かれこれ10年くらい、参加作品の告知を書いてない私ですが…。
古内東子さん6年ぶりのアルバム『After The Rain』が10月17日に発売されまして、なんとアルバム冒頭を飾るリードトラック「Enough is Enough」でベースを弾かせていただきました。
この曲です。
プロデュースとアレンジは流線形のクニモンド瀧口。いつもお世話になっております。
某「〇っぷるぱい」のレコーディング時、瀧口氏より帰り際に「マッキン、次、古内さんあるから。」と言われた時は、「ほォ〜」という感じで実感もなかったのですが、よくよく考えると、個人的には大仕事というか、大事件です。私、めちゃくちゃ好きだったんで!
出会いは1997年、ダウンタウン司会のTV番組「HEY!HEY!HEY!」で「大丈夫」を披露した時です。VHSのビデオテープは今でもとってあります。この「大丈夫」、なんて良い曲なんだ!と、翌日にはアルバム『恋』を買いに行きました。
蓋を開けてみれば、全曲が素晴らしいのに加えて、プロデュースと編曲とベースを元オリジナルラブの小松秀行さんが担当していたんですねぇ。ドラムは佐野康夫さんで。
小松&佐野コンビと言えば、オリジナルラブの大傑作『風の歌を聴け』(1993年)の衝撃が、発売から25年経った今も冷めないのです。写真は、2016年に富山のBEATRAMで田島貴男さんにサインをいただいたLP&CD。家宝です。
『恋』が発表された1997年当時としては、オリラブを脱退した後の「小松ロス」状態に現れた超新星!という感じもあって、『恋』における演奏は相当に聴き込み、影響を受けたものです。
勿論、そういったオリラブ的視点を外したとしても、『恋』が名作ということは疑いようもなく。「大丈夫」はもとより、「宝物」「ブレーキ」「ケンカ」あたり、めちゃくちゃ好き。今聴き直しても、全くもって素晴らしい。
考えてみれば、「大丈夫」や「ブレーキ」「悲しいうわさ」に聴ける、私の大好きな「片手16分のハイハット」なミディアムナンバーって、オリラブやその他の渋谷系アーティストには殆ど無かったんですよね。実は古内さんの音楽をきっかけに吸収したようなところがある。さらに「ケンカ」では佐野流パーディー・シャッフルも飛び出す!そして「宝物」は90年代という時代が追い求めた「あの時代のグルーヴ」が仕上がった、記念碑的な名演!
これは同じく小松さんがベースを弾き、宮田繁男さんがドラムを叩いた真心ブラザーズ「エンドレスサマーヌード」と並ぶ最高峰と言えるでしょう。
この『恋』は、なにしろ50万枚も売れたそうですから、私だけではなく世間一般の多くの方に、その才能を知らしめることになったのでした。
超・余談ですが、当時、私がボーカル&ギターを務めていたバンド「EARL HINES」の曲に「フルウチ(仮)」という仮タイトル付けて歌ってましたね。このデモテープ、サビは「大丈夫」とまるっきり同じコード進行という確信犯(笑)。おそらく100本も作ってないと思いますが、ドラムは後の「東京カランコロン」カミマルくん、ベースは後の「キノコホテル」エマニュエル小湊さん、と実は中々なメンツを輩出したバンドでした。
ホームページなんぞあるわけもなく、このテープにはカミマル君の携帯番号まで載っちゃってます!時代を感じますね〜。
ライブの後は打ち上げと称してよくカラオケに行きました。そこで「大丈夫」を熱唱したものです。
…当時の話や、古内さんの他のアルバムにも色々触れたい気持ちがムクムクと湧いてきて止まりませんが、このペースで行くと果てしなく長文になりそうなので、今回は新作のことに話を戻します。
私も参加した「Enough is Enough」で幕を開けるこのアルバム。
まさか、これほどの名作に出会えるとは!という驚きがあったことを正直に告白します。
めちゃくちゃ名曲ばかり!これはもしかして、古内さんの数多くある名作のなかでも、屈指の出来なのでは…!?
本作の楽曲からは、呉田軽穂や尾崎亜美らの系譜にある「メロディーメイカーとしての古内東子」を強く感じます。古内さんにそれを(ここまで強く)感じるのは、それこそ1994年の『hug』あたりまで遡るのではないか。それくらい、本作のメロディの美しさや「切なさ」は際立っていると感じます。
やはり四十路を過ぎてから、色んなことを振り返ることが多くなったなと、個人的には思うのですが。本作にもそれを感じて嬉しくなりました。振り返る先は必然的に「青春」であるわけで、『hug』に通じる切なさの正体はここにあるのではないか?と。
ともあれ、6年ぶりのアルバムという重みにしっかりと耐えうる作品で。完全にあの頃のようにファンに戻ってしまいました(笑)。同じような、同世代の方が沢山いたら嬉しいなと思います。
サウンドの方も素晴らしいのですが、殊にベースの充実度は凄い。ベーシストの一人として参加させてもらったことが、大変に恐れ多い!
