環濠都市・堺に生きる

江戸時代の町割り。細々と今に伝わる町家の風情。今のところ何とか残った阪堺線・・・。 この町から、なぜか草原の風のように、時にさわやかに、時に苛烈に、日々思うところを綴ります。

「H27年秋季堺文化財特別公開」の顛末

明日から、H28年春季堺文化財特別公開(4/1〜3)が開催されます。まるで、何事もなかったように。これでいいのか・・と疑問が湧いてきますが、冷静に考えても、やっぱり、これではいけないでしょう!!
失敗というものは、きちんと「失敗」と認識して反省し、その原因を明らかにして対策を講じることによって、次の成功に繋がるのだと思います。だから、「失敗は成功のもと」とか「失敗は成功の母」と言われているのです。
失敗を「失敗」と認識できない、または、故意に「失敗」と思わないようにしていると、いつまでたっても「成功」できないということになります。堺市では、いろんな分野にこのような事例が転がっていますが、特に観光の分野においては、目を覆いたくなるほどひどいと言わざるをえません。
 
私は私の貴重な時間を使ってこのブログを書いています。この時間をもっと有意義なことに使いたいと思いながら・・。どこかの政党のように、批判のためにする批判ではありません。心から改善してもらいたいと思っているのです。でないと、堺の観光はどうしようもなくなります。古墳群が世界遺産に登録されたらすべて解決するという問題ではないのです。(もっとも、登録も確定はしていませんが。)
 
従来から、文化財公開については、このブログでもいろいろ書いてきました。しかし、去年の秋はひどすぎました。それにもかかわらず、公に、市民や協力者に対する一言のお詫びもなく、また自ら反省する言葉もなく、淡々と例年のように次の春の公開を開催しようとしているのです。
 
昨年秋の文化財公開は、ここ最近と同じように、11/13〜15と、11/20〜23の二つの期間に細切れになっていました。この期間設定も問題ですが、今回は、11/13から始まるというのに、パンフレットをもらったのが11/5でした。堺市HPの報道提供資料の日付も11/5です。
協力店舗によっては、この日付より数日後に問い合わせの電話をして初めて持ってきてもらったというところもありました。(パンフレットの掲載内容の最終確認のメールが10/26でしたから、11月の初めにやっと印刷が完了したのでしょう。)そして、その時も、どうして遅れたのか、何度聞いても絶対に理由を言わなかったそうです。
 
従来から、パンフレットができるのは決して早くはありませんでした。しかし、今回はあり得ない遅さでした。100部、200部ともらっても、開催までの短い期間にどうして他に配布できるでしょう?パンフレットは、開催までに広く外部に配布してこそ意味があるのです。イベント開催期間中に現地に山と積み上げていても無駄なのです。今回、もちろん、最終的にパンフレットは大量に余りました。言うまでもなく、これは税金で作っているのです。
 
私は従来から、もったいないと思って、余ったものは地図として再利用し、来られた方に渡していますが、今回は捌けるのに時間がかかると思っていたところ、また、春の分を200部も持ってこられました。以前、参加して最大限協力していた時は200部もらって、大阪や京都など知り合いに配りに行ったこともありますが、この春の分は参加もしていないのに、こんなに持ってこられてどうせよ、というのでしょうね。それも、決して早くはありませんでした。最初の100部は3/11で、もう100部は3/19でした。こういうイベントの場合少なくとも1ヶ月前には関係先すべてに配布し終えているべきです。それが仕事なら・・・。
 
昨年秋の公開に戻りますが、パンフレットの完成がイベント直前で、広く周知できなければ、もちろん、来る人は少なくなります。秋の公開としては、本当に異例の来訪者の少なさでした(発表されている延べ人数についてはその意味が理解できないので、関知しません)。決して、天候のせいだけではありません。さすがに、堺観光コンベンション協会のHPでは、来場者数の報告の所で、例年の「多数の」という単語を使っていません。(下線は筆者)
 
(1)H27年秋季文化財公開
「刃物・昆布の匠の技公開、堺の和菓子割引、堺ホテル協会による昼食プランや料亭特別公開特典などの関連事業等へもご来場ありがとうございました。

(2)H27年春季文化財公開
「※堺七まちひな飾りめぐり、刃物・昆布の匠の技公開、堺の和菓子割引、堺ホテル協会による昼食プランや料亭特別公開特典などの関連事業等にも多数の来場がありました。」

(3)H26年秋季文化財公開
また、刃物・線香・昆布の匠の技公開、堺七まち町家会町家公開、堺線香工業協同組合による「香の街スタンプラリー」、堺の和菓子割引、堺ホテル協会による昼食プランなどの関連事業等にも多数の来場がありました。
 
