京都市右京区)
144MHz SSB 2局
430MHz FM 4局(JP3DGT/3局 歌垣山JA/OS-018、JI3BAP/3局 大野山JA/HG-052とS2S)
7MHz SSB 2局(JG0AWE/0局 湯ノ丸山JA/NN-059とS2S)

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 ▲ 下山前にオリジナルの三頭山頂上まで足を延ばしましたが、ここのほうがロケや頂上の広さは少しマシでした。標高で2m差なのでここで運用してもいいのかも!?

電信がNGなので「VK ZL JA EU S2S QSO Party」には参加しませんでしたが、終わってみれば5つのS2S獲得でうれしい「国内S2S QSO Party」となりました!



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