大連オフショアビジネスシンポジウム2012

幣所は、来る11月17日に遼寧師範大学国際交流センター(中国、大連市)で開催される、大連オフショアビジネスシンポジウムの前半のパネルディスカッションの企画のお手伝いをさせて頂いております。
http://1offshoring.com/dairen_seminar2012/

放射線被曝と癌、そしてもっと身近に有る恐い物

福島第一原発の事故で、広い地域が放射能汚染されました。下の図は、事故により放出されたセシウム137などの放射性物質による、1年間の放射線被曝量の、分布です。これによれば、オレンジ色の線に囲まれた地域は5mSv/年間で、小児や妊婦が定住するには適しません。100mSv/年間以内の地域には、立ち入り制限となるでしょう。人々はこの地域は立ち入るとすぐに死んでしまう、かの様に恐れます。

FukushimaMap

 しかし、広島、長崎、での原爆被曝者のデータからは、1000mSvをあびると癌を発症する確率が5.5%増加するとの事です(柴田徳思、日本原子力開発機構客員研究員、産経新聞7月2日より)。つまり、100mSv/年間の地域に10年間住むと癌になる確率が5.5%増加するわけです。これは、60歳を過ぎていればあまり気にする数値ではないでしょう。また、放射線は癌の芽を作るのであって、60歳以降で発症する癌は、20年以上前に体の中に出来た癌の芽が育ったものでしょう。60歳で出来た芽は、老人の細胞分裂は穏やかなので、癌になるには30年以上はかかるのではないかと思います。勿論、高齢者は免疫系の働きも悪いのでマイナスの要素も有りますが、あまり神経質にならなくても良い。一方、喫煙の影響を放射線被曝に換算すると、32mSv/年間となります。今回のICRPの一般公衆の緩められた暫定ガイドライン値の20mSv/年間に比べれば、喫煙リスクの方が大きくなります。
 身の回りにはもっと怖いものが有ります。2007年に出されたHanssonの疫学調査結果によれば、携帯電話を100時間使用するごとに、電磁波により脳腫瘍(脳の癌)の確率が5%上がります。この5月末に、WHO(世界保健機関)がそれまでの携帯電話の電磁波が有害かどうか分らないとする立場から、ころっとひっくり返って有害説に転向したことがCNNや新聞を賑わしましたが、このデータが強く影響しているものと考えます。基となった報告書は
http://www.radiationresearch.org/pdfs/reasons_a4.pdf
で、この中にHanssonの結果も有ります。沢山の論文が有るので、念のため末尾に論文名を載せておきます。

 そこで、この携帯電話使用による脳腫瘍発症のデータを放射線量に換算します。毎日20分間携帯電話で通話すると、年間で100時間使用することになり、なんと1000mSv/年間に対応します。放射線に最も弱いのは消化管内壁、骨髄、性成熟期の精巣や卵巣などで、これに比べれば携帯電話の電磁波を被曝する脳細胞はDNA損傷に強い細胞ですから、携帯電話100時間使用は、1000mSvの放射線被曝以上の損傷を起こしており、身近にある携帯電話の電磁波は非常に強力な遺伝子損傷源だということが分ります。
 ただし、放射線で発症する癌(消化管の癌でしょうか)、喫煙で発症する肺癌、携帯電話で発症する脳腫瘍は、それぞれ母集団の数が違います。民族的に長い歴史を持つ、塩分食による胃癌や消化管の癌と、喫煙による肺癌が多かったのですが、今後は新参者の携帯電話による脳腫瘍が少しずつ増えるのかもしれません。

 放射線と携帯電話の電磁波は共に体の中にフリーラジカルを発生し、これがDNAと化学反応をしてDNAを損傷します。人間の細胞は1日に最大で1細胞あたり50万回損傷をしており、ほぼ全てが修復されて損傷が残ることは殆どありません。ただし、外部からの損傷が修復能力を超えると細胞は自死したり癌化します。これが前に書いた細胞の芽です。年間100mSvなんて恐れるに足らず、と携帯電話をバンバン使って飯館村で働くのも良いかもしれませんが、中学生以下は図のオレンジ色の範囲内には入れたくありませんし、携帯電話も使わせたくありません。

Hanssonの論文は以下の通り。
Hansson Mild, et al., Pooled analysis of two Swedish case –control studies on the use of mobile and cordless telephones and the risk of brain tumours diagnosed during 1997–2003, Int. J. Occup. Safety Ergon. (JOSE) 13 (1) (2007) 63–71.