実は、(1)H27年秋季公開の文章は、元は以下のとおりでした。(下線は筆者)
堺七まちひな飾りめぐり、刃物・昆布の匠の技公開、堺の和菓子割引、堺ホテル協会による昼食プランや料亭特別公開特典などの関連事業等へもご来場ありがとうございました。」

秋は「ひな飾りめぐり」なんてしていないのに、なぜか書かれていました。それで、指摘して直してもらったのが最初の文章です。確かに、「ひな飾りめぐり」は削除されましたが、H27年秋もH26年秋の(3)にあるように、「堺七まち町家会町家公開」は開催されていましたので、こちらのほうを掲載する必要がありますが、面倒くさかったのでしょうか?指摘された時も、不満そうでしたが、仕事だったら、ちゃんとしてほしいものです。

結局、堺市にとっては、「町家公開」等はどうでもいいことなのでしょう。開催時期や開催期間など全く協力者の意見など聞かないで一方的に押し付けてきて、挙げ句の果てに、税金で作ったパンフレットをドブに捨てるような事態を招いても、全く理由も説明しないで、反省もしないとなると、どうでもいいと思われている「町家公開」など、無理して開催時期を合わせて一緒にやる必要を感じなくなります。

今回も、堺市がまず果たすべきことは、説明責任です。どうして、昨年秋のような事態を招いたのか、まず、迷惑をかけた協力者に理由を説明し、今後このような事態を招かないためにはどうするかを説明することが、最低の礼儀です。相手が個人だったら、こんなこともできないような人とは、付き合いません。堺の観光を盛り上げていくためには、市民と事業者、行政の協力が不可欠ですが、堺市は全く理解していないとしか思えません。

不祥事続きの堺市の現状を見ていると、本当に何もかも、弛緩しきっているように見えます。今回のことも、昨年秋の公開の失敗の後、この春の公開に至る経過を見ていると、全く、「失敗」が「成功のもと」や「成功の母」になっていないと思います。せっかくの機会を、きちんと受け止めて対応しないで、中途半端なチラシやパンフレットを大量にバラまいても、効果はありません。もういいかげんに気づいてほしいと思います。

ぜひ、これを機会に、まずは観光の分野から、率先して「堺市を愛し、チャレンジ精神を持って取り組む、市民から信頼される職員」をめざしていただきたいものです。

Occupied Japan

Occupied(オキュパイド)の意味は、文字通り「占領された」であり、「Occupied Japan」は、つまり「占領下の日本」ということになります。私が、この英語の意味を初めて知ったのは、ずっと前に江戸東京博物館に行った時です。陶磁器の裏に、「Made in Japan」ならぬ「Made in Occupied Japan」と書かれていて、「ああ、そういうことがあったんだった。」と、今更ながら納得しました。
 
日本が戦争に負けて、まだ独立国になっていなかったとき、輸出用の製品に「Made in Occupied Japan」と表示することが義務づけられていたのです。その期間を漠然と戦争に負けてから1952年に発効したサンフランシスコ平和条約までと思っていましたが、今回改めてウィキペディアを見てみると、「戦後占領期の日本では、1947年(昭和22年)2月の連合国軍最高司令官指令として、輸出向け製品に Made in Occupied Japan (占領下日本製)と表示することが義務付けられた。1949年(昭和24年)12月には連合国軍最高司令官指令として"Made in Japan"や"Japan"表示も認められ、義務ではなくなった。」とありました。
 
ところで、私はその「Occupied Japan」と書かれたお皿を、自ら古い家で発見し、感動したことがあります。今、戦時中のおひな様と一緒に展示しています。
 
何はともあれ、安保法制が本日午前0時に施行された今、大日本帝国憲法のもとで、一度日本が「滅亡した」ことがあったということを(無条件降伏ですからね)思い返してみるのも、有意義なことであると思う、今日この頃です。

ある町家の話・ほか

今年の3月は、本当に憂鬱な3月でした。どうしてこんなことになってしまったのか、毎日毎日、見るたびに悲しくて、済んだことだと割り切ろうとしても、やっぱり、ため息とともに何とかならなかったのか・・・と、思い返しては、情けない気持ちになって、深く鬱の気分に落ち込んでしまいます。
 
この3月、地域のランドマークのような町家が解体されてしまいました。3月に入るとすぐに足場がかかり、今はすっかり更地になってしまいました。チンチン電車からもよく見えて、地域の人なら、みんな知っているような町家と蔵でした。解体中も、久しぶりに実家に帰ってきた知り合いからは、「壊しているけど、どうしたの?!」という電話があり、地域の方からも「一体どうしたんや?!」と何回も聞かれました。なくなってしまってから、その存在の大きさを再確認しています。
 