なんと小松秀行さんが再び編曲とベースで参加していることに感動!
そして実はスダッチ繋がりである「あの」種子田健さんと同じ作品に参加できたことも嬉しい。演奏がまたすごい。指先のぬくもりが弦を伝って、耳から全身に染み渡るような。これぞベース!
ここ最近も古内さんのライブに参加されている大神田智彦さんもゴリッゴリの野性味溢れる演奏でかっこいい!
そんな御馴染みの方々だけではなく。「Away From You」の武宮優馬さん、タイトでスッキリした演奏が素晴らしい。対して「Answer in the Seashell」の戸澤直希さんのしなやかなウネり。どちらも洗練されつつファンクネスが溢れてて悶絶!
個人的には「Empty Room」を弾く石井裕二さんには一番の衝撃を受けました。クレジットを見ないで聴くと「小松さん参加はこの曲かな?」と思わせる「小松マナー」なフレージングで始まり、これがサビで大爆発!縦横無尽に暴れまわる演奏はまるで、同じく渋谷系でもひと暴れしたmeckenさんや渡辺等さん、はたまた昭和歌謡を牛耳った寺川正興さんや江藤勲さん、あるいはブリティッシュロックのレジェンド達…までを彷彿とさせるような素晴らしさ!カッコ良すぎ!
と、ベーシスト的にはかなり震える面子が揃っている中で、リードトラック、アルバム1曲目を弾かせてもらうとは、マジで恐縮すぎる。やばい。やばすぎる。このアルバムをきっかけに、好きなベーシストが何人も増えてしまったというのに。
とはいえ、個人的には自分の演奏も気に入ってます。古内さんや小松さんから受けた影響を、自分なりに返せたような。。
歌詞も、独身のキャリアウーマンを描いている風でありながら、なんだか「あの頃に古内東子と出会った人々」へのメッセージのようにも聞こえて。そこに私からの返事を添えられたような。
いや、なんともロマンチックな解釈なんですけど。私にとって、そんな特別な一曲になりました。
デビュー25周年おめでとうございます。
そして、お誕生日おめでとうございます。





コメント
コメント一覧 (2)
偶然このブログにたどり着き
ついでに初めてコメントさせてもらいます
長くなりますがお許しください
小生、長年の古内東子さんファンを
自認してまして、
もちろん"After The Rain"も
入手後に何度も聞き込み、旨みが徐々に
増していくスルメ効果を日々満喫しています
豪華なアレンジャー陣が多数参加されたことで
近年アルバム制作で濃密なタッグを組んできた
河野伸さんのカラーを薄めて、加えて曲先の
制作方法という野心的な取り組みによる
化学反応が新たな可能性を感じさせる
とても良い方向へ昇華された傑作になったと
感じています
マッキンさんがベースをご担当されている
"Enough is Enough"
Youtubeで先行配信されたこの曲については
多分合計100回位は聴いているアルバムの中
でもお気に入りのナンバーです
アレンジ担当のクニモンドさんはコードの
譜割だけで、あとはマッキンさんのアドリブ
演奏ですか?
「古内さんや小松さんから受けた影響を、
自分なりに返せたような。。」という
マッキンさんのベースラインはグルーブが
曲調を強力に方向付けることに成功していて
アルバムのオープニングを飾るのに
相応しい仕上がりです
"Empty Room" 原曲の素晴らしさは
マッキンさんが書かれた通りですが
先日有楽町の東子さんの25周年ライブで
聴いた生演奏がかなりヤバかったです
このステージでは大神田さんのベースでしたが
ええ、ここでこの曲やっちゃう?という
ライブ後半のベストなタイミング、
ホーンアレンジが加わりこの曲の持ち味が
一層強調されたライブならではのスリリングな
演奏で会場は大盛り上がりでした
以上、長い駄文でブログの感想を
書かせてもらいました
まとまりの無い内容についてご容赦ください
いつかまた、マッキンさんのベースの演奏で
東子さんの新曲を聴いてみたいと思っています
マッキンさんの今後のご活躍に期待しています
コメントありがとうございます。
長年の古内東子ファンの方に認めていただけるのは本当に嬉しいというか、ホッとしたというのが正直なところです笑
アレンジについてはクニモンド氏より「例えば誰々の何々風なライン」というイメージを聞きました。既にドラムパターンが決定していたので、そのイメージとドラムと歌メロのバランスを取って、自由に弾かせてもらいました。クニモンド氏の出したイメージについては、内緒にしておきます笑
書いた通り、素晴らしいベーシストが沢山いますので、もし、またチャンスをいただけたら、ということで気長にその時を待ちたいと思います。
ありがとうございました!