携帯電話の電磁波についてもっと詳しい情報は
http://www.isistec.jp/


予防原則Precautionary Principl

最後にブログを書いたのが、4月22日の防災基本計画についてでした。あれから2ヶ月、放射線量の更新だけは続けましたが、ことは政治問題になってしまい、馬鹿馬鹿しいのと政治には関わらない方針で追加の記事は書かないでいました。しかし、最近、福島県内の放射線量の許容値について、防ぐことが出来るのに、社会的なコスト増を理由として多少の癌の増加は致し方ない、あるいは深く考えていないのが原因なのか、と思われる対応が目に付きます。また、この許容値が文科省から出ており、原子力安全委員会からも出ていたり、と、公衆衛生の問題なのにどこに責任が有るのか、分りません。

放射線を被曝すると、身体内で沢山のフリーラジカル(活性酸素はこの一種)を発生し、これがDNAを損傷します。損傷の大半は修復されますが、損傷を受けたタイミングが悪いと、修復されません。この損傷が遺伝子を担う部分で、ダメージが深刻であれば細胞は自死し、軽ければ奇形や癌の芽となります。この癌の芽を作らないようにするには、放射線を浴びないようにするしかありません。

我が国には一般公衆に対する放射線被曝に対する法的規制は無く、有るのは放射線作業者向けだけです。これが各省庁が勝手に許容値を出せる原因です。それでも今は、ICRP(国際棒斜線防護委員会)がガイドラインを決めているので、現在はこれに准ずることが妥当でしょう。ガイドラインでは、一般公衆は、作業者の20分の1の1年あたり1mSvの線量です。ただし妊娠中の女子を除き、過去5年間での平均被曝量が年あたり1mSvを超えていなければ、その年において全身が受ける線量が1mSvを超えることも許され得る。としています。
ただし、これには前提条件が有ります。作業者の被曝限度20mSv/年は管理環境条件下であり、被曝はレントゲン作業等での管理された被曝を仮定しており、放射線は”きれいな”軟エックス線の被曝です。また、作業者は放射線被曝のに敏感な骨髄や消化管等の被曝を避ける教育を受けており、必要であれば腹部と股間を防護する衣服やエプロンを着用します。さらに、作業者は作業を終了すれば休養して細胞の損傷を修復できます。
この結果、放射線医などは実際には20mSvを遥かに超える年間被曝をしています。一方、一般公衆は被曝部位による危険性を知らず、非管理環境であるため線源を体内に取り込んで内部被曝の危険もあります。作業者と言えども、も非管理環境下であれば一般公衆と同じ扱いとなって、1mSv/年です。

ちなみちに、エックス線と今回の原子炉事故で出ているガンマ線は同じ電磁波です。違うのはガンマ線が原子核からでるのと、エックス線は原子の電子状態の変化から出る、と言う発生方法の違いです。今回のガンマ線は非常に強力で、1MeV以上、レントゲン写真に使う軟エックス線は400eV程度で20分の1程度です。とは言え、大型のライオンと小型の豹のどちらが怖いか比較するようなもので、どちらも人間には危険です。

さて、
ICRPのガイドラインは胎児や小児についてふれていません。作業者の場合は妊娠中と妊娠可能な女性は、被曝量を10分の1の2mSv/年に規制していますが、小児には触れていません。これはICRPガイドラインの大きな見落としといえるでしょう。胎児や小児は放射線に対する感受性が高く、努めて被曝を避けるべきです。理由は細胞分裂が胎児や小児では活発だからです。
成人の場合、細胞分裂間の日数が短い、造血細胞や精巣、卵巣、消化管の幹細胞、などは放射線の影響を受けやすく、細胞分裂間隔が長い骨、筋肉、神経細胞は放射線の影響を受けにくい、と言うベルゴニー・トリボンドーの法則があります。従って、繰り返しますが、エックス線作業の時、看護師さんやエックス線技士などの作業者は腹部から下をエプロンなどの防護衣料で守るわけです。胎児や小児は成人に比べて細胞分裂の日数が20分の1~5分の1で成人の幹細胞なみに短く、この法則が全身に適用できると考えられます。

今、私達はこの不完全なICRPのガイドラインに従わざるを得ません。自然放射能が2.4mSv/年という事実が有るので、余り過敏にならず、1mSvを守ることが落としどころでしょう。とは言え、もう少し放射線被曝と癌についてお話をします。6月1日にCNNや新聞等で報道された携帯電話の電磁波による脳腫瘍の件も、癌の芽を作ることです。放射線と電磁波いずれも体内でフリーラジカル(活性酸素)作り出して、DNAを損傷して癌の芽を作ります。癌の芽は数十年かけて癌となって発症します。胎児や小児は細胞分裂が活発で癌の芽を作りやすい、プラス、寿命が50年以上あり癌が発症するのに十分な長さがあります。一方、60歳過ぎでは全身の細胞は不活性で癌の芽が出来難く、出来ても発症する前に老化が原因で寿命が来てしまう。と、言うわけで成人に比べて胎児や小児は著しく放射線の影響を受けます。

