不意打ちを突かれた時国側は、勇気を奮って戦いますがやはり劣勢です。
勢至丸は、とっさに物陰に隠れました、しかし、父の時国は、傷を負ってしまいました。この様子を見ていた勢至丸は、思わず手元の小さな弓で敵の定明めがけて矢を放ちました。
矢は定明の眉間に当たったといいます、でも結局は、戦いは時国側の負けでした。
時国は、受けた傷が深くもう助かる見込みはありません。
自分の死を悟った時国は、勢至丸を呼びました、「勢至丸よ、父はもうすぐ死ぬであろう」
「父上様!勢至丸は武士の子、きっと父の仇を討って見せます」気丈にも答えます。
ところが父の時国からは思わぬ言葉が出ました、「ならぬ、親の敵を討つのは武士として立派である、しかし勢至丸よ、決して仇討ちをしようとしてはならぬ、敵を恨むことがあってはならぬぞ!もし、お前が仇討ちに成功したとしても、また敵から復讐の的にされる。殺し合いの繰り返しじゃ。いつになっても終わることがあるまい」と強く言ったのです。
さらに「勢至丸よ、どうかお坊さんになってくれ、世の平和を願い、亡くなった後のこの私をとむらってくれ」と言い聞かせました。
勢至丸は、とっさに物陰に隠れました、しかし、父の時国は、傷を負ってしまいました。この様子を見ていた勢至丸は、思わず手元の小さな弓で敵の定明めがけて矢を放ちました。
矢は定明の眉間に当たったといいます、でも結局は、戦いは時国側の負けでした。
時国は、受けた傷が深くもう助かる見込みはありません。
自分の死を悟った時国は、勢至丸を呼びました、「勢至丸よ、父はもうすぐ死ぬであろう」
「父上様!勢至丸は武士の子、きっと父の仇を討って見せます」気丈にも答えます。
ところが父の時国からは思わぬ言葉が出ました、「ならぬ、親の敵を討つのは武士として立派である、しかし勢至丸よ、決して仇討ちをしようとしてはならぬ、敵を恨むことがあってはならぬぞ!もし、お前が仇討ちに成功したとしても、また敵から復讐の的にされる。殺し合いの繰り返しじゃ。いつになっても終わることがあるまい」と強く言ったのです。
さらに「勢至丸よ、どうかお坊さんになってくれ、世の平和を願い、亡くなった後のこの私をとむらってくれ」と言い聞かせました。