古くから地域の人に親しまれただけでなく、蔵は若い人にも人気が高く、家のほうは複数の専門家の評価も非常に高かったのです。なのに、どうしてこれらの建築物を町の財産として生かすことはできなかったのでしょうか?何年か前、最初に役所の人に声をかけられた時、こんな結末を迎えようとは、所有者の方も想像できなかったでしょうね。
 
ところで、一昨日(3/25)今年度第1回堺市歴史的風致維持向上協議会が開催され、傍聴してきました。歴史的風致維持向上計画協議会については以前けっこう記事を書いています。すったもんだの末、歴史的風致維持向上計画ができて、そのあと、事業の進捗状況などをチェックして評価するためにできたのが、最初の協議会から「計画」を取り除いて、名付けられたこの協議会ということのようです。
 
この協議会の委員は多くは以前の計画協議会から引き続いていますが、以前は2人いた公募市民委員が一人もいなくなりました。その代わりに新たに狭間副市長が委員になっています。また、以前とは、会長と副会長が代わっています。以前は田村副市長が会長でしたが、今回は以前副会長だった大阪府立大学の増田教授が会長で、京都府立大学の宗田教授が副会長です。引き続き、田村副市長も委員です。
 
今回は、いつも的確な指摘をされる宗田委員が欠席されたので大変残念でしたが、事前に意見を事務局に届けておられました。少し話がそれますが、その中に、私が以前から主張していたことと同じようなことがありましたので、少し触れたいと思います。それは、観光ボランティアのことについてです。つまり「世界遺産登録をめざしている堺市は、観光ボランティアだけではなく、専門的な観光ガイドの養成をすべきでないか」という趣旨のご意見でした。全くその通りだと思います。
 
私は以前から、観光ボランティアとプロの観光ガイドはきちんと分けるべきだと思っています。ちゃんとしたプロのガイドにはそのガイドの仕事に見合う正当な報酬が支払われるべきであるし、個人の趣味でする観光ボランティアには、集団保険のようなものはともかく、交通費も支給すべきでないと思います。確か、博物館ボランティアには交通費も支給されていなかったと思いますが・・。
 
だいたい、「観光ボランティア協会」という名前の組織が、ガイド料というものを要求するというのもおかしな話ではないでしょうか?少なくとも名前を変えなければ、誤解されるおそれがあります。現に他所の人に「堺の観光ボランティアはお金をとるんだね。」と言われたこともあります。
以上は、これからの堺の観光のためには、早急に改善しなければならない問題であると考えます。
 
閑話休題。一昨日の歴史的風致維持向上協議会の席上、田村副市長が今堺市では阪堺線の走る大道筋について、非常に力を入れているという話がありました。「大道筋をどうするか、関係部局集まってやっていきたい。」という、えらい力の入れようでした。それを聞いて、私はまた、あの大道筋の、チンチン電車の通りの町家と蔵を思い出し、涙が出そうになりました。必死で拳を握りしめ、涙が込み上げてくるのをこらえました。
 
一般市民も専門家もあの建物の価値については一致していたと思います。大道筋になくてはならない建物でした。そんなに力を入れているのだったら、どうしてあの建物を生かす努力をしなかったのか、堺市は本当に価値あるものがなくなっていくのに、いつも何もしないのです。ダイセルのレンガ建物の時もそうでした。
 
この3月、その跡地にイオンモールがオープンしましたが、その時に植樹祭をやったそうです。それを聞いて私は、「植樹祭する位やったら、あの桜並木を残しといたらよかったのに。」と思いました。そのほうがイオンのためにもなったでしょうに。私たちは、桜並木を挟んだ5棟のレンガ建物を残して開発することを提案し、要望していましたが、イオンという企業にとってはそんなことは想像もできなかったのでしょうね。本当は、こういう時にこそ堺市の役割があるはずだと思うのですが、いつも市民はささやかな期待を裏切られるのです。
 
また、話がそれてしまいましたが、先の大道筋の町家は、戦火を逃れ、戦後に曵家(ひきや)をして現在の場所に移った家でしたが、その時に床下にコンクリートが打たれたようで、湿気も上がってきておらず、木材の状態が非常によかったのです。私は多くの家が解体されるのを見ましたが、あんなに状態のいい家が取り壊されるのを見たのは初めてです。
 
また、以前その家のおばあさんが、昭和の初めに建てられたその家を、親が自慢していたと言われていましたが、内装や備品も本当に見事な作りでした。目利きであれば、あの家だけで1億円でも売れたのではないかと思います。少なくとも、今、1億円かけてもあの家は作れないことだけは確かです。
 