現在、文部科学省は学校や幼稚園の校庭の放射線量を3.8μSv/時間としています。これは年間にすれば24×365倍した33mSv/年となり、作業者の20mSv/年も大きく越えています。6月21日のニュースで放射線医学者が一般公衆の被曝量のガイドラインについて20mSv/年でも大丈夫と言っていました。2つ誤りが有ります。1つは放射線医がレントゲン撮影等で被曝するのは、短時間に大量な被曝をするが、今回のような定常的に受けるのではない、こと。もう一つは1906年のベルゴニー・トリボンドーの法則が胎児や小児に適用されるべきこと、です。ICRPは1年間の蓄積被曝量を問題としますが、私は胎児と小児に限っては短時間被曝量もこの値を超えないようにすることを提案します。1mSvを24時間×365日で割った0.11μSv/時間、を常に守ることです。
なお、内部被曝については、ヨウ素131がすでに消えて核種はセシウム137であり、セシウムは癌化の可能性の低い筋肉に蓄積するので、無いに越したことはありませんが、外部被曝と同じですが、やはり危険です。体の中に線源を取り込むと、次の日に外部から被曝しなくても同じように被曝をして、これが長い間続きます。外部線源からはガンマ線被曝で、次の日には残りません。つまりセシウム137の内部被曝を1受けると、100日で100の蓄積になります。ガンマ線であれば、最初の1だけです。この様に、内部被曝は危険です。

原発事故前の日本の放射線量は0.04~0.07μSvでした。東京では0.04でしたが、現在は0.06μSv/時間。それでなくても胎児や小児を取り巻く環境には殺虫剤や防腐剤や各種電磁波などの癌の原因が満ちており、この上に放射線で癌の原因を増やしたくないです。今回の表題の予防原則とは、「そこに危険の可能性が有れば、安全策を取る」と言うことです。欧米の政府は学者の意見が分かれば、予防原則に従って公衆衛生を決めています。日本政府は残念ながら「危険が証明されなければ現状維持」という、現状維持の御用学者の意見に従う立場です。水俣病や薬害エイズなどは、この例です。
最初に戻って、多少の癌の増加は致し方ない、と考えているのか、それとも気付かずに3.8μSv/時間を認めているのか分りません。もっと悪くて全電力喪失の条件を不必要、として禁じたように、核物質が環境に漏洩した場合を想定した研究が行われないように、東電と官が一体になって邪魔をしていたのか・・。数十年後に福島県を中心として癌の若者が出てくるまで、放っておかれるのでしょうか。

もう一つ、下衆のかんぐりですが、放射線医の先生方は、犠牲的精神で患者さんと共にエックス線を日に何度も被曝しています。このご功績を認めて若い先生方にはストイックにならずに、ぜひともこの様な自殺行為はやめていただきたいものです。
一般公衆には自己判断できる知識をお広めになっていただきたいです。

東京の水道水と空気中の放射能

水道水の放射能
東京都が新宿百人町で測定した、水道水中のヨウ素131の量です。東京都は3つの浄水場の水を混ぜているので、最大の3月26日でも乳児の規制値の1リットル当たり100ベクレルには達していません。
その後放射能量は小さくなり、4月4日には少し上がりましたが、4月8日以降は下がっており、5月4日以降は測定不能であるため、0.1ベクレルといたしました。従って、4月中旬以降は全く問題は有りません。
千葉、埼玉、群馬、茨城、などの水道水中の放射能も問題が有りません。原発からめだった放射能漏れは無く、放射能閉じ込めは成功しています。

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水道水を飲んで蓄積される放射能量
下の図は、原子炉事故が起きてから、水道水を毎日1リットルずつ飲んだ場合の身体中のヨウ素131の蓄積量です。ヨウ素131は体外に排出されず半減期を8日、放射されるベータ線とガンマ線のエネルギーの合計を1MeVとして計算をしました。また、取り込んだヨウ素の全量が体内に残ると、仮定をしています。この5分の1程度が甲状腺に集まります。