以前、金沢の町家の活用を調べていた時、町家の所有者が家を取り壊して土地を売却しようとした時に、仲介に入った不動産業者が、この家はいい家だからこのまま買い手を捜したほうがいいと助言して、買い手が見つかったという話をどこかで読みました。その時に、「さすが金沢は、不動産業者もレベルが高い!」と感心したものですが、やっぱり、堺はダメでした。本当に、悲しいことです。
 
最後は、また、余談で締めくくりたいと思います。今回の歴史的風致維持向上協議会は、中央郵便局の側の総合福祉会館の5階の研修室で開催されました。審議会などに時々使用される部屋ですが、元々は職員の研修などに使われるようです。そのせいか、部屋の前方上部の壁には、「めざすべき職員像」として、以下の文章が掲示されています。
 
「堺市を愛し、チャレンジ精神を持って取り組む、市民から信頼される職員」(「堺市人材育成基本方針」より)
 
この部屋に行くたび、いつも目に入ります。これについては、いろいろ思う所がありますが、また別の機会に取り上げたいと思います。

連続立体交差説明会 余談

今日、初めて、2/11の浜寺小学校で連続立体交差の説明会に参加した時の疑問が氷解しました。

ある人が、南海電鉄の子会社である「南海辰村建設が工事をして大丈夫か?」と聞きました。南海電鉄が何と答えたか、全く覚えていませんが、「どうしてそんなことを聞くんだろう?」という漠然とした疑問だけが残りました。それも、すっかり忘れて、日々バタバタと過ごしていましたが、今日たまたま、あるブログを見て、南海辰村建設が大津市で欠陥マンション問題を起こしていることを知りました。そして、改めて2/11の疑問を思い出しました。

それにしてもひどいですね。ここまでひどい事例はあまり見たことがありません。これで、よく1審勝訴したなぁと思います。現在、大阪高裁で控訴審が続いているようですが、結果が気になります。

確かに、鉄道の高架工事ですから、極めて安全性が重視されなければなりません。説明会で質問された方の気持ちが、やっとわかりました。

詳しくは、「南海辰村建設 大津欠陥マンション訴訟専用サイト」をご参照ください。
 

堺市の総合交通政策雑感(4)阪堺線はどうなる?!−3

この議事録ですが、今回の懇話会傍聴の関心事の二つ目も議事録に関係します。
二つ目は、今回公表された前回の議事録でも触れているように「大阪市内区間のみの利用者が減少している」ことに関して、前回の懇話会で委員から、阪堺線(恵美須町行き)の電車のダイヤの変更、つまり、ダイヤが非常に不便になったことが影響しているのではないかという質問がありました。驚いたことに、阪堺電軌側の説明では、そういうことはないという回答でした。一応、理由みたいなことを述べておられたのですが、よく理解できなかったので、議事録で確認しておこうと思っていたのです。
 
ところが、このやり取りが、全く抜け落ちていました。事務局が故意に省いたのか、それとも、重要ではないという認識で、無意識で落ちたのか、いずれにしても大いに問題です。
 
私が大阪方面で阪堺線を利用するのは、天王寺に行くよりも、以前の南霞町(現新今宮駅前)で、地下鉄やJR環状線に乗り換えることが多かったので、本当に不便になりました。交通ネットワークという点では、上町線よりも阪堺線の方が利便性で勝りますが、最近では、恵美須町行きに乗りたくても、あまりに不便なので、遠回りでも、天王寺行きに乗らざるを得ない状況です。(これは、帰りの状況も全く同じです。)
 
今回の懇話会でも、会長から「大阪市内の利用者が減っているが・・」という指摘があり、阪堺は、「全体の傾向としては増えている。上町線微増。阪堺線は・・・」というところで、やはり阪堺線の説明がよくわかりませんでした。(次回はきちんと議事録に載せてください!)
 
この阪堺の回答の後、前回ダイヤの質問をされた委員が、「自分の知人が阪堺線の天神の森の電停のすぐ側に住んでいるが、あまりに電車が来ないので、自転車で(阪堺線の東側の)上町線の姫松電停まで行って乗車している。これでは路面電車とは言えない。」ということを言われました。
 
さすがに、これに対しては、阪堺側も、「ダイヤ変更以来、不便をかけている。限られた運転士や車両数の中で努力している。」というような話ではあったと思いますが、これも議事録にきちんと載せてください。確かに、時刻表はあるのでそれを見て合わせればいいのかもしれませんが、「時刻表を見たら、よけい利用しようという気がなくなる。」と言われていた、美原区のバス不便地域の市民の声を思い出しました。
ほんとに、大阪市内の阪堺線の時刻表を見ると、乗る気がしなくなります。まさか、これが狙いではありませんよね?
(つづく)

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