6月1日現在で身体が被曝した放射線量は32.6マイクロシーベルトです。ヨウ素131の許容値は年間で1000マイクロシーベルトですから、約30分の1の量です。ヨウ素131の量は0.3ベクレル程度で、今後ずっと水道水を毎日1リットル飲んでも、1年間で35マイクロシーベルト程度で問題は有りません。
今後は、妊婦も乳児も水道水を飲んでも許容値の20分の1程度で、自然放射能よりもはるかに小さな値であることに気付いてください。

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空気中の放射能
東京都が測定した空気中の放射能の、最大値、最小値、平均値のグラフです。単位はμGy(マイクログレイ)ですが、そのままμSv(マイクロシーベルト)と、同じ数値になります。

3月15日のピークは、半減期の短い放射性ガスの塊が東京を通り過ぎたのでしょう。3月20日以降はヨウ素131の微粒子が風に乗って飛んできたものと思 います。3月23日あたりまで大きな値をとり、以後は少しずつ減っています。ただし、相変わらず3月10日以前より大きな値です。福島から250Kmも離 れているので、原発からの放射線ではなく、どうやら半減期の長いセシウム137やストロンチウム90が身の回りの地面にあるのでしょう。量的には全く心配しなく ても大丈夫です。

Tokyo_air


環境中の放射能は、第2次大戦後に米ソが競って核実験をしたときには、世界中が今の福島程度の放射線量になりました。チェルノブイリの爆発のときも瞬間的に増加しました。今はいずれも影響が小さくなっていましたが、福島を中心とした半径300Km程が放射線量が増えています。これ以上の事故が無ければ、数10年かけて元にもどることでしょう。

放射能が人体にどんな影響を与えるか、詳しい説明が以下にあります。
http://www.isitec.jp/electromagnetic.html


防災基本計画

日本の様に大きな国は、予め作られた周到な準備の下に計画的に運営する必要があります。準備とは、法律であり、官僚機構であり、議会です。計画とは、法律に基いた業務計画です。今回の震災、津波、原子炉事故はいずれも「防災基本計画」の中に網羅されています。各省庁は基本計画に従って担当組織を定め、対策を練りマニュアル化し、訓練を行ってそのマニュアルの精度を高めておくことが法で定められています。

このマニュアルは法律の裏付けが有ります。従って、マニュアルに従わない場合、広義の法律違反となります。
次のURLの文をご覧になって下さい。これは4月18日の参議院予算委員会での質疑で、管総理が、半年前に行われた原子炉事故の訓練に参加しておきながら、これを忘れてしまったことを、文字にしたものです。
http://derodero69.tumblr.com/post/4773744846/4-18

行われた訓練は、原発の場所は違いますが、原子炉の事故の情況は同じで、管総理に何をするか考える機会を与えるものでした。例えば、電力が無くなったのなら、自衛隊の大型ヘリで発電機を持ってくるとか、水が無いなら消防や自衛隊を使う、など、好奇心があれば頭の中でシミュレーションが可能な訓練でした。それを忘れてしまうとは、、、。

実際に予算委員会で何が質疑されたか、興味がわいたら、このURLをご覧になってください。
http://blog.goo.ne.jp/nonono5656/e/a95a18b8288e1e57d4d7d2902abbd99b

画面に出てくる字が少し鬱陶しいですが、1時間強のビデオは見る価値が有ります。スタートして、12分50秒からが本番。最初に書いたように、訓練やマニュアルは法律に基くもので、これは10年以上の積み重ねがあります。また、これを守らないことは法に従っていないことです。
法律は、立場が違う者が協調するための基準であり、この様な広域の危機管理には”絶対に必要な連携のための標準行動規範”となります。
悲しいことですが、日本国は復興のリーダーとして、間違えた人物達があたっています。彼らに続けさせるか否かは、政治的な問題ですから、ここでは発言を差し控えます。
さらに、この1時間の審議内容は、参議院の会議公報では20の質疑項目の中で1行だけ、「総理のリーダーシップと危機管理の認識」とだけ記されています。詳細な議事録はまだ公開されていません。4月19日の新聞を見ると、民主党嫌いの産経新聞でさえも、東電の社長と会長が東京にいなかったことを第一に取り上げ、これを記事にはしていません。他の新聞も同様で、マスコミは勉強不足です。

防災基本計画のURLは、
http://www.bousai.go.jp/keikaku/090218_basic_plan.pdf
ですが、地震も津波も原子力災害も、交通も輸送もその他の災害も全て網羅され、担当省庁や連携関係も文書化され、各省庁の訓練計画も公開されています。が、政府はこれに従わず、独自に法に基かない組織を作り続けています。正規の計画を使わなかった能力不足の政府が悪く、これが有る、と言わなかった官僚も悪いし、これを指摘しなかった勉強不足のマスコミが特に悪い。

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